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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が見られるなど、景気は緩やかな回復傾向が続いております。米国も雇用環境改善に伴う個人消費の増加を背景に穏やかな景気拡大を続け、中国も各種政策効果から持ち直しの動きが見えています。また、欧州も緩やかながら回復基調で推移しております。

このような環境のもと、当社グループでは第三次中期経営計画(平成28年3月期〜平成30年3月期)において、言葉に関する事業領域の拡大による新たな価値創造を推し進め、企業のグローバル展開に伴う翻訳・通訳需要の獲得に努めてまいりました。

これらの結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高、利益ともに過去最高を更新いたしました。売上面においては、当社グループのコアビジネスである翻訳事業が前期比4.5%増と堅調に推移したことに加え、大型国際会議の運営によりコンベンション事業が前期比101.0%増と大幅に増加したことから、当連結会計年度の売上高は前期比11.3%増の10,218百万円となりました。利益面においては、増収効果により営業利益は前期比30.3%増の697百万円、経常利益は前期比30.8%増の699百万円となりました。なお、前期に投資有価証券売却益を計上していたため親会社株主に帰属する当期純利益は前期比3.2%増の444百万円にとどまりました

各セグメントの業績は次のとおりであります。

①  翻訳事業

特許分野では、特許事務所との取引は低調であったものの、企業の知的財産関連部署からの受注が好調に推移したため、売上高は前期比1.3%増の1,824百万円となりました。医薬分野では、外資製薬会社からの安定した受注に加え、国内製薬会社における受注拡大やCRO(医薬品開発受託機関)の長期案件を獲得したことから、売上高は前期比2.8%増の2,445百万円となりました。工業・ローカライゼーション分野では、情報通信関連企業との取引が好調に推移していることに加え、鉄鋼関連企業の大型案件獲得が寄与し、売上高は前期比5.3%増の2,020百万円となりました。金融・法務分野では、企業の管理系部署における受注拡大に加え、銀行からの長期案件受注により、前期比17.7%増の745百万円となりました。

これらの結果、翻訳事業の売上高は前期比4.5%増の7,035百万円となりました。

②  派遣事業

語学スキルの高い人材を派遣する派遣事業においては、金融関連企業やITサービス関連企業からの求人が堅調に推移し、売上高は前期比2.1%増の900百万円となりました。

③  通訳事業

通訳事業においては、IR通訳や医薬品関連企業などからの受注が堅調に推移するとともに、外資通信機器メーカーから大型の通訳案件を獲得したことから、売上高は前期比23.8%増の783百万円となりました。

④  語学教育事業

語学教育事業においては、株式会社アイ・エス・エス・インスティテュートが運営する通訳者・翻訳者育成講座のうち秋季レギュラーコース(10月〜3月開講)の集客が計画を下回ったことから、売上高は前期比1.5%減の210百万円となりました。

⑤  コンベンション事業

コンベンション事業においては、「第99回ライオンズクラブ国際大会」をはじめ「第40回国際外科学会世界総会(ICS2016)」など複数の大型国際会議を運営し、売上高は前期比101.0%増の1,107百万円となりました。

⑥  その他

その他のセグメントにおいては、外国への特許出願に伴う明細書の作成や出願手続きを行う株式会社外国出願支援サービスが好調に推移したことなどから、売上高は前期比5.1%増の180百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ502百万円の増加となりました。

  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは650百万円の収入(前期は147百万円の収入)となりました。

主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上による収入700百万円および法人税等の支払額243百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは43百万円の支出(前期は130百万円の収入)となりました。

主な要因は、無形固定資産の取得による支出18百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは104百万円の支出(前期は96百万円の支出)となりました。

主な要因は、配当金の支払額89百万円であります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

    当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

前年同期比(%)

翻訳事業(千円)

3,875,003

105.9

コンベンション事業(千円)

723,717

194.0

その他(千円)

47,084

106.5

合計(千円)

4,645,805

114.0

  (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.内部取引については相殺消去しております。

3.派遣事業、通訳事業および語学教育事業については、生産に該当する事項がないため記載を省略しております。

 

(2)受注状況

  当社の業務においては、受注時に翻訳内容(言語、納品日、納品形態等)は決定されますが、受注金額の算定基礎となるページ数、ワード数、文字数等が確定しないため、受注金額の記載を省略しております。

 

(3)販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

前年同期比(%)

翻訳事業(千円)

7,035,908

104.5

派遣事業(千円)

900,379

102.1

通訳事業(千円)

783,255

123.8

語学教育事業(千円)

210,702

98.5

コンベンション事業(千円)

1,107,706

201.0

その他(千円)

180,798

105.1

合計(千円)

10,218,750

111.3

  (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.当連結会計年度における主な相手先に対する販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれの相手先も当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは「産業技術翻訳を通して、国内・外資企業の国際活動をサポートし、国際的な経済・文化交流に貢献する企業を目指す」ことを企業理念とし、高い顧客満足度の得られるランゲージサービスを提供することにより、顧客の企業価値・競争力向上に貢献してまいります。また、すべてのステークホルダーの皆様の満足度を高め、透明性の高い経営を推進し、企業価値を向上させてまいります。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、平成27年からの3カ年計画である第三次中期経営計画において、第二次中期経営計画で掲げた経営ビジョン「すべての企業を世界につなぐ言葉のコンシェルジュ」を継続し、顧客ニーズの多様化・高度化に対応した分野特化戦略の推進と市場シェアの拡大を図ってまいります。

重点施策として、顧客満足度向上に向けて分野特化戦略をさらに推進していきます。企業のグローバル展開が加速する環境において、お客様によりご満足いただけるサービスを提供するためには、分野特化型のサービス体制が必要です。そこで、地域別を基本とした翻訳事業の組織体制を特許、医薬、工業・ローカライゼーション、金融・法務の4つの専門分野に特化した組織体制に変更し、付加価値の高いサービスが提供できる体制を推進していきます。また、顧客ニーズの多様化に対応するため、各分野・ドキュメントの特性に応じた分化型マーケティング活動を実施することで、市場シェアの拡大を図ってまいります。

次に、ビジネスプロセスの最適化による生産性の向上を推進していきます。第二次中期経営計画の継続課題である業務効率の改善には、従来のビジネスプロセスの最適化が必要です。当社グループは、ICT(注)を積極的に導入し、各分野で蓄積した情報資産の活用と業務フローの改善を通じて、専門性の高度化と生産性の向上を図ってまいります。また、社員一人ひとりがその能力を最大限発揮できる職場環境を整備することによって、業務運営のさらなる効率化を図ります。

さらに、ランゲージサービスにおけるグループシナジーの最大化を推進していきます。当社グループは、外国語ニーズの拡大とランゲージサービスの多様化に対応するため、新規事業開発やサービス拡充を推し進め、新たな市場の開拓を図ってまいります。また、フルラインのランゲージサービス展開において、当社グループで取り扱う通訳事業、派遣事業、コンベンション事業、語学教育事業間での相互シナジーを推進し、グループ事業全体のさらなる成長を図ってまいります。

これらの重点施策を着実に遂行することにより、持続的な成長と安定的な収益確保に努めてまいります。

(注)ICTとは、Information and Communication Technologyの略称で、情報処理および情報通信、つまりコンピュータやネットワークに関連する諸分野における技術・産業・設備・サービス等の総称を指します。

 

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、連結営業利益率と自己資本利益率(ROE)を経営指標として定めております。売上拡大と収益向上により中長期的には連結営業利益率8%を目指し、資本効率の向上によりROE10%以上の確保に努めてまいります。

 

(4)経営環境

翻訳・通訳業界におきましては、企業のグローバル展開を背景に市場は年々成長しています。また、人材派遣業界も企業の人材不足を背景に需要が拡大しており、コンベンション業界では政府によるMICEの誘致活動が活発化するなど、当社グループの事業に係る需要は堅調に推移しております。その一方で、IT系などの国内異業種企業や外資系翻訳会社の参入、機械翻訳の技術向上に伴う新たなサービスの導入など、市場環境は急速に変化しております。

 

(5)対処すべき課題

わが国の経済の見通しについては、各種経済政策の効果により引き続き緩やかな回復基調が期待される一方、欧米政治情勢や金融資本市場の変動の影響等の懸念材料もあり、経営環境は先行きを楽観視できない状況が続くものと予想されます。

 

1.言葉に関する事業領域の拡大

グループの規模拡大のための課題として各事業の売上拡大と収益向上が挙げられます。翻訳事業は、当社の他に米国・HC Language Solutions, Inc.、また、医薬分野の高付加価値サービスであるメディカルライティングは株式会社パナシアがサービスを展開しております。派遣事業、通訳事業、コンべンション事業は株式会社アイ・エス・エスが、語学教育事業は株式会社アイ・エス・エス・インスティテュートがサービスを展開しており、株式会社外国出願支援サービスは翻訳事業の特許分野における高付加価値サービスとして、外国への特許出願を支援する事業を展開しております。今後も各事業におけるリソースやノウハウ、顧客基盤の活用等、グループ間での連携を活かしながら相互シナジーを推し進め、事業のさらなる成長を図ります。

 

2.翻訳者・通訳者等の登録スタッフの確保・拡充

当社グループが行っている翻訳事業、派遣事業、通訳事業のビジネスモデルでは、翻訳者・通訳者等の登録スタッフの確保・拡充が重要な課題です。より優秀なスタッフを獲得するため、自社ウェブサイト、翻訳業界誌への広告掲載等、さまざまなチャンネルを活用した募集活動に取り組んでまいります。また、語学教育事業を展開する株式会社アイ・エス・エス・インスティテュートにおいては翻訳事業、派遣事業、通訳事業における顧客ニーズに合わせたコースの多角化と講義内容の充実を図り、修了生の即戦力化に向けた体制構築を目指してまいります。

 

3.生産性の向上

 当社グループがさらなる成長を遂げるには事業の効率化が必要です。特に翻訳事業においては、ICTを積極的に導入し、各分野で蓄積した翻訳ノウハウや情報資産を活用して、お客様の要望を満たす品質の翻訳を提供すると同時に売上原価の抑制を図ってまいります。また、営業部門・管理部門ともに従来のビジネスプロセスを見直して最適化へと推し進めることにより、業務効率を改善し、生産性の向上に努めてまいります。

 

4.専門性の高度化

翻訳事業において、お客様によりご満足いただけるサービスを提供するためには、また、他社との差別化を図るためには、分野特化型のサービス体制の構築が必要です。当社グループは「第三次中期経営計画」のもと、平成27年4月に翻訳事業の組織体制を地域別から分野別に変更しております。特許、医薬、工業・ローカライゼーション、金融・法務で構成される4つの専門分野において付加価値の高いサービスが提供できる体制を構築してまいります。

 

4【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開等に関し、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項ならびにその他の重要と考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は本項および本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、ご留意ください。

 

1.需要変動

当社グループが行っている翻訳事業、派遣事業、通訳事業の主要顧客は、特許事務所、製薬会社、各種製造業、官公庁、金融機関等に大別することができますが、これら主要顧客の属する業界において、何らかの法制度等の変更、景気変動、業界再編による企業数の増減等があった場合、また、顧客の方針変更(例:業務の内製化、外注先の絞り込み等)があった場合には、当社グループが提供するサービスへの需要が大きく変動する場合があり、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

2.法的規制

当社グループが行っている事業において法的規制が強化・拡大された場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループが行っている派遣事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、労働者派遣法)に基づいた一般労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を受けております。今後、労働者派遣法やその他の法令の変更、新法令の制定、または、解釈の変更等が生じた場合、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

3.ICTを活用した技術開発

当社グループが行っている翻訳事業では、ICTを活用した技術開発が進んでおり、機械翻訳等の新たなサービスが相次いで導入されております。当社グループにおいても、機械翻訳技術やインターネット関連技術の調査・研究開発に努めておりますが、これらの技術開発への対応が遅れた場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。また、新たな技術開発のために多大な投資が必要となる場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

4.参入障壁

当社グループが行っている各事業はいずれも参入障壁の低い事業であることから、新規参入または既存の競合会社との間で受注競争が激化し、大規模な価格競争や登録スタッフである翻訳者・通訳者等の争奪が行われた場合には、受注金額の低下や売上原価の上昇等により当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

5.コンベンション事業に関わる事業環境

当社グループが行っているコンベンション事業では、国内外の学会・研究会・シンポジウム等の国際会議を総合的に企画・運営(準備・運営・翻訳・通訳・事務等)しておりますが、テロの発生・感染病の流行・自然災害・外交問題等の外部環境の変化により、これらの国際会議が開催中止あるいは延期となる可能性があります。

また、非常に大規模な国際会議を受注した場合、開催日までの準備期間において立替払い等が発生する場合があることや会議終了後に多額の債権回収のリスクが発生する可能性があり、それらの場合においては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

6.翻訳・通訳内容に関する瑕疵・過失、納期遅延について

当社グループが行っている翻訳、通訳、外国出願支援、メディカルライティングでは十分な人員体制と専用システムによる納期・品質の徹底管理を行っておりますが、それら成果物の内容や納期遅延等により、顧客に対し重大な損害を発生させてしまう可能性があります。

また、当社グループでは成果物に瑕疵・過失が発生しないよう、翻訳者等の登録スタッフから受領した翻訳物については内容を社内で再度確認したのち顧客へ納品しております。本書提出日現在に至るまで、翻訳、通訳、外国出願支援、メディカルライティングの内容に起因する損害賠償を顧客から請求されたことはありませんが、それらの内容に起因して顧客に何らかの重大な損害が発生した場合には、損害賠償金等の補償や信用低下等により、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

7.著作権

当社グループは顧客の依頼によって著作物を預かり、翻訳を行っております。多くの翻訳原稿は顧客自身が著作権を有する社内文書ですが、中には当該翻訳原稿の著作権を顧客が所有していない場合もあります。当社グループでは、翻訳原稿の著作権が第三者に帰属するものであることが明白な場合には、当社グループの業務への使用につき支障がないことを顧客に確認しており、今まで著作権に関するトラブルが発生したことはありません。今後万が一、顧客から預かった翻訳原稿が第三者の著作権等を侵害していたことにより何らかのトラブルが発生し、依頼主である顧客だけでなく翻訳を行った当社グループにも損害賠償等を求められた場合には、その補償等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

8.退職役職員の競業

過去に当社グループの役職員が退任または退職し同業を営んでいるケースがあります。当社グループの役職員が退任または退職する際には誓約書を入手しておりますが同業を営んだ場合、当社グループの顧客をめぐる受注競争等が発生する可能性があり、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

9.人材の確保・育成等

(1) 登録スタッフ

当社グループが行っている翻訳事業、派遣事業、通訳事業は登録スタッフであるフリーランスの翻訳者・通訳者に業務を委託していることから、それぞれの事業における優秀な登録スタッフの確保が必要です。当社グループではこれまでに登録スタッフの不足による業績への重大な影響を受けたことはありませんが、万が一、質的・量的に十分な登録スタッフを確保できない場合は、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

(2) 従業員

当社グループは優秀な人材の確保・育成が重要な課題であると認識しており、当社グループの成長速度に見合った採用活動を行っています。

しかし、これらの施策により優秀な人材を確保・育成できなかった場合は、労働力不足やサービス品質の低下等により、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

10.コンプライアンス

(1) 顧客の機密情報の保護について

当社グループが業務上顧客から受託する翻訳原稿等には、顧客の重要な経営上の機密情報が含まれている場合があり、これらの機密情報の流出や外部からの不正アクセスによる被害防止は、当社グループの事業にとって極めて重要であります。当社グループではこれら機密情報等の第三者への漏洩を防止するために、従業員および翻訳者・通訳者等の登録スタッフに対し、誓約書または業務委託契約による機密保持義務を課しております。

翻訳者・通訳者等の登録スタッフに対しては情報管理マニュアルを配布してその遵守を求めております。また、各社ごとに執務室にはセキュリティロックを施し、会社関係者の事業所への入退出を厳格に管理しております。

しかし、これらの対策にも関わらず、何らかの原因によって機密情報が漏洩した場合、損害賠償等の補償や信用低下等により、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

(2) 個人情報の漏洩について

当社グループでは、翻訳者・通訳者等の登録スタッフ、顧客に関わる個人情報、通訳・翻訳学校の受講生等の個人情報を保有しております。当社グループでは、個人情報を各社別にシステムで管理しており、これら情報のアクセスは職位および業務内容により制約されております。

また、当社では、ISMS認証を取得しており、情報管理規程の策定と運用、全役職員を対象に定期的な研修等による教育を実施する等、個人情報の保護に努めております。

しかし、不測の事態の発生により当社グループが保有する個人情報が外部に漏洩した場合には、損害賠償等の補償や信用低下により、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

(3) コンプライアンスについて

当社グループでは、「コンプライアンス重視」を基本的な経営方針のひとつとして位置付けております。コンプライアンス体制を整備・確立するために、グループ企業行動規範を定め、コンプライアンス担当役員を長とした委員会を組織し、コンプライアンス相談窓口の設置や社員への啓発活動等、コンプライアンス体制強化に努めております。

しかし、これらの取り組みにもかかわらず、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することは困難であり、今後の当社グループの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの事業継続および業績に影響を与える可能性があります。

(4) 第三者との係争について

当社グループは、法令遵守を基本としたコンプライアンス活動の推進により、法令違反、情報漏洩、知的財産権侵害等を防止し、法改正等への適切な対応、契約行為が及ぼす法的効果の十分な検討を行うことで、訴訟に発展するリスクを排除するよう努めております。

しかし、何らかの予期せぬ事象により、法令違反等の有無に関わらず、顧客や取引先、第三者との予期せぬトラブルが訴訟等に発展する可能性があります。翻訳事業においては、顧客から預かった翻訳原稿が第三者の著作権等を侵害していた場合に、依頼主である顧客だけでなく当社グループにも損害賠償等を求められる可能性があり、かかる訴訟の内容および結果によっては、多大な訴訟対応費用の発生や信用低下等により、当社グループの事業継続および業績に影響を与える可能性があります。

 

11.海外進出

当社グループでは米国に子会社を設立し現地で翻訳サービスの提供を行っております。海外での事業活動を展開するうえで、制度上の問題や予期せぬ経営環境の悪化、為替レートの変動等が生じた場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

12.企業買収等

当社グループは事業の強化・補強を目的に、企業買収および資本参加を含む投資を行うことがあります。当社グループは買収企業との統合または投資先との効果を高めるために当社グループの企業文化や経営戦略の浸透を図りますが、期待した利益やシナジー効果を確保できない場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

13.大規模自然災害等

地震や水害等の大規模自然災害や火災、暴動、テロ等の人災、予期せぬ災害や事故等の発生により、当社グループの拠点や顧客企業の重要な設備が破損する等の被害があった場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社では大規模自然災害が各拠点にて発生した場合に適用する「事業継続計画(BCP)」を策定しています。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

  該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.重要な会計方針および見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結会計年度末における資産・負債および連結会計年度の収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

  なお、連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表  注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

2.経営成績の分析

(1)売上高および営業利益

  当連結会計年度の売上高は10,218百万円(前期11.3%増)、営業利益は697百万円(前期比30.3%増)となりました。営業利益の増加は、コンベンション事業の増収等によるものであります。

(2)営業外損益および経常利益

  当連結会計年度の営業外収益は5百万円(前期比63.3%増)、営業外費用は3百万円(前期比6.9%減)となりました。

  営業外収益の増加は、貸倒引当金戻入額を計上したこと等によるものであります。

  また、営業外費用の減少は、持分法による投資損失が減少したこと等によるものであります。

  この結果、経常利益は699百万円(前期比30.8%増)となりました。

(3)特別損益

  当連結会計年度の特別利益は1百万円(前期は172百万円)となりました。

  特別利益の減少は、前期は投資有価証券売却益を計上していたためであります。

  また、特別損失につきましては、前期は連結子会社であった北京東櫻花翻訳有限公司の清算手続きを開始したことに伴う整理損を28百万円計上しておりました。

  この結果、税金等調整前当期純利益は700百万円(前期比3.6%増)となりました。

(4)法人税等

  当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税は274百万円(前期比16.1%増)、法人税等調整額は17百万円(利益)(前期は9百万円(損失))となりました。

  この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は444百万円(前期比3.2%増)となりました。

 

3.財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は4,632百万円となり、前連結会計年度末に比べ534百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が508百万円、受取手形及び売掛金が34百万円増加したことによるものであります。固定資産は478百万円となり、前連結会計年度末に比べ80百万円減少いたしました。これは主に減価償却およびのれんの償却により有形および無形固定資産が減少したことによるものであります。

この結果、総資産は5,111百万円となり、前連結会計年度末に比べ454百万円増加いたしました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は1,543百万円となり、前連結会計年度末に比べ108百万円増加いたしました。これは主に未払消費税等が39百万円、未払金が35百万円増加し、流動負債その他が増加したことによるものであります。固定負債は90百万円となり、前連結会計年度末に比べ5百万円減少いたしました。これは主に約定返済によりリース債務が14百万円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は1,633百万円となり、前連結会計年度末に比べ102百万円増加いたしました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は3,477百万円となり、前連結会計年度末に比べ351百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、利益剰余金が355百万円増加したことによるものであります。

 

4.資本の財源及び資金の流動性についての分析

  「第2 事業の状況  1 業績等の概要  (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 





出典: 株式会社翻訳センター、2017-03-31 期 有価証券報告書