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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による各種経済対策や日本銀行による金融緩和策・金利政策を背景に、緩やかな回復基調が続いていたものと考えられます。
 具体的には、生産活動が持ち直す中、企業収益は改善しており、また、雇用情勢の改善、実質総雇用者所得の緩やかな増加もあり、景気動向は総じて改善基調にあったものと判断しております。
 景気の先行きにつきましては、足元においても雇用・所得環境の改善が続く中、これまでの回復基調が今後も継続するものと期待しております。ただし、予測の難しい米国新政権の政策運営をはじめとして、中東・東アジア地域における地政学上のリスク、さらには、英国のEU離脱問題やアジア他の新興国・資源国における景気下振れ懸念等、世界の政治経済情勢における先行き不透明感が拭いきれない状況が続いており、今後慎重な景気動向判断が求められる状況にあると考えております。
 
 このような経済環境の下、ITサービス市場においては、顧客企業における生産性向上や効率化を目的とした従来型の更新投資需要に加え、戦略的事業の強化や競争優位性の確保といった、いわゆる戦略的IT投資需要が高まってきており、全般的にIT投資需要は増加基調にあったものと考えられます。
 製造業においては、今後本格的な普及期を迎えると予想されるIoTへの対応や戦略的なグローバル化対応、さらには、より高度化する製品開発時の製品検証や製品サービスに対するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービス等、また、流通業においては、デジタルマーケティング強化・オムニチャネル化に向けてのEC・CRM領域やビッグデータ分析関連の投資等、戦略的なIT投資及びITサービス需要が増加基調にあり、ディールフローは堅調に推移しております。
 金融業においては、銀行業や保険業等の大手金融機関を中心に、事業強化・業務効率化を目的にした業務システム再構築意欲は堅調であり、また、競争力強化を目的とする、例えば、FinTech・AI等の新しいIT技術を活用したリテールビジネスの開拓や決済システム高度化に向けた対応等、システム開発を中心にIT投資需要が順調に増加しております。
 加えて、顧客企業経営層の事業強化・業務効率向上に対しての強い意欲、顧客企業のIT人材不足を背景に、IaaS・PaaS他のITインフラ領域での各種クラウド型ITサービスへの需要、さらには、まだ一部ではありますが、業務システム領域での各種ITサービス需要が増加基調にあったものと考えております。
 

 

当連結会計年度の業績につきまして、売上高は、証券業顧客向けのシステム開発や通信業顧客向けのシステム販売案件といった大型案件の反動減影響があったものの、製造業及び金融業顧客向けのシステム開発需要が堅調に推移し、また、保守運用・サービス売上高が製造業や流通業、金融業顧客向けを中心に増加したこと等により、前期比1.7%増の329,303百万円となりました。
 営業利益は、外形標準課税や退職給付費用の増加といった制度的・環境的要因による費用増、さらには事業投資関連の費用増加等各種費用増があったものの、増収による増益に加え、業務品質向上・効率化施策の着実な遂行による開発生産性の向上等もあり、前期比6.1%増の33,714百万円となりました。
 経常利益は、営業利益の増加・投資収益の計上等により、前期比7.5%増の36,121百万円となり、また、親会社株主に帰属する当期純利益は、営業収益等の増加に加えて、各種投資収益及び税効果の計上もあり、前期比5.6%増の28,458百万円となりました。
 

 

 

セグメント別業績の概要は次のとおりとなっております。なお、売上高については外部顧客への売上高を表示しております。

                                            (単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比

(

自 平成27年4月1日

 

(

自 平成28年4月1日

 

 

至 平成28年3月31日

)

 

至 平成29年3月31日

)

売上高

セグメント
利益

売上高

セグメント
利益

売上高

セグメント
利益

製造システム

 

40,481

3,001

 

 

42,694

3,290

 

 

2,212

288

 

通信システム

 

24,545

4,212

 

 

26,248

5,206

 

 

1,703

993

 

流通システム

 

48,577

6,822

 

 

48,280

7,133

 

 

△297

310

 

金融システム

 

70,887

8,359

 

 

70,529

7,296

 

 

△358

△1,063

 

ソリューション

 

19,052

1,592

 

 

19,289

2,087

 

 

237

494

 

ビジネスサービス

 

39,273

2,840

 

 

42,811

3,303

 

 

3,538

462

 

プラットフォーム
  ソリューション

 

77,135

6,316

 

 

75,379

7,138

 

 

△1,755

822

 

プリペイドカード

 

3,217

225

 

 

3,302

278

 

 

85

53

 

その他

 

774

313

 

 

766

260

 

 

△8

△53

 

調整額

 

△1,898

 

 

△2,278

 

 

△379

 

合  計

 

323,945

31,785

 

 

329,303

33,714

 

 

5,358

1,928

 

 

 

 

 

(製造システム)

自動車及び電子部品メーカー向け案件等が第3四半期に引き続いて堅調に推移し、売上高は前期比5.5%増の42,694百万円、セグメント利益は前期比9.6%増の3,290百万円となりました。

 

(通信システム)

大手通信キャリア向け他のシステム開発案件等が堅調に推移し、売上高は前期比6.9%増の26,248百万円、セグメント利益は前期比23.6%増の5,206百万円となりました。

 

(流通システム)

前期からの中小型のシステム開発案件が複数完了したことによる反動減もあり、売上高は前期比0.6%減の48,280百万円となりましたが、不採算案件の減少等による収益性の改善により、セグメント利益は前期比4.6%増の7,133百万円となりました。

 

(金融システム)

銀行業・保険業向け等堅調でありましたが、証券業向け大型案件の反動減があり、売上高は前期並みの70,529百万円、セグメント利益は、前期に収益性の高い案件があったことに加え、当期の新規事業立ち上げや採算低下・不採算案件の影響等により、前期比12.7%減の7,296百万円となりました。

 

(ソリューション)

ERP関連案件が堅調に推移し、売上高は前期比1.2%増の19,289百万円となりました。セグメント利益は、生産性が改善したこと、また当期案件の収益性が比較的高かったこと等により、前期比31.0%増の2,087百万円となりました。

 

 

(ビジネスサービス)

製造業向けにおける製品サポートや製品検証、流通業向け各種アウトソーシングサービスに対するニーズ等、各種BPO関連のサービス需要は強く、売上高は前期比9.0%増の42,811百万円、セグメント利益は前期比16.3%増の3,303百万円となりました。

 

(プラットフォームソリューション)

売上高は、通信業顧客向け大型案件の反動減影響により、前期比2.3%減の75,379百万円となりましたが、セグメント利益は、一部のITプロダクト販売事業の利益率改善等もあり、前期比13.0%増の7,138百万円となりました。

 

(プリペイドカード)

プリペイドカードの発行及び関連ビジネスが堅調に推移し、売上高は前期比2.6%増の3,302百万円、セグメント利益は前期比23.5%増の278百万円となりました。

 

(その他)

売上高(保有施設の賃貸収入等)は、前期比1.0%減の766百万円、セグメント利益は前期比16.9%減の260百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ25,489百万円増加し、123,935百万円となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、増加した資金は37,161百万円(前期比2,431百万円増加)となりました。
主な増加要因は、税金等調整前当期純利益35,827百万円、減価償却費8,972百万円、仕入債務の増加による資金の増加1,689百万円によるものであります。主な減少要因は、差入保証金の増加による資金の減少7,927百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、減少した資金は11,982百万円(前期比2,509百万円減少)となりました。
主な減少要因は、有形固定資産の取得7,876百万円、無形固定資産の取得6,725百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、増加した資金は476百万円(前期比12,815百万円増加)となりました。
主な増加要因は、社債の発行による収入10,000百万円によるものであります。主な減少要因は、平成28年3月期期末配当金(1株当たり40円)4,160百万円及び平成29年3月期中間配当金(1株当たり42.5円)4,421百万円の支払によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

製造システム

42,686

+5.4

通信システム

26,249

+7.5

流通システム

48,286

△0.7

金融システム

70,170

△1.6

ソリューション

19,263

+1.3

ビジネスサービス

42,812

+8.9

プラットフォームソリューション

75,386

△2.3

その他

755

△0.1

合計

325,612

+1.4

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は販売価格によっております。

3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

製造システム

41,602

+5.5

14,470

△7.2

通信システム

26,995

+6.6

12,170

+6.7

流通システム

49,763

+2.4

24,883

+7.0

金融システム

70,178

△4.2

18,534

△2.5

ソリューション

19,780

+4.6

7,185

+7.3

ビジネスサービス

45,451

+8.0

21,837

+13.7

プラットフォームソリューション

79,229

+4.8

17,284

+28.7

その他

770

△15.0

784

+0.5

合計

333,770

+3.0

117,151

+7.1

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

製造システム

42,694

+5.5

通信システム

26,248

+6.9

流通システム

48,280

△0.6

金融システム

70,529

△0.5

ソリューション

19,289

+1.2

ビジネスサービス

42,811

+9.0

プラットフォームソリューション

75,379

△2.3

プリペイドカード

3,302

+2.6

その他

766

△1.0

合計

329,303

+1.7

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績(直接販売)及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

   ※外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。

     3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

4 各報告セグメントの概要につきましては、「第5 経理の状況 1 [連結財務諸表等] (1) [連結財務諸表] 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報」の「1 報告セグメントの概要」をご参照ください。 

 

また、生産実績・受注実績・販売実績について、サービス特性により分類したシステム開発、保守運用・サービス、システム販売等に分類すると、次のとおりであります。

(1) 生産実績

 

生産高(百万円)

前期比(%)

システム開発

126,679

+1.5

保守運用・サービス

125,758

+5.5

システム販売

73,173

△5.1

合計

325,612

+1.4

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

上記各区分の概要は以下のとおりであります。

 

システム開発

広範な業種の顧客に対する、最新の情報通信技術と長年蓄積された豊富な業務ノウハウによる、一貫した信頼性の高いトータルソリューションサービスの提供

保守運用・サービス

専用データセンターの構築・運営管理並びに、長年の経験と培われたノウハウ、「ISO9001」をベースにした運用管理技術による、安全で、信頼性の高いコンピュータ、通信ネットワークシステムの保守・運用サービスなどの提供

システム販売

各メーカーの各種サーバ、クライアント機器、ストレージ機器、通信ネットワーク関連機器及びパッケージ・ソフトウェア商品等を組み合わせたソリューションの提供

 

 

(2) 受注実績

 

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

システム開発

127,264

+1.0

25,324

+0.8

保守運用・サービス

129,881

+5.8

81,850

+5.2

システム販売

76,624

+1.7

9,977

+53.5

合計

333,770

+3.0

117,151

+7.1

 

(注)  上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

 

販売高(百万円)

前期比(%)

システム開発

127,051

+2.1

保守運用・サービス

125,802

+5.6

システム販売

73,147

△5.1

プリペイドカード

3,302

+2.6

合計

329,303

+1.7

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、「夢ある未来を、共に創る」という経営理念を掲げるとともに、この経営理念を実現するために、「人を大切にします。」「確かな技術に基づく、最高のサービスを提供します。」「世界と未来を見つめ、成長し続けます。」という3つの約束を掲げております。この経営理念の下で、お客様の、そして社会の抱える様々な課題を、先進のITサービスと斬新なアイディアで解決すると共に、ITを通して新たな価値を生み出し、お客様と社会が求める未来を「共に創る」ことで、未来に向けて成長しつづけることを目指しております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、事業の継続的拡大を通じ、当社企業価値のさらなる向上を目指すという観点から、現時点におきましては、以下を経営の最重要指標として考えております。

a. 「営業利益」及び「EPS」の拡大

b. 「営業利益率」及び「ROE」の向上

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

国内のITサービス市場は緩やかな成長が継続すると想定される一方、ITを活用する顧客ニーズの多様化や、システムの「所有」から「利用」へのパラダイムシフト等を受け、構造的な変化、すなわち、労働集約的な受託開発に代表される従来型のビジネスモデルから、サービス提供型のビジネスモデルへのシフトが求められております。加えて、IoTやFinTech、AI、オムニチャネルといったデジタル化の流れを受け、お客様の投資も、従来の業務効率化を目的としたものから、最新の技術を活用した事業競争力強化やビジネス変革を目的としたものへ変化しております。
  当社では、このような市場の変化を積極的な成長機会と捉え、お客様の戦略的ITパートナーとして、お客様とともに事業成長・企業価値向上を目指すべく、平成27年4月に中期経営計画を策定し、以下の3つの基本戦略を推進しております。

 

① サービス提供型ビジネスへのシフト

当社ならではのオリジナリティのある高付加価値サービスの創出や、顧客との長期安定的な関係を通じたビジネス拡大により、市場における競争力を高めてまいります。
 その中で、小売業や調剤薬局等流通業界の顧客向けに展開中の各種SaaS型アプリケーション、従量型ITインフラ提供サービスのUSiZE、コンタクトセンターをはじめとする各種BPOサービス等、当社がこれまで培ってきた技術や知的財産を活用することで既存のサービス拡大を図るとともに、自社開発のERP(統合基幹業務)パッケージであるProActiveのソリューションをUSiZEに組み合わせたSaaS型サービスを提供する等、サービス提供型ビジネスの推進・拡大を進めております。
  また、平成28年には、Preferred Networks、Asian FrontierグループとのAI技術に関する業務提携・損害保険業界向け実証実験の開始や、オムニチャネル化のニーズが特に高い流通業向け次世代コンタクトセンターサービスの提供を始める等、先端技術を活用した新たなサービスの創出にも取り組んでおります。
 これらの取り組みを通じ、将来の成長余力そのものを大きく拡大させ、中期経営計画の目指す高成長・高収益企業に向けた事業構造の転換を実現するべく、引き続き顧客ニーズに立脚したサービスの創出並びに提案活動の強化を加速してまいります。

 

② 時代の変化を捉えた戦略的事業の推進

当社が有する人的資源、技術的要素、或いは実績や培ったノウハウを活用することで、当社が強みを発揮できる領域や成長産業に対して、その将来性や成長性を見極めながら、経営リソースを重点配分し、戦略的事業として拡大に取り組んでまいります。
 例えば、自動車業界向け車載システム領域については、自動車一台に必要とされるソフトウェア開発は大量かつ高度なものとなり、かつ世界標準規格への準拠の流れが急速に進展しております。そういった中、当社は世界標準規格に対応するBSW(ベーシックソフトウェア)と言われる、車載ソフトウェア開発におけるOS・ミドルウェアのトップベンダー・プロバイダーを目指し、要員体制を大幅に拡大するとともに、研究開発及び事業推進のために事業投資を積極的に推進しております。
 平成26年11月以降、車載IT企業6社と車載システム事業に係る戦略的事業提携を通じて、それぞれの得意とする専門分野を持ち寄り、日本の完成車メーカー及びサプライヤーのECU※ソフトウェア開発を支援することで、車載ソフトウェアの標準規格であるAUTOSAR(オートザー)関連事業を推進してまいりました。その成果の一環として、平成27年10月よりAUTOSARに準拠した独自開発のリアルタイムOSを搭載した国産車載BSW「QINeS-BSW(クインズ ビーエスダブリュー)」及び周辺サービスの提供を開始しております。

 

③ グローバル展開第2ステージ

当社は、顧客企業の海外進出に伴うIT需要、すなわち、日本企業が、企業活動の場を国内中心としつつも海外に拡大していくという中で発生するITサービス需要の全てを「グレータージャパニーズマーケット」と定義しております。
 当社は、これまで、住友商事グループをはじめ、多くの顧客企業のグローバル展開をITの側面で支援してきた実績やノウハウを活かし、「グレータージャパニーズマーケット」に対し、日本流の高い品質基準で支援していくことをグローバル戦略として掲げ、売上高に占めるグローバルビジネスの比率を高めてまいりました。今後は、車載システム事業や大手金融機関向け事業等、中期経営計画の基本戦略に掲げる「戦略的事業」を注力分野とし、この領域における海外現地向け体制を強化することで、グローバルビジネスのさらなる拡大を進めてまいります。
 特に、アジア地域を中心として、グローバル展開を進める大手金融機関が求めるグローバル領域でのITサービスの需要が高まっております。そのような地域において、柔軟な対応ができるよう、現地での体制強化に向けた取り組みに加えて、顧客ニーズに的確に対応するための国内金融部門との連携強化や金融分野に強みを持つ現地企業との提携等を継続的に検討・実施しております。

 

これら基本戦略の遂行と同時に、一層の業務基盤強化に向け、全社開発標準の推進やプロジェクトマネジメント力の強化を通じた業務クオリティの向上、オフィスの効率化や業務プロセスの改革による業務効率の向上といった施策を着実に進めることに加え、お客様や株主の皆様とのさらなる信頼構築を目指し、当社全体の内部統制やリスク管理、コンプライアンス、セキュリティ管理をはじめとする社内管理体制の整備を継続して実施してまいります。

 

当社では、「スマートワーク・チャレンジ」(残業時間の低減と有給休暇の取得促進を中心にした働き方改革への取り組み)や「健康わくわくマイレージ」(社員に健康増進を奨励し、最終的な成果に応じてインセンティブを払う取り組み)等の当社独自の施策を通じ、働き方改革や健康経営を軸とした社内環境の整備を推進しております。
 その他、労働時間にとらわれない働き方へと意識改革を行うための裁量労働制、ライフステージに合った働き方を進めるためのフレックス制や在宅勤務制度、65歳完全雇用制度等の各種制度の導入、育児・介護施策の充実、女性人材の活躍推進に向けたキャリア支援プログラムの整備・展開等を継続的に進め、年齢や性別、障がいの有無や国籍等を問わず全ての社員が能力と特性を活かして働ける職場環境の実現を目指しております。
 これらの取り組み及びその成果が評価され、日本経済新聞社が実施する「人を活かす会社」調査においては平成26年から3年連続上位を獲得いたしました。加えて、平成27年度「女性が輝く先進企業表彰」における『内閣総理大臣表彰』の受賞、経済産業省と東京証券取引所が共同主催する「健康経営銘柄」及び「なでしこ銘柄」への継続選定、平成28年度には厚生労働省主催による第1回「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」での受賞等、各方面からの評価をいただいております。
 当社では、一人ひとりの社員がいきいきと働くことで生み出す付加価値が、お客様への新たな付加価値の提供に繋がり、その結果としての当社の好業績や成長は、ステークホルダーの皆様への利益還元となる好循環を生むとの考えに基づき、これらの施策を一層推進し、ステークホルダーの皆様と共に経営理念である「夢ある未来を、共に創る」の実現を目指してまいります。

 

※  Electronic Control Unit(自動車制御用コンピュータ)

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業(経営成績と財政状態)に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

① 事業環境リスク

当社グループが属する情報サービス業界においては、ITサービス専業の企業間の競争はもとより、ITハードベンダーのITサービス分野への注力、あるいは海外の企業との競合など業界の競争環境は激化しております。このような環境の下、事業環境の変化等により顧客企業のIT投資ニーズが急速かつ大きく変化した場合や、業界内部での価格競争が現状を大幅に超える水準で継続した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、様々な業種・業態の顧客企業に各種ITサービスを提供しておりますが、顧客企業におけるIT投資の実行時期・実行規模は、経済環境、金利・為替動向等に直接・間接に影響を受け、加えて、プリペイドカード事業では、他の決済手段との競合等が発生した場合には、それらの結果、当社グループの業績も影響を受ける可能性があります。

 

② システム開発リスク

当社グループは、顧客企業の各種情報システムの受託開発業務を行っておりますが、複雑化・短納期化するシステムの開発においては、計画どおりの品質を確保できない場合や、開発期間内に完了しないことによるコスト増大の可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、生産能力の確保、コストの効率化、技術力・ノウハウ活用のためにニアショアを含む多数の業務委託会社を活用しておりますが、期待した生産性や品質が維持できない可能性があります。

このため、当社グループでは、専門部署による引合い・見積り段階でのチェックや案件の進捗管理、品質チェックの実施、さらには業務委託会社の総合的審査の実施や委託業務の進捗及び品質管理の徹底により、納入するシステム全体に、予定しない不具合が生じないよう組織的に努力し、リスクの低減に努めております。

 

③ 技術革新への対応に伴うリスク

当社グループが属する情報サービス業界は技術革新が激しいことから、当社グループが現在保有する技術・技能・ノウハウ等が陳腐化する可能性があります。また、当社グループの収益の源泉である顧客企業向けシステム構築やサービスに提供するソフトウェア・ハードウェア等が、業界の技術標準の急速な変化により、その技術優位性あるいは価格優位性を失う可能性があります。したがって、当社グループが技術変化の方向性を予測・認識できない場合や、予測しえても適切に対応できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、技術革新に適時・的確に対応するために、従業員の有する能力を高め、新しい技術の組織的発掘及び習得を推進しております。また、システム構築やサービス提供にかかる技術力・製品調達力において分散化を図ると同時に、特定の技術・ノウハウ・製品に過度の収益を依存することなく、ビジネスを推進しております。

 

④ 情報セキュリティリスク

当社グループでは、システム開発時から運用段階に至るまで、業務上、顧客企業が保有する個人情報や顧客企業のシステム技術情報等の各種機密情報を知り得る場合があります。コンピュータウイルス、不正アクセス、人為的過失、あるいは顧客システムの運用障害、その他の理由により、これら機密情報の漏洩や改竄等が発生した場合、顧客企業等からの損害賠償請求や当社グループの信用失墜の事態を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、コンプライアンスの徹底を図るとともに、物理的なセキュリティ対策を強化し、さらには各種機密情報を取り扱う業務委託会社も含めて、啓蒙と教育を徹底する等の情報セキュリティ強化策を講じております。なお、業務委託会社には必要に応じたオンサイトレビュー実施等を通じて、当社グループと同レベルの情報セキュリティの確保と情報管理の徹底を図っております。

 

 

⑤ 投資リスク

当社グループでは、ソリューション提供力強化、生産能力確保、最先端分野における技術力獲得・向上、最新のソフトウェア・ハードウェア等の製品調達力確保等を目的に国内外の事業会社やベンチャー企業への出資、融資等の信用供与、これら企業からの試作製品の購入を行っております。また重点分野や新規分野におけるパッケージソフト開発やサービス開発のための投資を行っております。こうした投資は事業投資先の業績悪化や計画未達成等のため、当初見込んだリターンが得られない、もしくは損失を被り、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、投資に際しては、事業投資先や投資に伴う事業計画、リスク・リターン等について十分に検討し、また、投資後であっても、計画進捗のチェックやモニタリングを行う等リスク管理体制を整えております。

 

⑥ 訴訟リスク

当社グループでは、当社グループ以外の開発・製造によるソフトウェア・ハードウェア等の製品を多数の顧客企業に対し販売・納入しており、これらの事業活動に関連して第三者が知的財産権の侵害を含む訴訟等を提起する可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 退職給付会計における確定給付型年金資産及び基礎率の変動リスク

当社グループの企業年金基金の年金資産は、運用成績により増減します。また、退職給付会計における退職給付債務計算の要素の一つである基礎率は、企業年金基金における加入人員の加齢、入退社等により変動します。年金資産及び基礎率は、必ずしも当社の経営努力だけでは管理できない要因により変動する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク

当社グループでは、営業取引を源泉とした課税所得による回収を見込んで繰延税金資産を計上しております。しかし、経営成績が想定している計画を下回り、回収可能性に疑義が生じた場合や、税率の変更を含む税制改正等があった場合は、繰延税金資産の取崩しが必要となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 固定資産の減損リスク

当社グループは、当連結会計年度末において、帳簿価額54,684百万円の土地・建物等を保有しており、オフィス(賃貸用オフィスを含む)・データセンター・寮・社宅等として使用しております。データセンター、賃貸用オフィスはそれぞれが属する報告セグメントに、その他の資産は全社共用資産に区分しており、地価の動向や当社グループの収益の状況によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当連結会計年度において、売却予定となった施設に係る資産について減損損失を計上しておりますが、当連結会計年度末時点において報告セグメント単位でその回収可能性を判断した結果、減損損失認識の対象となった固定資産はありません。

 

⑩ 製品調達リスク

当社グループでは国内外のベンダー各社から、幅広く選りすぐりのソフトウェア・ハードウェア等の製品を調達して顧客企業に提供しておりますが、これらベンダー各社の事業戦略の突然の変更による製品仕様の変更・製品供給の停止等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、海外拠点・ネットワークを活用して海外製品の発掘・調達、技術動向の掌握に努めている他、国内外のベンダー各社とは事業戦略を共有しつつ、その動向把握と安定的な製品調達を図っております。

 

 

⑪ 貸倒リスク

当社グループは、多くの顧客企業に製品販売、システム開発受託、サービス提供を行っております。多くの取引は代金回収が事後となるため、顧客企業の財政状態の悪化が当社債権の回収遅延、回収困難をもたらし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは、事業部門から独立して与信管理並びに顧客企業の信用状況のチェックや適切な与信枠の設定を行うとともに、債権の滞留状況・回収状況の定期的モニタリングを実施しております。また、必要に応じて貸倒引当金の計上等、必要な会計上の対応を行っております。

 

⑫ 大規模な自然災害等によるリスク

当社グループは、本社を含めた多くの拠点並びに資産が大都市圏に集中しており、首都直下型地震や南海トラフ地震等の大規模震災をはじめとする自然災害及び世界的な流行が懸念される新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、不測の事態の発生に備え、事業継続計画の策定や災害対策本部の整備、経営機能を代行可能なバックアップ拠点の整備等、事業継続のための体制強化を図っております。

 

⑬ 人材の確保・育成に関するリスク

当社グループの事業活動は人材に大きく依存しており、人材の確保・育成が想定どおりに進まない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため、ワークライフバランス、ダイバーシティ、健康管理、人材育成の4つの観点において環境整備を図りながら、各事業領域において優秀な人材を確保・育成することに注力しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社では、国内はもとより欧米・アジアの各拠点を含む関係会社と一体となりグローバルな視点から最新のIT動向を鋭敏に捉え、市場創造に向けて当社グループ全体で最新技術の導入と技術レベルの高度化・充実を図るべく、研究開発活動を推進しております。

また、先端・先進技術を確実に取り入れ、より最適な次世代のソリューションやサービスを早期に実現するために、中期的な技術戦略に基づいた各施策を推進しております。

① 車載システム開発の変化に対する取組み

近年、自動車を取り巻く環境は大きく変化し、環境面への配慮や衝突被害軽減・駐車支援などにおける情報通信技術の取込みなど自動車に搭載される機能は年々高度化しております。
 このような機能を実現するためのECU(電子制御ユニット)の数や車載システムの複雑さ、開発規模は大幅に増大しており、加えて、機能安全やセキュリティに関わる新たな基準への対応が求められるなど、車載システムを安全かつ効率的に開発することが大きな課題になっております。
 当社では、車載システムへの取組みを成長戦略の一つに位置付け、自動車に求められる高いレベルの品質(快適性・安全性・環境性・信頼性)を実現する車載ECUシステムを効率的かつ高品質に開発するために、次の分野を軸に、車載IT企業数社とも提携した技術開発に継続的に取り組んでおります。
・AUTOSARや機能安全要求(ISO26262)などの標準規格に準拠した独自ベーシックソフトウェアによる高品質の実現
・開発、テスト工程の自動化による開発コスト削減の実現
・ベーシックソフトウェアと開発ツールで生産性の高い開発プロセスを構築し開発期間短縮を実現

 

 

② プロジェクト・パフォーマンス向上や迅速なシステムの実現に向けた取組み

システムの運用を安定させTCOを低減させることに加え、環境変化に迅速に対応できる柔軟なシステムを実現することは、事業価値を最大化させるためにも企業経営にとって重要な課題となっております。
 当社では、長年にわたって培ったノウハウを集約し、企業システムの戦略・企画から開発・運用に至るまでのライフサイクルを一貫して実行できるプロセスモデルと、ビジネスプロセスやルールの変化にも容易に対応できるアーキテクチャ(実現方式)とを合わせた技術標準を開発・展開しており、お客様のシステム化ニーズに確実に応える取組みを継続的に推進しております。
 さらに、このような技術標準に基づいた仕組みを一歩前に進め、開発プロジェクトや運用サービスのパフォーマンスを向上させるための研究開発も推進しており、高速開発や自動化を始め、開発・運用環境のクラウド・サービス対応にも取り組んでおります。

 

③ システム基盤技術の進化・最適化に対する取組み

企業IT環境の「所有」から「利用」への流れもあり、多くの企業がクラウド・サービスの利用を前提としたシステム環境の整備へと舵を切っております。また、サイバー攻撃をはじめ企業システムが対処しなければならないセキュリティ上の問題など、システム基盤技術に求められる要求は益々高まっております。
 当社では、企業IT環境を支えるシステム基盤をハードウェア、データベース等のミドルウェア、ネットワーク、セキュリティ、運用管理、等の幾つかの分野で捉え、新たな要素技術やプロダクトの評価・選定、さらにはこれらを組み合せての検証を行っております。検証においては、信頼性・可用性・拡張性・運用性及びパフォーマンスの観点を重視し、常に最新技術を見据えた最適なシステム構成をお客様に提供するための技術追求を行っております。
 また、システム基盤技術領域においてはOSS(オープンソース・ソフトウェア)が重要なポジションにあり、お客様のニーズにより的確に応えるサービスを実現する手段の一つとしてOSSを念頭に置き、継続的な調査並びに評価・検証を実施しております。

 

④ 新たなICT環境への取組み

スマートフォンやタブレット端末、さらにはウェアラブル端末などの登場によるユーザ環境の変化、クラウド・サービスを取り込んだシステム基盤環境の変化といったように、企業システムに適用される技術要素やアーキテクチャは大きく変わり始めております。企業が事業を成長させるためにはこのような新たな技術の利用が欠かせない状況になりつつあり、当社ではお客様のニーズに合ったサービスを確実に実現するために、要素技術やアーキテクチャ技術についての調査・研究を行っております。
 さらに近年では、あらゆるものがインターネットを始めとするICTネットワークで繋がるInternet of Things(IoT)や人工知能(AI)の普及が事業環境の変化に拍車をかけております。
 過去にインターネットの普及が企業システムを大きく変革させビジネス機会を創出したように、これらの新たなICT環境が再び企業にとっての大きな転換と成長をもたらす可能性を秘めており、多くの企業が活発に技術開発に取り組んでおります。
 当社も、人工知能(AI)やInternet of Things(IoT)の利用価値に着目し、当社サービスやお客様の事業のさらなる発展や差別化につなげるべく、調査・研究を進めております。

なお、当連結会計年度の研究開発費は、266百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠し作成しております。

この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与える見積り及び判断を必要としております。当社は過去の実績、又は、現在の状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。客観的な判断材料が十分でない場合は、このような見積りを判断の基礎としております。従って、異なる前提条件の下においては、結果が異なる場合があります。

当社グループは、特に以下の会計方針が連結財務諸表の作成において重要な判断と見積りに影響を及ぼすと考えております。

 

① たな卸資産の評価

当社グループのたな卸資産は主に仕掛品と商品に区分されます。

仕掛品の評価については、「工事契約に関する会計基準及び適用指針」を適用し、商品の評価については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」を適用し、収益性の低下に基づく簿価切り下げ方法により適切に処理しております。

 

② 繰延税金資産

当社グループは、財務諸表と税務上の資産負債との間に生ずる一時的な差異に関わる税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して繰延税金資産を計上しております。また、繰延税金資産については将来の課税所得の見積額に基づき合理的に回収可能な金額を算出し、それを限度として計上しております。
  また、連結納税制度を採用しており、これに沿った会計処理を行っております。

 

③ 貸倒引当金

当社グループは、過去の貸倒実績率に基づき一般債権に対する貸倒引当金を算定しております。また、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を判断し、回収不能見込額を貸倒引当金として追加計上しております。

 

④ 市場販売目的のソフトウェアの償却

当社グループは、市場販売目的のソフトウェアの償却は、見込販売収益に基づく償却額と、残存有効期間(3年以内)に基づく均等配分額とを比較し、いずれか大きい額を償却費として計上しております。

 

⑤ 投資の減損

当社グループでは、投資有価証券を保有しており、時価のある有価証券については時価法を、時価のない有価証券については原価法を採用しております。時価のある有価証券については、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30%から50%程度下落し回復の見込みが無いと判断される場合は、当該時価まで減損処理を行っております。非上場株式等、時価のない有価証券については、実質価額を業績の状況等をもとに評価した結果、減損処理が必要と判断される場合には、実質価額まで減損処理を行っております。当連結会計年度においては、これらの基準に基づき、保有投資有価証券の減損の要否を判定した結果、1銘柄について減損を認識する必要があると判断し、減損処理を行いました。

 

⑥ 退職給付費用と退職給付に係る負債及び退職給付引当金

当社グループでは、従業員の退職給付費用、退職給付に係る負債及び退職給付引当金は、保険数理計算により算出される退職給付債務(一部の国内子会社は簡便法)に基づき計上しております。退職給付債務の割引率は、安全性の高い長期債券(AA格社債)の期末時点における利回りを基に決定しており、この割引率により将来債務の割引計算を行っております。

 

⑦ 固定資産の減損に係る会計処理

当社グループでは、「固定資産の減損に係る会計基準及び適用指針」に基づき、固定資産の減損処理の要否を判定しております。当連結会計年度において、売却予定となった施設に係る資産について減損損失を計上しております。

 

⑧ 工事契約に関する会計処理

当社グループでは、請負契約に係る収益の計上基準については、「工事契約に関する会計基準及び適用指針」を適用しており、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる契約については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の契約については工事完成基準を適用しております。

また、損失の発生が見込まれる工事契約について、将来の損失に備えるため、その損失見込額を工事損失引当金として計上しております。

 

(2)経営成績

① 売上高

当連結会計年度の売上高は、証券業顧客向けのシステム開発や通信業顧客向けのシステム販売案件といった大型案件の反動減影響があったものの、製造業及び金融業顧客向けのシステム開発需要が堅調に推移し、また、保守運用・サービス売上高が製造業や流通業、金融業顧客向けを中心に増加したこと等により、前期比1.7%増の329,303百万円となりました。

セグメント別業績については、「1  [業績等の概要]」をご参照ください。

また、サービス特性別の「システム開発」「保守運用・サービス」「システム販売」「プリペイドカード」の各売上区分別売上高は次のとおりであります。

 

売上区分別売上高

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比

(

自 平成27年4月1日

 

(

自 平成28年4月1日

 

 

至 平成28年3月31日

)

 

至 平成29年3月31日

)

金額

構成比

金額

構成比

金額

増減率

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

システム開発

 

124,470

38.4

 

 

127,051

38.6

 

 

2,581

2.1

 

保守運用・サービス

 

119,170

36.8

 

 

125,802

38.2

 

 

6,631

5.6

 

システム販売

 

77,087

23.8

 

 

73,147

22.2

 

 

△3,939

△5.1

 

プリペイドカード

 

3,217

1.0

 

 

3,302

1.0

 

 

85

2.6

 

合  計

 

323,945

100.0

 

 

329,303

100.0

 

 

5,358

1.7

 

 

 

システム開発は、証券業向けの大型開発案件の反動減の影響があったものの、製造業や金融業向け等の案件が堅調に推移したことにより、売上高は前期比2.1%増の127,051百万円となりました。
 保守運用・サービスは、製造業や流通業向け各種BPOサービスが好調に推移し、またITインフラ関連の各種クラウドサービスに対する需要が堅調に推移したことにより、売上高は前期比5.6%増の125,802百万円となりました。
 システム販売は、通信業顧客向け大型のITネットワーク機器販売案件の反動減影響により、売上高は前期比5.1%減の73,147百万円となりました。
 プリペイドカードは、プリペイドカードの発行及び関連ビジネスが堅調に推移し、売上高は前期比2.6%増の3,302百万円となりました。
 

 

② 売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、増収に伴う増益に加え、業務効率化による収益力の向上もあり、前期比4.8%増の81,754百万円となりました。

 

③ 販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費については、前期比3.9%増の48,040百万円となりました。

 

④ 営業利益

以上により、当連結会計年度の営業利益は、前期比6.1%増の33,714百万円となりました。

 

⑤ 営業外収益・営業外費用[純額]

当連結会計年度の営業外収益(費用)は、投資有価証券売却益の増加等により、前連結会計年度の1,824百万円の収益[純額]から582百万円増加し2,406百万円の収益[純額]となりました。

 

⑥ 経常利益

以上により、当連結会計年度の経常利益は、前期比7.5%増の36,121百万円となりました。

 

⑦ 特別損益[純額]

当連結会計年度の特別損益[純額]は294百万円の損失となりました。主な内訳は、支払補償金816百万円及び投資有価証券売却益671百万円の計上等によるものであります。

 

⑧ 税金等調整前当期純利益

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前期比9.0%増の35,827百万円となりました。

 

⑨ 法人税等

当連結会計年度の法人税等は、前期比28.1%増加の6,554百万円となりました。

 

⑩ 非支配株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は、814百万円となりました。

 

⑪ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比5.6%増の28,458百万円となりました。また、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の259.72円から14.44円増加し274.16円となりました。

 

 

(3)財政状態

① 資産、負債及び純資産の状況
(資産の部)

当連結会計年度末の資産の部は、前連結会計年度末に対し36,860百万円増加し、389,537百万円となりました。

 

(a) 流動資産

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に対し34,131百万円増加し、272,306百万円となりました。

 

(b) 固定資産

当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に対し2,729百万円増加し、117,230百万円となりました。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債の部は、前連結会計年度末に対し14,733百万円増加し、215,862百万円となりました。

 

(a) 流動負債

当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に対し27,663百万円増加し、183,919百万円となりました。

 

(b) 固定負債

当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に対し12,930百万円減少し、31,943百万円となりました。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産の部は、前連結会計年度末に対し22,127百万円増加し、173,674百万円となりました。

総資産に占める自己資本比率は42.8%となり、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末より206.74円増加し1,607.74円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

 





出典: SCSK株式会社、2017-03-31 期 有価証券報告書