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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度は決算期変更(毎期5月末日より1月末日へ変更)に伴い8カ月の変則決算となるため、本文中の記載については、全般およびセグメント別の業績(売上高、営業損益、経常損益、当期純損益)の前年同期比較を記載しておりません。
 
 当連結会計年度における経済環境は、主要各国の積極的な政策対応を受けて持ち直してきた感はあるものの、わが国においては企業業績の先行きの懸念から厳しい雇用情勢・個人所得環境などから消費者の生活防衛意識は益々強くなり、消費者物価は緩やかな下落が続いてまいりました。
 このような状況の下、当社グループは中期経営計画の重点課題解決に取り組んでまいりました。特に個人消費者、教育機関・企業などの顧客目線での「新しいモノづくりと新しい価値創造によるサービス提供」の醸成に取り組み、既存製品(出版物、eラーニング・紙による通信教材)・サービス(語学・マネジメント研修、IT学習環境)の販売促進に努め、また外部取引先へのコストダウン活動や効果測定による費用削減などにも注力してまいりました。
 グループ営業においては、語学学習者など顧客の目的に応じた製品・サービスの選択がしやすいIT環境整備と様々な顧客へのソリューション営業活動を強化し、書店・取次業者に対して当社製品(出版物)の差異性・優位性を伝える販促活動と書店・販売店向けにより良い売場作りへの提案・協力を推進してまいりました。
 事業開発・制作では、自社の強みと顧客のニーズ、ウォンツとの接点を探り、多様化する語学学習スタイルにあわせた来期(第8期)を見据えた製品・サービスの制作・開発に取り組んでまいりました。
 この様に、経営全般に亘り積極的な諸施策を講じてまいりましたが、決算期変更により当社グループの最需要期(毎年2月後半から5月前半まで)を迎えないまま決算日となったことによる影響と、今後の当社グループにおけるビジネスチャンスを最大限に生かすための準備期間とした当連結会計年度の業績は、連結売上高4,434百万円、営業損失345百万円、経常損失は338百万円、当期純損失は264百万円となりました。
 
 事業の種類別セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
 
①教育事業
 当連結会計年度における教育事業の主たる事業分野である通信教育用教材は当社グループとの長い期間に亘り築かれてきた信頼関係のある既存顧客の継続受講数と同顧客の紹介等による新規顧客獲得数は堅調に推移してまいりました。しかしながら、その他の新規顧客獲得数は、語学教育市場における広告モデルを軸としたIT環境利用の無料コンテンツの台頭、手軽さのある他社提供の低価格通信教育用教材の出現、社会・経済環境の悪化による個人所得の懸念などの影響もあり、目標に至っておりません。また、顧客一人当りの購買価額も減少しております。当連結会計年度の通信教育用教材のうち受講者獲得が好調だったコースは1982年開講の累計受講者100万人超の「1000時間ヒアリングマラソン」とそのシリーズ、平成23年度に小学校英語学習開始が予定されている「小学校英語指導者資格認定 アルク児童英語教師養成コース」および日本語教育能力検定試験完全対応の講座である「NAFL日本語教師養成プログラム」であります。
 eラーニング教材事業分野では、当社サービス名「ネットアカデミー2」については、ASP(インターネットを経由して、サーバー上のアプリケーションソフトを利用するサービスの意。)環境によるサービスを開始する一方、従来からのイントラネット(組織内部ネットワークの意。)環境によるサービスと共に充実した環境を顧客に提供できることもあり、導入教育機関・企業への販売が堅調に推移してまいりました。これは当社グループ企業である株式会社アルク教育社の文教営業・企業営業による顧客ソリューション提案力による結果であります。
 デジタル事業分野では、「語学+マルチメディアコンテンツ」の企画開発およびその提供に注力してまいりました。これは主に当社が企画制作した製品(出版物・通信教材)の2次的な利用による派生製品であります。iPhoneやiPod touchなど各種携帯端末向けのダウンロード形式によるコンテンツ販売は好調に推移してまいりました。
 なお、アライアンス戦略の下、他社との業務提携・協業を推進してまいりましたが、販売の強化、収益の源泉となる事業開始には至っておりません。
 以上の結果により、売上高は2,166百万円、営業利益は95百万円となりました。
②出版事業
 当連結会計年度における出版事業では、平成21年の市場規模が21年ぶりに2兆円を割り込みより厳しい環境となりました。このような環境の下、書籍・単行本は編集企画力の強化に努め自社の強みを活かした作品を刊行し多くのシリーズヒット作を軸に販売高は堅調に推移してまいりました。主なシリーズヒット作は以下のとおりであります。
 ・キクタンシリーズ
 ・ユメタンシリーズ
 ・起きてから寝るまでシリーズ
 ・岩村圭南氏による著作&監修シリーズ
 ・灘高等学校英語科教諭の木村達哉氏による著作&監修シリーズ
 ・ESP(専門分野のための英語)シリーズ 理系たまごの英語40日間トレーニングキットなど
 ・英辞郎検索ランキング(月間200万人利用の「英辞郎 on the WEB」の10億の検索キーワードを
  英和検索と和英検索に分けてランキングした書籍)
 ただし、出版事業では制作原価(紙代・印刷代等)や物流経費の上昇、販売窓口である書店の減少など依然として厳しい環境下にあります。出版事業を主に牽引する営業部門である当社書店営業部では、販売強化として書店における語学書棚の陳列方法の提案を行い、書店向け販売協調体制(キャンペーン等)を積極的に推進してまいりました。また新たに西日本の書店に向けた営業の推進拠点として大阪営業所を設置し、これにより全国的な書店の売場スペースの確保・拡大に努め、且つ各書店との信頼関係強化を徹底してまいりました。
 一方、月刊誌や季刊誌等については販売が減少し、戦後最悪とも言われる広告不況の影響を受け、目標とした収益に至っておりません。こうした厳しい環境のなか、書籍、単行本の返品率の抑制と当該出版物の原価削減に取り組んでまいりました。
 以上の結果により、売上高は1,301百万円、営業損失は44百万円となりました。
③研修事業
 当連結会計年度における研修事業では、世界経済の減退による国内企業の業績悪化、景気を下押しするリスクの存在と先行き不透明感の浸透、政権交代による教育機関を含む諸官庁の予算見直しによる既受注案件の延期・凍結などの影響がありました。しかしながら、当社グループ企業である株式会社アルク教育社の企業営業が提供する「実践的な語学研修をテーマとした国際コミュニケーション能力の育成プログラム」、「企業内マネジメント能力強化」を融合した研修プログラムの開発とその提供、各企業へのソリューション提案力(顧客を引き付けるオリジナリティー)による顧客からの信頼獲得もあり、以上の結果により、売上高は966百万円、営業利益は73百万円となりました。
④全社経費
 当連結会計年度における全社経費については、中期経営計画の重点課題の解決に努め、またコーポレート・ガバナンス体制の確立による経営基盤の向上と次世代管理者層の戦略的育成を推進してまいりました。また業務合理化による管理コストの削減に努めてまいりましたが、内部統制関連費用の増加と人材育成等諸費用が影響し、その結果470百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)につきましては、営業活動により17百万円、投資活動により17百万円、財務活動により192百万円の資金をそれぞれ獲得した結果、前連結会計年度末と比較して225百万円増加の1,195百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
 当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度末と比較して216百万円減少し17百万円となりました。これは主に、前連結会計年度末と比較して税金等調整前当期純利益が456百万円、減価償却費計上額が89百万円、のれん償却費計上額が32百万円それぞれ減少したこと、およびたな卸資産が142百万円増加したことに対して、売上債権の回収額が533百万円増加したことによるものであります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
 当連結会計年度において投資活動により得た資金は、前連結会計年度末と比較して390百万円増加(前連結会計年度は372百万円の支出)し17百万円となりました。これは主に、前連結会計年度末と比較して差入保証金に使用した資金104百万円減少したこと、保険積立金の払戻額が74百万円(前連結会計年度は13百万円の払戻)増加したことに加え、有形および無形固定資産の取得額が156百万円減少したことによるものであります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
 当連結会計年度において財務活動の結果得た資金は、前連結会計年度末と比較して79百万円減少し192百万円となりました。これは主に、前連結会計年度末と比較して短期借入金および長期借入金の調達が302百万円減少し、私募債(社債)の償還による支出額が200百万円、配当金の支払額が16百万円それぞれ減少したことによるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成21年6月1日
至 平成22年1月31日)
前年同期比(%)
教育事業
573,042
出版事業
862,302
研修事業
合計
1,435,344

(注) 1 金額は、実際価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 当社は、平成21年8月27日開催の第6回定時株主総会決議により、決算期を5月31日から1月31日に変更したことに伴い、8ヶ月間の変則決算となったため、前年同期比の記載を省略しております。

 

    

(2) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成21年6月1日
至 平成22年1月31日)
前年同期比(%)
教育事業
54,950
出版事業
107,352
研修事業
242,452
合計
404,755

(注) 1 金額は、実際価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 当社は、平成21年8月27日開催の第6回定時株主総会決議により、決算期を5月31日から1月31日に変更したことに伴い、8ヶ月間の変則決算となったため、前年同期比の記載を省略しております。

 

 

(3) 受注実績

当社グループ(当社および連結子会社)は見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成21年6月1日
至 平成22年1月31日)
前年同期比(%)
教育事業
2,166,411
出版事業
1,301,329
研修事業
966,587
合計
4,434,328

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 当社は、平成21年8月27日開催の第6回定時株主総会決議により、決算期を5月31日から1月31日に変更したことに伴い、8ヶ月間の変則決算となったため、前年同期比の記載を省略しております。

 

 

3 【対処すべき課題】

 (1)収益力強化のための経営資源のたな卸と活用
  ①既存事業のうち成長事業への経営資源の適正配分
  ②低採算事業の大幅な縮小と撤退
  ③業務管理体制のフローの整備を行い、業務合理化とシステム合理化による変動費、固定費の圧  
   縮を推進
  (2)営業企画戦略
   ①アライアンス戦略のもと、他社との協業、事業提携により効率的且つ効果的な顧客獲得を遂行
    ②販売チャネル毎のマーケットリサーチの充実をはかり、市場環境に応じた広告宣伝活動の実
      施、効率的な顧客アプローチ手法の立案と実施
  ③新規顧客の定着促進、既存顧客の継続受講・リピート率向上による顧客数の増加
  ④旧顧客の再受講促進
  ⑤研修内容の高度化をはかることで人材育成の企業ソリューションの更なる充実促進
  (3)製品企画開発
  ①製品(通信教育用教材、出版物)および研修等役務提供の顧客の成果実現を目指した企画開発
  ②デジタルツールを駆使した様々な環境での学習スタイルの実現
    ③専門技術分野別の語学学習用書籍教材企画など、語学+αのマルチコンテンツ提供し、語学ビ
   ジネスおける差別化を推進
  (4)人材育成
  ①顧客ニーズに応えるための学習カウンセラーの養成
  ②管理職層、次世代管理職層の戦略的育成の実施
  ③次世代社員の獲得と育成
  (5)コーポレートガバナンス体制の確立による経営基盤の向上
  ①今後導入予定の国際会計基準等、経営に大きな影響を与える法制度改正に迅速に検討対応
  ②内部統制システム、リスクマネジメント体制を強化しコーポレートガバナンス体制の一層の充
   実を図る
  ③迅速な経営の意思決定を行うための、社内情報管理と外部情報入手ルートの強化を行う
  ④グループ経営によるカテゴリーマネジメント機能強化と経営効率化の実現

 

4 【事業等のリスク】

  当社グループの経営成績、財政状況等に影響をおよぼす可能性のあるリスクおよび変動要因は以下に記載するとおりですが、当社グループでは、これらリスクの存在を認識した上で、当該リスクの発生に伴う影響を極力回避するための努力を継続してまいります。
 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 しかし必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断の上で、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項について投資家に対する積極的な情報開示の観点から判断し述べさせていただいております。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成22年1月31日)現在において当社が判断したものであります。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありません。
①業績の上期偏重について
 当社グループの営業収益のうち、大きな割合を占める教育事業、出版事業につきましては、通信教育用教材、出版物等が上期(2月から7月まで)に集中する傾向があります。人事異動および転職等の学習目的を持った社会人、新社会人、新学期を控えた学生およびその保護者等、多くが毎年2月より語学力向上のための学習を開始しております。また当社グループの制作スケジュールも社会人、資格受験者、大学受験者、その他の学生等、対象マーケットに合わせて新製品・商品を出荷していることから、当社グループの業績は上期に偏重しております。
②TOEIC®テストの問題形式変更について
 財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会の主催するTOEIC®テスト(Test Of English For International Communicaitionの略称)は、英語によるコミュニケーション能力を幅広く評価する世界共通のテストで、現在、世界的60カ国で実施され、年間約450万人の受験者数となっております。当社グループにおいては、日本人向けに多数のTOEIC®テスト対策用製品を新形式に適応するものに改定を行い、その結果廃棄する旧形式の製品を原価に計上しております。
 従いまして今後も同協会における問題形式の変更の動向によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③新規および推進中の事業について
 (ⅰ) 子ども英語教室、子ども英語出版、子ども用英語教師養成
 幼児から小学生を対象とした教室運営、関連書籍等の販売など、今後日本における少子化の進行に伴い教育市場全体が縮小した場合は、当該ビジネスにかかる業績に影響を受ける可能性があります。
 (ⅱ) eラーニング教材「ネットアカデミー」
 当社は学校、企業向けのIT技術を利用した語学学習システム「アルクネットアカデミー2」を開発し販売しております。現在のITを取り巻く環境変化、情報機器の進化に対応した顧客ニーズを実現するためにシステム改変を行いました。今後も顧客ニーズの多様化、情報技術の更なる進化など開発着手時に想定していたものと乖離が生まれるなど予測不可能な事態が起こりうる可能性があります。
 (ⅲ)知的財産権に関するリスク
 当社グループが取扱うコンテンツの多くは、著者、翻訳家、音声原盤、カメラマン等の著作権、著作隣接権、権利者の商標権、出版権などの様々な知的財産権が関係しております。これまで当社グループの事業展開において、当該権利を侵害するような事実は一切発生しておりません。しかし、当社グループの出版、映像などのコンテンツ等に関連する事業行為が、広範な知的財産権にどのように抵触し、また、各権利者がいかなる権利を保有し且つその保全策を講じているかなど、全てに亘り掌握し事前回避することは困難が伴います。従いまして、当社グループの意に反し、権利者からの法的行為などによる紛争が生じた場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④法的規制について
 (ⅰ) 消費者保護
 当社グループにおきまして最終消費者の多くは個人であります。当社グループと個人との契約では消費者保護の観点により、特定商取引法等、様々な法的制約を受けることとなります。例えば当社グループの教育事業では、通信教育用教材の販売を行っていることから、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という)に基づいた規制を受けています。消費者は特定商取引法上クーリング・オフ制度(同法第9条)により、製品を受け取ってから一定期間内であれば解約(返品)できる制度が定められております。今後も当社グループでは該当する一部の通信教育用教材のクーリング・オフ期間中の解約(返品)を受付けております。従いまして、消費者による大量の解約(返品)が発生した場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。この様な消費者保護の観点による法改正の動向により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 (ⅱ) 個人情報保護法
 平成17年4月に、個人情報保護法が完全施行されたことに伴い、個人情報の取扱いに社会的関心が高まり、今後法規制が一層厳しくなる可能性があります。当社グループでは個人情報に関わる社内規程の整備、定期的な社内研修の実施、およびシステムセキュリティ対策の強化等を推進し、情報管理とその取扱いに十分な注意を払っております。しかし外部からの不正アクセスや犯罪行為等の不測の事態によって個人情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等の影響により、当社グループの業績及び財務状況に影響を受ける可能性があります。
⑤出版業界の取引慣行について
 (ⅰ) 委託販売制度
 当社は出版業界の慣行に従い、取次会社および書店に配本した出版物(書籍および雑誌等)のほとんどについて、配本後約定期間(委託期間)内に限り、返品を受け入れることを販売条件とする委託販売契約を採用しております。
 これに伴い、当社では返品による損失に備えるため、会計上当該連結会計年度末の売掛債権を基礎とした返品見込額の売買利益相当額を、過去一年間の返品実績繰入率に基づいて繰入限度相当額まで返品調整引当金として計上しております。ただし取次各社との販売予測に基づいて、適正刷部数の精査、調整等を行っておりますが、返品率の変動が生じた場合当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
 (ⅱ) 再販売価格維持制度
 当社の制作・販売している出版物は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」第24条の2の規定により再販売価格維持制度(以下、「再販制度」という)が認められる特定品目に該当適用しており、書店では定価販売が行われております。
 独占禁止法は、再販制度を不公正な取引方法として原則禁止しておりますが、出版物がわが国の文化の振興と普及に重要な役割を果たしていることから、公正取引委員会の指定する書籍、雑誌および新聞等の著作物の小売価格については例外的に再販制度が認められております。なお、当社は取次(卸売業者)との取引価格の決定は、定価に対する掛率によっております。当該制度が廃止された場合には当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(ⅲ)在庫
 当社では制作・販売している出版物を在庫として保有しております。新しいコンテンツの出現、競合品の台頭などによって在庫が陳腐化する可能性があります。こうした要因に備えるために、事前の評価性引当金の計上、平成20年4月に施行された棚卸資産の評価に関する会計基準の適用による棚卸在庫単価の強制切下げや実質的に市場流通性が無いと判断した場合の廃棄処分など、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥原材料および運送料等の原油価格変動について
  当社グループの主要な事業として、教育事業では通信教育用教材およびその他教材、出版事業では単行本書籍、月刊誌、季刊誌等の出版販売を行なっており、また、発送方法においては一般個人向け、取次店への発送等があります。原油価格の高騰による原材料調達価格の増加や発送時の運送費用等の改定が生じた場合、当社グループの経営成績に多大なる影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表および財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しております。
 その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 なお当連結会計年度は決算期変更により、平成21年6月1日から平成22年1月31日までの8ヶ月間となっており、以下の文中の「前連結会計年度末」は平成21年5月31日であります。

 

(2) 経営成績の分析

経営成績については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(1)業績」に記載のとおりであります。 

 

(3) 財政状態の分析

 (資産の部)
 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して249百万円減少の5,662百万円となりました。そのうち流動資産は前連結会計年度末と比較して192百万円減少の3,735百万円となりました。これは主に現金及び預金が197百万円の増加、受取手形及び売掛金が515百万円の減少、商品及び製品、仕掛品、貯蔵品などのたな卸資産が77百万円の増加、繰延税金資産が17百万円減少したことによるものであります。また固定資産は前連結会計年度末と比較して57百万円減少の1,926百万円となりました。これは主に無形固定資産が139百万円の減少、投資その他の資産が85百万円増加したことによるものであります。
 (負債の部)
 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末ど比較して40百万円増加の4,157百万円となりました。そのうち流動負債は前連結会計年度末と比較して133百万円増加の3,180百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が106百万円の減少、短期借入金が290百万円の増加、未払法人税等が36百万円減少したことによるものであります。また固定負債は前連結会計年度末と比較して92百万円減少の976百万円となりました。これは主に長期借入金が104百万円の減少、リース債務が12百万円増加したことによるものであります。
 (純資産の部)
 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比較して290百万円減少の1,505百万円となりました。これは主に利益剰余金281百万円の減少、少数株主持分が9百万円減少したことによるものであります。なお、利益剰余金の減少は当期純損失264百万円を計上し、配当金16百万円を支払ったことによるものであります。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

  当社グループを取り巻く事業環境において、一昨年に起こった大手投資銀行の破綻による未曾有の世界的金融危機の影響を受け急速に悪化したわが国経済の本格的な回復基調は、平成23年夏以降と予測しております。このため教育業界における語学ビジネス市場においても、潜在的な市場規模は金融・経済のグローバル化の進展により引続き拡大傾向にあるものの、前述した景気悪化の影響による消費マインドの冷え込み等の要因によって売上高でみた市場規模は一時的に縮小も予想されます。

 

(5) 戦略的現状と見直し

当社グループといたしましては、業界内の競争、他業種参入による競争が更に厳しさを増すと見込まれるため、様々な面で徹底した他社との差別化戦略を取ることで中期経営計画の業績は緩やかな増加を目指しております。この様な市場環境の認識のもと、当社グループはこれまで以上に経営資源を効率的・重点的に語学ビジネス市場に投下することにより、成長を目指してまいります。
 中長期的な経営ビジョンとしては、当社グループでは「顧客の満足度=学習の成果」を掲げ自社の強みと顧客のニーズ、ウォンツとの接点を探り、多様化する語学学習スタイルにあわせた対応力を強化し、顧客が求める成果の実現を提供していくことを目指し続けます。

 

(6) 資本の財源および資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローについては、「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

② 資金需要

当社の資金需要の主なものは、各事業セグメントにおける自社開発の営業支援システム開発およびインターネットビジネス等のソフトウエア開発資金を賄うものであります。

③ 財務政策

現状、金融機関からの借入による調達を行っておりますが、今後につきましては、外部経済情勢や金融市場環境にもよりますが、資金調達の多様化を図り財務状況に最適な調達を行っていく方針であります。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、近年の厳しい環境のなか、入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。当社グループとしましては、教育事業のうち語学系の通信教育用教材で更なるシェア拡大を目指し、新製品の開発およびその販売戦略として、他社との協業・提携などの事業展開を推進しております。また、これと併せて顧客の学習のレベルに応じた最適な学習ツールとなる製品の開発とサービスの提供を行い、あらゆる年齢層へブランドイメージの浸透を図ってまいります。

 





出典: 株式会社アルク、2010-01-31 期 有価証券報告書