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セクション一覧

第2【事業の状況】

 

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度は、従来のハードウェア中心のサポート業務から、ソフトウェア中心のサポート業務へと移行する為の機能確立の為に「テクニカル・ヘルプデスク」所謂「コールセンタ」関連業務の受注活動を行う事に注力すると共に、少量多品種製品を持つIT応用企業に対して終息期に近い製品のサービス業務を行ってまいりました。その結果、売上高は、5,083,934千円(前期比110.7%)となりました。しかしながら新たに開始したコールセンタ業務の立ち上げが遅れ、本年度見込んだ稼働率を下回ったことや当社が受託しております海外写真印刷機メーカの倒産による収入減に加え、その際、余剰人員のシフトが遅れた事、又、新規システム開発案件の原価が予定を上回った事により売上原価を押し上げることとなりました。その結果、経常利益は272,800千円(前期比69.6%)となりました。また当事業年度より退職給付引当金の計算方法を簡便法から原則法に変更したことによる当期期首積立不足額を特別損失(120,363千円)として計上した為に、当期純利益は56,298千円(前期比28.7%)となりました。

 各事業部門の状況は次の通りであります。

 

① ソフトウェア・ソリューション事業

 当事業部門では、海外ITメーカ公認の企業として主に企業のソフトウェア技術者やハードウェア技術者向けの技術者向けの技術トレーニングやその技術者に対するテクニカルヘルプデスクそして、日本国内ユーザへのソフトウェア開発サポートをおこなっております。当事業年度は、特に新規のテクニカルヘルプデスクの取り込みを行い、業務の拡大に努めました。その結果、当事業部門の売上高は1,872,492千円(前期比149.7%)となりました。

 

② フィールド・ソリューション事業

 当事業部門では、主に海外ITメーカが製造するコンピュータ・システムやネットワーク・システムとその周辺機器の日本におけるフィールドサポート(保守サービス)や、海外ハイテク企業が製造する「化学分析装置」「高度医療システム」「半導体製造装置」など特殊少量多品種機器の日本におけるフィールドサポート(保守サービス)をおこなっております。当事業年度は、オランダ総合電気メーカの医療機器の保守業務を受託し業務拡大を目指しましたが、ドイツ海外写真印刷機メーカの倒産による収入減が影響し、その結果、当事業部門の売上高は2,380,680千円(前期比95.5%)となりました。

 

③ ハードウェア・ソリューション事業

 当事業部門では、海外ITメーカの日本工場における「製品組立」「ソフトウェアの組み込み」「製品のカスタマイズ」「出荷前検査」や生産中止となったCPU(集中演算装置)の修理(リペア)をおこなっております。当事業年度は、「製品組立」等のインテグレーション業務については堅調であったものの、ボード修理や検査をおこなうリペア業務は、業務量が減少いたしております。その結果、当事業部門の売上高は、830,762千円(前期比97.6%)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の状況は、第三者割当増資による調達、無形固定資産の売却等により、前事業年度に比べ547,577千円増加し、当事業年度末には1,525,909千円となりました。

また、当事業年度における各キャッシュ・フローは次の通りであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、136,528千円(前事業年度は121,059千円、前年同期比12.8%増)となりました。これは主として税引前当期純利益187,764千円、仕入債務の増加102,893千円によるものです。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動の結果得られた資金は、71,250千円(前事業年度は77,942千円、前年同期比8.6%減)となりました。これは主として差入保証金の差入による支出72,927千円に対し、無形固定資産の売却160,810千円によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動の結果得られた資金は、306,373千円(前事業年度は59,902千円の支出)となりました。これは主として短期借入金の返済による支出92,000千円に対し、平成17年4月4日に第三者割当増資を実施し、430,276千円を調達したことによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当社は、保守管理業務を中心とした技術サービスを提供する事業を主としていることから、生産実績はございませんので、記載を省略しております。

 

(2)受注実績

当社が顧客企業と締結している契約で規定されているのは、料金算定の基礎となる単価等であり、受注金額に必要なサービス対応作業時間等については、都度契約等による依頼業務に応じて頻繁に変動します。従いまして、受注金額を確定することが困難な状況であるため、同数値の掲載を省略しております。

 

(3)販売実績

 当事業年度の販売実績を事業の部門別に示すと、次の通りであります。

事業部門別

当事業年度

(自 平成17年4月1日

至 平成18年3月31日)

前年同期比(%)

ソフトウェア・ソリューション(千円)

1,872,492

149.7

フィールド・ソリューション(千円)

2,380,680

95.5

ハードウェア・ソリューション(千円)

830,762

97.6

合計(千円)

5,083,934

110.7

 (注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

2.最近2事業年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

相手先

前事業年度

(自 平成16年4月1日

至 平成17年3月31日)

当事業年度

(自 平成17年4月1日

至 平成18年3月31日)

金額

(千円)

割合(%)

金額

(千円)

割合(%)

サン・マイクロシステムズ㈱

1,225,303

26.7

1,189,482

23.3

日本ヒューレット・パッカード㈱

986,802

21.5

1,003,877

19.7

合計

2,212,105

48.1

2,193,359

43.1

3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

 当社の展開する事業においては、ハード・ソフトに関する高い専門技術知識と共に多様化するサポートへの対応が必要となってきております。さらに少量多品種システムから大量多品種システムのサポート業務を処理できる機能と体制の構築も必要となってきました。また、サポートの対象地域も日本という「点」ではなく中国、韓国、台湾などアジア・パシフィックの国々を跨ぐアジア・タイムゾーンという「面」をカバー出来るサポート・ネットワークを求める企業が増加してきました。

当社は従来、日本市場に進出したIT企業に対するサポートが大半であり日本における現地法人のサービス機能を補完するというサポート事業を進めてきましたが、今後はアジア市場に進出しようとする海外IT企業に直接的な働き掛けを行い、現地での営業情報の収集と営業活動のために海外拠点の開設が必要となっております。この様に国際的な市場環境と技術革新の変化を的確且つ迅速に捉えビジネスチャンスとすることが収益化の最大の要因となっております。

そこでかねてより取引のある国際的ビジネス・ネットワークを有する伊藤忠テクノサイエンス株式会社と海外システム製品でオープン化を進めるシステム・コンサルティング企業であるフューチャーシステムコンサルティング株式会社の2社に対し第三者割当増資による新株引き受けによって業務上のパートナーシップの強化と共に戦略的アライアンスを推進し、以下の対処すべき課題に取り組んでまいります。

 

(a) 日本、アジア、そしてグローバル・ネットワーク・サポート企業へ

 ここ数年、従来の当社の取引先やその他の海外ITベンチャー企業による韓国、中国本土をはじめとするアジア市場への進出が盛んになっており、これを背景として、当社に対しても同市場における日本と同様なITサポート体制の構築が求められております。

 このようなニーズに応える為、天津、上海、ソウルに加え、シンガポール、台北、北京に順次新しく拠点を開設し、アジア全域をカバーする体制を整える必要があります。また、将来は米国シリコンバレーのサンノゼにも拠点を設置し、アジア市場におけるサポート体制をバックアップする機能も備えていかなければなりません。

(b) ハードウェア・サポートからソフトウェア・サポートへ

 社会のサポートビジネスに対するニーズが、従来の故障不具合時の早期復旧を目的としたハードウェア中心のものからシステム構築やシステム障害解析に即時応答できるソフトウェア機能を中心としたものに移りつつあります。当社もこのような社会ニーズの変化に応えられる会社として事業展開を図っていく必要があります。

(c) ネットワーク・セキュリティ・サポート事業の展開

 我が国では従来システムの障害時に復旧を保証することを前提条件としたサービスメニュが中心でありました。一方、既に海外では目覚しい製品品質の向上によって意識的な外部からのサイバーテロなどによるシステムに対する攻撃から防御を保証するセキュリティサポートメニュが一般的になりつつあります。

 当社では米国「スキャン・アラート社」「ソレラ社」が開発したソフトウェアを基に新しくネットワークセキュリティサポートメニュを企画し、マルチ・ネットワークされた大手企業に対してネットワーク・セキュリティ・サポート事業を展開していきます。

(d) IT応用システムのサポート事業の更なる展開

 コンピュータ・システムの活用によってIT情報社会が実現され、医学、化学、製造などの制御機器分野でもコンピュータと通信技術によるシステムのネットワーク化が行われてきました。

 当社におきましても、既にIT応用システムにより化学分析システム、高度医療システム、半導体システムなどのコンピュータ制御システムのフィールドサポート業務を展開しております。

 当社ではこれらの制御分野に対するサポートこそがITサポートの次の大きな市場であると捉えており、この市場における更なる事業展開が急務と考えております。

4【事業等のリスク】

 以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社として必ずしも重要な事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の判断上、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要であると考えられるものについては、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社はこれらの事項が発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があります。また、以下の記載は当社の事業もしくは本株式への投資に関するリスクの全てを網羅するものではありませんのでご留意ください。

本項における将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1)人材の確保について

 当社が提供するサービスの安定的な供給のためには、海外ITハイテク企業が発行するライセンスや語学力を持つなど、顧客の満足度の向上を実現できる優秀な従業員の確保及び定着が必要不可欠であります。このため、労働基準法等の労働関係法に従った労務管理の実施はもとより、公正な評価基準及び成果に連動した給与体系の構築やコンプライアンス上重要な問題について迅速な把握を行う経営体制の構築、社内研修の充実など、労働環境の整備及び改善を継続しております。しかしながら、当社の必要とする資質及びライセンス等をもつ従業員数を確保又は維持できない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

(2)特定販売先への依存について

 当社の販売先のうち、「2 生産、受注及び販売の状況(3)販売実績」の注2.に記載の通り、総販売実績に対する割合が10%を超える相手先が当事業年度において2社となっております。

 現在当社では、この特定2社に依存する企業体質から脱却することと、サポート業務種類の拡大及びその他の業務受託先とのパートナーシップの強化を行うことで、特定取引先に対する依存度を低下させる方針であります。しかし、販売先の分散化が進んでいない段階で、当該販売先による当社への取引方針が変化した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

(3)新規事業立ち上げ時における収益性の低下について

 当社の顧客のなかには、新製品の開発や製造に人材資源を集中させるという経営方針から、事業立ち上げ当初より製品検査、物流製品サービスあるいはコールセンタ等の業務を当社にアウトソーシングする企業があります。この場合、顧客からは業務の量と金額のみが提示されることが多く、当該業務に関連する技術の習得やオペレーションの確立など、当社側での業務フローの円滑な立ち上げに時間を要する可能性があり、原価予測が困難な場合があります。その結果、新規業務開始からの一定の期間は収益的に赤字となることもあり、この場合には当社の利益率を低下させ、当社の経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

(4)事業環境面でのリスクについて

① 急速な技術革新や社会構造の変化からの業績の低下について

 当社の顧客の殆どが情報産業であり、急速な技術革新やコスト競争の激化が顧客の業績の低下を招き、その結果としてこれら顧客からの業務発注量が低下することで、当社の収益を低下させることがあります。

② ビジネスパートナーの業績の影響について

 当社は主要な取引先とのより強固な業務上の繋がりを確保することを目的として、当社株式の保有とともに、ビジネスパートナーとして業務上の提携関係を有しております。しかし、当該ビジネスパートナーの業績が何らかの事情によって悪化した場合には当社の受託業務量が減少し、その結果、当社の業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(5)サンセットビジネス受託におけるリスクについて

 日本市場から撤退するビジネスをサポートするというサンセットビジネスにおいては、当該ビジネスにおける売上減少が予想を越える場合や、市場の縮小による受託先顧客の業績の急激な悪化により、当社の売掛債権が貸倒れになり当初見込みの収益が確保出来なくなる危険性を潜在的に有しております。この場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

(6)業務受託先からのコストダウン要求について

   当社が属するIT業界の栄衰は著しく、その為、常に業務受託先からのコストダウン要求にさらされております。当社は、この様な要求を回避する策として、定額受託から処理件数による都度受託に契約を変更することで、利益を確保する所存であります。その為、内部的には、従来故障した時の為の技術要員確保から稼働率による要員管理及び給与体系としておりますが、制度移行の段階では、このコストダウン要求に対応することが出来ず、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)法的規制等について

 当社は建設業法に基づき「電気工事業」「電気通信工事業」の許可を、薬事法に基づき「医療用機器販売業」「医療用機器修理業」の許可を、それぞれ東京都より受けております。

「電気工事業」「電気通信工事業」につきましては、今後の業務拡大に伴い地方自治体よりコンピュータ機器の設置作業や配線工事を一般入札で獲得しようとした場合、その地方においてその自治体それぞれで「建設業の許可」が必要となり、未取得のために入札に参加することが出来ず業務獲得機会を逸する場合があります。また「医療用機器販売業」「医療用機器修理業」につきましては、この許可によって医療用機器の保守・修理の業務をおこなっております。当社側の瑕疵に限らず、何らかの事由によって当該許可が更新出来なかった場合には、これらの機器メーカからの保守及び修理の業務を受託が出来なくなります。この場合には、現在受託している業務を打ち切らざるを得ず、当社の経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。更にその後の当社の取扱業務の範囲が縮小する等、収益獲得機会を逸する可能性があります。

 

(8)顧客から受託した業務に起因する相手側からの損害賠償請求について

 当社は情報機器製造業を営む企業からのアウトソーシングを受託しておりますが、当該業務をおこなう上で当社の従業員の過失により、求められる成果を達成することができず、顧客から損害賠償請求を受ける可能性があります。当社では顧客から業務を受託する際に締結する業務委託契約書において、損害賠償については当社が請け負った合計金額の範囲内とすることを明記いたしております。しかし、顧客からの損害賠償請求を受ける事態となった場合には、当該顧客に限らず当社に対する信用が低下するとともに、現存する契約を解除されることも想定され、当社の経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

(9)情報漏洩にかかわる損害賠償請求について

当社の業務は、基本的に情報統制も含めた顧客からの指示に従い遂行されております。このため、当社は常時情報の機密性の確保に留意しており、当社側の過失による情報漏洩の可能性は低いものと認識いたしております。しかし、実際に情報漏洩が発生した場合には、顧客より情報漏洩に関連する損失について損害賠償を請求される可能性があり、その場合当社の信用が低下し経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

(10)代表取締役社長に対する依存について

当社の経営方針、経営戦略及び事業戦略の決定並びに実行の側面において、当社の創業者、筆頭株主であり代表取締役社長である森和昭が重要な役割を果たしております。当社は、森和昭に対して過度に依存しないように経営体制を徐々に構築しつつありますが、現時点においては、森和昭が代表取締役社長を退く等、何らかの理由により当社への関与を停止した場合、今後の当社の経営戦略及び当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(11)地震等自然災害の影響について

当社では、本社(品川)のメイン回線のほかに関西事業所にバックアップ回線を保有するなど、地震等の自然災害に対する対策は講じておりますが、当社内で構築しているシステム等が損害を被る危険性があります。この場合には、売上高の減少や、損壊したシステム等の復旧その他に多額の費用が発生する恐れがあり、当社の経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 





出典: 日本サード・パーティ株式会社、2006-03-31 期 有価証券報告書