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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当事業年度におけるわが国経済は、底堅く推移する個人消費に加え、公共投資の増加や輸出の持ち直し等により、緩やかではありますが回復傾向となりました。また、景気の先行きに対しましても、企業活動における景況感の改善や設備投資の増加等を背景に回復基調は持続するものと見られておりますが、一方で消費税引き上げに伴う駆け込み需要とその反動による不確実性は拭えない状況です。

葬儀業界におきましては、葬儀に関する潜在的需要は約30年間にわたり年々逓増すると推計されており、直近の葬儀件数につきましても増加傾向で推移いたしました。一方、葬儀単価におきましては、核家族化や葬祭規模の縮小等により減少傾向が続いております。また、都市部を中心に高齢化が急速に進行していることもあり、人生の終末や死別後の事前準備を担う葬儀業界への関心は今まで以上に高まるものと予想されます。

かかる環境下、当社は顧客満足度の向上を図るべく「明瞭な価格体系による葬儀費用の明確化」「徹底した人財教育によるサービスの向上」「ドミナント出店による利便性の向上」を戦略の基本方針とし、直営・フランチャイズ出店による徹底した差別化戦略を展開しております。当事業年度におきましては、戦略の基本方針のブラッシュアップを図るべく、「新生ティア」をスローガンに掲げ、新たな課題に対応した6項目の戦略テーマを推進してまいりました。

新規会館につきましては、直営会館として大阪府大東市に「ティア大東」、愛知県春日井市に「ティア味美」を開設したのに加え、埼玉県川口市に関東二号店となります「ティア鳩ヶ谷」を開設いたしました。フランチャイズの会館につきましては3店舗を開設し、これにより直営36店舗、フランチャイズ32店舗の合計68店舗となりました。また、既存会館におきまして、葬儀ニーズの多様化に対応するために「ティア甚目寺」「ティア中村」の改修工事を行い、小規模葬儀に対応した設備を増設いたしました。経費面では、商品改革の一環として、葬儀付帯品を一括で会館に配送する物流センターを稼働したのに加え、仕入価格の見直しを実施いたしました。また、今後の会館開設を見据えた積極的な人材確保にも努めてまいりました。

この結果、売上高は89億19百万円(前年同期比6.7%増)となり、売上原価率は前年同期と比べ1.4ポイント低下し、販管費率は1.3ポイント上昇いたしました。これにより、営業利益は9億39百万円(同8.1%増)、経常利益は8億46百万円(同6.0%増)、当期純利益は5億17百万円(同23.5%増)となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

(a)葬祭事業

当事業年度におきましては、「ティアの会」会員数の拡大を図るべく、各種会館イベントや提携団体・企業向けの営業活動に加え、提携店で特典サービスが受けられる「会員向け優待サービス」等を開始いたしました。また、堅調に推移する既存会館に加え、新たに開設した会館の稼働により、葬儀件数は6,862件(同6.9%増)と順調に増加いたしました。葬儀単価におきましては、葬儀付帯品の取扱いは減少したものの、葬儀の受注を担当する葬儀アドバイザーの増員等により、前年同期比0.1%減となり概ね前期と同水準を確保いたしました。この結果、売上高は86億85百万円(同5.8%増)、営業利益は15億7百万円(同13.1%増)となりました。

(b)フランチャイズ事業

当事業年度におきましては、新規クライアントの開発並びに出店候補地の確保を強化するために組織体制の見直しを行いました。また、フランチャイズの会館が前年同期に比べ3店舗増加し、これによりロイヤリティ収入が増加したのに加え、会館向けの物品販売が増加いたしました。この結果、売上高は2億33百万円(同60.8%増)、営業利益は41百万円(同24.2%減)となりました。

(2)キャッシュ・フロー

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べて1億98百万円減少し、9億39百万円(前年同期比17.4%減)となりました。

なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において、営業活動の結果得られた資金は8億5百万円(同12.8%減)となりました。これは主に法人税等の支払額3億89百万円等があったものの、税引前当期純利益が8億45百万円であったことや減価償却費3億78百万円を計上したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において、投資活動の結果使用した資金は7億17百万円(同20.4%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4億64百万円があったこと及び差入保証金の差入による支出2億11百万円があったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において、財務活動の結果使用した資金は2億88百万円(前年同期は1億14百万円の獲得)となりました。これは長期借入れによる収入11億5百万円があったものの、長期借入金の返済による支出12億79百万円があったこと等によるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

該当事項はありません。

(2)受注実績

該当事項はありません。

(3)販売実績

当事業年度における販売実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成24年10月1日

至 平成25年9月30日)

前年同期比(%)

金額(千円)

葬祭事業

8,685,979

105.8

フランチャイズ事業

233,730

160.8

合計

8,919,709

106.7

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.フランチャイズ事業におきましては、当事業年度中に新規契約3店舗が開業いたしました。

(4)葬儀請負の状況

当事業年度の地域別葬儀請負施行件数の状況は、次のとおりであります。

地域

前事業年度

(自 平成23年10月1日

至 平成24年9月30日)

当事業年度

(自 平成24年10月1日

至 平成25年9月30日)

会館数

施行件数(件)

会館数

施行件数(件)

名古屋市内

20

4,234

20

4,411

愛知県内(名古屋市内を含まず)

11

1,973

12

2,120

愛知県外

2

210

4

331

合計

33

6,417

36

6,862

3【対処すべき課題】

当社は「哀悼と感動のセレモニー」という基本理念のもと、「日本で一番『ありがとう』と言われる葬儀社」をスローガンに企業価値を高めていくため、次の点に取り組んでいく方針であります。

① サービス品質の向上(人材教育)

当社では、悲しみのなか執り行われる葬儀は、葬祭業である前に「究極のサービス業」であると捉えております。当社は、接客サービスに優れた人材を積極的に採用し、「死」に携わる者の考え方・徳育的教育から葬祭知識・宗教知識・サービスマナーに至るまで段階的に社員研修を行っておりますが、サービス品質の更なる向上を実現するため、人材教育の充実強化を重要な課題と位置づけております。

② 投資の回収

近年、葬儀施行スペースの確保が難しい洋風建築住宅やマンション等の高層住宅へ居住する人が増加しております。特に都市部では、近隣住民との関係が希薄化し、自宅施行の際に必要な人手の確保が難しくなっております。

また、葬儀施行が可能な集会所や公民館等の施設の利便性も低下していることから、葬儀会場は、従来の自宅、寺院・教会から、通夜、葬儀、法要まで一貫して執り行う場所を提供する葬儀専用会館へと移行しております。このような市場動向を捉え、当社は、名古屋市内を中心にドミナント方式での会館展開を推進しております。

新規出店物件の選定にあたっては、死亡者人口及び競合他社状況等のマーケット調査、立地条件及び賃借条件等の物件調査、並びに葬儀施行件数予測、売上及び収益等の業績予想を勘案し、当社の出店基準に見合うと判断できた物件への出店を決定しておりますが、新規葬儀会館が事業計画に沿った投資回収を行うことが重要な課題であります。今後は、投資額に見合った収益性の確保及び投資額回収を今まで以上に精査した出店計画を策定するとともに、会館オープン以後はできるだけ早期に黒字目標を達成するよう、より強固な利益体質を作り上げるように取り組むことを重要な課題と位置づけております。

③ 会員数の拡大

当社は、将来顧客となる会員数を更に拡大する方針であります。

葬儀会館の利便性を前面に打ち出した会館施設の見学会の開催や、各種メディアを利用した認知度の向上を行う必要があります。また、前事業年度より引き続き、一般消費者のみならず、企業・団体の福利厚生の一環として利用して頂くことを目的とした団体契約の推進や、生前見積りにより消費者の意識改革を促し、当社の会員数の拡大を行うことが重要な課題であります。

④ 組織の強化

当社は、さらなる事業拡大に繋げるため、経営管理体制の向上や財務体質の改善に注力し、事業基盤の安定と充実を図り、強靭な経営体質の構築、また、内部監査及び内部牽制の両面から内部管理体制の一層の強化が必要と考えております。

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

① 葬儀需要の変動について

A.死亡者数

葬儀需要の数量的側面は、死亡者数によって決定されます。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推
計人口」(平成24年1月推計)によると、平成25年から平成34年にかけては前年に比して約2%の伸び率で死亡者数が増加すると予想されております。しかし、現実の死亡者数の推移は同推計値を下回る場合があります。

したがって、シェア及び葬儀平均単価(1件当たり)に変動がないとしても、実際の死亡者数の変動により、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

B.葬儀単価の変動

葬儀は、弔問会葬者や遺族親族の人数、利用する祭壇の種類などにより大きく価格変動いたします。また、経済産業省が公表しております「特定サービス産業動態統計調査」によりますと、葬儀単価が下落傾向にあります。したがって、葬儀単価の変動により当社の業績が影響を受ける可能性があります。

C.季節による変動

死亡者数は年間を通じて平均的に発生せず、季節による変動があります。当社においては、冬の時期が他の季節に比して葬儀施行件数が多い繁忙期となります。したがって、業績に季節的変動が現れることがあります。

② 新規参入について

葬儀業界は法的規制がない業界であり、特段に初期投資を必要としないことから、新規参入が比較的容易であります。当業界内には冠婚葬祭互助会が数多く存在していますが、葬儀が成長産業であるとの認識から葬儀への参入が全国規模で進んでおり、競争の激化を生んでおります。また、同じように葬儀を成長産業と考えている異業種(鉄道会社、農協、生協等)からの参入も進んでいます。参入障壁の低さが、今後さらなる新規参入を招き、当社の業績に影響を与えるような環境変化が起こる可能性も否定できません。

③ 金利について

当社は、会館造作費用・差入保証金等の出店資金及び会館土地建物の購入資金を主に金融機関からの借入れにより調達しているため、総資産に占める有利子負債の割合が比較的高い水準にあります。したがって、今後有利子負債依存度が高い状態で金利が上昇した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

④ 個人情報について

当社は、将来の見込み顧客として募っている「ティアの会」会員、葬儀請負及び法要の請負に関しまして施主の個人情報を取り扱っております。平成17年4月からの「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)の施行に伴い、当社では個人情報の管理を徹底すべく従業員教育及びコンピュータシステムの情報漏洩防止策を行っておりますが、書類の盗難及びネットワークへの不正侵入等による個人情報漏洩の可能性は否定できず、万が一このような事態が発生した場合には、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑤ フランチャイズ契約について

フランチャイズ事業は、加盟者との間で取り結ぶ加盟店契約に基づいて「ティア」という会館名でチェーン展開を行っておりますが、会館においての不祥事等によりチェーン全体のブランドイメージが損なわれた場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、フランチャイズ事業は、加盟店と当社が対等なパートナーシップと信頼関係に基づき、それぞれの役割を担う共同作業であり、加盟店及び当社のいずれかがその役割を果たせないことにより、加盟者との間で契約が維持できなくなった場合においても、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 葬儀会館の賃借について

当社は、葬儀会館の出店に関しまして、基本的に土地建物の賃借をいたしております。

A.保証金等

賃借条件により、建設協力金又は保証金を差入れている物件もあり、差入先の破綻等により保証金の返還がなされない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

B.定期借地権

当社は、20年間から38年間の定期借地を行っておりますが、賃借期間終了後に当該会館の継続賃借ができない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

C.関連当事者との取引について

当社は、葬儀会館の賃借に関して、主要株主㈱夢現及び横山博一と次のような取引があります。

当事業年度(自 平成24年10月1日 至 平成25年9月30日)

種類

会社等の名称又は氏名

所在地

資本金又は出資金

(千円)

事業の内容又は職業

議決権等の所有(被所有)割合

(%)

関連当事者

との関係

取引の内容

取引金額

(千円)

科目

期末残高

(千円)

主要株主(個人)及びその近親者

㈱夢現

(注)2

名古屋市中区

30,000

財産保全

会社

(被所有)

直接42.7

主要株主

債務被保証

地代家賃支払に対する債務被保証

(注)3

28,912

横山 博一

(注)2

名古屋市東区

会社役員

(被所有)

直接4.8

債務被保証

地代家賃支払に対する債務被保証

(注)3

28,912

(注)1.上記の金額のうち、取引金額には消費税等が含まれておりません。

2.横山博一は主要株主には該当しませんが、㈱夢現は横山博一及びその近親者が議決権の100%を直接保有する財産保全会社であることから、主要株主(個人)として各々記載しております。

3.当社は会館の賃借料に対して、当社主要株主㈱夢現及び横山博一の債務保証を受けております。なお、保証料の支払いは行っておりません。

当社は、関連当事者取引自体の合理性、必然性及び当該取引条件の妥当性等を検証したうえで、可能な限り関連当事者取引の解消、縮小に努めてまいりました。

今後も取引の必然性、取引条件を勘案し、可能な限り解消を進めていく予定であります。

D.出店計画

現在出店計画に沿って、土地情報の収集や賃借交渉を行っておりますが、当社が希望する地域に希望する土地がない場合及び条件に折り合いが付かない場合については、出店計画に遅れが生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 減損会計について

当社は、既に減損会計を適用しておりますが、今後も実質的価値が下落した保有資産や収益性の低い会館等について減損処理が必要となった場合、当社の業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 災害について

当社は、名古屋市を中心とする東海地区において多店舗出店(ドミナント方式)による会館の展開を行っております。これにより「ティア」の認知度向上等が図られる一方、特に会館が集中している東海地区において地震等の大きな自然災害が発生した場合、多大な影響を受けることが予想されます。その場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

(1)フランチャイズ契約

相手方の名称

契約内容

契約期間

南海電気鉄道株式会社

葬儀事業の経営に関するノウハウ等の提供を行う契約

平成23年8月31日から5年間

(以後、3年毎の継続契約)

株式会社天翔苑

葬儀事業の経営に関するノウハウ等の提供を行う契約

平成18年2月1日から10年間

(以後、1年毎の継続契約)

大丸石材産業株式会社

葬儀事業の経営に関するノウハウ等の提供を行う契約

平成18年6月6日から10年間

(以後、1年毎の継続契約)

株式会社月昇天

葬儀事業の経営に関するノウハウ等の提供を行う契約

平成20年5月2日から10年間

(以後、1年毎の継続契約)

株式会社豊蓮

(注)4

葬儀事業の経営に関するノウハウ等の提供を行う契約

平成21年10月26日から10年間

(以後、1年毎の継続契約)

エスケーアイマネージメント株式会社

(注)1

葬儀事業の経営に関するノウハウ等の提供を行う契約

平成21年11月24日から10年間

(以後、1年毎の継続契約)

株式会社ふなやす

(注)2

葬儀事業の経営に関するノウハウ等の提供を行う契約

平成22年4月16日から10年間

(以後、1年毎の継続契約)

株式会社アルファ

(注)3

葬儀事業の経営に関するノウハウ等の提供を行う契約

平成22年8月26日から10年間

(以後、1年毎の継続契約)

(注)1.当事業年度において、フランチャイズチェーンであるティア碧南(平成25年7月)が新たに営業を開始しました。

2.当事業年度において、フランチャイズチェーンであるティア海津(平成25年2月)が新たに営業を開始しました。

3.当事業年度において、フランチャイズチェーンであるティア白子(平成25年9月)が新たに営業を開始しました。

4.翌事業年度において、フランチャイズチェーンであるティア半田北が新たに営業を開始する予定であります。

(2)業務委託契約

相手方の名称

契約内容

契約期間

日本通運株式会社

当社の物流業務及びこれに付随する業務の委託を行う契約

自 平成24年9月1日

至 平成29年9月30日

TIS株式会社

「ティアの会」会員管理業務の一部委託を行う契約

自 平成24年3月19日

至 平成25年2月28日

(以後、1年毎の継続契約)

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度(平成24年10月1日から平成25年9月30日まで)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この財務諸表の作成に当たりまして、期末日における資産・負債の報告金額及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような見積り・予測を必要としておりますが、結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第一部 企業情報 第5 経理の状況」の財務諸表の「重要な会計方針」に記載しております。

(2)当事業年度の経営成績の分析

① 業績の概要

当事業年度は既存店が堅調に推移したのに加え、今期に3店舗オープンしたことと、また前事業年度の新店が通年稼動したことにより、当事業年度の葬儀施行件数は増加し、葬祭事業の売上高は増加いたしました。また、フランチャイズ事業が順調に業容拡大したため、創業以来過去最高の売上金額となりました。

この結果、当事業年度は、前年同期比で増収増益となりました。売上高は上場以来、7期連続の増収を確保し、営業利益・経常利益・当期純利益は2期連続の増益となりました。

② 売上高及び売上総利益、営業利益

当事業年度の売上高は8,919,709千円となりました。葬儀件数が堅調に推移したことや、フランチャイズ会館向けの返礼品等の販売開始したことにより、売上が増加しております。

また、売上原価は5,816,290千円でした。売上原価率は65.2%と、前事業年度に比べ1.4ポイント改善できております。

販売費及び一般管理費は、2,163,656千円となっております。販売費及び一般管理費対売上高比率は24.3%と、前事業年度に比べ1.3ポイント上昇しております。

この結果、売上総利益、営業利益はそれぞれ3,103,419千円、939,762千円となり、前事業年度に比べ利益率が売上総利益は1.4ポイント上昇、営業利益は0.1ポイント上昇しております。

③ 経常利益

当事業年度の経常利益は846,298千円となっております。売上高経常利益率は9.5%と、前事業年度に比べ0.1ポイント低下しております。

④ 法人税等(法人税等調整額を含む)及び当期純利益

当事業年度の法人税等(法人税等調整額を含む)は328,299千円となっており、その結果、当期純利益は517,233千円となり、売上高当期純利益率は5.8%と、前事業年度に比べ0.8ポイント上昇しております。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しております。

(4)経営戦略の現状と見通し

消費者にとって葬儀は非日常的な行事であるために一般的な相場感覚を持ちにくく、宗教的な色彩が強いために価格交渉がタブー視されてきました。また、多くの消費者が、「親族の死」という冷静な判断を行いにくい精神状態のもとで契約せざるを得ないという特殊事情もあります。従来はこれらの事情により葬儀社間での価格競争が起こりにくく、葬儀費用は高値安定で推移しておりました。

しかし、経済産業省が平成23年8月に公表した「ライフエンディング・ステージ」の報告書によりますと、「葬儀費用の金額水準、透明性」について20%強の人が納得していないと回答しております。また、消費者からは「葬儀料金システムが不明瞭である。」、「形式にとらわれない、簡素ながら心のこもった葬儀を近親者のみで行いたい。」といった意見も増えてきております。

当社は1997年の会社設立以来、セット料金による低価格商品の提供に取り組んでまいりました。近年は、会葬者数の減少あるいは近親者のみで葬儀を執り行う「家族葬」の増加により葬儀施行規模の縮小傾向が見られ、葬儀1件当たりの平均単価が逓減傾向にあります。当社はこれからも、こうした時代の流れに適合したサービスを市場に提供し、他社との差別化を図ってまいります。

また、従来は自宅で行われることが多かった葬儀ですが、近年は会館で行いたいと要望されるお客様が増えてきております。そのため、自社で葬儀会館を保有することは葬儀ニーズを捉えるために必要不可欠な要素となっております。葬儀社自らが会館を保有することは、自宅で葬儀のできない遺族のニーズを獲得することができるため、葬儀社のメリットは大きいといえます。しかしながら、会館建設には多額の建設費がかかるため、多くの零細葬儀社には、会館を保有する余裕はありません。そのため、会館を保有する葬儀社は顧客獲得の機会を飛躍的に増大させることができます。

国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(平成24年1月推計)によると、平成25年から平成34年にかけては前年に比して約2%の伸び率で死亡者数が増加すると予想されております。これに伴い当分の間は、葬儀施行件数の増加傾向が続くと思われます。

当社は同業他社に比べ後発であったにもかかわらず、営業エリアを名古屋市及び名古屋市近郊に特化して同地域内に26店舗を展開し、更に営業エリアの拡大を目指して愛知県東部である三河地方及び関西圏へ進出し、設立から16年間で36会館を展開いたしました。今では名古屋市内における自社葬儀会館を多く保有する葬儀社の1つとなっておりますが、「生活圏内に必ず存在する地域密着型の会館」を目指すべく新規出店を継続し、ドミナント出店による知名度の向上及びサービスの向上を図っていく所存であります。

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローについては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載しております。

② 資金需要

当社の運転資金需要のうち主なものは、葬儀にかかる仕入、人件費であります。設備資金需要のうち主なものは、葬儀会館新設のための建設費用であります。

③ 財務政策

当社の運転資金は、主に営業活動で生み出される資金で調達ができており、一部短期借入金により調達を行っております。短期借入金の残高は86,668千円で、すべて金融機関からの借入であります。設備資金については、一部自己資金で賄うこともありますが、主に借入により調達を行っております。1年内返済予定の長期借入金を含む長期借入金の残高は4,088,607千円で、すべて金融機関からの借入であります。

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載しております。

その中で記載した事項のほか、見込顧客である「ティアの会」会員獲得の営業力強化を推進し、また適時開示に適応すべく基幹システム及びホームページの充実を図るためのシステム部署の設置、さらには人材教育のための「ティアアカデミー」事務局など管理部門の強化を実現するための「人材の確保と教育」が最も重要な点と考え、実践してまいります。





出典: 株式会社ティア、2013-09-30 期 有価証券報告書