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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における我が国経済は、政府による経済政策や金融緩和の効果により円安・株高が進行し、堅調な内需に支えられ緩やかに回復しつつありますが、新興国経済の減速による世界経済への悪影響が懸念されるなど、先行きが不透明なまま推移してまいりました。

  当社グループの属する情報サービス産業界においては、企業業績の回復とともにIT投資は回復しつつありますが、一方で新卒や経験を有する技術者への需要が逼迫し、採用環境が一段と厳しくなっております

 このような環境の中、当社グループでは、情報インフラ整備や保守業務と言った事業分野が引き続き業績を牽引する一方で、収益面においては半導体設計関連事業での採算性改善はあったものの、社内基幹システムの入替に伴うコストや採用活動に関する経費が増加したことなどにより、減益となりました

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は130億45百万円で5億19百万円の増加(前連結会計年度比4.1%増)、経常利益は8億49百万円で34百万円の減少(前連結会計年度比3.9%減)、当期純利益は4億84百万円で55百万円の減少(前連結会計年度比10.3%減)となりました

  セグメント別の業績は次のとおりであります。

(イ)システムコア事業

 装置設計業務等の既存業務の受注が伸び悩む中、組込ソフトウェア開発については縮小する携帯電話市場から車載機器関連市場へのシフトを進めてまいりました。また、半導体設計業務での採算性回復が利益率の改善に寄与し、売上高は26億32百万円(前連結会計年度比0.6%増)、セグメント利益は6億23百万円(前連結会計年度比9.8%増)となりました

(ロ)ITソリューション事業

 建設業界向けの大口開発案件の受注などが増加した一方で、イメージデータ取込業務での受注減少や利益率の高いコンテンツ変換ツールなどの製品の販売減により、売上高は39億98百万円(前連結会計年度比5.1%増)、セグメント利益は4億30百万円(前連結会計年度比10.8%減)となりました

(ハ)ネットワークサービス事業

 スマートフォンやタブレットPCといったモバイル端末の急速な普及により、引き続きネットワークやITインフラの構築・運用サービス業務等の需要が増大しているため、中途採用者や外部委託を積極的に活用し受注拡大等に努めたことで、売上高は64億14百万円(前連結会計年度比5.1%増)、セグメント利益は10億29百万円(前連結会計年度比6.8%増)となりました

 

 (注) 記載金額には消費税等は含まれておりません。

(2)キャッシュ・フロー

  当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度より28百万円増加し、当連結会計年度末には4,185百万円となりました。

  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果取得した資金は443百万円(前連結会計年度比47.3%減)となりましたが、これは主に税金等調整前当期純利益の計上(854百万円)や減価償却費(138百万円)、退職給付に係る負債の増加(608百万円)及び仕入債務の増加(69百万円)などといった増加要因があった一方で、退職給付引当金の減少(555百万円)や売掛債権の増加(265百万円)、法人税等の支払(407百万円)といった減少要因があったことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果使用した資金は284百万円(前連結会計年度比78.6%増)となりましたが、これは主に有価証券の償還による収入(1,300百万円)といった増加要因があった一方で、有価証券の取得による支出(1,299百万円)や有形固定資産の取得による支出(64百万円)、投資有価証券の取得による支出(201百万円)などといった減少要因があったことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果使用した資金は130百万円(前連結会計年度比36.5%増)となりましたが、これは主に短期借入れによる収入(200百万円)といった増加要因があった一方で、短期借入金の返済による支出(220百万円)や配当金の支払による支出(95百万円)、自己株式の取得による支出(12百万円)といった減少要因などがあったことなどによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成25年4月1日

至 平成26年3月31日)

前連結会計年度比(%)

システムコア事業(百万円)

2,618

101.0

ITソリューション事業(百万円)

3,996

103.1

ネットワークサービス事業(百万円)

6,415

105.4

合計(百万円)

13,031

103.8

 (注)1.金額は販売価格で表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成25年4月1日

至 平成26年3月31日)

前連結会計年度比(%)

ITソリューション事業(百万円)

60

222.9

合計(百万円)

60

222.9

 (注)1.金額は仕入価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注状況

 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前連結会計年度比(%)

受注残高(百万円)

前連結会計年度比(%)

システムコア事業

2,615

108.3

248

93.5

ITソリューション事業

4,067

103.8

699

111.0

ネットワークサービス事業

6,517

104.2

849

113.9

合計

13,201

104.9

1,797

109.5

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(平成25年4月1日から

平成26年3月31日まで)

前連結会計年度比(%)

システムコア事業(百万円)

2,632

100.6

ITソリューション事業(百万円)

3,998

105.1

ネットワークサービス事業(百万円)

6,414

105.1

合計(百万円)

13,045

104.1

 (注)1.金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 当社グループが対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。

  当社グループの属する情報サービス産業界は、内製化やオフショア化への流れが強まっており、限られた需要をめぐって同業他社との競争が激化しております。また、経験を有する技術者の需要が逼迫し、採用環境が悪化する傾向にあります。

(1)人材の育成

  上記のような環境の中で競争力を高め勝ち残っていくためには、技術力の向上と付加価値強化によるサービスの差別化が不可欠であります。常にお客様の視点に立った積極的な支援や提案を行うCS(顧客満足)活動の更なる深化と、それを実践する社員の技術力と人間力を向上させるための社内教育機関であるKSKカレッジの機能拡充や研修内容の充実に向け、業界トップクラスの教育投資を継続的に行ってまいります。人材の確保に関しては、業界未経験者を含めた採用活動を展開すると共に、外部委託も積極的に活用してまいります。

(2)事業構造の見直し

 クラウドサービスやスマートフォンの急激な普及等により、既存の技術分野から新たな技術分野へ需要のシフトが発生するなど、市場は想定した以上に早いテンポでかつダイナミックに変化しております。今後成長が期待できる分野へ経営資源を集中して投入していくため、重点分野を適宜見直し積極的かつ柔軟に業務シフトを行ってまいります。

(3)コーポレートガバナンスの強化

 相次ぐ企業不祥事の影響を受け、コーポレートガバナンスの強化が求められていることから、独立役員である社外監査役による経営のチェックと、内部統制システムの適切な運用を行うことで業務の適正性を確保し、投資家や顧客の信頼とニーズに応えてまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

 なお、文中に将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)市場動向について

 当社グループの主要な事業の一つであるITソリューション事業において、主要顧客である大手IT企業が、開発コストの削減を目的に、中国やインドをはじめとするアジア諸国へソフトウェア開発を発注するケースが増えていることや、クラウドコンピューティングによるシステム利用が急速に普及していった場合、今後国内の開発案件が集約あるいは減少し、当社グループの経営成績及び事業展開に悪影響を受ける可能性があります。

(2)顧客企業の事業再編成について

 当社グループの主要顧客である半導体メーカーや携帯電話メーカーなどにおいて、競争力強化や収益改善などを目的にした提携や合併などの事業再編成、あるいは開発コスト削減のための共同開発などが計画されています。その結果、当社グループへの発注量が減るなど、当社グループの経営成績及び事業展開に悪影響を受ける可能性があります。

(3)人材の育成について

 当社グループの事業は、ソフトウェア開発、組込みソフトウェア開発、LSI設計技術、ネットワーク技術等多くの先端技術に深く関連しています。当社グループでは、これら技術の知識と経験を持った技術者の確保と育成を経営の最優先課題と捉えており、社内に独自の研修機関(KSKカレッジ)を持ち常に最新技術の動向に対応すべくグループ社員の研修を行っておりますが、IT業界の基礎技術や応用技術の変化のスピードは非常に早く、技術が陳腐化したり育成が間に合わないことで受注機会を逸することが考えられ、当社グループの経営成績及び事業展開に悪影響を受ける可能性があります。

(4)個人情報や秘密情報の漏洩事故によるリスク

 当社グループの事業の中に、情報処理事業がありますが、ここでは顧客企業から預託された個人情報のデータエントリー作業を行っております。この作業で使用しているデータエントリーシステムは、インターネット等の外部との接続は勿論のこと、社内のネットワークとも分離しているため外部からの侵入による個人情報の漏洩や改竄の危険性は低くなっております。また、情報処理事業以外の事業においても個人情報や顧客情報などの秘密情報を取扱う場合があり、こうした情報資産を守るためにプライバシーマークやISMSの認証取得を通じた意識の改善や情報セキュリティ規程を整備するなど社員一人ひとりに対する教育・啓蒙を行い、情報の重要性を理解させています。しかしながら、不注意や不測の事態により、万が一、個人情報が外部に漏れる事態になった場合には、当社グループの信用失墜による売上の減少や、個人情報保護保険に加入しておりますが、保険金を上回る損害賠償請求による費用の発生等が起こることも考えられ、当社グループの経営成績や事業展開に悪影響を受ける可能性があります。

(5)自然災害等のリスク

 地震、台風、津波、洪水等の自然災害、事故、テロ、パンデミックをはじめとした当社グループがコントロールできない事由によって、当社グループの社員や建物、設備等が被害を被った場合を想定して、事業継続計画の見直しを行っておりますが、その被害の大きさによっては当社グループの事業が一時停止するなど、当社グループの経営成績や事業展開に悪影響を受ける可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 日本電気株式会社及びその関係会社との間に売買、請負等に関して基本的事項を定めた「基本契約書」をそれぞれ締結しております。

6【研究開発活動】

 当社グループは高度情報化社会に対応していくため、各分野にわたって研究開発に取り組むこととして、今後の事業の中心となる製品の研究開発を進めております。
 当連結会計年度における研究開発は、ITソリューション事業を中心に推進されており、当社の技術部門においてスマートフォン関連ツール等を開発テーマとした研究開発を行っております。
 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、64百万円(消費税等は含まれておりません。)であります。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりであります。
 なお、文中に将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末日(平成26年3月31日)現在において判断したものであり、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、債権の回収可能性、法人税等、退職金などに関する見積り及び判断に対して評価を行っております。
 経営者は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる根拠・要因に基づいて、資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字について判断を行っております。なお、見積りは特有の不確実性を有しているため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
 当社グループの連結財務諸表の作成時に、以下の項目において使用される重要な判断と見積りが大きな影響を及ぼすと考えております。

(貸倒引当金)

 当社グループは、顧客から債権が回収できない時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化しその支払い能力が低下したことにより貸倒の懸念が発生した場合、回収不能見込額を追加引当する可能性があります。

(固定資産の減損)

 当社グループは、管理会計上の区分であり、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でもある事業所ごとに固定資産のグルーピングを行っております。
 当該固定資産のグルーピングの方法による資産グループに減損の兆候が見られた場合、当該資産グループから得られる割引前キャッシュ・フロー等をもとに減損損失の認識の必要性を検討しております。
 その結果、減損損失の認識が必要と判断された場合、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失の計上を行うこととしておりますが、将来の経済的環境により新たに減損損失の計上が必要となる可能性があります。

(投資の減損)

 当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の顧客及び金融機関の株式を所有しております。これらの株式には変動する時価がある上場株式と時価のない未上場株式が含まれます。
 当社グループでは時価が著しく下落したと判断した場合、投資の減損を計上しております。未上場会社の投資の場合は、それらの会社の純資産額が簿価に比べ著しく下落し回復の可能性がないと判断した場合に減損を計上しております。
 なお、当連結会計年度末における保有株式については、将来の株式市況悪化又は投資先の業績不振等により評価損の計上が必要となる可能性があります。

(繰延税金資産)

 当社グループは、繰延税金資産の計上に当たっては、将来の課税所得及び実現性の高い税務計画を基に検討し、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取崩し、費用として計上する可能性があります。

(退職給付費用)

 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率などが含まれます。
 割引率は日本の国債の市場利回りを在籍従業員の平均残存勤務年数で調整して算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

(工事進行基準)

 当社グループは、進捗部分について成果の確実性が認められる契約については、売上高及び売上原価について工事進行基準を採用し、工事の進捗率の見積りは原価比例法を採用しておりますが、工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗について、当初の見積りに反して信頼性のある見積りができなくなった結果、成果の確実性が失われたと判断した場合、認識された収益額に影響を及ぼす可能性があります。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、需要が縮小する分野から拡大が期待できる分野へと経営資源のシフトを行うと共に、不採算案件の発生防止、厳しい採用環境の中、必要な人材を確保するために業界未経験者の採用や外部委託を活用し受注拡大に努めてまいりました。
 この結果、当連結会計年度の売上高は、13,045百万円で前連結会計年度比519百万円(前連結会計年度比4.1%増)の増となり、営業利益は基幹システムの入替や採用経費などの増加により809百万円と前連結会計年度比31百万円(同3.8%減)の減、経常利益は849百万円で前連結会計年度比34百万円(同3.9%減)の減、当期純利益は復興特別法人税の前倒し廃止などの影響により484百万円で前連結会計年度比55百万円(同10.3%減)の減となりました。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績に重要な影響を与えるおそれのある要因として、次のようなものが考えられます。

   ① 開発コスト削減等を目的とした開発案件の海外シフトやクラウドコンピューティングの普及

  ② 業界再編を伴う顧客企業の提携や合併及び開発コスト削減等を目的にした共同開発

  ③ 保有技術の陳腐化と要求技術とのミスマッチ

  ④ 情報漏洩事故発生による信用の失墜と損害賠償請求

  ⑤ 自然災害等による事業活動の停止

(4)資金の流動性についての分析

 営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より397百万円少ない443百万円の資金を得ました。これは主として、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費及び退職給付に係る負債の増加などといった増加要因があった一方で、退職給付引当金の減少や売掛債権の増加、法人税等の支払いといった減少要因があったことなどによるものであります。
 投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より125百万円多い284百万円の資金を使用しました。これは主として、有価証券の償還による収入といった増加要因があった一方で、有価証券の取得による支出や有形固定資産の取得による支出、投資有価証券の取得による支出などといった、減少要因があったことなどによるものであります。
 財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より35百万円多い130百万円の資金を使用しました。これは主として、短期借入れによる収入といった増加要因があった一方で、短期借入金の返済による支出、自己株式取得による支出といった減少要因があったことなどによるものであります。

(5)経営者の問題認識と今後の方針について

 新興国の台頭による市場の変化、お客様ニーズの高度化・多様化、市場プレイヤーの流動化、人口減少による労働力の不足など、21世紀における当社グループを取り巻く環境は目まぐるしく変化し、更に激しさが増すものと思われます。

  当社グループは、前連結会計年度まで「CS」「人材育成」「風土変革」の3つを経営の基軸と位置付けた中期経営計画「基軸・V40」を展開し、量から質へと転換を推進してまいりました。本年度は創立40周年を迎えることを契機として現在新たな中期経営計画を策定中ですが、新計画は期間を5年とし、新たな視点から事業を再構築することで、将来にわたる継続的な成長が可能なエクセレントカンパニーを目指します

 





出典: 株式会社KSK、2014-03-31 期 有価証券報告書