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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における我が国経済は、政府による経済対策や日本銀行の継続的な金融緩和を背景に、企業業績が好調に推移したことで雇用環境の改善がみられたことなどから、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、海外では資源国や新興国経済の成長が鈍化し、米国新政権発足による政策変更や英国のEU離脱問題など保護主義的傾向の動きがみられ、世界経済の不確実性が高まるなど、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

 当社グループの属する情報サービス産業界におきましては、第4次産業革命に向けてIoT技術によるビッグデータの収集や、AIを使ったその分析や活用などといった新たなビジネスチャンスが生まれています。企業のシステム投資が増加することにより対応する技術者への需要は拡大していますが、一方で供給が追い付かず人件費や採用コストが上昇する状況となっております。

 このような環境の中、当社グループでは拡大する市場の需要へ対応すべく、新卒および中途の採用を強化するとともに人材育成にも注力してまいりました。また、将来の持続的な発展を見据え、自社開発の住宅建設業者向けパッケージソフトウェアの全面改良といった投資を行ったことで、募集費、教育費に加え研究開発費が増加しましたが、稼働率の向上や受注単価改善などに努めた結果、経費増加分を吸収し増益となっております。また、投資有価証券の一部を売却したことにより特別利益が発生し、税金等調整前当期純利益が増加しております。

 なお、当社グループでは従業員一人一人の健康を最大の経営資産と捉え、これまで健康増進に向け様々な活動をおこなってまいりましたが、その取り組みが評価され、本年2月に経済産業省より「ホワイト500」の認定を受けております。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は14,540百万円680百万円の増加(前連結会計年度比4.9%増)、経常利益は1,285百万円119百万円の増加(同10.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は895百万円189百万円の増加(同26.9%増)となりました。

 セグメント別の業績は次のとおりであります。

(イ)システムコア事業

 組込ソフトウェア開発や半導体設計の分野では、技術者や外部ビジネスパートナーの確保という課題はあるものの、車載システムにかかわる業務の比率が高まっており、受注単価も比較的高いことなどから、売上高は2,831百万円(前連結会計年度比3.9%増)、セグメント利益は709百万円(同8.8%増)となりました。

(ロ)ITソリューション事業

 技術者や外部ビジネスパートナー不足から、大口開発案件での計画遅延や受注機会損失が発生したものの、不採算案件の受注抑制などにより利益率が改善したことなどから、売上高は4,054百万円(前連結会計年度比3.1%増)、セグメント利益は598百万円(同11.1%増)となりました。

(ハ)ネットワークサービス事業

 業界未経験者も含めた積極的な技術者採用や外部ビジネスパートナーの有効活用、受注単価交渉による利益率の改善に努めたことなどから、売上高は7,654百万円(前連結会計年度比6.3%増)、セグメント利益は1,426百万円(同9.3%増)となりました。

 (注) 記載金額には消費税等は含まれておりません。

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度より287百万円増加し、当連結会計年度末には4,163百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果取得した資金は1,035百万円(前連結会計年度は890百万円の収入)となりましたが、これは主に税金等調整前当期純利益の計上(1,341百万円)や減価償却費(100百万円)、仕入債務の増加(49百万円)、退職給付に係る負債の増加(82百万円)、賞与引当金の増加(23百万円)、利息及び配当金の受取額(40百万円)といった増加要因があった一方で、法人税等の支払(501百万円)、売上債権の増加(142百万円)などといった減少要因があったことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は356百万円(前連結会計年度は1,267百万円の支出)となりましたが、これは主に定期預金の払戻による収入(300百万円)、有価証券の償還による収入(2,200百万円)、投資有価証券の売却による収入(126百万円)といった増加要因があった一方で、有価証券の取得による支出(1,699百万円)や投資有価証券の取得による支出(1,126百万円)及び無形固定資産の取得による支出(113百万円)といった減少要因があったことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は392百万円(前連結会計年度は249百万円の支出)となりましたが、これは主に短期借入れによる収入(200百万円)といった増加要因があった一方で、短期借入金の返済による支出(200百万円)や配当金の支払による支出(217百万円)、自己株式の取得による支出(175百万円)といった減少要因があったことなどによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前連結会計年度比(%)

システムコア事業(百万円)

2,836

104.0

ITソリューション事業(百万円)

4,253

106.6

ネットワークサービス事業(百万円)

7,645

106.6

合計(百万円)

14,736

106.1

 (注)1.金額は販売価格で表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前連結会計年度比(%)

ITソリューション事業(百万円)

38

95.5

合計(百万円)

38

95.5

 (注)金額は仕入価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注状況

 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前連結会計年度比(%)

受注残高(百万円)

前連結会計年度比(%)

システムコア事業

2,901

105.5

392

121.7

ITソリューション事業

4,141

103.3

868

111.2

ネットワークサービス事業

7,795

106.1

1,169

113.7

合計

14,838

105.2

2,429

114.0

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(平成28年4月1日から

平成29年3月31日まで)

前連結会計年度比(%)

システムコア事業(百万円)

2,831

103.9

ITソリューション事業(百万円)

4,054

103.1

ネットワークサービス事業(百万円)

7,654

106.3

合計(百万円)

14,540

104.9

 (注)金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当社グループは設立以来、大手IT企業に対する技術の提供及び開発支援並びにパッケージソフトを核としたエンドユーザー向けのソリューション提供を中心に事業を推進してまいりました。さらに、ネットワークの高速化と普及・拡大に伴い、ネットワークシステムの構築・保守業務及びコールセンターなどのネットワークサポート事業、また、モバイル端末用のWebサイトの構築やコンテンツ変換ツールの開発など、市場の要求に応じたビジネスを追加し事業を拡大してまいりました。

 当社グループは、「システムコア事業」、「ITソリューション事業」及び「ネットワークサービス事業」を主力事業とし、高品質な技術やサービス、製品を提供し、それぞれの顧客企業にご満足していただくことで当社グループの企業価値を高め、競争力の強化と事業の成長を図ることを経営の基本方針としております。そのため当社グループでは、顧客満足度向上のための取組として、お客様ニーズを把握して改善するためのVOC(顧客満足度調査)による改善活動に加え、今後3年間は高品質なサービスや付加価値を提供できる企業を目指し、全社を挙げて更なる品質の向上に取り組んでまいります。

 また、企業の社会的責任を果たすために、CSR担当部署を中心に法令遵守の徹底を推進するとともに、社員有志により清掃活動等のエコ活動を行っている「Team KSK ECO CLUB」に対する活動支援などを通じて社会貢献活動に参加する他、環境ISO、品質ISO、個人情報保護、情報セキュリティ対策の強化などにも取り組んでおります。さらに、当社の経営資源は人材であり、優秀な技術者の採用と育成は当社グループ事業推進の生命線であります。そのために、当社は技術力や人間力、それらが形成されて一体となった時に発揮される現場力の向上を目指し、社内研修機関であるKSKカレッジを持ち業界トップクラスの教育投資を継続して行っております。

 当社グループでは、従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指すとする「健康経営宣言」を2014年10月に行っております。KSKグループの長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体であるKSKグループの従業員一人一人の健康が不可欠であると考え、「心(人間力)・技(知識・技術・スキル)・体(心身の健康)」三位一体の真の人づくりに、会社、従業員が一丸となって取り組み、2017年2月には経済産業省より「健康経営優良法人(ホワイト500)」に認定されました。

 当社グループでは、社員一人一人の高い技術力や人間力が、お客様の期待に応え、その個々の能力が集団で発揮できる組織力こそが、加速する技術革新と厳しいグローバル経済に勝ち抜くための源泉であると考えております。Team KSKのスローガンのもと、21世紀のパラダイムシフトに適応するプロフェッショナル集団として、お客様に新たな価値を提供し続ける企業を目指し、これからも全力で事業に取り組んでまいります。

(2)目標とする経営指標等

 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、単なる量の追求から質の向上を重視する成長を志向し、筋肉質で効率的な企業体質づくりを推進してまいります。具体的な指標としては、営業利益率8%を目標としております。

 

(3)中長期的な経営戦略と事業戦略

 新興国の台頭による市場の変化、お客様ニーズの高度化・多様化、市場プレイヤーの流動化、人口減少による労働力の不足など、21世紀における当社グループを取り巻く環境は目まぐるしく変化し、更に激しさが増すものと思われます。

 当社グループは、創立40周年を迎えたのを契機に策定した5ケ年の新中期経営計画「共創∞」により、新たな視点から事業を再構築することで、将来にわたる継続的な成長が可能なエクセレントカンパニーの実現を目指してまいります。また、当社グループではKSKブランドを確立するため、ブランドメッセージ(「マジメな未来をかたちにする We are Team KSK」)を制定しました。自らの強みを正しく認識し、その強みを更に磨き発揮することにより社員一人一人の自信と誇りにつなげ、当社グループの持続的な成長をはかっていくものであります。

 セグメント別の事業戦略は次のとおりであります。

(システムコア事業)

 本事業は半導体設計業務、車載機器用ソフトウェア開発及びコンピュータのシステム設計や回路設計業務を中心に行っており、事業環境の変化に対応したお客様の開拓を進め、事業構造の変革を目指します。

 半導体設計ではこれまでの開発経験を活かし、情報機器、情報家電、携帯情報端末、自動車電装のコアとなるシステムLSIの回路設計から評価に至るまでの全ての工程を一貫して対応することを行ってまいります。

 組み込みソフトウェアの開発では、自動車を初めとして、家電製品、ロボットといったあらゆる機器に搭載されているソフトウェアの開発を行っております。また、ソフトウェア開発以外にも要件定義、品質管理といったマネージメント業務もおこなっております。

 コンピュータのシステム設計では、これまでハードウェアの開発支援やシステム構成支援で培った経験を活かして、各種ミドルウェアの構築業務にも携わってまいります。また、回路設計では仕様設計からプリント配線基盤設計までを最先端技術で一貫してサポートし、計測系のパフォーマンスボードなどに特化した設計を強みとしてまいります。

(ITソリューション事業)

 本事業は、大手IT企業への技術支援業務、エンドユーザーからの受託ソフトウェア開発及びパッケージソフトウェアを中核にしたソリューション事業、官公庁、自治体及び民間企業の健康保険組合を中心としたオペレーター派遣やデーターエントリー業務などを中心に行っております。また、選択と集中を推進して、得意分野に注力してまいります。

 オープン系及びWebサイト構築・開発、ネットワークを含むインフラまで、幅広い分野に対応しワンストップでトータルソリューションを提供することを目指します。

 多様化し続けるモバイル端末向けのコンテンツ・アプリケーション開発支援においては、独自に培ったナレッジを活用し、サービスを提供する事業者や開発会社向けに、サービスの開発・運用をサポートする製品やサービスを引き続き提供してまいります。

 独自に開発した住宅建設業者向けパッケージソフト「住宅マネージャー」は、導入していただいたお客様からのニーズに応え、機能の充実と操作性を向上させる全面的改良を行って市場に投入してまいります。また、今後はAI技術を活用したユーザーにとって使い易いシステムの提案を行ってまいります。

 人材派遣、業務全般をサポートする総合支援サービスなどといった、官公庁や健康保険組合などの事務効率化とコストセーブに寄与するアウトソーシング業務を拡大してまいります。

 データーエントリーにおいては、万全の機密保持と個人情報管理の対策を整え、厳重なセキュリティ設備のもとで、高速・高精度なサービスを提供してまいります。

(ネットワークサービス事業)

 本事業は、ネットワークシステムの構築支援、運用・保守サービス及びサポートセンター支援業務などを中心に行っており、今後クラウド関連業務や、データセンター構築・運用業務を拡大してまいります。

 グローバルネットワークから小規模LANまで、マルチベンダーに対応し、高信頼性、セキュアなネットワークシステムの設計・構築サービス、さらには運用・保守までのワンストップソリューションを提供してまいります。

 ネットワークに関する様々な技術的課題を機動的かつ効率的に解決することを目的とし、プロフェッショナルなサービスを提供することを目指します。

 

(4)事業上の対処すべき課題

当社グループが対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。

①スピード経営

企業競争力の重要な要因として、迅速な意思決定と実行が挙げられます。

現在当社グループでは、基幹システムを通じて経営情報の的確な収集を実現しておりますが、より柔軟で効率の良いシステムの導入を行い、意思決定のスピードアップを目指します。

②事業構造の見直し

AIの実用化やIoTの進展、自動車向けソフト開発業務の急拡大など、既存の技術分野から新たな技術分野へ需要のシフトが発生するなど、市場は想定した以上に早いテンポでかつダイナミックに変化しております。今後成長が期待できる分野へ経営資源を集中して投入していくため、重点分野を適宜見直し積極的かつ柔軟に業務シフトを行ってまいります。

③人材の確保と育成

IT業界の技術変化の速さやお客様ニーズの多様化、技術者の採用環境の悪化等が、当社グループ経営に様々な影響を及ぼしております。このような環境の中で競争力を高め勝ち残っていくためには、タイムリーに技術者やサービスを提供する体制を整える必要があります。積極的な採用により技術者の確保に努めるとともに、常にお客様の視点に立った積極的な支援や提案を行うCS(顧客満足)活動の更なる深化と、それを実践する社員の技術力と人間力を向上させるため、業界トップクラスの教育投資を継続的に行ってまいります。

④健康経営

企業の長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体である従業員一人一人の健康が不可欠であると考え「健康経営」宣言を行っております。従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指してまいります。

⑤品質の向上

高品質なサービスや付加価値を提供し続けることがCS(顧客満足)を向上させ、圧倒的な競争力の獲得につながるものと考えております。そのため、今後3年間で全社を挙げて更なる品質の向上に取り組んでまいります。

⑥コーポレートガバナンスの強化

相次ぐ企業不祥事の影響を受け、コーポレートガバナンスの強化が求められていることから、独立役員である社外監査役の他に社外取締役を選任しております。意思決定プロセスの適正性の確保と内部統制システムの適切な運用が行われるよう監視することで、投資家や顧客の信頼とニーズに応えてまいります。

⑦今後予想される災害等への対応

近い将来に首都圏直下型地震の発生が予想され、東アジア周辺での有事の際には日本にも被害が及ぶ可能性があるなど、災害等発生時に備えた対策の強化が求められております。

当社グループで策定済の事業継続計画(BCP)は、先般の東日本大震災での経験や反省点を踏まえ、より実効のあるものに見直しを行っておりますが、従業員の安全確保や事業継続に必要な体制や設備等を整備・強化してまいります。

また、近年脅威を増しているサイバー攻撃は、その手法が高度化するなどして被害が拡大しており、企業のシステムやネットワークに対するセキュリティの強化が求められております。

当社グループでは、ウイルスや不正アクセス等の外部からの攻撃に対する検知・防御能力の更なる強化を図る一方、万一事故が発生した場合の適切な対応の整備に取り組んでまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

 なお、文中に将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)市場動向について

 当社グループの主要な事業の一つであるITソリューション事業において、主要顧客である大手IT企業が、開発コストの削減を目的に、中国やインドをはじめとするアジア諸国へソフトウェア開発を発注するケースが増えていることや、クラウドコンピューティングによるシステム利用が急速に普及していった場合、今後国内の開発案件が集約あるいは減少し、当社グループの経営成績及び事業展開に悪影響を受ける可能性があります。

(2)人材の確保と育成について

 当社グループの事業は、ソフトウェア開発、組込みソフトウェア開発、LSI設計技術、ネットワーク技術等多くの先端技術に深く関連しています。当社グループでは、これら技術の知識と経験を持った技術者の確保と育成を経営の最優先課題と捉えており、新卒の採用や積極的な中途採用を行うことで技術者の確保に努めるとともに、社内に独自の研修機関(KSKカレッジ)を持ち常に最新技術の動向に対応すべくグループ社員の研修を行っております。しかしながら、少子高齢化の影響により中長期的には労働人口が減少する傾向にあり益々技術要員の確保が難しくなる中、IoTやフィンテック(金融テクノロジー)など次々と新しいニーズの出現や技術革新が行われることで必要とされる技術や知識が変化し、お客様からの要求に対して必要な知識と経験をもった技術者を十分に提供できないことにより、受注機会を逸することが考えられ、当社グループの経営成績及び事業展開に悪影響を受ける可能性があります。

(3)プロジェクトの運営について

 開発案件等を受注した際のプロジェクト運営においては、「要求の正確な把握」「適正な見積」「担当技術者のレベル」「スケジュールの妥当性」「テストの有効性」などといった要因が、プロジェクトの成否や採算性に大きな影響を与えます。プロジェクトの運営を行うプロジェクトマネージャーの巧拙により、大幅な超過コストの発生や納期遅延による損害金が発生する恐れがあり、当社グループの経営成績及び事業展開に悪影響を受ける可能性があります。

(4)個人情報や特定個人情報及び秘密情報の漏洩事故によるリスク

 当社グループの事業の中に、情報処理事業がありますが、ここでは顧客企業から預託された個人情報や特定個人情報のデータエントリー作業を行っております。この作業で使用しているデータエントリーシステムは、インターネット等の外部との接続は勿論のこと、社内のネットワークとも分離しているため外部からの侵入による個人情報の漏洩や改竄の危険性は低くなっております。また、情報処理事業以外の事業において個人情報や特定個人情報及び顧客情報などの秘密情報を取扱う場合があり、こうした情報資産を守るためにプライバシーマークやISMSの認証取得を通じた意識の改善や情報セキュリティ規程を整備するなど社員一人一人に対する教育・啓蒙を行い、情報の重要性を理解させています。しかしながら、特定の組織内の情報を狙って行われるサイバー攻撃の一種である「標的型攻撃」を受け、マルウェアなどの不正プログラムが送りつけられるなどして情報を窃取される可能性があります。万が一、個人情報や特定個人情報が外部に漏れる事態になった場合には、当社グループの信用失墜による売上の減少や、個人情報保護保険に加入しておりますが、保険金を上回る損害賠償請求による費用の発生等が起こることも考えられ、当社グループの経営成績や事業展開に悪影響を受ける可能性があります。

(5)自然災害等のリスク

 地震、台風、津波、洪水等の自然災害、事故、外国からの武力攻撃、テロ、サイバー攻撃、パンデミックをはじめとした当社グループがコントロールできない事由によって、当社グループの社員や建物、設備やシステム等が被害を被った場合を想定して、事業継続計画の見直しを行っておりますが、その被害の大きさによっては当社グループの事業が一時停止するなど、当社グループの経営成績や事業展開に悪影響を受ける可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 日本電気株式会社及びその関係会社との間に売買、請負等に関して基本的事項を定めた「基本契約書」をそれぞれ締結しております。

6【研究開発活動】

 当社グループは高度情報化社会に対応していくため、各分野にわたって研究開発に取り組むこととして、今後の事業の中心となる製品の研究開発を進めております。
 当連結会計年度における研究開発は、ITソリューション事業を中心に推進されており、当社の技術部門において自社開発した住宅建設事業者向けパッケージソフトウェアの全面改良に向けた研究開発や、インターネットやスマートフォン関連分野での、市場ニーズの調査や新規事業の開拓をテーマとした研究開発を行っております。
 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、74百万円(消費税等は含まれておりません。)であります。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりであります。
 文中に将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末日(平成29年3月31日)現在において判断したものであり、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、債権の回収可能性、法人税等、退職金などに関する見積り及び判断に対して評価を行っております。
 経営者は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる根拠・要因に基づいて、資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字について判断を行っております。なお、見積りは特有の不確実性を有しているため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
 当社グループの連結財務諸表の作成時に、以下の項目において使用される重要な判断と見積りが大きな影響を及ぼすと考えております。

(貸倒引当金)

 当社グループは、顧客から債権が回収できない時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化しその支払い能力が低下したことにより貸倒の懸念が発生した場合、回収不能見込額を追加引当する可能性があります。

(固定資産の減損)

 当社グループは、管理会計上の区分であり、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でもあるビジネスユニットごとに固定資産のグルーピングを行っております。
 当該固定資産のグルーピングの方法による資産グループに減損の兆候が見られた場合、当該資産グループから得られる割引前キャッシュ・フロー等をもとに減損損失の認識の必要性を検討しております。
 その結果、減損損失の認識が必要と判断された場合、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失の計上を行うこととしておりますが、将来の経済的環境により新たに減損損失の計上が必要となる可能性があります。

(投資の減損)

 当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の顧客及び金融機関の株式を所有しております。これらの株式には変動する時価がある上場株式と時価のない未上場株式が含まれます。
 当社グループでは時価が著しく下落したと判断した場合、投資の減損を計上しております。未上場会社の投資の場合は、それらの会社の純資産額が簿価に比べ著しく下落し回復の可能性がないと判断した場合に減損を計上しております。
 なお、当連結会計年度末における保有株式については、将来の株式市況悪化又は投資先の業績不振等により評価損の計上が必要となる可能性があります。

(繰延税金資産)

 当社グループは、繰延税金資産の計上に当たっては、将来の課税所得及び実現性の高い税務計画を基に検討し、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取崩し、費用として計上する可能性があります。

(退職給付に係る負債)

 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率などが含まれます。
 割引率は日本の国債の市場利回りを在籍従業員の平均残存勤務年数で調整して算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

(工事進行基準)

 当社グループは、進捗部分について成果の確実性が認められる契約については、売上高及び売上原価について工事進行基準を採用し、工事の進捗率の見積りは原価比例法を採用しておりますが、工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗について、当初の見積りに反して信頼性のある見積りができなくなった結果、成果の確実性が失われたと判断した場合、認識された収益額に影響を及ぼす可能性があります。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、拡大する市場の需要に対応すべく新卒および中途の採用を強化するとともに、人材育成にも注力してまいりました。
 この結果、当連結会計年度の売上高は、14,540百万円で前連結会計年度比680百万円の増(前連結会計年度比4.9%増)となり、営業利益は1,248百万円と前連結会計年度比122百万円の増(同10.9%増)、経常利益は1,285百万円で前連結会計年度比119百万円の増(同10.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は895百万円で前連結会計年度比189百万円の増(同26.9%増)となりました。

(3)当連結会計年度の財政状態の分析

 当連結会計年度末の資産は、総資産が13,381百万円で前連結会計年度末比880百万円の増加(前連結会計年度末比7.0%増)となりましたが、これは主に現金及び預金が287百万円、投資有価証券が1,001百万円、受取手形及び売掛金が142百万円、それぞれ増加した一方で、有価証券が299百万円、投資その他の資産その他に含まれる長期預金が300百万円減少したことなどによるものであります。

 当連結会計年度末の負債は3,829百万円で前連結会計年度末比238百万円の増加(前連結会計年度末比6.6%増)となりましたが、これは主に、買掛金が49百万円、流動負債その他に含まれる未払金が127百万円、退職給付に係る負債が62百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。

 当連結会計年度末の純資産は9,551百万円で前連結会計年度末比642百万円の増加(前連結会計年度末比7.2%増)となりましたが、これは主に利益剰余金が677百万円、その他有価証券評価差額金が100百万円、新株予約権が24百万円、退職給付に係る調整累計額が13百万円増加した一方で、自己株式の取得により175百万円減少したことなどによるものであります。

(4)資金の流動性についての分析

 営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より145百万円多い1,035百万円の資金を得ました。これは主として、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費、仕入債務の増加、退職給付に係る負債の増加、賞与引当金の増加、利息及び配当金の受取などといった増加要因があった一方で、法人税等の支払や売上債権の増加などといった減少要因があったことなどによるものであります。
 投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より911百万円少ない356百万円の資金を使用しました。これは主として、定期預金の払戻、有価証券の償還、投資有価証券の売却といった増加要因があった一方で、有価証券の取得や投資有価証券の取得及び無形固定資産の取得などといった減少要因があったことなどによるものであります。
 財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より143百万円多い392百万円の資金を使用しました。これは主として、短期借入れといった増加要因があった一方で、短期借入金の返済や配当金の支払、自己株式の取得といった減少要因があったことなどによるものであります。

 





出典: 株式会社KSK、2017-03-31 期 有価証券報告書