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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

 (1) 業績 

当連結会計年度におけるわが国経済は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災や原発被災の影響で内需の停滞が顕著であったものの、生産設備やサプライチェーンの回復、消費マインドの復調によって生活関連需要が増加したほか、政策支援に加えて年度末需要も重なったことで、国内景気は回復基調を取り戻し始めている状況にあります。一方外需については、先進国需要の安定や新興国景気を背景に海外経済は回復しつつ、外需は改善傾向を続けている状況にあるものの、日本経済は原材料高やデフレ、円高等を背景に、先行きに不透明感が強まっていることから、主要企業は、継続した投資抑制を行っております。

情報サービス産業におきましては、経済産業省の特定サービス産業動態統計によれば、3月の売上高は、前年同月比2.5%増と3ヵ月連続の増加となっております。また、売上高全体の半分強を占める「受注ソフトウェア」は、同比3.5%の増加となりました。

しかしながら、経済情勢はいまだ不透明な状況にあり、ユーザー企業におけるIT投資は抑制傾向にあります。この傾向は当面続くと見込まれることから、当社グループは、原価・経費の継続的抑制に努めるものの、競争力強化、成長軌道への回帰を早期に実現するためには、抜本的な事業構造改革が不可欠であると判断し、生産性・収益性向上にむけた人事・給与制度の改定、競争力確保のための新技術の習得、経営資源の再配置および退職勧奨による人員削減、事務所賃貸料等の固定費削減ならびに営業・技術・管理部門を一箇所に集約することによる業務効率の一層の向上を目的とした本社機能の移転等の施策を実施いたしました。

このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度における受注高は15,802百万円(前年同期比1,118百万円増、7.6%増)、売上高は15,405百万円(同205百万円減、1.3%減)となり、営業損失528百万円(前年同期は196百万円の利益)となりました。また上記の事業構造改革等を実施したことにより、特別損失512百万円(前年同期は279百万円)を計上しました。当期純損益につきましては1,154百万円の損失計上(同76百万円の損失)となりました。

 

セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。

 

①コンピュータソフトウェアの開発を受託して行う事業

a. 公共システム開発事業

受注高は4,812百万円(前年同期比1,019百万円増、26.9%増)、売上高は4,804百万円(同574百万円増、13.6%増)、営業損失は50百万円(前年同期は131百万円の利益)となりました。

官庁系においては、継続・新規案件の受注獲得を積極的に推進したことにより、受注高、売上高ともに堅調に推移いたしました。通信、金融、報道系においては、継続・新規案件の受注獲得を積極的に推進したものの、軟調に推移いたしました。

 

b. ネットワークシステム開発事業

受注高は1,510百万円(前年同期比7百万円増、0.5%増)、売上高は1,540百万円(同346百万円減、18.4%減)、営業損失は249百万円(前年同期は271百万円の損失)となりました。

航空宇宙系、ネットワーク監視系各分野において、継続・新規案件の受注獲得を積極的に推進したものの、軟調に推移いたしました。収益面においては、ネットワーク監視系分野において、既存顧客の発注単価低下に伴う受注額の減少ならびに稼働率の低下等により損失計上となりました。

 

②お客様の経営課題を解決するための経営とITの統合コンサルティングからシステム開発・運用・保守に至る各フェーズで最適な情報技術を請け負う事業

a. システムインテグレーション事業

受注高は1,534百万円(前年同期比137百万円減、8.2%減)、売上高は1,466百万円(同133百万円減、8.3%減)、営業損失は221百万円(前年同期は97百万円の利益)となりました。

医療系においては、電子カルテ、オーダリング案件を主軸に、継続・新規案件の受注獲得を積極的に推進したことにより、受注高、売上高ともに堅調に推移いたしました。運輸系においては、上期の大型リプレイス開発案件の失注をリカバリーすべく、継続・新規案件の受注獲得を積極的に推進し、下期において別の大型リプレイス開発案件を獲得したものの、通期では軟調に推移いたしました。収益面においては、運輸系において、受注高、売上高の不調により損失計上となりました。

 

 

b. ITサービス事業

受注高は4,281百万円(前年同期比14百万円増、0.3%増)、売上高は4,016百万円(同441百万円減、9.9%減)、営業損失は170百万円(前年同期は111百万円の損失)となりました。

自治体や企業のIT投資抑制により、大型案件が減少したことに加え、一部開発案件の延期・中止、契約締結までの期間の長期化等が続いており、keyCOMPASS事業のうち民需の開発系業務が軟調に推移いたしました。インフラ構築ならびにERP事業においては、継続・新規案件の受注獲得を積極的に推進したことにより、受注高、売上高ともに堅調に推移いたしました。

 

c. サポートサービス事業

受注高は905百万円(前年同期比145百万円増、19.2%増)、売上高は851百万円(同106百万円増、14.3%増)、営業損失は3百万円(前年同期は11百万円の利益)となりました。

SO(System Outsourcing)業務において、継続・新規案件の受注獲得を積極的に推進したことにより、受注高、売上高ともに堅調に推移いたしましたが、収益面においては、既存顧客の発注単価低下等が発生したことにより軟調に推移いたしました。

 

③ その他

拠点として地域性をもち独立した経営単位のセグメント、および報告セグメントに含まれない機器販売等であります。

受注高は2,756百万円(前年同期比69百万円増、2.6%増)、売上高は2,726百万円(同33万円増、1.3%増)、営業利益は169百万円(同53百万円増、46.5%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より274百万円減少し、965百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動による資金は、減価償却費の計上(202百万円)、減損損失の計上(281百万円)、賞与引当金の計上(230百万円)などがあったものの、税金等調整前当期純損失の計上(1,088百万円)などにより108百万円の減少(前連結会計年度は70百万円の減少)となりました。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動による資金は、差入保証金の回収による収入(349百万円)などがあったものの、無形固定資産の取得による支出(155百万円)、差入保証金の差入による支出(347百万円)などにより97百万円の減少(前連結会計年度は147百万円の減少)となりました。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動による資金は、短期借入金の純増額(250百万円)があったものの、長期借入金の返済による支出(300百万円)などにより68百万円の減少(前連結会計年度は354百万円の増加)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績・仕入実績

   当社グループの製品の性格上、生産・仕入といった区分は適当ではないとの判断のもと数値の把握をしておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称
当連結会計年度
自 平成23年4月1日
至 平成24年3月31日
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
公共システム開発事業
4,812,881
26.9
1,365,025
5.2
ネットワークシステム開発事業
1,510,926
0.5
305,154
0.0
システムインテグレーション事業
1,534,796
△8.2
604,110
12.7
ITサービス事業
4,281,872
0.3
1,066,063
23.9
サポートサービス事業
905,531
19.2
205,865
36.0
その他
2,756,918
2.6
731,738
0.2
合計
15,802,926
7.6
4,277,958
10.2

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 その他の区分は、北海道地区など拠点として地域性をもつ独立した経営単位のセグメントおよび機器販売等であります。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称
当連結会計年度
自 平成23年4月1日
至 平成24年3月31日
販売高(千円)
前年同期比(%)
公共システム開発事業
4,804,978
13.6
ネットワークシステム開発事業
1,540,941
△18.4
システムインテグレーション事業
1,466,517
△8.3
ITサービス事業
4,016,325
△9.9
サポートサービス事業
851,085
14.3
その他
2,726,011
1.3
合計
15,405,860
△1.3

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 その他の区分は、北海道地区など拠点として地域性をもつ独立した経営単位のセグメントおよび機器販売等であります。

3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先
前連結会計年度
自 平成22年4月1日
至 平成23年3月31日
当連結会計年度
自 平成23年4月1日
至 平成24年3月31日
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
日本電気㈱
2,685,143
17.2
2,297,612
14.9

 

4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、前連結会計年度より引続き、中期経営計画「Q Curve(キューカーブ)2015」を策定し、ICT(情報通信技術)の進歩に伴い、来るべきクラウド時代に備えて、時代の要請に応える競争力のある企業への質的転換を図り、既存顧客との関係強化および新規顧客の獲得などによる収益構造の変革を目指してまいりました。しかしながら、経済環境が急激に変化し、当社グループを取り巻く事業環境は依然厳しい状況にあり、業績についても当初計画を達成することが出来ませんでした。

当社グループは、このような状況を踏まえ、来年度以降確実に黒字化が達成できるよう、抜本的な事業構造改革を実施いたしました。

 当社グループが、当連結会計年度において実施いたしました事業構造改革の概要は、次のとおりであります。

 

《事業構造改革の概要》
a. 生産性・収益性向上に向けた人事・給与制度の改定

 役割グレード制度導入による責任と権限の明確化およびビジネス規模に即した組織体制ならびに業績に連動した給与体系とするための賞与制度の導入

 

b. 競争力確保のための新技術の習得

 市場競争力の強化に向けた、研修等の実施による市場動向を踏まえた新たな技術の習得

 

c. 経営資源の再配置および退職勧奨による人員削減

 グループ経営の効率化および競争力強化に向けた、グループ横断的な人的再配置および共通機能の集約化を含む経営資源の再配置ならびに退職勧奨による人員削減の実施

 

d. 業務効率向上および経費圧縮のための新宿本社機能の移転

 業務効率の向上および経費圧縮を目的とした新宿本社機能の八幡山事業所への移転

 

e. 新規領域(フロンティア)への進出

 総合サービス事業の拡大に加え、蓄積された技術をもとにした新規領域への進出および地域特性を鑑みた事業領域の拡大ならびに新たな発想による新規サービス、ビジネスモデルの創出

 第一弾として、地理的・空間的フロンティアの実現として、東北地方の復興を当社グループが得意とするITにて支援すべく、東北支店を仙台に開設

 

また、当社グループは、このような事業環境にあって、これまでにも増して上場企業にふさわしい存在感を長期・安定的に示していくため、官公庁、通信、放送、運輸といった当社が得意とする社会インフラ分野の情報システム構築に加え、当社が独自のノウハウを長年にわたって培ってきた金融、医療、交通広告、知的財産といった分野へのソリューション投入を積極的に進めるほか、当社の統一的なビジネスモデルであるkeyCOMPASSを掲げ、経営戦略の立案、BPM(Business Process Management)、EA(Enterprise Architecture)等の業務プロセス再構築や情報システム戦略の立案といった経営とITの統合ソリューション、情報漏洩防止のための「ハイブリッド・シンクライアント」などの情報セキュリティ・ソリューション、ユビキタス時代に向けたフロントソリューション、将来の地方分権を睨んだ自治体向けソリューションなどを提供してまいります。

当社グループは、上場企業としての社会的責任を認識し、積極的にコンプライアンスを推進することに加え、最適な商品やサービスを提供するとともに、常に先端技術の探求と普及に努め、社会や顧客に対し信頼され成長を期待される企業であり続けてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性についての主な事項を記載しております。また、当社グループとしては必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが当社に関する投資判断は、本項および本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。なお、文中における将来に係る事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループの事業に関するリスク

① 事業全般に関するリスクについて

当社グループの事業においては、大きく以下の2つの事業区分(a、b)に分類しており、当社グループが報告セグメントとしているものは、これら2つの事業区分を更に細分化した情報であります。なお、当社グループの事業に関するリスクについては、事業区分ごとに認識しております。

a. システム開発事業について

システム開発事業においては、日本電気株式会社(以下NEC)等のシステムインテグレータからの受託開発案件が中心であり、結果として、当社グループの売上高は特定の顧客、とりわけNECおよびその関係会社に集中しております。当社グループのシステム開発事業の顧客はNECを含めて安定的なシステムインテグレータが中心でありますが、これらのシステムインテグレータ向け受託開発においては、エンドユーザとの直接契約と比較して利益率が低くなる傾向があります。今後においても受託開発に関して価格競争の激化や顧客からの値下げ要請等により利益率が継続的に低下した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

b. 総合サービス事業について

総合サービス事業につきましては、ERPパッケージやグループウェアパッケージの導入支援を中心にシステムインテグレーション事業を展開しております。当社グループが提供するソリューションにおいて採用するパッケージ商品の競争力が低下した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

② 特定の取引先への依存度に関するリスクについて

当社グループは、官公庁や日本電気株式会社および関係会社(以下NEC・関係会社)、日本電信電話株式会社を中心としたNTT関係会社(以下NTT・関係会社)、東日本旅客鉄道株式会社および関係会社(以下JR・関係会社)、日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下日本HP)、三菱商事株式会社および関係会社(以下三菱商事・関係会社)など大手顧客からの安定した受注があり、相応の経営基盤を築いております。その業務内容は社会インフラ企業の基盤システム構築業務であり、一般的な業務系システム(会計業務、販売業務、在庫管理業務、購買業務等)とは異なり、顧客固有の特殊業務分野に位置づけられます。当社グループは、この特殊な業務を長年に渡り担当しており、当社グループ特有の業務に関するシステム構築実績とノウハウを多く持っていることが強みになっている反面、上記主要顧客(5社ならびに関係会社)の売上高は、当社グループの売上高の62.2%を占めており、当社グループ売上高の上記主要顧客への依存度は非常に高い状況にあります。したがって、上記の主要顧客の業績動向等によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

−売上高推移−
 
 
(単位:千円)
相  手  先
第46期連結会計年度
第47期連結会計年度
自 平成22年4月1日
自 平成23年4月1日
至 平成23年3月31日
至 平成24年3月31日
金額
比率%
金額
比率%
NEC・関係会社
5,695,050
36.5
5,755,498
37.4
NTT・関係会社
1,944,198
12.5
1,910,179
12.4
JR・関係会社
973,308
6.2
860,767
5.6
日本HP
88,295
0.6
181,865
1.2
三菱商事・関係会社 
797,504
5.1
864,299
5.6
 小 計
9,498,357
60.9
9,572,610
62.2
その他一般
6,112,985
39.1
5,833,249
37.8
 売上高
15,611,343
100.0
15,405,860
100.0
(注)消費税等は含まれておりません。
 
 

 

 

③ 同業他社との競合等による、収益圧迫に関するリスクについて

当社グループの2つの事業区分のうち、システム開発事業においては、電子政府・自治体関連案件の一巡、携帯電話網構築案件の飽和等により、案件数の縮小傾向に加えて、中国等での海外ソフトウェア開発が進展しているため、競合企業との間で受注競争は激化し、発注元からの単価削減要請も続いております。今後も引き続き単価引き下げ要求による収益性の悪化が続いた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、総合サービス事業においては、「SAP ERP」を用いた基幹システムの構築を中核に据えた事業展開を行っておりますが、大企業向けERP市場は飽和傾向が現れており、さらにSAP Business−One等の中堅企業向けERP市場は本格的な立ち上がりに至っていないとの分析もある中、従来のシステムインテグレータに加え、コンサルティング会社の参入が続いており、今後競争が激化し、特定の業種・業務ノウハウによる強みをアピールできない分野においては、収益性が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

④ プロジェクトの採算管理に関するリスクについて

当社グループが属する情報サービス産業においては、一般的に大規模な受注ソフトウェア開発について多様な顧客のニーズ対応および最新の技術が求められることから、そのサービス内容を契約締結段階で詳細に確定することが困難な場合が多く、当初の見積と実際発生した工数との間に乖離が生じる可能性があります。また、正式契約に至るまでの事前の商談、顧客ニーズの調査、見積作成にかかる人件費は契約合意に至らない場合、コストとして負担を強いられることとなります。

当社グループでは、品質、コスト、納期の目標を達成するためのリスク管理要領において、プロジェクトレビュー基準を定めており、技術本部内に直接プロジェクトを推進する部門から独立したプロジェクト監査部門を設けて、契約時、計画書作成時、工程終了時ごとにプロジェクト監視を行い、リスク管理に努めております。また、営業本部長、技術本部長、プロジェクト監査グループ部長および事業部長が重要であると判断したプロジェクトについては「全社レビュー対象プロジェクト」に指定し、プロジェクトの工程レビューにプロジェクト監査グループが参加し、全社として問題解決に当たる仕組みを構築いたしております。

しかしながら、このような対策を講じているにもかかわらず、予測しない事態の発生により、プロジェクトの採算が確保できなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 外注活用方針、海外開発会社の活用に関するリスクについて

当社グループは業務遂行上必要に応じて協力会社に外注しており、平成24年3月期の当社の製造原価に占める外注比率は37.6%であります。外注を活用する理由としては、固定費の削減や、事業展開が柔軟になるなどのメリット確保のためのものと考えております。なお、外注先の活用に際しては、要求事項を明確にし請負型発注への転換、外注先の集約を実施し、パートナーとしての位置づけを明確に行った上で長期・安定的な取引の構築を図るとともに納品物の品質向上を指導し実現しております。

また、当社グループでは、中国をはじめとする海外ソフトウェア開発会社の活用を行っております。海外での開発は、当社グループが国内で開発仕様を決定して以降のプログラム製造工程が大半を占めるため、開発者が往来して直接打合せを行う必要性が少ない領域が中心となっており、海外の主要外注先に対しては、従来からプロジェクト管理システムによる進捗管理を実施している他、インターネットや電子メールの活用も定着しており、遠隔地での開発リスクに対応した環境整備を行っております。

しかしながら、海外ソフトウェア開発会社の活用は、当社のみならず、競合他社においても行われており、必ずしも高度な技術レベルのソフトウェア会社を一定数以上確保できるとは限りません。また、国内からの海外ソフトウェア業界への発注量増加によって海外でのソフトウェア技術者の人件費が高騰する傾向も見られ、今後も国内外問わず優良な外注先を安定的また継続的に確保できない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 当社グループが提供するシステムもしくはサービスにおける不具合発生に関するリスクについて

当社グループが提供するシステムにおいて、誤作動、バグ、納期遅延等の不具合が生じた場合、当該サービスにおいて、顧客に損害を与えるだけでなく、損害賠償責任の発生や当社グループに対する信頼を喪失することにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

⑦ 優秀な技術者の確保、育成に関するリスクついて

当社グループの提供するサービスは人材、特に情報処理技術者の能力や、資質に大きく依存しております。当社グループの今後の事業戦略を考えると、ITコンサルティングやプロジェクトマネジメントのノウハウを有する人材の確保は重要となり、当社グループでは新卒者を対象とした定期採用と中途採用を積極的に実施し徹底した能力・実績主義に基づく評価・報酬体系を導入し優秀な人材の確保に努めております。現時点では、必要な技術者は確保されていると当社グループでは考えておりますが、労働市場の逼迫等により、当社グループが必要とする優秀な技術者または労働力を確保できない場合、または当社グループの従業員が大量に退職した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 技術革新ならびに技術の陳腐化に関するリスクについて

当社グループでは、経営とITを一体化したコンサルティングサービスを推進しておりますが、この領域では技術革新のスピードが速いため、先進のノウハウとシステムを保有し、かつそれらを継続的にアップデートしていく必要があります。当社グループにおいては迅速な環境変化に対応できるような組織運営を進めてはおりますが、当社グループの想定している以上の技術革新等による著しい環境変化等が生じた場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑨ 法的規制等に関連するリスクについて

現在、当社およびキーウェアサービス株式会社において建設業の許可を受けており、事業を推進する上で、直接的に受ける法的規制は建設業法であります。

当社グループでは、当該許可の諸条件や各法令の遵守に努めており、現状においては、当該許可が取消しとなる事由は認識しておりません。しかしながら、万一法令違反等によって許可が取り消された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、今後現行法令の解釈の変更や改正ならびに新法令の制定等、当社グループの事業を規制する法令等が新たに制定される可能性があります。そうした場合に、当該規制への対応に際して、サービス内容の変更や新たな開発コストが発生すること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑩ セキュリティ管理に関するリスクについて

高度情報化社会の進展に伴い、パソコン、インターネットの利用が一般化する一方で、セキュリティのリスクは年々高まっておりますが、その中でも特に顧客の情報漏洩が大きな社会問題となっております。当社グループは顧客の情報システムを構築する過程において、個々の顧客業務内容等の内部情報を入手しうる立場にあり、当社では情報セキュリティの強化を図り、情報管理体制の整備強化に努めております。

平成17年4月1日に個人情報保護法が施行されたことに伴い、企業が取り扱う機密情報や個人情報について、情報管理が不十分であると会社経営に重大な影響を与える可能性があることを認識しております。当社ならびに当社から人事・総務・経理・購買等の業務を受託しているキーウェアマネジメント株式会社は個人情報取扱い事業者であり、顧客データ管理の安全性や信頼性に重点をおいた施策をとり、当社グループはISO9001を取得しそれに基づいた品質重視の開発・運用の推進、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証取得企業として、個人情報の管理強化に取り組んでおります。また、当社はプライバシーマーク認証取得企業として、あわせて更なる個人情報の管理強化に取り組んでおります。

しかしながら、今後、不測の事態により、顧客情報や従業員の個人情報が外部へ漏洩することとなった場合には、顧客からの損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑪ 知的財産権の保護に関するリスクについて

近年、IT業界においては、自社技術保護のための特許申請が増加する傾向にあります。このような環境において、当社も自社特殊技術の保護のため、他社との差別化および競争力のあるサービスを永続的に提供するために、知的財産権、特に特許出願の推進を行っております。

当社は、平成17年3月4日に地上基地局の電波で校正することなく、衛星からの電波だけで位置を正しく把握できる自立測位方法、自立航法装置(特許第3651678)、およびコンピュータプログラム(平成14年8月13日出願、出願番号:特願2002−236137号)の特許権を取得しております。

また、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めており、現時点において侵害はないものと認識しておりますが、将来において第三者の知的財産権への侵害が生じてしまう可能性は否定できません。

当社グループがサービスを提供する上で第三者の知的財産権を侵害していることが発覚した場合、当社グループへの損害賠償請求、信用の低下およびブランド力の劣化により、当社グループの事業運営および業績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループの知的財産について、第三者によって侵害される可能性もあります。このような場合には、かかる侵害者に対する訴訟およびその他防衛策を講じるため、経営資源を割くことを余儀なくされる事態が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

⑫ 経済環境の変化による企業のシステム開発投資抑制に関するリスクについて

情報サービス業界においては、回復基調を見せておりますが、経済情勢の不透明な状況にあり、ユーザー企業におけるIT投資は抑制傾向にあります。本格的な回復を見るのは、ユーザー企業の業績が回復基調となって少なくとも半年から1年を経過した後のこととも予想されるため、経済環境によってはユーザ企業や大手システムインテグレータによる発注先の選別も厳しいものとなることが見込まれます。今後もこのような環境が続き、企業のシステム開発に対する投資が悪化した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑬ システム障害に関するリスクについて

当社グループにおいて、コンピュータシステムおよびそれらを結ぶ通信ネットワークは、事業活動において重要な役割を有しており、災害、停電、事故、不正アクセス等の予想の範囲を超える事象によりサーバ等コンピュータシステムの作動不能、通信ネットワークの切断等によるシステム障害や、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏洩、改竄等が発生するリスクがあります。このような事態が発生した場合、営業活動に支障をきたし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 業績変動等に関するリスクについて

① 業績変動に関するリスクについて

当社グループが属する情報サービス産業における業績変動の特異性として、顧客の都合により売上計上時期が9月および3月に集中する傾向があります。これは当社グループの得意先である企業等の検収が中間期末および期末に集中する傾向にあることを要因としており、平成24年3月期における9月度および3月度の2ヵ月間の売上高で年間売上高の34.3%を占めております。また、当社グループの業績は例年下半期が上半期を上回る傾向となっております。

 

期間別業績 (半期)
(単位:千円、%)
 
第46期連結会計年度
第47期連結会計年度
自 平成22年4月1日
自 平成23年4月1日
至 平成23年3月31日
至 平成24年3月31日
上期
下期
上期
下期
売上高
7,646,320
7,965,022
6,879,013
8,526,847
 構成比
49.0
51.0
44.7
55.3
売上総利益
1,408,440
1,532,156
1,124,158
1,210,456
 構成比
47.9
52.1
48.2
51.8
営業損益
13,548
182,941
△265,561
△262,865
 構成比
6.9
93.1
50.3
49.7
経常損益
13,498
226,925
△303,215
△276,334
 構成比
5.6
94.4
52.3
47.7
(注)売上高に、消費税等は含まれておりません。

 

期間別業績(四半期)
(単位:千円)
 
平成23年3月期
平成23年3月期
平成23年3月期
平成23年3月期
 
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
売上高
3,189,758
4,456,561
3,236,589
4,728,433
営業損益
△247,647
261,196
△364,589
547,530
経常損益
△248,123
261,621
△366,492
593,418
 
平成24年3月期
平成24年3月期
平成24年3月期
平成24年3月期
 
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
売上高
2,984,097
3,894,915
3,619,436
4,907,410
営業損益
△247,522
△18,038
△72,486
△190,378
経常損益
△258,842
△44,373
△91,927
△184,407
(注)1 売上高に、消費税等は含まれておりません。
2 上記、第2四半期以降の業績につきましては、四半期累計業績との差額にて記載しております。

 

 

② 売上の計上に関するリスクについて

当社グループの売上計上基準は、進捗部分について成果の確実性が認められるものについては進行基準、その他のものについては完成基準を採用しております。

完成基準を採用している案件のうち顧客の都合等によっては、契約上予定されていた期間内に顧客による検収を受けることができない場合があります。特に期末である3月に計画どおりに検収を受けることができなかった場合には、売上計上の時期が翌期となることにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) NECとの関係に関するリスクについて

 当社は、NECの持分法適用会社であります。

 当社グループは、NEC・関係会社が受注したコンピューター・システムの構築業務のうち、ソフトウェア開発の一部をNEC・関係会社から受託しており、NEC・関係会社と協業して事業を推進しております。

 当社グループは、引き続きNECの持分法適用会社として、また、NEC・関係会社を重要な協業先として関係を保つことを想定しておりますが、NECの方針によってはNEC・関係会社と当社グループの関係に変化が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 株式会社HBAとの関係に関するリスクについて

 株式会社HBAは、北海道を地盤とし、主として北海道庁をはじめとした官公庁を中心に受託計算、ソフトウェアサービス等の事業を行っております。一方、当社の100%連結子会社であるキーウェア北海道株式会社は、主に民需系のシステム受託開発を行っており、事業上の棲み分けはなされているものと認識しております。

 また、株式会社HBAは、東京都品川区に東京支社を有しており、東京を中心とする民需系システムに係る受託計算、ソフトウェアサービス等の事業を展開しております。同社は通信業界の顧客管理システムに係る受託計算や卸・小売業業界向けのパッケージシステムの導入等を得意としており、同社以外の当社グループが得意とする社会インフラ企業の基盤システム構築業務とは分野が異なっております。また、同社との競合について特段の調整事項は存在せず、このため当社グループと同社との事業上の棲み分けはなされているものと認識しております。

 しかしながら、今後の事業環境の変化等によっては、当社グループと同社との間に競合が生じる可能性があります。

 

(5) 継続企業の前提に関する重要事象等

当連結会計年度における我が国の経済は、内需、外需ともに、一部、改善傾向が見られるも、原材料高やデフレ、円高等を背景に、先行きに不透明感が強まっております。これを受け、ユーザー企業におけるIT投資は抑制傾向にあり、この傾向は当面続くと見込まれております。このような事業環境のもと、当社グループは、原価・経費の継続的抑制に努めるものの、当連結会計年度においても、損失を計上することとなりました。これにより、過去から継続して損失を計上していることから、将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。

このような状況のもと、当社グループは、当該事象を解消または改善すべく施策を実施しております。詳細につきましては、「7.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5)事業等のリスクに記載した重要事象等を解消又は改善するための対応策」に記載したとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

   技術受入契約

 

契約会社名
相手方の名称
国名
契約内容
契約締結日
キーウェアソリューションズ㈱
(当社)
SAPジャパン㈱
日本
情報処理業務委託基本契約
 
平成6年10月1日
(1年ごとの自動更新)
R/3エンドユーザソフトウェア使用許諾契約
平成6年10月1日
(1年ごとの自動更新)
R/3ソフトウェア契約
 
平成10年11月30日
(1年ごとの自動更新)
R/3インプリメンテーション・パートナー契約
平成12年11月1日
(1年ごとの自動更新)
ビジネスソリューションプロバイダー契約
 
平成10年3月16日
変更(平成16年9月30日)
(1年ごとの自動更新)
mySAP.comサービスパートナー契約
平成13年12月11日
(1年ごとの自動更新)
SAP Business-One セールス・サービス・パートナー契約
平成16年12月1日
(1年ごとの自動更新)
 
マイクロソフト㈱
日本
ソリューションプロバイダーメンバー契約
平成7年1月1日
(1年ごとの自動更新)
 
日本ヒューレット・パッカード㈱
日本
業務委託基本契約
平成11年12月28日
(1年ごとの自動更新)
 
日本オラクル㈱
日本
オラクルパートナー契約
 
平成11年8月1日
(1年ごとの自動更新)
コンサルティングサービス契約
平成11年8月1日
(1年ごとの自動更新)
 
㈱エヌ・ティ・ティ・ドコモ
日本
ドコモ・アライアンスパートナー契約
平成22年2月26日
(1年ごとの更新)
 
サン・マイクロシステムズ㈱
日本
コンサルティングパートナー契約
平成16年12月16日
(1年ごとの自動更新)

(注)SAP ERPとは、ドイツSAP社が提供する基幹業務を中心としたERPパッケージソフトウェアです。

 

6 【研究開発活動】

当社および連結子会社の研究開発活動は、市場ニーズ、顧客ニーズに合致した収益性の高い商品・サービスを提供すべく全社を挙げて取り組んでおり、主として新たなビジネスモデルの構築と収益モデルの検証、既存商品(製品・サービス)の改良・改善、高品質のサービス・商品を提供するための開発・管理方法の高度化に注力しております。

特に当連結会計年度においては、当社グループが現在進めている事業構造改革の施策の一つである「新規領域(フロンティア)への進出」として、既存の事業セグメントに寄らない新たな分野での研究開発を実施しており、その概要は次のとおりであります。

 

(スマートフォンを用いた健康管理支援サービス「LifeRoute」の開発)

私たちを取り巻く生活環境において、少子高齢化や医療費高騰への対策を目的とした政策施行などによる健康対応市場の拡大、生活に近いICT環境(スマートフォン、クラウド)進展による健康管理サービスの拡大など、健康を中心とした連携事業が広がりを見せております。また、今後スマートフォンとクラウドを組み合わせたコンテンツサービス市場の拡大が見込まれる中、現在当社が進めている事業領域フロンティアの一つとして、今後更なる成長が見込まれるヘルスケア事業、Androidやクラウドを用いた新しいビジネスモデルなどの足掛かりとすべく、スマートフォンを利用した健康管理支援サービス「LifeRoute」の研究開発を行いました。

今回の研究開発を通じて、スマートフォンとクラウドサービスを組み合わせる上での技術上の課題、スマートフォンFelicaを使用する上でのビジネス上の課題など、新規ビジネスモデルを実施する際の各種課題の抽出とそれらに対応するためのノウハウの蓄積が出来ました。

これら蓄積されたノウハウにつきましては、今後Androidやクラウドなどスマートフォンを利用した新規サービスの開発に応用できるものであり、当社のサービス開発力向上に寄与するものと判断しております。

 

当連結会計年度における研究開発は、キーウェアソリューションズ株式会社における上記1件であり、その費用は9,634千円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的な公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しておりますが、グループの事業内容なども踏まえ会計方針を定めております。

財務諸表の作成は、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これら見積りについて、過去の実績などを勘案して合理的に見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、第5経理の状況の連結財務諸表等の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。

 

① 収益及び費用

受注制作のソフトウェア開発に係る収益および費用の計上基準については、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる契約については進行基準(進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の契約については完成基準を適用しております。

 

② 貸倒引当金

債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率法により、貸倒懸念債権および破産更生債権等については財務内容評価法により計上しております。

 

③ 受注損失引当金

受注案件の損失に備えるため、当連結会計年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能なものについて、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額を計上しております。

 

④ 賞与引当金

従業員に対する賞与支給に備えるため、将来の支給見込み額のうち当連結会計年度において負担すべき金額を計上しております。

 

⑤ 投資有価証券

販売などに関して長期的な関係維持のため、特定の取引先に対する投資を行っております。平成23年3月末における評価は、時価のあるものは、決算末日の市場価格等に基づき、また時価のないものは、投資先の資産状況、経営状況などを勘案し、必要と判断した場合には減損処理を行っております。投資先の資産状況、経営状況がさらに悪化した場合には、追加の減損処理が必要となる可能性があります。

 

⑥ 無形固定資産

無形固定資産のうち子会社の株式取得により発生したのれんについては、20年間で均等償却しております。当該子会社の将来における収益によっては、減損処理が必要となる可能性があります。

また、市場販売目的のソフトウェアについては、見込販売数量に基づく償却額と見込有効期間(3年)に基づく均等配分額とを比較し、いずれか大きい額を償却しております。販売が見込数量に達しない場合は、減額処理が必要となる可能性があります。

 

⑦ 繰延税金資産

企業会計上の収益・費用と、課税所得計算上の益金または損金の認識時点が異なることから、会計上の資産・負債と課税上の資産・負債の額に一時的な差異が生じる場合において、一定期間内における回収可能性に基づき貸借対照表上に繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積りが減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

 

(2) 経営成績の分析

 当連結会計年度における我が国の経済は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災や原子力発電所被災の影響で内需の停滞が顕著であったものの、生産設備やサプライチェーンの回復、消費マインドの復調によって生活関連需要が増加したほか、政策支援に加えて年度末需要も重なったことで、国内景気は回復基調を取り戻し始めている状況にあります。また、外需についても、先進国需要の安定や新興国景気を背景に海外経済の回復基調を受け、改善傾向にあるものの、日本経済は原材料高やデフレ、円高等を背景に、先行きに不透明感が強まっていることから、主要企業は、継続した投資抑制を行っております。

 情報サービス産業におきましては、経済産業省の特定サービス産業動態統計によれば、3月単月の売上高は、前年同月比2.5%増と3ヵ月連続の増加となっております。また、売上高全体の半分弱を占める「受注ソフトウェア」は、同比3.5%の増加となりました。

 しかしながら、経済情勢はいまだ不透明な状況にあり、ユーザー企業におけるIT投資は抑制傾向にあります。この傾向は当面続くものと見込まれることから、当社グループは、原価・経費の継続的抑制に努めるものの、競争力の強化・成長軌道への回帰をを早期に実現するためには、抜本的な事業構造改革が不可欠であると判断し、生産性・収益性向上にむけた人事・給与制度の改定、競争力確保のための新技術の習得、経営資源の再配置および退職勧奨による人員削減、事務所賃料等固定費の削減および営業・技術・管理部門を一箇所に集約することによる業務効率の一層の向上を目的とした本社機能の移転等の施策を実施いたしました。

 このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度における受注高は15,802百万円(前年同期比1,118百万円増、7.6%増)、売上高は15,405百万円(同比205百万円減、1.3%減)となりました。

 損益面につきましては、売上総利益2,334百万円(前年同期比605百万円減、20.6%減)となり、営業損失528百万円(前年同期は196百万円の利益)、経常損失579百万円(同240百万円の利益)と、いずれも減益となりました。特別利益として固定資産売却益があったものの、特別損失として上記施策に伴う減損損失や事業構造改革費用等を計上したことにより、税金等調整前当期純損失は1,088百万円(同13百万円の損失)となり、法人税、住民税及び事業税および法人税等調整額の計上により当期純損失は1,154百万円(同76百万円の損失)となりました。

 

(3) 財政状態の分析

当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況は以下のとおりであります。

① 流動資産

 流動資産残高は、5,028百万円(前連結会計年度末比288百万円増、6.1%増)となりました。主な増加要因は、受取手形及び売掛金の増加であります。

 

② 固定資産

 固定資産残高は、4,120百万円(同比554百万円減、11.9%減)となりました。主な減少要因は、のれんの減損処理による減少であります。

 

③ 流動負債

 流動負債残高は、3,392百万円(同比1,216百万円増、55.9%増)となりました。主な増加要因は、短期借入金の増加および賞与引当金の計上による増加であります。

 

④ 固定負債

 固定負債残高は412百万円(同比321百万円減、43.8%減)となりました。主な減少要因は、長期借入金の返済による減少であります。

 

⑤ 純資産

 純資産残高は、5,343百万円(同比1,161百万円減、17.9%減)となりました。主な減少要因は、当期純損失の計上による利益剰余金の減少であります。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度における連結キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より274百万円減少し、965百万円となりました。区分ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。

 

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動による資金は、減価償却費の計上(202百万円)、減損損失の計上(281百万円)、賞与引当金の計上(230百万円)などがあったものの、税金等調整前当期純損失の計上(1,088百万円)などにより、108百万円の減少(前連結会計年度は70百万円の減少)となりました。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動による資金は、差入保証金の回収による収入(349百万円)などがあったものの、無形固定資産の取得による支出(155百万円)、差入保証金の差入による支出(347百万円)などにより、97百万円の減少(前連結会計年度は147百万円の減少)となりました。

 

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動による資金は、短期借入金の純増額(250百万円)があったものの、長期借入金の返済による支出(300百万円)などにより、68百万円の減少(前連結会計年度は354百万円の増加)となりました。

 

(5) 事業等のリスクに記載した重要事象等を解消又は改善するための対応策

 当社グループには、「4.事業等のリスク (5)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載いたしましたとおり、過去から継続して損失を計上したことから、将来にわたって事業活動を継続することの前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。

 このような状況のもと、当社グループは、前連結会計年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画「Q Curve(キューカーブ)2015」の推進、コスト削減の徹底と企業体質の強化による収益基盤の更なる安定化を継続して推進してまいりましたが、顧客企業の発注単価の低下に伴う受注額の減少および稼働率の低下等により、依然厳しい事業環境の中、来期以降確実に黒字化が達成できるよう、グループ全体での効率化および生産性・収益性向上に向けた人事・給与制度の改定をはじめとした抜本的な事業構造改革を当期末に実施いたしました。また、取引金融機関とは、従来どおりの円滑な取引を継続しており、資金調達面において懸念はございません。

 したがって、当社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせる状況は解消できるものと判断しております。

 当社グループが、推進する中期経営計画の概要および当期末において実施いたしました事業構造改革の概要は、次のとおりであります。

 

① 中期経営計画(「Q Curve(キューカーブ)2015」)の概要

 ICT(情報通信技術)の進歩にともない、来るべきクラウド時代に備えて、収益構造を変革し、時代の要請に応える競争力のある企業への質的転換を以下の基本戦略をもとに、品質、技術にこだわった、企業価値の向上を追求することで魅力ある企業を目指し、収益基盤の安定化を図ってまいります。

 

a. 既存顧客との関係強化

5大顧客を中心に既存顧客との関係強化により、安定受注を目指してまいります。

 

b. 総合サービス事業の拡大

プライム事業の推進により、総合サービス事業を拡大してまいります。

 

c. クラウド化、サービス提供型へのシフトの加速

総合サービス事業の拡大のキーワードとして、既存事業のクラウド化、ならびにものづくりからサービス提供型へのシフトを強力に推進してまいります。

 

② 事業構造改革の概要

 

a. 生産性・収益性向上に向けた人事・給与制度の改定

役割グレード制度導入による責任と権限の明確化およびビジネス規模に即した組織体制ならびに業績に連動した給与体系とするための賞与制度の導入

 

b. 競争力確保のための新技術の習得

市場競争力の強化に向けた研修等の実施による、市場動向を踏まえた新たな技術の習得

 

c. 経営資源の再配置および退職勧奨による人員削減

グループ経営の効率化および競争力強化に向けた、グループ横断的な人的再配置および共通機能の集約化を含む経営資源の再配置ならびに退職勧奨による人員削減の実施

 

d. 業務効率向上および経費圧縮のための本社機能の移転

業務効率の向上および固定費圧縮を目的とした、本社機能の八幡山事業所への移転

 

e. 新規領域(フロンティア)への進出

総合サービス事業の拡大に加え、蓄積された技術をもとにした新規領域への進出および地域特性を鑑みた事業領域の拡大ならびに新たな発想による新規サービス、ビジネスモデルの創出

第一弾として、地理的・空間的のフロンティアの実現として、東北地方の復興を当社グループが得意とするITにて支援すべく、東北支店を仙台に開設

 

 





出典: キーウェアソリューションズ株式会社、2012-03-31 期 有価証券報告書