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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

 (1) 業績 

当連結会計年度におけるわが国経済は、欧米景気の悪化などを背景に、景気後退局面が長期化し、とりわけ、平成20年度下期はマイナス成長と、深刻な景気後退局面に至っております。3月の日銀短観によれば、企業の業況判断DIも、全規模全産業合計でマイナス46と、2年連続のマイナスに転じております。

情報サービス産業におきましては、経済産業省の特定サービス産業動態統計によれば、12月単月の売上高は、前年同月比△2.6%と4ヶ月連続の減少となりましたが、平成20年の年間売上高は、前年比1.4%と5年連続で増加いたしました。また、1月単月の売上高は、前年同月比4.0%と5ヶ月ぶりの増加となりましたが、2月単月の売上高は、前年同月比△1.2%と2ヶ月ぶりの減少となりました。受注ソフトウェアに関しましては、年間売上高は金融業向けなどが増加したことから同2.1%と5年連続で増加したものの、単月では9月、12月に前年同月比で減少いたしました。

このような状況のもと、当連結会計年度における受注高は22,448,797千円(前年同期比645,513千円増、3.0%増)、売上高は23,238,813千円(同比1,302,151千円増、5.9%増)となりました。売上高のうちシステム開発事業は、12,377,754千円(同比425,783千円増、3.6%増)、総合サービス事業の売上高は、10,861,058千円(同比876,367千円増、8.8%増)となりました。

損益面は、売上総利益3,728,264千円(前年同期比423,980千円減、10.2%減)となり、営業損失62,928千円(前年同期営業利益1,043,661千円)、経常損失88,259千円(同経常利益1,070,013千円)と、ともに減益となりました。固定資産売却、受取保険金に伴う特別利益と投資有価証券売却、投資有価証券評価損の計上に伴う特別損失が発生したことにより、税金等調整前当期純損失は277,608千円(同税金等調整前当期純利益1,001,526千円)となり、法人税、住民税及び事業税および法人税等調整額の計上により当期純損失は404,378千円(同当期純利益603,869千円)となりました。

売上高における前年同期比での増加につきましては、昨年4月に子会社化した株式会社クレヴァシステムズの業績加算ならびに各業種分野において継続案件、新規案件ともに上期は堅調に推移いたしました。下期に入り自治体や企業のIT投資に対する姿勢が急激に後退しました。その結果、大型案件の受注が減少したことに加え、一部開発案件の延期、中止そして契約締結に至る期間の長期化等が発生しました。また、損益悪化プロジェクトの影響を払拭できず、当社の受注機会損失を招きました。総合サービス事業は、通期においてkeyCOMPASS事業を通じた「経営とITの統合コンサルティング」「ハイブリッド・シンクライアント・ソリューション」案件などにより新規顧客の開拓が進捗いたしました。また、HP-UX、Linux、Windows系等のインフラ構築案件が好調に推移したほか、ERP事業につきましても既存顧客向け、新規顧客向けともに堅調に推移しました。さらに自社パッケージへの機能強化を実施した医療事業、知財事業も堅調でした。

損益面における前年同期比での減少につきましては、第1四半期は開発の効率化、オフショア開発を進め収益性とプロジェクト品質の確保に努め堅調に推移したものの、第2四半期以降は、損益悪化プロジェクトの複数発生による労務費および外注費等の増加ならびに稼働率の低下が発生しました。また、利益への寄与が大きい大型案件の減少や既存顧客からの更なる原価低減の要求が発生しました。

事業部門別の実績は次のとおりであります。

① システム開発事業

官庁向け案件、金融、医療、メディア系、航空宇宙系、ネットワーク監視業務、通信事業者向けの継続・新規案件の受注獲得により、システム開発の売上高は12,377,754千円(前年同期比425,783千円増、3.6%増)となりました。

② 総合サービス事業

運輸系のSI案件で新規顧客開拓が進み、受注を獲得しました。ERP事業においては、SAP社との協業強化を通して新規顧客の開拓を推進したほか、半導体メーカ向け案件、電気メーカ向け案件、小売業向け案件などエンドユーザとのシステム・インテグレーション契約を推進し収益向上を図ったこと、インフラ構築案件においても積極的に請負化を推進した結果、総合サービス事業の売上高は10,861,058千円(前年同期比876,367千円増、8.8%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,662,988千円(前連結会計年度末比653,286千円増、64.7%増)となりました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、税金等調整前当期純損失(277,608千円)、仕入債務の減少(463,843千円)、法人税等の支払(373,876千円)などがあったものの、売上債権の減少(2,161,310千円)、たな卸資産の減少(732,204千円)などにより1,985,817千円の増加となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、有形固定資産の売却による収入(240,904千円)などがあったものの、子会社株式の取得による支出(634,008千円)、無形固定資産の取得による支出(164,379千円)などにより539,332千円の減少となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、長期借入による収入(1,700,000千円)があったものの、長期借入金の返済による支出(1,393,051千円)、短期借入金の純減額(800,000千円)、配当金の支払(200,148千円)などにより793,199千円の減少となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績・仕入実績

   当社グループの製品の性格上、生産・仕入といった区分は適当ではないとの判断のもと数値の把握をしておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績を事業区分別ごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業区分
当連結会計年度
自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
システム開発事業
11,917,274
4.1
2,568,656
8.1
総合サービス事業
10,531,523
1.7
2,953,842
△7.3
合計
22,448,797
3.0
5,522,498
△0.7

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業区分別ごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業区分
当連結会計年度
自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日
販売高(千円)
前年同期比(%)
システム開発事業
12,377,754
3.6
総合サービス事業
10,861,058
8.8
合計
23,238,813
5.9

(注) 1 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先
前連結会計年度
自 平成19年4月1日
至 平成20年3月31日
当連結会計年度
自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
日本電気㈱
2,693,073
12.3
2,845,533
12.2

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

平成20年9月の「リーマン・ショック」を契機とした欧米の金融危機の発生とそれに伴う海外経済の減速を受けて、これまでわが国経済の牽引役であった外需の伸びがマイナスに転じることによって、企業部門においては、生産の減少、企業収益の悪化、民間企業設備投資の減少など厳しい状況が続くものと思われます。こうした企業部門の厳しさは、雇用・所得環境の悪化を介して家計部門へと影響し、個人消費や住宅投資を冷え込ませ、先行きについても、不確実性は著しく高まることが予想されます。

こうした中、情報サービス産業は、金融業を中心として引き続き堅調なシステム投資が続いております。採算面では、業界を挙げてプロジェクト請負適正化、プロジェクト採算管理の徹底やオフショア開発活用拡大等を通じたプロジェクト採算悪化防止や収益改善に向けた取り組みが展開されております。一方、当産業に求められる能力や技術的要素は多様化、高度化しております。引き続き、優秀な人材の確保・育成が急務であり業界全体で取り組まなければならない課題となっております。

当社は、このような事業環境にあって、昨年3月の東京証券取引所市場第二部上場に続き、本年3月には東京証券取引所ディスクロージャー新人賞を受賞いたしました。これまでにも増して上場企業にふさわしい存在感を長期・安定的に示していくため、官公庁、通信、放送、運輸といった当社が得意とする社会インフラ分野の情報システム構築に加え、当社が独自のノウハウを長年にわたって培ってきた金融、医療、知的財産といった分野へのソリューション投入を積極的に進めてまいります。また、当社の統一的なビジネスモデルであるkeyCOMPASSを掲げ、経営戦略の立案、BPM(Business Process Management)、EA(Enterprise Architecture)等の業務プロセス再構築や情報システム戦略の立案といった経営とITの統合ソリューション、情報漏洩防止のための「ハイブリッド・シンクライアント」などの情報セキュリティ・ソリューション、様々なIP携帯端末やアプリケーションを駆使したユビキタス・ソリューションなどを提供してまいります。さらには、当社の強みとするERPやグループウェア関連のノウハウをコンサルティングに組み込んで顧客に提供していくほか、昨年4月に子会社化した株式会社クレヴァシステムズの強みとするERP、WEB、ITインフラ関連技術ならびに顧客ベースが、当社の保有技術、顧客ベースとの良好な補完関係をなすことから、当社グループとしての一層の成長を図り得るものと考えております。

当社は、上場企業としての社会的責任を認識し、積極的にコンプライアンスを推進することにより、社会や顧客に信頼されるとともに成長を期待される企業であり続けます。
 また、社会や顧客に対し、最適な商品やサービスを提供し、そのために常に先端技術の探求と普及に努めてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性についての主な事項を記載しております。また、当社グループとしては必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが本株式に関する投資判断は、本項および本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。なお、文中における将来に係る事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループの事業に関するリスク

① 事業全般に関するリスクについて
a. システム開発事業について

システム開発事業においては、日本電気株式会社(以下NEC)等のシステムインテグレータからの受託開発案件が中心であり、結果として、当社グループの売上高は特定の顧客、とりわけNECおよびその関係会社に集中しております(次頁以降参照)。当社グループのシステム開発事業の顧客はNECを含めて安定的なシステムインテグレータが中心でありますが、これらのシステムインテグレータ向け受託開発においては、エンドユーザとの直接契約と比較して利益率が低くなる傾向があります。今後においても受託開発に関して価格競争の激化や顧客からの値下げ要請等により利益率が継続的に低下した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

b. 総合サービス事業について

総合サービス事業につきましては、SAP社のERPパッケージ「SAP ERP」および日本IBM社のグループウェアパッケージ「ロータスノーツ/ドミノ」の導入支援業務を中心に展開しております。いわゆるデファクトスタンダード(事実上の業界標準)商品をベースにソリューションを構築し、顧客に提供することとしており、両製品に加え、当社グループが提供するソリューションにおいてベースとするデファクトスタンダード商品の競争力が低下した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

② 特定の取引先への依存度に関するリスクについて

当社グループは、官公庁や日本電気株式会社および関係会社(以下NEC・関係会社)、日本電信電話株式会社を中心としたNTT関係会社(以下NTT関係会社)、東日本旅客鉄道株式会社および関係会社(以下JR・関係会社)、日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下HP)、三菱商事株式会社および関係会社(以下三菱商事・関係会社)など大手顧客からの安定した受注があり、相応の経営基盤を築いております。その業務内容は社会インフラ企業の基盤システム構築業務であり、一般的な業務系システム(会計業務、販売業務、在庫管理業務、購買業務等)とは異なり、顧客固有の特殊業務分野に位置づけられます。当社グループは、この特殊な業務を長年に渡り担当しており、当社グループ特有の業務に関するシステム構築実績とノウハウを多く持っていることが強みになっている反面、上記主要顧客(5社ならびに関係会社)の売上高は、当社グループの売上高の61.6%を占めており、当社グループ売上高の上記主要顧客への依存度は非常に高い状況にあります。したがって、上記の主要顧客の業績動向等によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

売上高推移−
 
 
  (単位:千円)  
 
相  手  先
第43期連結会計年度
第44期連結会計年度
 
自 平成19年4月1日
自 平成20年4月1日
 
至 平成20年3月31日
至 平成21年3月31日
 
金額
比率%
金額
比率%
 
NEC・関係会社
9,107,463
41.5
8,349,530
35.9
 
NTT関係会社
1,962,856
8.9
2,197,977
9.5
 
JR・関係会社
1,830,064
8.3
1,331,486
5.7
 
HP
1,004,582
4.6
707,524
3.0
 
三菱商事・関係会社 
1,745,130
8.0
1,726,962
7.4
 
小 計
15,650,096
71.3
14,313,482
61.6
 
その他一般
6,286,565
28.7
8,925,330
38.4
 
売上高
21,936,662
100.0
23,238,813
100.0
 
(注)消費税等は含まれておりません。
 
 
 
 
 
 
 
 

③ 同業他社との競合等による、収益圧迫に関するリスクについて

当社グループの主力2事業のうち、システム開発事業においては、電子政府・自治体関連案件の一巡、携帯電話網構築案件の飽和等により、案件数は縮小傾向に加えて、中国等での海外ソフトウェア開発が進展しているため、競合企業との間で受注競争は激化し、発注元からの単価削減要請も続いております。今後も引き続き単価引き下げ要求による収益性の悪化が続いた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 また、総合サービス事業においては、「SAP ERP」を用いた基幹システムの構築を中核に据えた事業展開を行っておりますが、大企業向けERP市場は飽和傾向が現れており、さらにSAP Business−One等の中堅企業向けERP市場は本格的な立ち上がりに至っていないとの分析もある中、従来のシステムインテグレータに加え、コンサルティング会社の参入が続いており、今後競争が激化し、特定の業種・業務ノウハウによる強みをアピールできない分野においては、収益性が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

④ プロジェクトの採算管理に関するリスクについて

当社グループが属する情報サービス産業においては、一般的に大規模な受注ソフトウェア開発について多様な顧客のニーズ対応および最新の技術が求められることから、そのサービス内容を契約締結段階で詳細に確定することが困難な場合が多く、当初の見積と実際発生した工数との間に乖離が生じる可能性があります。こうした見積工数と実工数とのギャップを解消すべく当社グループが行う過度のサービスの恒常化は、顧客との技術の面での信頼関係を強固にする反面、当社グループの収益性を損なう要因となり得ます。また、正式契約に至るまでの事前の商談、顧客ニーズの調査、見積作成にかかる人件費は契約合意に至らない場合、コストとして負担を強いられることとなります。
 当社グループでは、品質、コスト、納期の目標を達成するためのリスク管理要領において、プロジェクト推進部門から独立した組織であるプロジェクト管理室によるプロジェクトレビュー基準を定めており、契約時、計画書作成時、進捗時ごとに実施しており、リスク管理に努めております。
 また、営業本部長および技術本部長、ならびにプロジェクト管理室長、事業部長が重要であると判断したプロジェクトについては「全社レビュー対象プロジェクト」に指定し、プロジェクトの工程レビューにプロジェクト管理室が参加し、全社として問題解決に当たる仕組みを構築いたしております。
 しかしながら、このような対策を講じているにもかかわらず、予測しない事態の発生により、プロジェクトの採算が確保できなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 外注活用方針、海外開発会社の活用に関するリスクについて

当社グループは業務遂行上必要に応じて協力会社に外注しており、平成21年3月期の当社の製造原価に占める外注比率は49.4%であります。外注を活用する理由としては、固定費の削減や、事業展開が柔軟になるなどのメリット確保のため、当社グループは外注先への要求事項を明確にし請負型発注への転換、外注先の集約を実施し、パートナーとしての位置づけを明確に行った上で長期・安定的な取引の構築を図るとともに納品物の品質向上を指導し実現しております。
 また、当社グループでは、中国をはじめとする海外ソフトウェア会社の活用の拡大に取り組んでおります。中国での開発は、当社グループが国内で開発仕様を決定して以降のプログラム製造工程が大半を占めるため、開発者が往来して直接打合せを行う必要性が少ない領域が中心となっており、中国の主要外注先に対しては、従来からプロジェクト管理システムによる進捗管理を実施している他、インターネットや電子メールの活用も定着しており、遠隔地での開発リスクに対応した環境整備を行っております。
 しかしながら、これらの海外ソフトウェア開発による外注比率の拡大は競合他社による外注先の囲い込みも進展させ、必ずしも高度な技術レベルのソフトウェア会社を一定数以上確保できるとは限りません。また、国内からの中国ソフトウェア業界への発注量増加によって中国ソフトウェア技術者の人件費が高騰する傾向も見られ、今後も国内外問わず優良な外注先を安定的また継続的に確保できない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 当社グループが提供するシステムもしくはサービスにおける不具合発生に関するリスクについて

当社グループが提供するシステムにおいて、誤作動、バグ、納期遅延等の不具合が生じた場合、当該サービスにおける損害賠償責任の発生や顧客の当社グループに対する信頼を喪失することにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 優秀な技術者の確保、育成に関するリスクついて

当社グループの提供するサービスは人材、特に情報処理技術者の能力や、資質に大きく依存しております。当社グループの今後の事業戦略を考えると、ITコンサルティングやプロジェクトマネジメントのノウハウを有する人材の確保は重要となり、当社グループでは新卒者を対象とした定期採用と中途採用を積極的に実施し徹底した能力・実績主義に基づく評価・報酬体系を導入し優秀な人材の確保に努めております。現時点では、必要な技術者は確保されていると当社グループでは考えておりますが、労働市場の逼迫等により、当社グループが必要とする優秀な技術者または労働力を確保できない場合、または当社グループの従業員が大量に退職した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 技術革新ならびに技術の陳腐化に関するリスクについて

当社グループでは、経営とITを一体化したコンサルティングサービスを推進しておりますが、この領域では技術革新のスピードが速いため、先進のノウハウとシステムを保有し、かつそれらを継続的にアップデートしていく必要があります。当社グループにおいては迅速な環境変化に対応できるような組織運営を進めてはおりますが、当社グループの想定している以上の技術革新等による著しい環境変化等が生じた場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑨ 法的規制等に関連するリスクについて

現在、当社の事業を推進する上で、直接的に規制を受ける法的規制は建設業法であります。(許可を受けた建設業:電気通信工事業、許可番号:東京都知事 許可(般−18)第116390号、許可年月日:平成18年11月6日 有効期限:平成23年11月5日)
 当社グループでは、当該許可の諸条件や各法令の遵守に努めており、現状においては、当該許可が取消しとなる事由は認識しておりません。しかしながら、万一法令違反等によって許可が取り消された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 また、今後現行法令の解釈の変更や改正ならびに新法令の制定等、当社グループの事業を規制する法令等が新たに制定される可能性があります。そうした場合に、当該規制への対応に際して、サービス内容の変更や新たな開発コストが発生すること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑩ セキュリティ管理に関するリスクについて

高度情報化社会の進展に伴い、パソコン、インターネットの利用が一般化する一方で、セキュリティのリスクは年々高まっておりますが、その中でも特に顧客の情報漏洩が大きな社会問題となっております。当社グループは顧客の情報システムを構築する過程において、個々の顧客業務内容等の内部情報を入手しうる立場にあり、当社では情報セキュリティの強化を図り、情報管理体制の整備強化に努めております。
 平成17年4月1日に個人情報保護法が施行されたことに伴い、企業が取り扱う機密情報や個人情報について、情報管理が不十分であると会社経営に重大な影響を与える可能性があることを認識しております。当社ならびに当社から人事・総務・経理・購買等の業務を受託しているキーウェアマネジメント株式会社は個人情報取扱い事業者であり、顧客データ管理の安全性や信頼性に重点をおいた施策をとり、当社グループはISO9001を取得しそれに基づいた品質重視の開発・運用の推進、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証取得企業として、個人情報の管理強化に取り組んでおります。また、当社はプライバシーマーク認証取得企業として、あわせて更なる個人情報の管理強化に取り組んでおります。
 しかしながら、今後、不測の事態により、顧客情報や従業員の個人情報が外部へ漏洩することとなった場合には、顧客からの損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑪ 知的財産権の保護に関するリスクについて

近年、IT業界においては、自社技術保護のための特許申請が増加する傾向にあります。このような環境において、当社も自社特殊技術の保護のため、他社との差別化および競争力のあるサービスを永続的に提供するために、知的財産権、特に特許出願の推進を行っております。
 当社は、平成17年3月4日に地上基地局の電波で校正することなく、衛星からの電波だけで位置を正しく把握できる自立測位方法、自立航法装置(特許第3651678)、およびコンピュータプログラム(平成14年8月13日出願、出願番号:特願2002−236137号)の特許権を取得しております。
 また、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めており、現時点において侵害はないものと認識しておりますが、将来において第三者の知的財産権への侵害が生じてしまう可能性は否定できません。
 当社グループがサービスを提供する上で第三者の知的財産権を侵害していることが発覚した場合、当社グループへの損害賠償請求、信用の低下およびブランド力の劣化により、当社グループの事業運営および業績に影響を与える可能性があります。
 また、当社グループの知的財産について、第三者によって侵害される可能性もあります。このような場合には、かかる侵害者に対する訴訟およびその他防衛策を講じるため、経営資源を割くことを余儀なくされる事態が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑫ 経済環境の変化による企業のシステム開発投資抑制に関するリスクについて

情報サービス業界は、平成21年度通期においてさらに減速し、前年度比マイナス2.0%と15年振りのマイナス成長となる予想もあります。特に中国への海外ソフトウェア発注の進展により、従来型の受託開発市場規模は中期的にも縮小傾向が続くものと予想されるため、経済環境によってはユーザ企業や大手システムインテグレータによる発注先の選別も厳しいものとなることが見込まれます。今後もこのような環境が続き、企業のシステム開発に対する投資が悪化した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 業績変動等に関するリスクについて

 

① 業績変動に関するリスクについて

当社グループが属する情報サービス産業における業績変動の特異性として、顧客の都合により売上計上時期が9月および3月に集中する傾向があります。よって、当社グループの業績は例年下半期が上半期を上回る傾向となっております。これは当社グループの得意先である企業等の検収が中間期末および期末に集中する傾向にあることを要因としており、平成21年3月期における3月度の売上高は年間売上高の22.3%を占めております。下半期の業績が上半期を上回る傾向となる他の要因として、システム開発には一定水準以上の技術者が必要であり、新入社員を迎えた上半期は集中研修によって技術力のレベルアップを図るため、稼働率の低下が発生することが挙げられます。

 

 
過年度業績 (半期)
(単位:千円、%)
 
 
第43期連結会計年度
第44期連結会計年度
 
自 平成19年4月1日
自 平成20年4月1日
 
至 平成20年3月31日
至 平成21年3月31日
 
上期
下期
上期
下期
 
売上高
9,480,101
12,456,560
11,040,909
12,197,903
 
構成比
43.2
56.8
47.5
52.5
 
売上総利益
1,831,636
2,320,608
1,780,694
1,947,570
 
構成比
44.1
55.9
47.8
52.2
 
営業利益
265,439
778,221
△ 226,183
163,254
 
構成比
25.4
74.6
 
経常利益
231,288
838,725
△ 266,399
178,140
 
構成比
21.6
78.4
 
(注)売上高に、消費税等は含まれておりません。

 

 
過年度業績(四半期)
(単位:千円)
 
 
平成20年3月期
平成20年3月期
平成20年3月期
平成20年3月期
 
 
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
 
売上高
3,810,426
5,669,674
4,117,666
8,338,894
 
営業利益
△ 95,393
360,832
△ 127,551
905,772
 
経常利益
△ 177,841
409,129
△ 157,908
996,633
 
 
平成21年3月期
平成21年3月期
平成21年3月期
平成21年3月期
 
 
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
 
売上高
4,566,400
6,474,509
4,625,004
7,572,898
 
営業利益
△ 354,758
128,575
△ 322,113
485,368
 
経常利益
△ 438,589
172,189
△ 329,103
507,244
 
(注)売上高に、消費税等は含まれておりません。

 

② 売上の計上基準に関するリスクについて

当社グループの売上計上基準は原則として検収基準を採用しており、顧客の都合等によっては、契約上予定されていた期間内に顧客による検収を受けることができない場合があります。特に期末である3月に計画どおりに検収を受けることができなかった場合には、売上計上の時期が翌期となることにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) NECとの関係に関するリスクについて

①NECとの関係に関するリスクについて

当社は、NECの持分法適用会社であります。

当社グループは、NEC・関係会社が受注したコンピューター・システムの構築業務のうち、ソフトウェア開発の一部をNEC・関係会社から受託しており、NEC・関係会社と協業して事業を推進しております。

当社グループは、引き続きNECの持分法適用会社として、また、NEC・関係会社を重要な協業先として関係を保つことを想定しておりますが、NECの方針によってはNEC・関係会社と当社グループの関係に変化が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

②取引に関するリスクについて

当社と、NEC・関係会社との最近の取引状況は、以下のとおりであります。当社の売上取引は通常、当社売上高の40%前後、仕入れ取引については当社仕入高の30%超をそれぞれ占めており、NEC・関係会社に対する依存度は高い状況にあります。

取引関係はそれぞれ会社ごとに基本契約が締結されており、長年に渡って安定的に継続されておりますが、当社の業績はNEC・関係会社の業績動向等の影響を受ける可能性があります。

 

第44期事業年度(自 平成20年4月1日 至 平成21年3月31日)

種類
会社等の名称
又は氏名
所在地
資本金又
は出資金
(百万円)
事業の内容
又は職業
議決権等
の所有
(被所有)
割合(%)
関連当事者との関係
取引の内容
取引金額
(千円)
科目
期末残高
(千円)
その他の関係会社
日本電気㈱
東京都
港区
337,940
通信機器コンピュータその他の電子機器および電子デバイスの製造および販売
(被所有)
直接
35.0
ソフトウェア開発業務の受託
ソフトウェア開発の受託
(注)2
2,627,766
売掛金
159,315
その他の関係会社の子会社
NECソフト㈱
東京都江東区
8,668
各種業務システムの開発、運用支援
なし
ソフトウェア開発業務の受託
ソフトウェア開発の受託
(注)2
459,935
売掛金
180,719
NECエレクトロニクス㈱
神奈川県
川崎市
中原区
85,955
汎用DRAMを除く半導体の研究、開発、製造、およびサービス
なし
ソフトウェア開発業務の受託
ソフトウェア開発の受託
(注)2
588,881
売掛金
124,304

(注)1 上記金額のうち、取引金額は消費税等を含まず、期末残高は消費税等を含んでおります。

   2 ソフトウェア開発業務の受託につきましては、取引の都度見積書を提出し、交渉の上決定しております。

 

③役員兼務について

 本書提出日現在、当社の役員11名のうちNEC在職者が2名おります。その者の氏名ならびに当社およびNECにおける役職は以下のとおりであります。

当社における役員
氏  名
日本電気株式会社における役職
取締役
(非常勤)
富山 卓二
執行役員兼ITサービスBU OMCS事業本部長
監査役
(非常勤)
岡西 祥太郎
ITサービスBU ITサービス企画本部長

上記2名は、当社事業に関する助言を得ることおよび監査体制の強化等を目的として、当社が招聘したものであります。

 

④従業員の受け入れについて

平成21年3月31日現在、NECからの受入出向者は 1名であります。

当該受入出向者は、ビジネスソリューション事業本部での技術力強化として1名(出向期間:平成19年4月1日から平成22年3月31日)であります。

 

(4) 株式会社HBAとの関係に関するリスクについて

①沿革

株式会社HBAは、平成21年3月31日時点で当社が発行済株式総数の20.7%を所有する持分法適用会社であります。

昭和39年4月に当社の創業社長である故松尾三郎が、北海道ビジネスオートメーション株式会社(現株式会社HBA)として北海道札幌市に設立いたしました。業務としては、北海道庁、農協の機械化コンサルタント、千歳市役所他のソフトウェア受託開発業務を行っておりました。当時、北海道庁に営業活動を展開していたNECと、北海道だけでなく全国的規模での事業展開をはかることを目的として業務提携を行い、それに伴い昭和39年9月に東京事務所を設立いたしました。

その後、東京事務所は急激に業容を拡大し、同社の実態は、札幌本社25名、東京事務所80名となり、本来なら本社を東京に移転し、それと同時に社名変更を行うのが自然な形でありましたが、その後の北海道におけるマーケットの確保と地元の依頼などから、同社はそのまま存続させ、東京事務所を同社から分離させ、当社を設立することとなり、昭和40年5月に日本電子開発株式会社(現当社)を設立いたしました。

なお、当社が同社株式を所有することとなった経緯は、当社が分離独立後において同社の設立時の株主等からの譲受および同社第三者割当増資の引受等によるものであります。

 

②株式会社HBAとの関係

株式会社HBAは、北海道を地盤とし、主として北海道庁をはじめとした官公庁を中心に受託計算、ソフトウェアサービス等の事業を行っております。一方、当社の100%連結子会社であるキーウェア北海道株式会社は、主に民需系のシステム受託開発を行っており、事業上の棲み分けはなされているものと認識しております。

また、株式会社HBAは、東京都品川区に東京支社を有しており、東京を中心とする民需系システムに係る受託計算、ソフトウェアサービス等の事業を展開しております。同社は通信業界の顧客管理システムに係る受託計算や卸・小売業業界向けのパッケージシステムの導入等を得意としており、同社以外の当社グループが得意とする社会インフラ企業の基盤システム構築業務とは分野が異なっております。また、同社との競合について特段の調整事項は存在せず、このため当社グループと同社との事業上の棲み分けはなされているものと認識しております。

しかしながら、今後の事業環境の変化等によっては、当社グループと同社との間に競合が生じる可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

   技術受入契約

 

契約会社名
相手方の名称
国名
契約内容
契約締結日
キーウェアソリ
ューションズ㈱
(当社)
SAPジャパン㈱
日本
情報処理業務委託基本契約
 
平成6年10月1日
(1年ごとの自動更新)
R/3エンドユーザソフトウェア使用許諾契約
平成6年10月1日
(1年ごとの自動更新)
R/3ソフトウェア契約
 
平成10年11月30日
(1年ごとの自動更新)
R/3インプリメンテーション・パートナー契約
平成12年11月1日
(1年ごとの自動更新)
ビジネスソリューションプロバイダー契約
 
平成10年3月16日
変更(平成16年9月30日)
(1年ごとの自動更新)
mySAP.comサービスパートナー契約
平成13年12月11日
(1年ごとの自動更新)
SAP Business-One セールス・サービス・パートナー契約
平成16年12月1日
(1年ごとの自動更新)
 
マイクロソフト㈱
日本
ソリューションプロバイダーメンバー契約
平成7年1月1日
(1年ごとの自動更新)
 
日本ヒューレット・
パッカード㈱
日本
業務委託基本契約
平成11年12月28日
(1年ごとの自動更新)
 
日本オラクル㈱
日本
オラクルパートナー契約
 
平成11年8月1日
(1年ごとの自動更新)
コンサルティングサービス契約
平成11年8月1日
(1年ごとの自動更新)
 
㈱エヌ・ティ・ティ
・ドコモ
日本
ドコモ・アライアンスパートナー契約
平成21年3月6日
(1年ごとの更新)
 
サン・マイクロシステムズ㈱
日本
コンサルティングパートナー契約
平成16年12月16日
(1年ごとの自動更新)

(注)SAP ERPとは、ドイツSAP社が提供する基幹業務を中心としたERPパッケージソフトウェアです。

 

 

株式会社クレヴァシステムズ(連結子会社)との簡易株式交換契約

 当社は、連結子会社である株式会社クレヴァシステムズについて、平成20年4月2日に同社の株式の過半数(67.0%)を取得することにより、同社を連結子会社とするとともに、保有スキルの効率的な展開を進めてまいりましたが、意思決定の迅速化、経営資源の効率化などを一層進めることにより、当社グループのシナジーの向上と事業環境の変化への機動的かつ柔軟な対応が図れるものと判断し、取締役会決議を経て簡易株式交換契約を締結いたしました。
 株式交換契約の概要は、以下のとおりであります。

 

(1) 株式交換の内容

当社を完全親会社とし、株式会社クレヴァシステムズを完全子会社とする株式交換

 なお、本株式交換を行うにあたり、当社は会社法第796条第3項の規定の定めに基づく簡易株式交換手続きにより、会社法第795条第1項に定める当社の株主総会の承認決議は行いません。

 

(2) 株式交換の日

平成20年9月30日

 

(3) 株式交換の方法

 当社は本件株式交換契約に従い、株式交換契約効力発生日の前日である平成20年9月29日の最終の株式会社クレヴァシステムズの株主名簿に記載または記録された株主に対し、その所有する株式会社クレヴァシステムズの普通株式1株につき、金150,000円を交付し、当社は株式会社クレヴァシステムズの発行済み株式の全部を取得いたしました。

 

(4) 株式交換に際して交付される金銭の額の算定根拠

 当社が平成20年4月2日に株式会社クレヴァシステムズの株式を取得するに際して、第三者機関に株価評価を依頼しましたが、係る株価評価の算定を行った時点以降において、株式会社クレヴァシステムズの財産状態または経営成績に重大な影響を及ぼす事象が生じていないことを、当社と株式会社クレヴァシステムズは確認いたしました。
 そこで、当社と株式会社クレヴァシステムズは、この評価結果および直近の株式会社クレヴァシステムズの株式の取引事例を総合的に勘案し、本株式交換において交付される金銭を1株当たり150,000円とすることで合意いたしました。

 

(5) 株式交換完全親会社となる会社の資本金・事業の内容

資本金の額
1,737百万円
業務の内容
システム開発事業、総合サービス事業

 

 

6 【研究開発活動】

当社および連結子会社の研究開発活動は、市場ニーズ、顧客ニーズに合致した収益性の高い商品・サービスを提供すべく全社を挙げて取り組んでおり、主として新たなビジネスモデルの構築と収益モデルの検証、既存商品(製品・サービス)の改良・改善、高品質のサービス・商品を提供するための開発・管理方法の高度化に注力しております。
 当連結会計年度における研究開発を示すと、次のとおりであります。

(検査システムパッケージ「Medlasシリーズ」次期インフラ対応調査)

当社Medlasシリーズパッケージソフトウェア群において、現在クライアントOSとして採用しているマイクロソフト社WindowsXPの販売終了を見据え、次期WindowsクライアントOSであるWindowsVistaによる動作検証ならびに、情報漏洩防止の観点から将来的に必要となる可能性の高いシンクライアント環境での動作検証を目的とした研究開発を実施しました。
 Medlasシリーズでは、製品により開発言語が異なりVisualBasic(以下、VB)とTeamDeveloper(以下、TD)を使用していることから、VBとTDの2グループに分けて検証を行いました。VBについては、Vistaと同じマイクロソフト社製品であることから公式・非公式な文献が収集可能ですが、TDに関しては、メーカーサイトの情報が少なく機能ごとに動作検証を行いました。
 今回の研究開発に当たり当製品の販社ならびにユーザより、Vistaへの対応予定に関する問合せが多く寄せられており、当製品がVista対応することで、市場のニーズを吸収し成長し続ける製品であること示すことにより、お客様に安心して継続利用いただけるようになります。
 マイクロソフト社からは、次期OSとしてWindows7のリリースに関するアナウンスが行われております。現時点の情報では、Windows7はVistaの改善版となる見通しであることからVista対応済み製品であれば、容易に切替が可能であると思われます。
 また、シンクライアント環境でのシステム動作検証においては、RS-232Cなどのレガシーインターフェース接続の検査機器の制御が最も懸念されるところでしたがRS-232C→LANコンバータを経由しての接続することで実証を行い、情報漏洩防止のみならずレガシーインターフェース接続から脱却した幅広いシステム構成が可能となりました。

当連結会計年度における研究開発は、キーウェアソリューションズ株式会社における上記1件であり、その費用は2,170千円であります。

 

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1) 重要な会計方針

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的な公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しておりますが、グループの事業内容なども踏まえ会計方針を定めております。

財務諸表の作成は、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これら見積りについて、過去の実績などを勘案して合理的に見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、第5経理の状況の連結財務諸表等の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えます。

①貸倒引当金

債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率法により、貸倒懸念債権および破産更生債権等については財務内容評価法により計上しております。

②投資有価証券の減損

販売などに関して長期的な関係維持のため、特定の取引先に対する投資を行っております。平成21年3月末現在の投資先は全て非上場であり、時価評価はしておりませんが、投資先の資産状況、経営状況などを勘案し、必要と判断した場合には減損処理を行っております。投資先の資産状況、経営状況がさらに悪化した場合には、追加の減損処理が必要となる可能性があります。

③無形固定資産

無形固定資産のうち子会社の株式取得により発生したのれんについては、20年間で均等償却しております。当該子会社の将来における収益によっては、減損処理が必要となる可能性があります。
 また、市場販売目的のソフトウェアについては、見込販売数量に基づく償却額と見込有効期間(3年)に基づく均等配分額とを比較し、いずれか大きい額を償却しております。販売が見込数量に達しない場合は、減額処理が必要となる可能性があります。

④繰延税金資産

企業会計上の収益・費用と、課税所得計算上の益金または損金の認識時点が異なることから、会計上の資産・負債と課税上の資産・負債の額に一時的な差異が生じる場合において、一定期間内における回収可能性に基づき貸借対照表上に繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積りが減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末における資産・負債の状態は以下のとおりであります。

①流動資産

流動資産残高は、6,386,197千円(前連結会計年度末比1,803,627千円減、22.0%減)となりました。主な増減要因は、現金及び預金の増加および受取手形及び売掛金ならびにたな卸資産の減少であります。

②固定資産

固定資産残高は、4,688,919千円(同比1,263,407千円増、36.9%増)となりました。主な増加要因は、のれんの増加であります。

③流動負債

流動負債残高は、2,248,022千円(同比973,619千円減、30.2%減)となりました。主な減少要因は、支払手形及び買掛金ならびに短期借入金の減少であります。

④固定負債

固定負債残高は1,214,535千円(同比996,429千円増、456.9%増)となりました。主な増加要因は、長期借入金の増加であります。

⑤純資産

純資産残高は、7,612,559千円(同比563,029千円減、6.9%減)となりました。主な減少要因は、利益剰余金の減少であります。

 

(3) 経営成績の分析

当連結会計年度におけるわが国経済は、欧米景気の悪化などを背景に、景気後退局面が長期化し、とりわけ、平成20年度下期はマイナス成長と、深刻な景気後退局面に至っております。3月の日銀短観によれば、企業の業況判断DIも、全規模全産業合計でマイナス46と、2年連続のマイナスに転じております。

情報サービス産業におきましては、経済産業省の特定サービス産業動態統計によれば、12月単月の売上高は、前年同月比△2.6%と4ヶ月連続の減少となりましたが、平成20年の年間売上高は、前年比1.4%と5年連続で増加いたしました。また、1月単月の売上高は、前年同月比4.0%と5ヶ月ぶりの増加となりましたが、2月単月の売上高は、前年同月比△1.2%と2ヶ月ぶりの減少となりました。受注ソフトウェアに関しましては、年間売上高は金融業向けなどが増加したことから同2.1%と5年連続で増加したものの、単月では9月、12月に前年同月比で減少いたしました。

このような状況のもと、当連結会計年度における受注高は22,448,797千円(前年同期比645,513千円増、3.0%増)、売上高は23,238,813千円(同比1,302,151千円増、5.9%増)となりました。売上高のうちシステム開発事業は、12,377,754千円(同比425,783千円増、3.6%増)、総合サービス事業の売上高は、10,861,058千円(同比876,367千円増、8.8%増)となりました。

損益面は、売上総利益3,728,264千円(前年同期比423,980千円減、10.2%減)となり、営業損失62,928千円(前年同期営業利益1,043,661千円)、経常損失88,259千円(同経常利益1,070,013千円)と、ともに減益となりました。固定資産売却、受取保険金に伴う特別利益と投資有価証券売却、投資有価証券評価損の計上に伴う特別損失が発生したことにより、税金等調整前当期純損失は277,608千円(同税金等調整前当期純利益1,001,526千円)となり、法人税、住民税及び事業税および法人税等調整額の計上により当期純損失は404,378千円(同当期純利益603,869千円)となりました。

売上高における前年同期比での増加につきましては、昨年4月に子会社化した株式会社クレヴァシステムズの業績加算ならびに各業種分野において継続案件、新規案件ともに上期は堅調に推移いたしました。下期に入り自治体や企業のIT投資に対する姿勢が急激に後退しました。その結果、大型案件の受注が減少したことに加え、一部開発案件の延期、中止そして契約締結に至る期間の長期化等が発生しました。また、損益悪化プロジェクトの影響を払拭できず、当社の受注機会損失を招きました。総合サービス事業は、通期においてkeyCOMPASS事業を通じた「経営とITの統合コンサルティング」「ハイブリッド・シンクライアント・ソリューション」案件などにより新規顧客の開拓が進捗いたしました。また、HP-UX、Linux、Windows系等のインフラ構築案件が好調に推移したほか、ERP事業につきましても既存顧客向け、新規顧客向けともに堅調に推移しました。さらに自社パッケージへの機能強化を実施した医療事業、知財事業も堅調でした。

損益面における前年同期比での減少につきましては、第1四半期は開発の効率化、オフショア開発を進め収益性とプロジェクト品質の確保に努め堅調に推移したものの、第2四半期以降は、損益悪化プロジェクトの複数発生による労務費および外注費等の増加ならびに稼働率の低下が発生しました。また、利益への寄与が大きい大型案件の減少や既存顧客からの更なる原価低減の要求が発生しました。

 





出典: キーウェアソリューションズ株式会社、2009-03-31 期 有価証券報告書