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第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
 当事業年度における我が国経済は、輸出をけん引役として緩やかな回復基調を辿っていたものの、米国経済の減速とオリンピック開催に伴う中国の産業規制の影響を受けたこともあり、平成19年終盤を「山」として、次第に後退局面へ入りました。また、サブプライム・ローン問題に端を発した世界的な金融市場の不安は、米大手金融機関の破綻を招き、米国経済のみならず日本経済にまでも波及し、株式・為替の乱高下と企業収益の悪化が、景気後退の長期化懸念に影響を及ぼしてまいりました。
葬儀業界におきましては、経済産業省の動態統計調査によると、葬儀業の売上高、取扱件数、事業所数及び従業員数はここ数年、増加傾向にあり市場が拡大されておりますが、家族葬ニーズの高まり、弔問会葬者の減少等の葬儀の小型化により葬儀単価は減少している中、会館インフラ整備、価格競争、サービス面等で同業他社との激しい競争を続けております。
このような状況下におきまして、当社は、名古屋市内を中心に愛知県内で22会館の他、大阪府門真市に1会館を直営会館として運営、また、創業当初より葬儀価格を明確に開示することで一般消費者に対する信頼度の向上を目指し、顧客満足度の更なる向上を目指した社員教育とともに当社の葬儀のサービス向上に継続して取り組んでまいりました。
 以上の結果、当事業年度の売上高は58億67百万円(前年同期比11.4%増)、営業利益は4億85百万円(同25.0%増)、経常利益は4億20百万円(同27.3%増)、当期純利益は2億24百万円(同21.9%増)となりました。
 事業部門別の業績は次のとおりであります。
(a)葬祭事業
  葬祭事業におきましては、会館インフラの拡充の為、名古屋市守山区にティア四軒家会館をオープンしました。また、ティア岡崎会館を直営会館として運営するとともに、既存店舗の認知度の向上に努めてまいりました。
  この結果、売上高は58億32百万円(前年同期比12.0%増)となりました。
(b)フランチャイズ事業
フランチャイズ事業におきましては、原油価格高騰による建築コストの増大、耐震偽造問題を受けての建築基準法による確認申請期間の長期化など建築に関する市況の悪化等で出店を遅らす要因となりました。
この結果、売上高は34百万円(同41.6%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べて1億44百万円減少し、6億96百万円となりました。
 なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当事業年度において、営業活動の結果得られた資金は4億11百万円(前年同期比15.4%減)となりました。これは主に、法人税等の支払額1億99百万円や利息の支払額68百万円等があったものの、税引前当期純利益が4億8百万円及び減価償却費が2億11百万円であったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において、投資活動の結果使用した資金は2億14百万円(同78.1%減)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入1億34百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出2億94百万円があったこと等によるものであります。 
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において、財務活動の結果使用した資金は3億40百万円(前年同期は得られた資金7億21百万円)となりました。これは長期借入金の借入による収入11億円があったものの、長期借入金返済による支出13億95百万円及び配当金の支払45百万円があったことによるものであります。 
2【生産、受注及び販売の状況】
(1)生産実績
 該当事項はありません。
(2)受注実績
 該当事項はありません。
(3)販売実績
 当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
事業部門別
当事業年度
(自 平成19年10月1日
至 平成20年9月30日)
前年同期比(%)
金額(千円)
葬祭事業
5,832,708
112.0
フランチャイズ事業
34,900
58.4
合計
5,867,609
111.4
 (注)1.金額は販売価格によっております。
 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.フランチャイズ事業におきましては、当事業年度中に新規契約1店舗が開業いたしました。
(4)葬儀請負の状況
 当事業年度の地域別葬儀請負施行件数の状況は、次のとおりであります。
地域
前事業年度
(自 平成18年10月1日
至 平成19年9月30日)
当事業年度
(自 平成19年10月1日
至 平成20年9月30日)
会館数
施行件数(件)
会館数
施行件数(件)
名古屋市内
14
2,638
15
2,930
愛知県内(名古屋市内を含まず)
6
970
7
1,148
愛知県外 
1
72
1
116
合計
21
3,680
23
4,194
3【対処すべき課題】
 当社は「哀悼と感動のセレモニー」という基本理念のもと、「日本で一番『ありがとう』といわれる葬儀社」をスローガンに企業価値を高めていくため、次の点に取り組んでいく方針であります。
① サービス品質の向上(人材教育)
 当社では、悲しみのなか執り行われる葬儀は、葬祭業である前に「究極のサービス業」であると捉えております。当社は、接客サービスに優れた人材を積極的に採用し、「死」を扱う者の考え方・徳育的教育から葬祭知識・宗教知識・サービスマナーに至るまで段階的に社員研修を行っておりますが、サービス品質の更なる向上を実現するため、人材教育の充実強化を重要な課題と位置づけております。
② 投資の回収
 近年、葬儀施行スペースの確保が難しい洋風建築住宅やマンション等高層住宅へ居住する人が増加しております。特に都市部では、近隣住民との関係が希薄化し、自宅施行の際に必要な人手の確保が難しくなっております。また、葬儀施行が可能な集会所や公民館等の施設の利便性も低下していることから、葬儀会場は、従来の自宅、寺院・教会から、通夜、葬儀、法要まで一貫して執り行う場所を提供する葬儀専用会館へと移行しております。このような市場動向をとらえ、当社は、名古屋市内を中心にドミナント方式での会館展開を推進しております。当事業年度におきましては、平成19年10月愛知県岡崎市に「ティア岡崎」が、また、平成20年6月名古屋市守山区に「ティア四軒家」がオープンいたしました。
新規出店物件の選定にあたっては、死亡者人口及び競合他社状況等のマーケット調査、立地条件及び賃借条件等の物件調査、並びに葬儀施行件数予測、売上及び収益等の業績予想を勘案し、当社の出店基準に見合うと判断できた物件への出店を決定しておりますが、新規葬儀会館が事業計画に沿った投資回収を行うことが重要な課題であります。今後は、投資額に見合った収益性の確保及び投資額回収を今まで以上に精査した出店計画を策定するとともに、会館オープン以後はできるだけ早期に黒字目標を達成するよう、より強固な利益体質を作り上げるように取り組むことを重要な課題と位置づけております。
③ 会員数の拡大
 当社は、将来顧客となる会員数を更に拡大する方針であります。
 葬儀会館の利便性を前面に打ち出した会館施設の見学会の開催や、各種メディアを利用した認知度の向上を行う必要があります。また、前期より引き続き、一般消費者のみならず、企業・団体の福利厚生の一環として利用して頂くことを目的とした団体契約の推進や、生前見積りにより消費者の意識改革を促し、当社の会員数の拡大を行うことが重要な課題であります。
④ 組織の強化
 当社は、さらなる事業拡大に繋げるため、経営管理体制の向上や財務体質の改善に注力し、事業基盤の安定と充実を図り、強靭な経営体質の構築、また、内部監査及び内部牽制の両面から内部管理体制の一層の強化が必要と考えております。
4【事業等のリスク】
 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 葬儀需要の変動について
A.死亡者数 
葬儀需要の数量的側面は、死亡者数によって決定されます。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推
計人口」(平成18年12月推計)によると、平成19年から平成20年にかけては前年に比して2%の伸び率で死亡者数が増加すると予想されております。しかし、現実の死亡者数の推移は同推計値を下回る場合があります。
したがって、シェア及び葬儀平均単価(1件当たり)に変動がないとしても、実際の死亡者数の変動により、当社の業績が影響を受ける可能性があります。
B.葬儀単価の変動
 葬儀は、弔問会葬者や遺族親族の人数、利用する祭壇の種類などにより大きく価格変動いたします。また、公正取引委員会の「葬儀サービスの取引実態に関する調査報告書」(平成17年7月発表)によれば、葬儀単価が下落傾向にあります。したがって、葬儀単価の変動により当社の業績が影響を受ける可能性があります。
C.季節による変動
 死亡者数は年間を通じて平均的に発生せず、季節による変動があります。当社においては、冬の時期が他の季節に比して葬儀施行件数が多い繁忙期となります。したがって、業績に季節的変動が現れることがあります。
② 新規参入について
 葬儀業界は法的規制がない業界であり、特段に初期投資を必要としないことから、新規参入が比較的容易であります。当業界内には冠婚葬祭互助会が数多く存在していますが、葬儀が成長産業であるとの認識から葬儀への参入が全国規模で進んでおり、競争の激化を生んでおります。また、同じように葬儀を成長産業と考えている異業種(鉄道会社、農協、生協等)からの参入も進んでいます。参入障壁の低さが、今後さらなる新規参入を招き、当社の業績に影響を与えるような環境変化が起こる可能性も否定できません。
③ 金利について
 当社は、会館造作費用・差入保証金等の出店資金及び本社土地建物の購入資金を、主に金融機関からの借入れにより調達しているため、総資産に占める有利子負債の割合が比較的高い水準にあります。したがって今後有利子負債依存度が高い状態で金利が上昇した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
④ 個人情報について
 当社は、将来の見込み顧客として募っている「ティアの会」会員、葬儀請負及び法要の請負に関しまして施主の個人情報を取り扱っております。平成17年4月からの「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)の施行に伴い、当社では個人情報の管理を徹底すべく従業員教育及びコンピュータシステムの情報漏洩防止策を行っておりますが、書類の盗難及びネットワークへの不正侵入等による個人情報漏洩の可能性は否定できず、万が一このような事態が発生した場合には、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑤ フランチャイズ契約について
 フランチャイズ事業は、加盟者との間で取り結ぶ加盟店契約に基づいて「ティア」という会館名でチェーン展開を行っておりますが、会館においての不祥事等によりチェーン全体のブランドイメージが損なわれた場合、当社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 また、フランチャイズ事業は、加盟店と当社が対等なパートナーシップと信頼関係に基づき、それぞれの役割を担う共同作業であり、加盟店及び当社のいずれかがその役割を果たせないことにより、加盟者との間で契約が維持できなくなった場合においても、当社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 葬儀会館の賃借について
 当社は、葬儀会館の出店に関しまして、基本的に土地建物の賃借をいたしております。
A.保証金等
 賃借条件により、建設協力金または保証金を差入れている物件もあり、差入先の破綻等により保証金の返還がなされない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
B.定期借地権
 当社は、20年間の定期借地を行っておりますが、賃借期間終了後に当該会館の継続賃借ができない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
C.関連当事者との取引について
 当社は、葬儀会館の賃借に関して、代表取締役 冨安徳久及び主要株主 横山博一並びに株式会社夢現と次のような取引があります。
当事業年度(自平成19年10月1日 至平成20年9月30日)
属性
氏名又は名称
住所
資本金又は出資金
(千円)
事業の内容又は職業
議決権等の所有(被所有)割合
(%)
関係内容
取引の内容
取引金額
(千円)
科目
期末残高
(千円)
役員の兼任等
事業上の関係
役員
冨安 徳久
名古屋市東区
当社
代表取締役
(被所有)
直接4.9
地代家賃支払に対する債務被保証
(注)3
222,048
主要株主(個人)
横山 博一
名古屋市天白区
会社役員
(被所有)
直接10.5
地代家賃支払に対する債務被保証
(注)3
65,311
主要株主及びその近親者が議決権の過半数を所有する会社
㈱夢現
(注)2
名古屋市中区
30,000
財産保全会社
(被所有)
直接35.8
なし
なし
地代家賃支払に対する債務被保証
(注)3
28,912
 (注)1.上記の金額のうち、取引金額には消費税等が含まれておらず、期末残高には消費税等が含まれております。
2.当社主要株主 横山博一及び近親者が議決権の100%を直接保有しております。
3.当社は、店舗の賃借料に対して、当社代表取締役 冨安徳久及び当社主要株主 横山博一並びに株式会社夢現の債務保証を受けております。なお、保証料の支払いは行っておりません。 
 当社は、関連当事者取引自体の合理性、必然性及び当該取引条件の妥当性等を検証したうえで、可能な限り関連当事者取引の解消、縮小に努めてまいりました。
 今後も取引の必然性、取引条件を勘案し、可能な限り解消を進めていく予定であります。
D.出店計画
 現在出店計画に沿って、土地情報の収集や賃借交渉を行っておりますが、当社が希望する地域に希望する土地がない場合及び条件に折り合いが付かない場合につきましては、出店計画に遅れが生じ、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 搬送用寝台車及び霊柩車の外部委託について
 当社は、ご遺体の輸送用寝台車および火葬場への霊柩車につきまして、大阪府門真市1店舗を除く22店舗の会館において、名古屋特殊自動車株式会社へ外部委託しております。現在、名古屋特殊自動車株式会社は、当社において扱う葬儀のすべてを受託できるキャパシティーを持っておりますが、受託件数が飽和状態になった場合、ご遺体の搬送や葬儀告別式の日延べなどにより、当社に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 減損会計について
 当社は、既に減損会計を適用しておりますが、今後も実質的価値が下落した保有資産や収益性の低い店舗等について減損処理が必要となった場合、業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 災害について
 当社は、名古屋市を中心とする東海地区において多店舗出店(ドミナント方式)による会館の展開を行っております。これにより「ティア」の認知度向上等が図られる一方、特に会館が集中している東海地区において地震等の大きな自然災害が発生した場合、多大な影響を受けることが予想されます。その場合、当社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
5【経営上の重要な契約等】
(1)フランチャイズ契約
相手方の名称
契約内容
契約期間
南海電気鉄道株式会社
(注)1
葬儀事業の経営に関するノウハウ等の提供を行う契約 
平成17年1月12日から8年間
(以後、1年毎の継続契約)
株式会社天翔苑
 (注)2,3
葬儀事業の経営に関するノウハウ等の提供を行う契約
平成18年2月1日から10年間
(以後、1年毎の継続契約)
大丸石材産業株式会社
 (注)4
葬儀事業の経営に関するノウハウ等の提供を行う契約
平成18年6月6日から10年間
(以後、1年毎の継続契約)
ワセ田実業株式会社
 (注)5
葬儀事業の経営に関するノウハウ等の提供を行う契約
平成20年5月2日から10年間
(以後、1年毎の継続契約)
株式会社スリーケイエム
 (注)6
葬儀事業の経営に関するノウハウ等の提供を行う契約
平成19年5月1日から10年間
(以後、1年毎の継続契約)
 (注)1. 南海電気鉄道株式会社のフランチャイズチェーンであるティア橋本は、平成18年3月25日より和歌山県橋本市において、ティア千代田は平成19年5月12日より大阪府河内長野市において営業を開始しております。 
 2. 平成18年3月23日をもって阿部商事有限会社の契約上の地位を株式会社天翔苑へ移転いたしました。
 3. 株式会社天翔苑のフランチャイズチェーンであるティア各務原は、平成18年4月15日より岐阜県各務原市において、ティア長良は平成18年6月10日より岐阜県岐阜市において、ティア又丸は平成19年9月29日より岐阜県岐阜市において、ティア加納は平成20年7月5日より岐阜県岐阜市において営業を開始しております。
 4. 大丸石材産業株式会社のフランチャイズチェーンであるティア知立は、平成18年11月25日より愛知県知立市において営業を開始しております。
 5. ワセ田実業株式会社のフランチャイズチェーンであるティア瀬戸南は、平成20年12月6日より愛知県瀬戸市において営業を開始しております。
 6.  平成19年3月17日開催の取締役会において、株式会社スリ−ケイエムとのフランチャイズ契約に関する決議を行い、同年5月1日にフランチャイズ契約を締結いたしましたが、同年10月16日に同社との譲受契約を締結したことによりフランチャイズ契約を解消いたしました。
(2)事業譲受けに関する契約
相手方の名称
契約内容
契約日
株式会社スリーケイエム
葬儀会館「ティア岡崎」に関する事業資産等
 譲受価額     45,816千円
 取引実行日 平成19年10月16日
平成19年10月16日
6【研究開発活動】
 該当事項はありません。
7【財政状態及び経営成績の分析】
 当事業年度(平成19年10月1日から平成20年9月30日まで)の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
 この財務諸表の作成に当たりまして、期末日における資産・負債の報告金額及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような見積り・予測を必要としておりますが、結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。
 当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第一部 企業情報 第5 経理の状況」の財務諸表の「重要な会計方針」に記載しております。
(2)当事業年度の経営成績の分析
① 業績の概要
 当事業年度は直営会館2店舗(ティア岡崎、ティア四軒家)をオープンいたしましたが、建築基準法改正の影響で当初予定より建設着工が遅れ、オープン開設日の順延を余儀なくされました。また、家族葬ニーズの高まりや弔問会葬者の減少など、葬儀施行単価は前事業年度に引き続き減少傾向で推移しております。このような逆風のなか、当事業年度の葬儀施行件数は増加し、創業以来過去最高の売上金額を計上しました。
 当事業年度における売上増加の要因については、近年にオープンした店舗の認知度が向上し軌道に乗り始めていることをはじめとして、創業以来経営方針に掲げておりますドミナント出店が功を奏し、当社の知名度が向上してきたためであると思われます。このことは、前事業年度以前に開業した既存店舗売上の前年同期比実績が概ね伸びていることから推測することができます。なお、名古屋市内での死亡数における当社葬儀請負件数の割合は15%を超えております。
 一方、費用面では、内部統制強化を図るためのコスト増加、更なる認知の向上を目指し広告宣伝費を増加したことにより、売上高に占める販売費及び一般管理費の割合は20.4%と、前事業年度に比べ0.8ポイント増加しました。
 この結果、当事業年度は、営業収益の増加に伴い営業利益、経常利益及び当期純利益は増加する結果となりました。
② 売上高及び売上総利益、営業利益
 当事業年度の売上高は5,867,609千円となりました。上記で述べた葬儀売上金額の増収に伴い、法事・法要の受注、返礼品等のアフター販売も増加しました。
 また、売上原価は4,185,504千円でした。売上原価率は71.3%と、前期に比べ1.7ポイント改善できております。
 販売費及び一般管理費は、1,196,938千円となっております。販売費及び一般管理費対売上高比率は20.4%と、前期に比べ0.8ポイント増加しております。
 この結果、売上総利益、営業利益はそれぞれ1,682,104千円、485,165千円となり、前事業年度に比べ利益率が売上総利益は1.7ポイント上昇、営業利益は0.9ポイント上昇しております。
③ 経常利益
 当事業年度の経常利益は420,954千円となっております。売上高経常利益率は7.2%と、前事業年度に比べ0.9ポイント上昇しております。
④ 法人税等(法人税等調整額を含む)及び当期純利益
 当事業年度の法人税等(法人税等調整額を含む)は183,886千円となっており、その結果、当期純利益は224,349千円となり、売上高当期純利益率は3.8%と、前事業年度に比べ0.3ポイント上昇しております。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご覧ください。
(4)経営戦略の現状と見通し
 消費者にとって葬儀は非日常的な行事であるために一般的な相場感覚を持ちにくく、宗教的な色彩が強いために価格交渉がタブー視されてきました。また、多くの消費者が、「親族の死」という冷静な判断を行いにくい精神状態のもとで契約せざるを得ないという特殊事情もあります。従来はこれらの事情により葬儀社間での価格競争が起こりにくく、葬儀費用は高値安定で推移しておりました。
 しかし、財団法人日本消費者協会「第8回『葬儀についてのアンケート調査』報告書」(平成19年12月刊行)によりますと、葬儀内容やサービスに対する費用を「高かった」と感じている人は20.8%、「やむを得ない金額だ」と思っている人は21.0%でした。また、消費者からは「葬儀料金システムが不明瞭である。」、「形式にとらわれない、簡素ながら心のこもった葬儀を近親者のみで行いたい。」といった意見も増えてきております。
 当社は1997年の会社設立以来、セット料金による低価格商品の提供に取り組んでまいりました。近年は、会葬者数の減少あるいは近親者のみで葬儀を執り行う「家族葬」の増加により葬儀施行規模の縮小傾向が見られ、葬儀1件当たりの平均単価が逓減傾向にあります。当社はこれからも、こうした時代の流れに適合したサービスを市場に提供し、他社との差別化を図ってまいります。
 また、従来は自宅で行われることが多かった葬儀ですが、近年は会館で行いたいと要望されるお客様が増えてきております。そのため、自社で葬祭会館を保有することは葬儀ニーズを捉えるために必要不可欠な要素となっております。葬儀社自らが会館を保有することは、自宅で葬儀のできない遺族のニーズを獲得することができるため、葬儀社のメリットは大きいといえます。しかしながら、会館建設には多額の建設費がかかるため、多くの零細葬儀社には、会館を保有する余裕はありません。そのため、会館を保有する葬儀社は顧客獲得の機会を飛躍的に増大させることができます。
 国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(平成18年12月推計)によると、我が国の総人口は平成16年でピークを迎え、平成17年以降は前年比増加に転じる年はあるものの、減少傾向が続きます。一方、我が国の平成19年度の死亡者数は1,103千人であり、さらに、死亡者数は増加し、平成51〜52年頃にそのピークを迎えると推計されています。これに伴い当分の間は、葬儀施行件数の増加傾向が続くと思われます。
 当社は同業他社に比べ後発であったにもかかわらず、営業エリアを名古屋市及び名古屋市近郊に特化して同地域内に19店舗を展開し、更に営業エリアの拡大を目指して愛知県東部である三河地方及び関西圏へ進出し、設立から11年間で23会館を展開いたしました。今では名古屋市内における自社葬儀会館を多く保有する葬儀社の1つとなっておりますが、「生活圏内に必ず存在する地域密着型の会館」を目指すべく新規出店を継続し、ドミナント出店による知名度の向上及びサービスの向上を図っていく所存であります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
 キャッシュ・フローにつきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載しました。
② 資金需要
 当社の運転資金需要のうち主なものは、葬儀にかかる仕入、人件費であります。設備資金需要のうち主なものは、葬儀会館新設のための建設費用であります。
③ 財務政策
 当社の運転資金は、営業活動で生み出される資金で調達ができており、特に不足が生じることはありません。設備資金については、一部自己資金で賄うこともありますが、主に借入により調達を行っております。一年以内返済予定の長期借入金を含む長期借入金の残高は3,196,930千円で、すべて金融機関からの借入であります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載しました。
 その中で記載した事項のほか、見込顧客である「ティアの会」会員獲得の営業力強化を推進し、また適時開示に適応すべく基幹システム及びホームページの充実を図るためのシステム部署の設置、さらには人材教育のための「ティアアカデミー」事務局など管理部門の強化を実現するための「人材の確保と教育」が最も重要な点と考え、実践してまいります。




出典: 株式会社ティア、2008-09-30 期 有価証券報告書