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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、大企業を中心とした底堅い設備投資動向や、雇用情勢の改善を背景にした個人消費の持ち直し傾向等から見て、全般的には緩やかな景気回復基調にあったものと考えられます。住宅販売・着工件数が横ばいに推移する等、昨年4月の消費税率引き上げの影響も経済の一部には残るものの、原油価格の下落や円安基調の定着もあり、年度末に向け第4四半期連結会計期間においては、生産や輸出といった企業活動にも改善の動きが見られる状況でありました。
 先行きにつきましては、米国における量的金融緩和の完了に向けた動きの影響や、新興国・資源国経済の動向等懸念材料はあるものの、日銀短観において企業の景況感が回復基調を示すとともに、家計部門においても、多くの業界において、ベースアップが決定され、所得環境の着実な改善が見込まれる等、景気の自律回復に向けた動きが顕在化しつつある状況です。金融政策を含む政府・日本銀行の各種経済対策の効果も伴って、景気の回復基調は今後も継続するものと考えられます。
 
 このような環境の下、ITサービス市場においては、顧客企業のIT投資意欲が様々な業界において回復傾向を示すとともに、金融業・製造業・通信業等の業界においては、顧客企業の旺盛なIT投資需要が顕在化しておりました。
 金融業においては、大手銀行他の各種業務システムの開発需要や銀行業・証券業他の制度改正に対応するシステムの改変需要等、ITシステム投資が拡大基調にありました。
 また、製造業においても、自動車・電子部品等一部の業界において、ITシステムの更新投資に加えて、生産・販売活動の強化やグローバル化対応等の顧客企業の戦略的なIT投資需要が徐々にではあるものの顕在化する状況にありました。
 併せて、ITインフラの再構築を検討する企業も多く、一層の業務効率化・生産性向上を目的としたクラウド型のITインフラサービス需要が大きく伸びるとともに、BCP(事業継続計画)・ディザスターリカバリー(災害復旧)対策も併せて検討した上でのデータセンターサービスの利用ニーズも拡大いたしました。

 

当連結会計年度の業績につきましては、売上高は、製造業・金融業・通信業顧客他のIT投資需要の高まりを背景にシステム開発事業やクラウド他の各種ITマネジメントサービス事業が順調に進捗し、前期比3.3%増の297,633百万円となりました。営業利益は、増収に伴う増益に加えて、業務効率化の進捗や不採算案件の減少による利益率向上もあり、前期比16.8%増の28,003百万円となりました。経常利益は、営業増益に加えて一部投資有価証券の売却益計上もあり、前期比19.4%増の30,667百万円となりました。当期純利益は、営業利益・経常利益増といった経常収益増に対し、オフィス移転関連費用等の特別損失の計上及び法人税制改正に伴う繰延税金資産の一部取り崩し等の一時的な損失・税金費用計上があり、前期比15.0%減の15,638百万円となりました。

 

 

セグメント別業績の概要は次のとおりとなっております。なお、売上高については外部顧客への売上高を表示しております。

                                            (単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比

(

自 平成25年4月1日

 

(

自 平成26年4月1日

 

 

至 平成26年3月31日

)

 

至 平成27年3月31日

)

売上高

セグメント
利益

売上高

セグメント
利益

売上高

セグメント
利益

産業システム

 

68,847

5,476

 

 

72,398

6,711

 

 

3,550

1,235

 

金融システム

 

55,176

5,879

 

 

55,416

6,550

 

 

240

670

 

グローバル
    システム

 

13,922

1,956

 

 

12,889

1,750

 

 

△1,033

△206

 

ソリューション

 

15,947

1,543

 

 

14,386

1,652

 

 

△1,561

108

 

ビジネスサービス

 

31,854

1,524

 

 

33,732

2,113

 

 

1,878

588

 

ITマネジメント

 

37,358

3,889

 

 

39,867

4,945

 

 

2,509

1,055

 

プラットフォーム
  ソリューション

 

61,293

4,445

 

 

64,790

5,147

 

 

3,497

701

 

プリペイドカード

 

3,042

148

 

 

3,378

265

 

 

335

116

 

その他

 

793

265

 

 

774

325

 

 

△19

59

 

調整額

 

△1,155

 

 

△1,458

 

 

△302

 

合  計

 

288,236

23,974

 

 

297,633

28,003

 

 

9,397

4,028

 

 

 

 

 

(産業システム)

通信業向け及び自動車をはじめとした製造業向け案件他の拡大により、売上高は前期比5.2%増の72,398百万円、セグメント利益は前期比22.6%増の6,711百万円となりました。

 

(金融システム)

昨年度の保険業向け等大型案件の反動減を、今年度における銀行業及び証券業向けシステム開発案件の新規獲得等により吸収し、売上高は前期比0.4%増の55,416百万円、セグメント利益は前期比11.4%増の6,550百万円となりました。

 

(グローバルシステム)

昨年度の流通業向け大型システム開発案件の反動減により、売上高は前期比7.4%減の12,889百万円、セグメント利益は前期比10.6%減の1,750百万円となりました。

 

(ソリューション)

昨年度の複数のERP導入案件が完了したことによる反動減により、売上高は前期比9.8%減の14,386百万円となりましたが、経費効率化の効果等により、セグメント利益は前期比7.0%増の1,652百万円となりました。

 

(ビジネスサービス)

製造業向け製品サポート業務他の堅調な推移により、売上高は前期比5.9%増の33,732百万円、セグメント利益は前期比38.6%増の2,113百万円となりました。

 

(ITマネジメント)

堅調な顧客企業のITインフラ再構築需要を背景とする各種クラウドサービスの拡大や、製造業向け大型ITインフラ保守案件の立ち上がり等により、売上高は前期比6.7%増の39,867百万円、セグメント利益は前期比27.1%増の4,945百万円となりました。

 

(プラットフォームソリューション)

通信業向けITプロダクト販売の増加により、売上高は前期比5.7%増の64,790百万円、セグメント利益は前期比15.8%増の5,147百万円となりました。

 

(プリペイドカード)

プリペイドカードの発行・精算及び関連ビジネスは堅調に推移し、売上高は前期比11.0%増の3,378百万円、セグメント利益は前期比78.6%増の265百万円となりました。

 

(その他)

売上高(保有施設の賃貸収入等)は前期比2.4%減の774百万円、セグメント利益は前期比22.5%増の325百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ26,708百万円増加し、85,713百万円となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、増加した資金は29,707百万円(前年同期比5,635百万円減少)となりました。
主な増加要因は、税金等調整前当期純利益26,471百万円、減価償却費6,865百万円によるものであります。主な減少要因は、仕入債務の減少による資金の減少2,046百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、増加した資金は5,166百万円(前年同期比31,211百万円増加)となりました。
主な増加要因は、預け金の払戻18,000百万円、有価証券の償還3,100百万円によるものであります。主な減少要因は、有形固定資産の取得10,796百万円、無形固定資産の取得3,108百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、減少した資金は8,395百万円(前年同期比25,343百万円増加)となりました。
主な減少要因は、長短借入金の返済による資金の減少(純額)2,000百万円、平成26年3月期期末配当金(1株当たり20円)2,079百万円及び平成27年3月期中間配当金(1株当たり25円)2,599百万円の支払によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

産業システム

71,221

+1.9

金融システム

55,078

+0.3

グローバルシステム

12,890

△7.5

ソリューション

14,391

△9.5

ビジネスサービス

33,745

+5.9

ITマネジメント

39,864

+6.7

プラットフォームソリューション

64,783

+5.7

その他

718

△11.4

合計

292,693

+2.4

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は販売価格によっております。

3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

産業システム

74,665

+9.2

25,315

+9.8

金融システム

59,537

+10.9

13,924

+42.0

グローバルシステム

13,111

△7.5

6,242

+3.7

ソリューション

15,624

+3.8

5,147

+31.7

ビジネスサービス

34,255

△1.7

16,402

+3.3

ITマネジメント

41,515

+9.9

23,356

+7.6

プラットフォームソリューション

67,388

+10.3

15,003

+20.9

その他

725

+3.6

650

△7.1

合計

306,823

+7.4

106,043

+13.4

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

産業システム

72,398

+5.2

金融システム

55,416

+0.4

グローバルシステム

12,889

△7.4

ソリューション

14,386

△9.8

ビジネスサービス

33,732

+5.9

ITマネジメント

39,867

+6.7

プラットフォームソリューション

64,790

+5.7

プリペイドカード

3,378

+11.0

その他

774

△2.4

合計

297,633

+3.3

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績(直接販売)及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

住友商事㈱

16,051

5.6

14,856

5.0

 

3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

4 各報告セグメントの概要につきましては、「第5 経理の状況 1 [連結財務諸表等] (1) [連結財務諸
表] 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報」の「1 報告セグメントの概要」をご参照ください。 

 

 

また、生産実績・受注実績・販売実績について、サービス特性により分類したシステム開発、保守運用・サービス、システム販売等に分類すると、次のとおりであります。

(1) 生産実績

 

生産高(百万円)

前期比(%)

システム開発

116,554

△1.7

保守運用・サービス

110,536

+2.7

システム販売

65,602

+9.8

合計

292,693

+2.4

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

上記各区分の概要は以下のとおりであります。

 

システム開発

広範な業種の顧客に対する、最新の情報通信技術と長年蓄積された豊富な業務ノウハウによる、一貫した信頼性の高いトータルソリューションサービスの提供

保守運用・サービス

専用データセンターの構築・運営管理並びに、長年の経験と培われたノウハウ、「ISO9001」をベースにした運用管理技術による、安全で、信頼性の高いコンピュータ、通信ネットワークシステムの保守・運用サービスなどの提供

システム販売

各メーカーの各種サーバ、クライアント機器、ストレージ機器、通信ネットワーク関連機器及びパッケージ・ソフトウェア商品等を組み合わせたソリューションの提供

 

(2) 受注実績

 

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

システム開発

121,206

+5.4

23,635

+16.6

保守運用・サービス

118,409

+8.2

74,156

+11.6

システム販売

67,207

+9.9

8,251

+22.5

合計

306,823

+7.4

106,043

+13.4

 

(注)  上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

 

販売高(百万円)

前期比(%)

システム開発

117,843

+0.2

保守運用・サービス

110,720

+2.9

システム販売

65,691

+9.5

プリペイドカード

3,378

+11.0

合計

297,633

+3.3

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

(1)事業環境の見通し

わが国の経済動向は、原油価格の下落や生産の回復などを受けた企業業績の改善とともに労働環境、所得環境の改善が進む等、緩やかな回復傾向が続いております。

これらの景況感を背景に、金融業や製造業を中心とした設備投資は継続的な回復基調にあるとみられ、各種システム開発やクラウド型ITサービス、アウトソーシングの需要拡大、金融機関や官公庁関連での各種制度対応に関わる投資等、IT投資についても引き続き緩やかな拡大基調が続くものと考えられます。

このような中、企業のIT投資ニーズは、コスト削減、効率化を主たる目的とした投資ニーズに加え、自社の競争優位を確立するための戦略的IT投資への取り組みが拡大しつつあります。加えて、クラウドサービスの浸透に伴うITシステムの「所有」から「利用」へのパラダイムシフト、グローバルベースでのシステム共通化、最適化や本社サイドのガバナンス強化といった観点でのグローバルIT投資の拡大、さらにはビッグデータの活用などにより一層多様化してきております。

これら顧客企業のニーズの多様化に適応し、顧客企業の事業戦略に対してITを通じて支援するNo.1パートナーとして、より付加価値の高いサービスを、満足いただける品質で提供し続けられるかどうかが、ITサービス業界での競争優位性を決定付ける最大の要因と捉えております。今までITサービスの中心であった、受託型や労働集約型に代表される従来型のビジネスモデルからの構造変化をとらえて、自社の提供するサービスや商品を迅速に強化していく全社的、戦略的な取り組みが求められております。

 

(2)中期的な経営課題/経営戦略

このような環境の中、当社は、顧客企業のさまざまなビジネス上の課題を解決すべく、顧客企業のニーズを的確に捉え、最適なサービスを提供すること、また、ITを通して新たな価値を生み出すことで持続的な成長を目指しております。

当社は平成23年10月に(株)CSKと合併し、SCSK(株)として平成27年3月期を最終年度とする、3か年の中期経営計画を掲げて新たなスタートを切りました。以降、基本戦略である「クロスセルの推進」、「グローバル関連ビジネスの拡大」、「クラウド関連ビジネスの拡充」の推進を通じた事業基盤の強化、拡充を行うとともに、組織や機能の融合、統合を積極的に推し進め、事業や業務の効率化にも取り組んできた結果、中期経営計画における経営目標を達成し、経営基盤を強化することができました。

平成27年4月に発表した新たな中期経営計画においては、本計画期間を当社が業界トップクラスの企業へ向かう第2ステージと位置付け、合併以降築き上げた高い収益性を成長の基盤として、ダイナミックな成長戦略を策定、実行してまいります。

また、中期的成長に向けた基本戦略として、①「サービス提供型ビジネスへのシフト」、②「時代の変化を捉えた戦略的事業の推進」、③「グローバル展開 第2ステージ」、の3つを定めるとともに、経営基盤のさらなる強化に向けて、システム開発における業務クオリティの向上や、ワークスタイルの改革を通じた業務効率向上をはじめとする戦略を発表いたしました。

今後、これらの戦略について、具体的施策をもって着実に推進してまいります。

 

① サービス提供型ビジネスへのシフト

ITサービス市場は、顧客ニーズの多様化や、システムの「所有」から「利用」へのパラダイムシフトなどを受けて、構造的な変化、すなわち、受託開発や労働集約型に代表される従来型のビジネスモデルから、サービス提供型のビジネスモデルへの変化が起こりつつあります。当社では、この構造変化を積極的な成長機会と捉え、サービス提供型ビジネスの拡大に向けた戦略的な取り組みを他社に先駆けて強力に推進します。蓄積した知的財産をベースに、SCSKならではのオリジナリティのある高付加価値サービスを創出し、顧客に長期間に渡り提供していくことで、競争力を高めてまいります。

具体的には、例えば、小売業や調剤薬局など流通業界の顧客向けに展開中の各種SaaS型アプリケーション、従量型ITインフラ提供サービスのUSiZE(ユーサイズ)、コンタクトセンターをはじめとする各種BPOサービスなど、既存のサービス提供型ビジネスの拡大を図るとともに、システム開発、インフラ、BPOを組み合わせた新たなサービスによる付加価値向上にも取り組んでまいります。

これらの取り組みを推進すべく、平成27年4月より、組織体制を顧客業種別(製造業、通信業、流通業、金融業)にシステム開発、インフラ構築、システム運用を一気通貫で提供できる体制に整え、高付加価値サービスの創出、顧客との長期安定的な関係を通じたビジネス拡大を図ってまいります。

 

② 時代の変化を捉えた戦略的事業の推進

当社が有する人的資源、技術的要素、或いは実績や培ったノウハウを活用することで、当社が強みを発揮できる領域や成長産業に対して、その将来性や成長性を見極めながら、経営リソースを重点配分し、戦略的事業として拡大に取り組んでまいります。

例えば、自動車業界向け車載システム領域については、自動車一台に必要とされるソフト開発は大量かつ高度なものとなり、かつ世界標準規格への準拠の流れが急速に進展しております。

そういった中、当社は世界標準規格に対応するBSWと言われる、車載ソフト開発におけるOS・ミドルウェアのトップベンダー・プロバイダーを目指し、要員体制を大幅に拡大するとともに、研究開発及び事業推進のために事業投資を積極的に推進してまいります。

また、大手金融機関向けグローバル領域についても、大手金融機関の中長期戦略やシステム投資の活発化を背景に、グローバル領域でのオペレーション強化、リソース戦略の推進などを通じ、戦略的に事業拡大を図ってまいります。

 

③ グローバル展開 第2ステージ

当社は、顧客企業の海外進出に伴うIT需要、すなわち、日本企業が、企業活動の場を国内中心としつつも海外に拡大していくという中で発生するITサービス需要の全てを「グレータージャパニーズマーケット」と定義しております。

当社は、これまで、住友商事グループをはじめ、多くの顧客企業のグローバル展開をIT面で支援してきた実績やノウハウを活かし、「グレータージャパニーズマーケット」に対し、日本流の高い品質基準で支援していくことをグローバル戦略として掲げ、売上高に占めるグローバルビジネスの比率を高めてまいりました。

新たな中期経営計画においては、このグローバル戦略を一層推し進めてまいります。これまでの取り組みに加え、車載システム事業や、大手金融機関向け事業など中期経営計画の基本戦略に掲げる「戦略的事業」を注力分野とし、この領域における海外現地向け体制を強化することで、グローバルビジネスのさらなる拡大に取り組んでまいります。

 

これら基本戦略の遂行と同時に、一層の経営基盤強化に向け、全社開発標準の推進やプロジェクトマネジメント力の強化を通じた業務クオリティの向上、オフィスの効率化や業務プロセスの改革による業務効率の向上といった施策に取り組んでまいります。

この他にも当社グループ全体の内部統制、リスク管理、コンプライアンス、セキュリティ管理をはじめとする社内管理体制の整備を継続して実施してまいります。

 

当社は、平成25年度から「スマートワーク・チャレンジ20」と銘打ち、社員が健康でやりがいをもって働くことで、生産性の高い創造性豊かな仕事をし、お客様や社会に高い付加価値を提供することを目的に、残業時間の低減と有給休暇の取得促進を中心にした働き方改革への取り組みを進めてまいりました。

加えて、ライフステージに合った働き方を進めるための裁量労働制、フレックスタイム制、在宅勤務制度や、育児・介護施策の充実、65歳完全雇用制度の導入を進めるとともに、有給休暇100%取得を目指し、有給休暇を全て取得した後に、病気や事故などの予期せぬ事態が生じた場合に取得可能なバックアップ休暇の導入や、年次有給休暇の計画的付与などを積極的に推進し、またこれら各種制度や施策に関して、組織や社員個人の達成度合い、すなわち働き方の改善度合いに応じて社員への還元を行う仕組みなどを導入し、成果を上げています。

また、女性人材の積極的活用も推進しており、キャリア支援プログラムを整備し、展開しております。平成30年には女性役員及びライン管理職を100人にする目標を設定し、各世代の女性社員の育成課題に応じた研修の実施等キャリア開発支援にも取り組んでいます。

これらの取り組みに対して、日本経済新聞社が実施した平成26年の「人を活かす会社」調査での総合ランキング1位をはじめ、公益社団法人企業情報化協会主催「IT賞」における「IT総合賞」、経済産業省主催平成25年度「ダイバーシティ経営企業100選」や、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定している平成26年度「健康経営銘柄」及び平成26年度「なでしこ銘柄」に選ばれるなど、各方面から評価をいただいております。

平成27年度からは、さらに働き方の改革を推進、定着させ、社員の「健康」を一層増進するために、社員一人ひとりが、残業手当を意識することなく、より一層、効率的で健康的な働き方を追求してもらうことを狙いとする人事制度の変更と、社員一人ひとりの健康維持や向上に必要な生活習慣の実践状況と、定期健康診断結果及びその改善状況をポイント化する新たな健康増進施策を導入しております。

当社は、これらの「働きやすい、やりがいのある会社」としての環境整備が社員のやる気を引き出し、それが好業績を生み、全てのステークホルダーに利益還元される好循環サイクルを生み出すとの考えに基づき、ワークライフバランス、ダイバーシティ、健康管理、人材育成の4つの観点において、制度・仕組みの整備を一層推進してまいります。

 

そして、これらの取り組みを通じて、経営理念である「夢ある未来を、共に創る」の実現を目指してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業(経営成績と財政状態)に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

①事業環境リスク

当社グループが属する情報サービス業界においては、ITサービス専業の企業間の競争はもとより、ITハードベンダーのITサービス分野への注力、あるいは海外の企業との競合など業界の競争環境は激化しております。このような環境の下、事業環境の変化等により顧客企業のIT投資ニーズが急速かつ大きく変化した場合や、業界内部での価格競争が現状を大幅に超える水準で継続した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、様々な業種・業態の顧客企業に各種ITサービスを提供しておりますが、顧客企業におけるIT投資の実行時期・実行規模は、経済環境、金利・為替動向等に直接・間接に影響を受け、加えて、プリペイドカード事業では、他の決済手段との競合等が発生した場合には、それらの結果、当社グループの業績も影響を受ける可能性があります。

 

②システム開発リスク

当社グループは、顧客企業の各種情報システムの受託開発業務を行っておりますが、複雑化・短納期化するシステムの開発においては、計画通りの品質を確保できない場合や、開発期間内に完了しないことによるコスト増大の可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、生産能力の確保、コストの効率化、技術力・ノウハウ活用のためにオフショアを含む多数の業務委託会社を活用しておりますが、期待した生産性や品質が維持できない可能性があります。

このため、当社グループでは、専門部署による引合い・見積り段階でのチェックや案件の進捗管理、品質チェックの実施、さらには業務委託会社の総合的審査の実施や委託業務の進捗及び品質管理の徹底により、納入するシステム全体に、予定しない不具合が生じないよう組織的に努力し、リスクの低減に努めております。

 

③技術革新への対応に伴うリスク

当社グループが属する情報サービス業界は技術革新が激しいことから、当社グループが現在保有する技術・技能・ノウハウ等が陳腐化する可能性があります。また、当社グループの収益の源泉である顧客企業向けシステム構築やサービスに提供するソフトウェア・ハードウェア等の製品が、業界の技術標準の急速な変化により、その技術優位性あるいは価格優位性を失う可能性があります。したがって、当社グループが業界の技術変化の方向性を予測・認識できない場合や、予測しえても適切に対応できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、技術革新に適時・的確に対応するために、従業員の有する能力を高め、新しい技術の組織的発掘及び習得を推進しております。また、システム構築やサービス提供にかかる技術力・製品調達力において分散化を図ると同時に、特定の技術・ノウハウ・製品に過度の収益を依存することなく、ビジネスを推進しております。

 

④情報セキュリティリスク

当社グループでは、システム開発時から運用段階に至るまで、業務上、顧客企業が保有する個人情報や顧客企業のシステム技術情報等の各種機密情報を知り得る場合があります。コンピュータウイルス、不正アクセス、人為的過失、あるいは顧客システムの運用障害、その他の理由により、これら機密情報の漏洩や改竄等が発生した場合、顧客企業等からの損害賠償請求や当社グループの信用失墜の事態を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、コンプライアンスの徹底を図るとともに、物理的なセキュリティ対策を強化し、さらには各種機密情報を取り扱う業務委託会社も含めて、啓蒙と教育を徹底する等の情報セキュリティ強化策を講じております。なお、業務委託会社には必要に応じたオンサイトレビュー実施等を通じて、当社グループと同レベルの情報セキュリティの確保と情報管理の徹底を図っております。

 

⑤投資リスク

当社グループでは、ソリューション提供力強化、生産能力確保、最先端分野における技術力獲得・向上、最新のソフトウェア・ハードウェア等の製品調達力確保等を目的に国内外の事業会社やベンチャー企業への出資、融資等の信用供与、これら企業からの試作製品の購入を行っております。また重点分野や新規分野におけるパッケージソフト開発やサービス開発のための投資を行っております。こうした投資は事業投資先の業績悪化や計画未達成等のため、当初見込んだリターンが得られない、もしくは損失を被り、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、投資に際しては、事業投資先や投資に伴う事業計画、リスク・リターン等について十分に検討し、また、投資後であっても、計画進捗のチェックやモニタリングを行う等リスク管理体制を整えております。

 

⑥訴訟リスク

当社グループでは、当社グループ以外の開発・製造によるソフトウェア・ハードウェア等の製品を多数の顧客企業に対し販売・納入しており、これらの事業活動に関連して第三者が知的財産権の侵害を含む訴訟等を提起する可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦退職給付会計における確定給付型年金資産及び基礎率の変動リスク

当社グループの企業年金基金の年金資産は、運用成績により増減します。また、退職給付会計における退職給付債務計算の要素の一つである基礎率は、企業年金基金における加入人員の加齢、入退社等により変動します。年金資産及び基礎率は、必ずしも当社の経営努力だけでは管理できない要因により変動する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧繰延税金資産の回収可能性に関するリスク

当社グループでは、営業取引を源泉とした課税所得による回収を見込んで繰延税金資産を計上しております。しかし、経営成績が想定している計画を下回り、回収可能性に疑義が生じた場合や、税率の変更を含む税制改正等があった場合は、繰延税金資産の取崩しが必要となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨固定資産の減損リスク

当社グループは、当連結会計年度末において、帳簿価額44,401百万円の土地・建物等を保有しており、オフィス(賃貸用オフィスを含む)・データセンター・寮・社宅等として使用しております。データセンター、賃貸用オフィスはそれぞれが属する事業セグメントに、その他の資産は全社共用資産に区分しており、地価の動向や当社グループの収益の状況によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩製品調達リスク

当社グループでは国内外のベンダー各社から、幅広く選りすぐりのソフトウェア・ハードウェア等の製品を調達して顧客企業に提供しておりますが、これらベンダー各社の事業戦略の突然の変更による製品仕様の変更・製品供給の停止等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、海外拠点・ネットワークを活用して海外製品の発掘・調達、技術動向の掌握に努めている他、国内外のベンダー各社とは事業戦略を共有しつつ、その動向把握と安定的な製品調達を図っております。

 

⑪貸倒リスク

当社グループは、多くの顧客企業に製品販売、システム開発受託、サービス提供を行っております。多くの取引は代金回収が事後となるため、顧客企業の財政状態の悪化が当社債権の回収遅延、回収困難をもたらし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、事業部門から独立して与信管理並びに顧客企業の信用状況のチェックや適切な与信枠の設定を行うとともに、債権の滞留状況・回収状況の定期的モニタリングを実施しております。また、必要に応じて貸倒引当金の計上等、必要な会計上の対応を行っております。

 

⑫大規模な自然災害等によるリスク

当社グループは、本社を含めた多くの拠点並びに資産が大都市圏に集中しており、首都直下型地震や南海トラフ地震等の大規模震災をはじめとする自然災害及び世界的な流行が懸念される新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、不測の事態の発生に備え、事業継続計画の策定や災害対策本部の整備、経営機能を代行可能なバックアップ拠点の整備等、事業継続のための体制強化を図っております。

 

⑬人材の確保・育成に関するリスク

当社グループの事業活動は人材に大きく依存しており、人材の確保・育成が想定通りに進まない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、ワークライフバランス、ダイバーシティ、健康管理、人材育成の4つの観点において環境整備を図りながら、各事業領域において優秀な人材を確保・育成することに注力しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社では、国内はもとより欧米・アジアの各拠点を含む関係会社と一体となりグローバルな視点から最新のIT動向を鋭敏に捉え、市場創造に向けて当社グループ全体で最新技術の導入と技術レベルの高度化・充実を図るべく、研究開発活動を推進しております。

また、先端・先進技術を確実に取り入れ、より最適な次世代のソリューションやサービスを早期に実現するために、中期的な技術戦略に基づいた各施策を推進しております。

① 車載システム開発の変化に対する取組み

近年、自動車を取り巻く環境は大きく変化し、環境面への配慮や衝突被害軽減・駐車支援などにおける情報通信技術の取込みなど自動車に搭載される機能は年々高度化しています。
 このような機能を実現するためのECU(電子制御ユニット)の数や車載システムの複雑さ、開発規模は大幅に増大しており、加えて、機能安全やセキュリティに関わる新たな基準への対応が求められるなど、車載システムを安全かつ効率的に開発することが大きな課題になっています。
 当社では、車載システムへの取組みを成長戦略の一つに位置付け、自動車に求められる高いレベルの品質(快適性・安全性・環境性・信頼性)を実現する車載ECUシステムを効率的かつ高品質に開発するために、次の分野を軸に、車載IT企業数社とも提携した技術開発に継続的に取り組んでいます。
・AUTOSARや機能安全要求(ISO26262)などの標準規格に準拠した独自ベーシックソフトウェアによる高品質の実現
・開発、テスト工程の自動化による開発コスト削減の実現
・ベーシックソフトウェアと開発ツールで生産性の高い開発プロセスを構築し開発期間短縮を実現

 

② プロジェクト・パフォーマンス向上や変化に対応する迅速・柔軟なシステムの実現に向けた取組み

システムの運用を安定させTCOを低減させることに加え、環境変化に迅速に対応できる柔軟なシステムを実現することは、事業価値を最大化させるためにも企業経営にとって重要な課題となっています。
 当社では、長年にわたって培ったノウハウを集約し、企業システムの戦略・企画から開発・運用に至るまでのライフサイクルを一貫して実行できるプロセスモデルと、ビジネスプロセスやルールの変化にも容易に対応できるアーキテクチャ(実現方式)とを合わせた技術標準を開発・展開しており、お客様のシステム化ニーズに確実に応える取組みを継続的に推進しています。
 更に、このような技術標準に基づいた仕組みを一歩前に進め、開発プロジェクトや運用サービスのパフォーマンスを向上させるための研究開発も推進しており、高速開発や自動化を始め、開発・運用環境のクラウド・サービス対応にも取り組んでいます。
 一方で、スマートフォンやタブレット端末、更にはウェアラブル端末などの登場によるユーザ環境の変化、クラウド・サービスを取り込んだシステム基盤環境の変化といったように、企業システムに適用される技術要素やアーキテクチャは大きく変わり始めています。企業のIT環境にはこのような新たな技術の利用が欠かせない状況になりつつあり、当社ではお客様のシステムを確実に実現するために、その技術要素やアーキテクチャ技術についての調査・研究も行っています。

 

③ システム基盤技術の進化・最適化に対する取組み

企業IT環境の『所有』から『利用』への流れもあり、多くの企業がクラウド・サービスの利用を前提としたシステム環境の整備へと舵を切っています。また、サイバー攻撃をはじめ企業システムが対処しなければならないセキュリティ上の問題など、システム基盤技術に求められる要求は益々高まっています。
 当社では、企業IT環境を支えるシステム基盤をハードウェア、データベース等のミドルウェア、ネットワーク、セキュリティ、運用管理等の幾つかの分野で捉え、新たな要素技術やプロダクトの評価・選定、更にはこれらを組み合せての検証を行っています。検証においては、信頼性・可用性・拡張性・運用性及びパフォーマンスの観点を重視し、常に最新技術を見据えた最適なシステム構成をお客様に提供する為の技術追求を行っています。
 また、システム基盤技術領域においてはOSS(オープンソース・ソフトウェア)が重要なポジションにあり、お客様のニーズにより的確に応えるサービスを実現する手段の一つとしてOSSを念頭に置き、継続的な調査並びに評価・検証を実施しています。

 

④ 新たなICT環境への取組み

クラウド・コンピューティングに端を発した技術進化は、“Internet of Things”で代表されるようにあらゆるものがインターネットを始めとするITネットワークで繋がるシステム環境を生み出し、今や消費者の日常生活や企業活動にとって不可欠な社会インフラとなっています。
 その中で、データ処理の高度化、近距離通信などのネットワーク技術の進化、更には新たなインターフェースとしてのウェアラブル端末やセンサーの利用などがICT環境の変革に拍車をかけています。
 過去にインターネットの普及が企業システムを大きく変革させビジネス機会を創出したように、この新たなICT環境が再び企業にとっての大きな転換と成長をもたらす可能性を秘めており、多くの企業が活発に技術開発に取り組んでいます。
 当社も、“Internet of Things”の生み出しうる価値に着目し、ビッグデータやデバイス等の新たなICT環境を実現する技術、またその環境でのみ実現されるアプリケーション・システムについて調査・研究を行っています。

なお、当連結会計年度の研究開発費は、267百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠し作成しております。

この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与える見積り及び判断を必要としております。当社は過去の実績、または、現在の状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。客観的な判断材料が十分でない場合は、このような見積りを判断の基礎としております。従って、異なる前提条件の下においては、結果が異なる場合があります。

当社グループは、特に以下の会計方針が連結財務諸表の作成において重要な判断と見積りに影響を及ぼすと考えております。

 

① たな卸資産の評価

当社グループのたな卸資産は主に仕掛品と商品に区分されます。

仕掛品の評価については、「工事契約に関する会計基準及び適用指針」を適用し、商品の評価については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」を適用し、収益性の低下に基づく簿価切り下げ方法により適切に処理しております。

 

② 繰延税金資産

当社グループは、財務諸表と税務上の資産負債との間に生ずる一時的な差異に関わる税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して繰延税金資産を計上しております。また、繰延税金資産については将来の課税所得の見積額に基づき合理的に回収可能な金額を算出し、それを限度として計上しております。
  また、連結納税制度を採用しており、これに沿った会計処理を行っております。

 

③ 貸倒引当金

当社グループは、過去の貸倒実績率に基づき一般債権に対する貸倒引当金を算定しております。また、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を判断し、回収不能見込額を貸倒引当金として追加計上しております。

 

④ 市場販売目的のソフトウェアの償却

当社グループは、市場販売目的のソフトウェアの償却は、見込販売収益に基づく償却額と、残存有効期間(3年以内)に基づく均等配分額とを比較し、いずれか大きい額を償却費として計上しております。

 

⑤ 投資の減損

当社グループでは、投資有価証券を保有しており、時価のある有価証券については時価法を、時価のない有価証券については原価法を採用しております。時価のある有価証券については、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30%から50%程度下落し回復の見込みが無いと判断される場合は、当該時価まで減損処理を行っております。非上場株式等、時価のない有価証券については、実質価額を業績の状況等をもとに評価した結果、減損処理が必要と判断される場合には、実質価額まで減損処理を行っております。当連結会計年度においては、これらの基準に基づき、保有投資有価証券の減損の要否を判定した結果、2銘柄について減損を認識する必要があると判断し、減損処理を行いました。

 

⑥ 退職給付費用と退職給付に係る負債及び退職給付引当金

当社グループでは、従業員の退職給付費用、退職給付に係る負債及び退職給付引当金は、保険数理計算により算出される退職給付債務(一部の国内子会社は簡便法)に基づき計上しております。退職給付債務の割引率は、安全性の高い長期債券(AA格社債)の期末時点における利回りを基に決定しており、この割引率により将来債務の割引計算を行っております。

 

⑦ 固定資産の減損に係る会計処理

当社グループでは、「固定資産の減損に係る会計基準及び適用指針」に基づき、固定資産の減損処理の要否を判定しております。

 

⑧ 工事契約に関する会計処理

当社グループでは、請負工事に係る収益の計上基準については、「工事契約に関する会計基準及び適用指針」を適用しており、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる契約については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の契約については工事完成基準を適用しております。

また、損失の発生が見込まれる工事契約について、将来の損失に備えるため、その損失見込額を工事損失引当金として計上しております。

 

(2)経営成績

① 売上高

当連結会計年度の業績につきましては、売上高は、製造業・金融業・通信業顧客他のIT投資需要の高まりを背景にシステム開発事業やクラウド他の各種ITマネジメントサービス事業が順調に進捗し、前期比3.3%増の297,633百万円となりました。

セグメント別業績については、「1 [業績等の概要]」をご参照ください。

また、サービス特性別の「システム開発」「保守運用・サービス」「システム販売」「プリペイドカード」の各売上区分別売上高は次のとおりであります。

 

売上区分別売上高

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比

(

自 平成25年4月1日

 

(

自 平成26年4月1日

 

 

至 平成26年3月31日

)

 

至 平成27年3月31日

)

金額

構成比

金額

構成比

金額

増減率

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

システム開発

 

117,597

 40.8

 

 

117,843

39.6

 

 

245

0.2

 

保守運用・サービス

 

107,577

 37.3

 

 

110,720

37.2

 

 

3,143

2.9

 

システム販売

 

60,019

20.8

 

 

65,691

22.1

 

 

5,672

9.5

 

プリペイドカード

 

3,042

1.1

 

 

3,378

 1.1

 

 

335

11.0

 

合  計

 

288,236

100.0

 

 

297,633

100.0

 

 

9,397

3.3

 

 

 

システム開発は、前連結会計年度において業績をけん引した保険業向け等大型統合案件の反動減があったものの、当連結会計年度における銀行業や証券業、通信業向け等の新規案件が順調に進捗したことにより売上高は前期比0.2%増の117,843百万円となりました。
 保守運用・サービスは、ITインフラ関連の各種クラウドサービスやデータセンター、ITマネジメントサービスに対する需要が極めて堅調であること、加えてモバイル端末需要増を背景とした各種BPOサービスが堅調ということもあり、売上高は前期比2.9%増の110,720百万円となりました。
 システム販売は、通信業向けネットワークIT機器に対する需要が高水準に推移したことにより、売上高は前期比9.5%増の65,691百万円となりました。
 プリペイドカードは、プリペイドカードの発行・精算及び関連ビジネスが堅調に推移し、売上高は前期比11.0%増の3,378百万円となりました。
 

 

② 売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、増収に伴う増益に加え、業務効率化による収益力の向上もあり、前期比5.4%増の72,469百万円となりました。

 

③ 販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費については、業務効率化等により、前期比0.6%減の44,466百万円となりました。

 

④ 営業利益

以上により、当連結会計年度の営業利益は、前期比16.8%増の28,003百万円となりました。

 

⑤ 営業外収益・営業外費用[純額]

当連結会計年度の営業外収益(費用)は、投資有価証券売却益の増加等により、前連結会計年度の1,715百万円の収益[純額]から948百万円増加し2,664百万円の収益[純額]となりました。

 

⑥ 経常利益

以上により、当連結会計年度の経常利益は、前期比19.4%増の30,667百万円となりました。

 

⑦ 特別損益[純額]

当連結会計年度の特別損益[純額]は4,196百万円の損失となりました。主な内訳は、移転関連費用2,595百万円、支払補償金1,111百万円、和解損失409百万円の計上によるものであります。

 

⑧ 税金等調整前当期純利益

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前期比36.0%増の26,471百万円となりました。

 

⑨ 法人税等

当連結会計年度の法人税等は、法人税制改正に伴う繰延税金資産の一部取り崩し等により、10,384百万円(前期803百万円)となりました。

 

⑩ 少数株主損益

当連結会計年度の少数株主利益は、448百万円となりました。

 

⑪ 当期純利益

税金等調整後の当期純利益は、前期比15.0%減の15,638百万円となりました。また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の177.26円から26.55円減少し150.71円となりました。

 

 

(3)財政状態

① 資産、負債及び純資産の状況
(資産の部)

当連結会計年度末の資産の部は、前連結会計年度末に対し16,357百万円増加し、334,290百万円となりました。

 

(a) 流動資産

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に対し12,547百万円増加し、223,444百万円となりました。

 

(b) 固定資産

当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に対し3,809百万円増加し、110,845百万円となりました。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債の部は、前連結会計年度末に対し3,980百万円増加し、195,753百万円となりました。

 

(a) 流動負債

当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に対し15,274百万円増加し、160,799百万円となりました。

 

(b) 固定負債

当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に対し11,294百万円減少し、34,954百万円となりました。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産の部は、前連結会計年度末に対し12,376百万円増加し、138,536百万円となりました。

総資産に占める自己資本比率は39.6%となり、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末より115.08円増加し1,276.37円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

 





出典: SCSK株式会社、2015-03-31 期 有価証券報告書