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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)経営成績に関する分析

  当連結会計年度におけるわが国経済は、米国及び英国の新政権のもとでの国策転換に伴う先行き不透明感をはじめとする今後の海外経済の不確実性や、国内景気の一部に改善の遅れを含みながらも、デフレからの脱却を確実なものとしつつ経済再生と財政健全化の同時実現を目指した各種政策の推進を背景として、緩やかな景気回復基調を持続いたしました。

  この間、介護業界においては、高齢社会の進行に伴う介護ニーズの増大を背景として、介護市場は持続的な成長の

基調を維持しております。他方、社会保障費の増大による財政圧迫を抑制するため、介護報酬の抑制方針が維持され

ています。このような状況下にあって、介護事業者にとっては、介護報酬の抑制をコスト管理と生産性向上によって

カバーしつつ、高品質のサービス提供を同時に実現する経営努力が強く求められております。一方、安倍内閣が標榜

する一億総活躍社会の実現や、まち・ひと・しごと創生に向けてのアクションプランの一環として、介護人材の確保

・育成を目的とするキャリアアップの仕組みの構築及び平成29年度からの月額1万円相当の処遇改善策の実施をはじ

め、介護の環境整備への取り組みが織り込まれました。また、制度・行政面においては、後期高齢者人口の比率が

20%に達する2025年を展望したわが国の社会福祉体制及び高齢者福祉制度の基本的設計図としての「地域包括ケアシ

ステム」の構築に向けての体制づくりが進行しており、在宅介護重視の潮流はさらに強まる方向にあります。

  このような環境のもと、当社グループでは、創業以来展開してきた単独の通所介護事業と、平成25年6月に稼働を

開始したサービス付き高齢者向け住宅及び同住宅に併設する通所介護事業を中心とする総合ケアセンター事業の2つ

の分野をコア事業としてまいりましたが、今後の中長期的な事業成長戦略としてセンター事業に経営資源を集中する

ため、当連結会計年度中の平成28年6月1日を効力発生日として、吸収分割により単独通所介護事業を承継会社に承

継いたしました。

 この結果、当社のコア事業はケアセンター事業に集約されることとなりました。当該センター事業は、国家的重要施策である「地域包括ケアシステム」の構築を踏まえて、「サービス付き高齢者向け住宅」、「通所介護」、「宿泊サービス」、「生活支援サービス」などを有効かつ効果的に提供できる地域包括ケアシステム推進拠点である「総合ケアセンター」の運営を通じて、高齢社会における社会インフラ機能を果たす事業コンセプトの推進に取り組んでおります。

 また、完全子会社である株式会社八重洲クックライフは、主として高齢者向けのフードサービス事業を主軸とし

て、介護・医療周辺サービスの領域における保険外新規事業を推進しております。

 当社グループの営業拠点は、センター事業のサービス付き高齢者向け住宅「なごやかレジデンス」については、当連結会計年度中に3箇所を開設し、同連結会計年度末において65箇所を運営しております。また、直営通所介護事業の「かがやきデイサービス」については、同連結会計年度中に上記の新規開設サービス付き高齢者向け住宅に併設

して3箇所を開設し、同連結会計年度末において64箇所を運営しております。さらに、当連結会計年度末において、

居宅介護支援事業の「なごやかケアプラン」を4箇所運営しております。

また、フランチャイズ事業については、当連結会計年度末におけるフランチャイズによる通所介護事業所「ホーム

 ケアセンター」等は26箇所となっております。

なお、当連結会計年度中に単独通所介護事業所59箇所を「デイサービスセンターなごやか」の事業所名で承継した

ことに伴い、当社が運営する通所介護事業所の名称を、平成29年3月1日に新規開設した総合ケアセンター板橋に併

設する通所介護事業については同日に、その他の事業所については同年4月1日に、各センターにおいてご提供するサ−ビスの理念を表わす「かがやきデイサービス」に一新いたしました。

   次に当連結会計年度の収益面については、平成28年6月1日を効力発生日として吸収分割により承継会社に承継した単独通所介護事業に係る損益は、同日以降当社の損益から分離しており、それに伴う営業収入及び営業利益・経常利益の減少が当連結会計年度の業績数値に反映されております。

 また、コアのセンター事業は、先例のないイノべーティブな事業であることから、事業モデル構築の研究開発及び運営ノウハウ蓄積に多額の先行投資コストを投入してきたため、これまで多額の赤字を計上してきましたが、これを黒字化するまでに相当期間を要しております。事業開始後3年10ヵ月の当連結会計年度末現在においては、まだ多くの拠点が高齢者住宅の入居率向上及び併設通所介護施設の利用者獲得の途上にあります。この間、集中的な新規開設に伴う初期投資コストの圧迫が依然として持続していますが、稼働状況の向上に伴い収益は改善傾向にあり、センター事業の損益は営業総利益ベースで前連結会計年度までの赤字を脱却して、当連結会計年度は黒字となり、黒字幅も漸次拡大しつつあります。しかしながら、販売費及び一般管理費賦課後の損益では、なお赤字計上を余儀なくされました。

   なお、親会社株主に帰属する当期純利益については、単独通所介護事業の吸収分割の対価による特別利益の計上に伴い黒字となり、かつ債務超過を解消するとともに、長期及び短期借入金並びに社債の一括期限前返済・償還を行い、当連結会計年度末において無借金会社となっております。

 

   以上の結果、当連結会計年度における当社の営業収入は5,801,764千円(前年度比25.5%減)、営業損失542,434千円(前連結会計年度は営業損失655,630千円)、経常損失611,886千円(前連結会計年度は経常損失743,898千円)、親会社株主に帰属する当期純利益2,533,806千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,329,040千円)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、1,003,384千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

 

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果使用した資金は、496,094千円となりました。

  これは主に、税金等調整前当期純利益2,779,728千円はありましたが、事業分離による移転利益3,429,108千円によるところが大きく、減価償却費174,846千円、売上債権の減少234,938千円等はあったものの、営業活動全体では資金が減少したものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果得られた資金は、4,082,279千円となりました。

 これは主に、事業分離による収入4,187,297千円等によるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果使用した資金は2,658,006千円となりました。

 これは主に、短期借入金の返済による支出667,000千円、長期借入金の返済による支出1,728,155千円、社債の償還による支出174,000千円等によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

  当社は、在宅介護事業のうち通所介護事業を行っており、該当事項はありません。

 

(2)受注状況

  当社は、在宅介護事業のうち通所介護事業を行っており、該当事項はありません。

 

(3)販売実績

  当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

ケアセンター事業(千円)

5,615,669

△27.7

その他(千円)

186,097

1,113.0

合計(千円)

5,801,764

△25.5

   (注)当社は、主に一般顧客を対象とした通所介護事業及び高齢者向け住宅事業を行っていますので、特定の販売

     先はありません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

  ① 地域包括ケアのイノベーターとして「豊かな超高齢社会の創造」に貢献

 当社は、2025年を展望したわが国の社会福祉体制の基本的設計図としての国の重要施策である「地域包括ケアシステム」というフロンティアにおいて、医療・介護・住宅・生活支援サービス等を一貫して供給できる先進的な

ケアモデルの開発と普及に挑戦するイノベーターを志向しつつ、コア事業である「総合ケアセンター」を福祉拠点として、顧客に高品質のサービスをご提供し、高齢者のための社会インフラの機能を果たしてまいります。

 同時に、法令遵守と堅固な内部統制・透明な企業統治のもと、良き企業市民としての行動に徹し、これらを通じて、「豊かな超高齢社会の創造」に貢献する社会的責任を遂行いたします。

 

  ② 「総合ケアセンター理念」の実践

 当社は、「総合ケアセンター」においてご提供しているデイサービス、宿泊サービス、レジデンスのそれぞれについて、その目的、サービスの基本コンセプト、サービス提供の姿勢を示した「理念」を掲げています。それらの理念を統合した「総合ケアセンター理念」は次のとおりであり、それぞれのサービス理念とともに、介護サービスを提供する現場の事業所では、お客様にベストサービスを提供するうえでの基盤として、これを日々の介護の場において実践しております。

 

 

 1.優れた建物・設備・人材を活かして、通所サービス、宿泊サービス、住宅サービス等を提供する地域の福祉拠点

   として、地域社会の厚生の向上に貢献します。

 

 2.要介護高齢者の方々が、会話と笑顔のある、希望と生きがいに満ちた「輝きのある生活」を取り戻すことを、併

   設デイサービスによってご支援します。

 

 3.広く要介護高齢者の方々に、多くの「安全・安心・快適・安価・便利」なサービスをご提供します。

 

(2) 目標とする経営指標

 

    上記の基本方針を実現するうえでの「堅実な事業成長」と「健全な財務基盤」を実現していくための目標として重視する経営指標は、次のとおりであります。

 

  ① 事業の成長性の指標   : 営業収入成長率、経常利益成長率

  ②  財務基盤の健全性の指標 : 有利子負債比率、資金収支・現預金残高

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 

国家的重要政策である「地域包括ケアシステム」の構築に協力しつつ、中長期的な事業成長を目指す戦略は次のとおりであります。

 

    ①「地域包括ケアシステム」の構築を踏まえ、「総合ケアセンター」を福祉拠点として、住宅・介護に加え医療

     機関との連携や生活支援サービスを複合し、地域に密着した高齢者のための社会インフラとしての役割を担い

     ます。

    ② 高齢者に安全・安心・清潔・快適な住まいと、通所介護と宿泊サービスによる生活機能の維持・向上を切れ

     目なく一貫して提供する先進的なサービス・モデルの推進を通じて、顧客満足度の最大化を実現します。

    ③ 介護保険外の介護・医療周辺サービス事業の展開により、高齢社会の多様なニーズと生活様式の変化に即応

     した事業変革に取り組みます。

   ④ 法令遵守の徹底と内部統制の強化によって、経営目標の達成を阻害するリスクの発生とその影響を最小化す

   るための強靭な仕組みを構築いたします。

    ⑤ 有能な人材の獲得と教育育成を通じて、生産性の高い社員集団を構築いたします。

 

 (4) 対処すべき課題

 当社のコア事業である「総合ケアセンター」は,先例のないイノベーティブな先進的事業であり、事業モデル構築の研究開発及び運営ノウハウの蓄積に多額の先行投資と相当期間を要し、これまでその初期赤字に耐えてきました。事業開始後3年10ヵ月の当連結会計年度末現在においては、まだ多くの拠点が高齢者住宅の入居率向上及び併設通所介護施設の利用者獲得の途上にあります。この間の集中的な新規開設に伴う初期投資コストの圧迫が依然として持続しています。

 これに対処して、次期は過年度の先行投資の収益寄与に全力を傾注して、既設のセンターの入居率の満室化及び併設通所介護のご利用者増加により、全拠点の黒字化を早期に実現することが優先課題であります。その実現のために、前記の「総合ケアセンター理念」の忠実かつ着実な実践を通じて、当社の事業モデルの先進性・優位性をお客様に実感していただき、顧客満足度の最大化を確実なものとすることが要件であります。

 そのもとで、真に心の通う高品質サービスのご提供により、お客様及び地域社会の信頼を一層強め、業績の回復と「地域包括ケアシステム」の構築という国家的重要政策への貢献を同時に実現することが、対処すべき基本的課題と認識しております。

 

以上の課題を踏まえて、当社が取り組むべき当面の優先的施策は概略以下のとおりであります。

 

Ⅰ. 法令遵守と安全運営

 法令遵守と安全運営は、事業活動を営んでいくうえでの基本的前提条件であります。それぞれについて、部門横断的な組織のもとに全社の英知を結集してまいります。

 

   Ⅱ. 内部統制の充実

 当社経営の根幹として、全社的な内部統制の整備・強化に全力を注入して取組み、業務プロセスの適正性の確保のための厳正な点検と継続的改善を図ってまいります。

 

 Ⅲ. 顧客増加の具体的方策

 ① サービス・モデルの優位性の訴求

  通所・宿泊・住宅の3つのサービスを切れ目なくご提供し、当社の総合ケアセンターをご利用いただくことにより、要介護高齢者が「輝きのある生活」を同センターにおいて日常送っていただけることを積極的に訴求し、当該モデルによる高品質サービスの普及に取り組みます。

 ② 営業力、渉外力の強化

  上記の方策のもとに、1人でも多くの顧客を増やし、1回でも多く利用していただくための営業力、渉外力の一層の強化を図ります。

 ③ 「サービス品質ナンバーワン」の評価の確立

  サービス・モデルの実践において、真にお客様と心の「つながる」サービスを通じて、ご利用者の尊厳の保持や自立支援に寄与いたします。また、いざという時こそ真にお役に立つ対応により、当社の全施設がそれぞれの地域においてお客様からもケアマネージャーの皆様からも、最も信頼されるサービス品質ナンバーワンの評価の確立を目指します。

 

Ⅳ. 生産性向上のための施策

 ① 管理体制の強化・確立

  小さくて効率的な本社管理部門の体制強化による販管費の圧縮ととともに、拠点現場に対する効果的な業績管理・指導・支援体制を充実し、全社的な生産性向上を図ります。

 ② 良質な社員の確保と高齢者・女性の活用

  「総合ケアセンター理念」を真摯に実践して、心の通う高品質サービスを提供できる良質な社員の確保に注力し、生産性の高い社員集団の構築を図ります。

  また、気力、体力に優れ成果をあげる能力を持つ高齢者を活用するとともに、強い向上心と意欲を持つ女性社員の活躍を期待し管理職への登用を進めます。

 ③ 教育育成によるサービスレベルの向上

  社員一人ひとりの適正な能力評価にもとづいたキャリアパスの設定と、サービスの標準化のための体系的な教育育成を通じて、生産性の高い高品質サービスを提供できる体制を強化いたします。

 

4【事業等のリスク】

 当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、以下に記載する事項は、当事業年度末現在において予想される主なリスクとして当社が判断したものであり、ここに記載されたものが当社の全てのリスクではありません。

 

(a) 法令及び行政に関連するリスク

 

①  介護保険法の改正及び介護報酬改定等について

  当社のコア事業である総合ケアセンターにおける通所介護サービス(介護予防・日常生活支援総合事業及び第1号通所事業を含む)は、介護保険法の適用を受ける在宅介護サービス事業であり、その報酬の9割(ただし、一定以上の収入のある被保険者については7割)は、介護保険及び国家・地方財政資金により給付されます。したがって、当社の事業は、介護保険制度の改正及び介護報酬の改定の影響を強く受けます。介護保険法及びそれにもとづく諸制度は5年ごとを目処として見直し・改正が行われ、また介護報酬は3年ごとに改定されることとなっております。この法改正及び報酬改定の度ごとに当社にとっては介護単価の下落を余儀なくされ、これを経営努力による生産性向上によって乗り越えてきましたが、それにはおのずと限界があります。次回に予定されている平成30年度の制度・報酬改定においても厳しい内容が予想され、業績面に少なからず影響が及ぶ可能性があります。

また、地方自治体による制度運用の基準がそれぞれ異なることに伴う不透明性リスクが多分に存在し、このリスクが顕在化した場合、業績面に影響を与える可能性があります。

 

② 介護保険法に基づく指定、行政処分・指導等について

  当社の運営する施設は、介護保険法第70条により都道府県知事の指定を受け、通所介護をはじめとする在宅介護事業を行っております。 当該事業に対しては、介護保険法第77条に、指定の取消し、または期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力を停止する事由として、設備基準・人員基準等の各種基準の不充足、介護報酬の不正請求、帳簿書類等の虚偽報告、検査の忌避等が定められております。これらの事由に該当する事実が発生した場合には、当社の事業の継続または業績に多大の影響が及ぶ可能性があります。

 このリスクについて当社は、法令にもとづく諸基準の遵守及び介護報酬の適正な請求に万全を期しておりますが、たとえばサービス提供の実績が存在するにもかかわらず、関係書類の些細な不備によって介護給付の返還を求められる等のリスクは皆無ではなく、当該リスクが顕現化した場合業績面に影響が及ぶ可能性があります。

     さらに、高齢者住宅事業に関しては、関連法令が「高齢者住まい法」、「介護保険法」、「老人福祉法」、「消

   防法」、「食品衛生法」、「地域保健法」等の多岐にわたるうえ、各種行政指導や各地方自治体による制度運用の

   相違による不透明性が多分にあるため、それらの諸法令及び行政運営との不適合を生じた場合、事業展開に齟齬を来たし、業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 施設設置・運営基準について

   通所介護をはじめとする在宅介護施設については、人員、設備等に関して「指定居宅サービス等の事業の人員、

設備及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚生省令37)」により各種基準が定められております。上記基準を

満たせない状態が発生した場合には、当該サービスに対する介護報酬が通常より減額される等により、当社の業績

に影響を及ぼす可能性があります。

(b) 外部要因に関するリスク

 

① 自然災害や感染症の流行について

 地震、台風、大雨、大雪等の自然災害が発生し、やむなく業務を停止せざる得なくなる場合、また、インフルエンザ等の感染症(特に新型インフルエンザ)が流行した場合には、緊急行政対策による営業の中断やご利用者が当社の施設の利用を控えることが予想され、いずれも業績に影響を与える可能性があります。

 特に、平成23年の東日本大震災や平成28年の熊本直下型大地震の経験を踏まえ、近い将来において発生確率が高いといわれる首都圏大地震や東海・東南海・南海大地震等を想定した大災害発生等の緊急時における事業継続に係るリスク対策を総点検し、体制強化を図りつつありますが、それを超える不可抗力的災害に遭遇した場合、業績に多大の影響が及ぶ可能性があります。

 

  ② 天候・気温による収益変動について

    自然災害には至らないまでも、天候や気温の激しい変化が起こった場合、予定したご利用者の欠席が増えるとい

う事態が起こる可能性があります。特に夏場の猛暑及び厳冬期には、体調悪化により通所が困難になるご利用者が

増える場合があり、その結果、なかんずく第4四半期の収益が不安定となり、年度期末に至って業績に影響が及ぶ

可能性があります。

 

  ③ 競合について

 高齢化の進行に伴う要介護者の増加に加え、居宅介護及び介護予防を重視する行政方針から、通所介護サービスは成長性の高い市場とみられています。また、サービス付き高齢者向け住宅は、その運営に相当のノウハウを必要とするにもかかわらず、期間が限定された制度上の助成金等もあり、有望事業と目されています。それだけに、同業事業者や異業種企業からの新規参入が多く、今後も増加傾向が続くと予想されます。このような新規参入と既存事業者の施設増設により競合が激化した場合、当社の業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

④ 介護労働力について

 当社が、事業規模を維持・拡大していくためには、それに見合った人員の確保が必要となります。介護要員の不足が社会的に懸念される中で、当社はこれまで比較的無難に労働力を調達してきました。しかしながら現在の環境は、景気局面の変化に伴い一般産業の労働需要が増大する局面では、介護労働力の供給不足基調が強まるリスクがあります。これに対処して人材確保に万全の体制で臨んでおりますが、万一人材確保が期待通りに進捗しない場合には、事業成長が制約される可能性があります。また、人件費が高騰した場合、労務コスト増により業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 風評等の影響について

 介護サービス事業は、ご利用者及びその介護に関わる方々との信頼関係やそうした方々の評判が、当社の事業運営に大きな影響を与えると認識しております。従業員に対しては、ご利用者、ご家族及びご関係者の信頼を得られる質の高いサービスを提供するよう日ごろから指導・教育をしておりますが、何らかの理由により当社についてネガティブな情報や風評が流れた場合には、業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(c) 内部要因に関するリスク

 

① 高齢者介護に付随する安全管理について

 当社が提供する介護サービスは、主に要介護認定を受けた高齢者等に対するものであることから、安全運営を最優先として、サービスの提供に細心の注意を払い、従業員の教育指導はもとより、運営ノウハウが蓄積された業務マニュアルの遵守を徹底するなど、事故の予防に万全を期しておりますが、万一、介護サービス提供時に事故やサービス受給者の体調悪化等が発生し、当社過失責任が問われるような事態が生じた場合は、当社の事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 高齢者住宅のサブリース契約について

 当社が運営する「サービス付き高齢者住宅」は、オーナーが建設する物件を当社が一棟借りして、入居者に転貸

するサブリース契約による方式が中心であり、オーナーとの契約期間は主として25年間となっております。この間

は安定的かつ継続的に住宅事業を運営できるメリットがある反面、解約に制約があるため、入居率や併設通所介護施設の稼働率が著しく低下した場合や、近隣の賃貸住宅の家賃相場が下落した等の場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、リース会計に係る会計処理方式や基準の変更や当該基準への該当の有無により、建物部分に係る残リース相当額の貸借対照表への計上に伴う財務比率の悪化や、計上したリース資産の減損処理による利益の減少ないしは損失及びそれに伴う財務数値の悪化を招来する可能性があります。

 

③ 個人情報管理について

 当社が提供しているサービスは、業務上の重要な個人情報を取り扱います。当社は、ご利用者情報については十分な管理を行っておりますが、万一、ご利用者の情報が外部に流出した場合には、当社の信用力が低下し、業績に悪影響を与える可能性があります。

 

④ 継続企業の前提について

  当社は当連結会計年度において営業損失542,434千円を計上し、営業キャッシュ・フローは496,094千円のマイナ スとなり、3期継続して営業損失の計上及び営業キャッシュ・フローのマイナスの状況となっております。このよ うな状況から、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象等が存在していますが、単独通所介護事業 の吸収分割の対価による特別利益の計上により、当連結会計年度末における純資産は1,469,961千円となり、現金 及び預金1,003,384千円を保有していると同時に、「第2.事業の状況 3.経営方針、経営環境及び対処すべき 課題」に記載しております事業展開の方針と業績改善策を確実に実施することにより、継続企業の前提に関する重 要な不確実性は存在しないと認識しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

 

  該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

 

  該当事項はありません。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 重要な会計方針及び見積り
 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりま
す。なお、将来に関する予想、見積り等の事項は、当社が合理的な基準により判断したものであり、見積り特有の不確実性を含んでいるため、実際の結果と異なることがあります。

 

(2) 財務情報に関する分析

当連結会計年度末における資産合計は4,853,798千円となり、前連結会計年度末に比べ242,206千円増加いたしました。その内訳につきましては、流動資産が前連結会計年度から681,204千円増加し1,721,343千円、固定資産が前連結会計年度から438,464千円減少し3,132,455千円、繰延資産が前連結会計年度から533千円減少し0千円であります。負債合計は3,383,837千円となり、前連結会計年度末に比べ2,292,402千円減少いたしました。その内訳につきましては、流動負債が1,930,701千円、固定負債が361,701千円であります。純資産合計は1,469,961千円であります。

これらの主な要因は次の通りです。

 

  (資産の部)

 

①流動資産

当連結会計年度末における流動資産は1,721,343千円となり、前連結会計年度末に比べ681,204千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が928,180千円増加したことによるものであります。

   ②固定資産

当連結会計年度末における固定資産は3,132,455千円となり、前連結会計年度末に比べ438,464千円減少いたしました。これは、当期に新規開設したセンター拠点の一部について、リース資産をオンバランスした一方、吸収分割により建物及び敷金の多額が承継会社に承継されたことによるものであります。

 

  (負債の部)

 

①流動負債

当連結会計年度末における流動負債は815,496千円となり、前連結会計年度末に比べ1,930,701千円減少いたしました。これは主に短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、及び1年内償還予定の社債について一括期限前返済・償還を行ったことにより、これらの合計1,823,487千円が減少したことによるものであります。

   ②固定負債

当連結会計年度末における固定負債は2,568,340千円となり、前連結会計年度末に比べ361,701千円減少いたしました。これは主に長期借入金及び社債について一括期限前返済・償還を行ったことにより、これらの合計745,668千円が減少したことによるものであります。さらに、事業承継に伴い、資産除去債務も減少いたしました。一方、当期に新規開設したセンター拠点の一部についてリース債務をオンバランスした結果、同債務は増加しております。

 

  (純資産の部)

当連結会計年度末における純資産合計は1,469,961千円となり、前連結会計年度末に比べ2,534,608千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益2,533,806千円によるものであります。

   この結果、自己資本比率は30.3%(前連結会計年度末は△23.1%)となりました。

    なお、負債合計3,383,837千円のうち72.4%が、センター拠点のうちオンバランスした物件を主因とする

   リース債務2,448,232千円によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの分析
 キャッシュ・フローの分析につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(4) 経営成績に関する分析

 当連結会計年度における営業収入は,5,801,764千円、営業損失は542,434千円、経常損失は611,886千円、親会社
株主に帰属する当期純利益は2,533,806千円となりました。
 この間、平成28年6月1日を効力発生日として、吸収分割により承継会社に承継した単独通所介護事業に係る

損益は、同日以降の当社の損益から分離しており、それに伴う営業収入及び営業利益・経常利益の縮小が、当連結会計年度の業績数値に反映されております。

 経営成績に関する分析は以下のとおりであります。


①営業収入
 当連結会計年度において、サービス付き高齢者向け住宅及びそれに併設する直営通所介護施設を運営する総合ケアセンターの新規開設を3拠点に抑制し、過年度に集中的に開設した同センターの入居者の増加及びデイサービス利用者の増加による稼働率の向上に注力いたしました。その結果、現在におけるコア事業の同センター事業に係る当連結会計年度の営業収入は前年度対比約36%増収となりましたが、上記の単独通所介護事業の分離により、総額の営業収入は5,801,764千円と、前年度対比25.5%の減収となりました。
②営業損失
 営業原価については、過年度の集中的な総合ケアセンターの新規開設による初期投資コストの圧迫が持続するとともに、センター事業の運営に係る労務費及び経費の削減・管理が不十分であったことも重なり、5,441,395千円と、前年度対比の減少幅は営業収入の減収幅をわずかに下回る24.9%となりました。この結果、営業総利益は360,368千円にとどまりました。
 また、販売費及び一般管理費は、単独通所介護事業の吸収分割後の本社経費削減に想定以上の時日を要したことに加え、会社組織体の変革に関する検討・調査のプロジェクトに係るアドバイザリー・フィーの発生等も重なり、

902,803千円となりました。

 この結果、営業損失は542,434千円となりました。
③経常損失
 営業外収益として26,453千円を計上した一方で、負債計上したリース債務に係る支払利息を主因として95,905千円の営業外費用を計上しております。

 この結果、経常損失は、611,886千円となりました。
④親会社株主に帰属する当期純利益
 単独通所介護事業の吸収分割の対価による特別利益3,429,108千円を計上したことに伴い、税金等調整前当期純利益は2,779,728千円となりました。これに対する法人税等245,922千円を計上いたしました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,533,806千円となりました。
 

 

 





出典: 株式会社やまねメディカル、2017-03-31 期 有価証券報告書