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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、米国のサブプライムローン等による世界的な金融市場の混乱により国内経済も大きく影響を受け、企業収益力は低下し景況感の急速な悪化を引き起こしてまいりました。また、雇用情勢、消費者マインドの低下が進み非常に厳しい局面へ進行してまいりました。

このような環境の中、情報サービス業界におきましては、受注ソフトウェアは横ばいで推移し、ソフトウェアプロダクトの大幅な減少によりソフトウェア開発全体では減少傾向へ転じました。システム等管理運営受託等は堅調に推移しましたが、計算事務等情報処理、各種調査等は全般的に減少いたしました。

証券業界におきましては、証券決済制度改革が進められ、短期社債、一般債、投資信託の電子化(ペーパーレス)に続き、平成21年1月5日、改革の集大成というべき「株券の電子化」が実現いたしました。

このような状況のもと、当社グループは、統合の確実な成果としての株券電子化対応を完了し、アライアンス戦略としての共同ビジネス、技術共有、チャネル戦略等、着々と基盤を固めてまいりました。さらに、当社グループのバリュードライバーとして設立した㈱JBISコンサルティングを、サービスプロバイダー機能の最適提供による顧客ニーズへの的確な対応等を実現するため、㈱JBISに社名変更しその機能を強化してまいりました。㈱JBISは、新世代証券総合システムサービス事業を牽引し具体化を推進するために、第2フェーズとして平成21年4月1日付で日本電子計算㈱の証券業務向けシステムサービスの一部と日本証券代行㈱の事務サービスの一部を承継いたしております。これらのサービスを一元的に受託する体制への移行により、一体運営によるお客様の利便性を高めると共に、株券電子化後の商品サービスの企画開発とサービス品質の向上に努めてまいります。

また、営業面としては、グループ各社の顧客基盤を活かし、共同営業の充実と、顧客基盤の深耕・拡大をさらに展開し、お客様の経営革新をサポートするIT・事務コンサルティングを核にしたビジネスイノベーションサービスの提供に努めてまいりました。

一方で、統合効果を最大限に発揮するため、グループ内の選択と集中(事業統合)を進め、ファシリティの統合及び共有化と、ニューワークスタイルに対応したオフィスビルへの移転計画を進めるとともに、支店及びシステムセンターの相互利用を強化してまいりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は48,290百万円(前期比1.3%増)、営業利益は1,197百万円(前期は営業損失137百万円)、経常利益は3,469百万円(前期比35.6%増)、当期純損失は1,809百万円(前期は当期純利益1,878百万円)となりました。

また、事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。

①情報サービス事業

a.情報サービス

情報サービス事業は、証券分野での証券総合システムにおける株券電子化対応等が売上の増加に貢献するとともに、産業分野での既存顧客への受注活動の強化と教育関係業務での追加受注等の獲得に注力した結果、情報処理の売上は堅調に推移し、売上高は20,640百万円(前期比6.3%増)となりました。

b.ソフトウェア開発

ソフトウェア開発事業は、金融分野の大手既存顧客の業務獲得と公共分野における総合行政情報システム「WizLIFE」の新規受注、制度改正等の増加によるソフトウェア開発保守等の売上が大きく貢献しましたが、急激な経済環境の悪化による受注の凍結等の厳しい状況もあり、売上高は16,742百万円(前期比5.3%減)となりました。

c.システム販売

システム販売事業は、付加価値のある案件の選別受注に注力した結果、売上高は2,204百万円(前期比12.9%減)となりました。

②証券事務管理・代行事業

a.証券事務管理

証券事務管理事業は、株券電子化直前における㈱証券保管振替機構への有価証券の預託が増加したことによる事務取扱量の増加があり、また、株券電子化後を見据えた金融機関等の担保管理や口座管理機関業務の受託等による収益拡大を図り、当社グループ内の選択と集中(事業統合)を進めてまいりました結果、売上高は6,335百万円(前期比3.9%増)となりました。

b.証券代行

証券代行事業は、高性能証券代行システム「NEO-CAROL」の提供、実務精通型サービスの提供、IRコンサルティング等を含めた総合的なサービスの提供、さらに買収防衛策対応等の顧客ニーズにマッチしたサービスの拡充と品質向上を進めてまいりました。また、今期は株券電子化直前における事務取扱量の増加もあり、売上高は2,368百万円(前期比22.4%増)となりました。 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における連結キャッシュ・フローは次のとおりであります。

 現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,262百万円減少し、当連結会計年度末には9,228百万円となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は2,004百万円(前連結会計年度は3,477百万円の使用)となりました。これは主に売上債権、たな卸資産の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は624百万円(前連結会計年度は7,162百万円の獲得)となりました。これは主にソフトウェアの取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は2,642百万円(前年同期比751.2%増)となりました。これは主に長期借入金の返済によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

前連結会計年度及び当連結会計年度の情報サービス事業の区分別生産実績、商品仕入実績、受注状況及び販売実績は次のとおりです。

 なお、証券事務管理・代行事業については記載を省略しております。

(1)生産実績

事業の種類別セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成19年4月1日

  至 平成20年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成20年4月1日

  至 平成21年3月31日)

情報サービス事業

 

 

情報サービス(百万円)

17,119

19,084

ソフトウェア開発(百万円)

12,801

11,816

合計(百万円)

29,920

30,900

(注)金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

(2)商品仕入実績

事業の種類別セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成19年4月1日

  至 平成20年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成20年4月1日

  至 平成21年3月31日)

情報サービス事業

 

 

情報サービス(百万円)

868

771

ソフトウェア開発(百万円)

2,616

2,361

システム販売(百万円)

1,241

1,084

合計(百万円)

4,726

4,217

(注)金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注状況

事業の種類別セグメントの名称

前連結会計年度
受注高

(百万円)

当連結会計年度
受注高

(百万円)

前連結会計年度
受注残高

(百万円)

当連結会計年度
受注残高

(百万円)

情報サービス事業

 

 

 

 

情報サービス

19,806

24,346

12,014

15,719

ソフトウェア開発

18,510

15,973

9,581

8,811

システム販売

1,849

2,073

578

447

合計

40,166

42,392

22,174

24,978

(注)金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

(4)販売実績

事業の種類別セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成19年4月1日

 至 平成20年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成20年4月1日

 至 平成21年3月31日)

情報サービス事業

 

 

情報サービス(百万円)

19,420

20,640

ソフトウェア開発(百万円)

17,688

16,742

システム販売(百万円)

2,529

2,204

合計(百万円)

39,638

39,587

(注)金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 当社グループは、平成18年10月の当社設立時からの戦略である証券総合システムの統合と株券電子化対応の実現を完了し、加えて、子会社各社が保有するファシリティの統合・共同化、顧客基盤の深耕と拡大に努め、着実に成果を上げてまいりました。

 今後は、当社グループの基本戦略であるITサービスと事務サービスを最適に組み合わせることに加えて、証券新世代ビジネスイノベーションサービスに代表される、新たなソリューションやサービスを検討・実現させ、「戦略統合」から「アセット統合」「プロセス統合」を目標として、「統合による拡大」を実現させるべく、努力してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。

 当該リスクは、当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在いたします。
 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営環境について

① 当社グループでは、証券分野においては従前から「ITサービスと事務サービス」を融合した新しいビジネスモデルの開発・提供を進めてまいりましたが、平成21年1月に証券決済制度改革の最終版となる「株券の電子化」を完了いたしました。
 本年度は、㈱JBISによる新世代証券総合システムサービス事業で、お客様の利便性の向上に努めてまいります。また、他分野における新サービスの開発、グループシナジーを活かした顧客基盤の拡大に積極的に取り組み、着実に成果をあげてきております。しかしながら、世界的な経営環境の悪化による事業環境の激変が進行している中では、主要顧客の経営状況やシステム戦略の見直しがあった場合には、新規顧客の獲得が想定どおりに進まないなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 情報サービス業界においては、事業者間の価格競争の激化や顧客のコスト削減意識により商品・サービス価格は低下傾向にあります。このような環境のもと、当社グループはコンサルティングからシステム開発・運用・派生事務まで、顧客ニーズにマッチした高付加価値のサービスの拡充、品質向上および生産性向上に努めてまいりますが、予想を超える主要な顧客のシステム投資の先送りと低価格競争が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 当社グループは、会社法第123条に規定された株主名簿管理人として、株式発行会社の株式事務全般を代行する証券代行業務を行っており、当該業務を営む信託銀行等と競合関係にあります。きめ細かなサービスや徹底したコスト削減など、競争力の確保に努めてはおりますが、この競合他社との競争が激化し、相対的に自社の競争力が低下した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)プロジェクト管理について

ソフトウェア開発事業では、顧客ニーズの高度化、開発環境の複雑化などに伴う開発の難易度が増しており、当社グループではプロジェクト管理を強化するとともにプロジェクト計画のリスク評価等により開発リスクの回避を図っておりますが、特定の個別案件において開発プロセスに大きな問題が発生した場合には、費用の増大や開発時期の延長により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)システムリスクについて

当社グループは、アウトソーシングなどの情報サービスやソフトウェア開発・ソフトプロダクトの提供において、定期的な保守・点検、生産性向上のための開発支援ツールや設備導入など安全対策を行っておりますが、地震、水害、落雷などの自然災害や、火災、システム障害、ハードウェア・回線障害、ウイルス汚染、ハッカー攻撃などが原因でサービスが提供できなくなる可能性があります。その影響でお客様の事業が停止や中断した場合には、損害賠償請求を受ける場合があるほか、社会的信用にも影響を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)法令・規則等の改定・制定について

当社グループが行う事業に適用される法令等は、社会情勢の変化等に応じて今後も適宜、改正ないし解釈の変更等が行われる可能性があります。また、新たな法令等が制定される可能性があります。このような法令、規則等の改定・制定により、当社グループが行っている業務に対し、新たな規制が導入された場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

(5)個人情報の取扱いについて

当社グループは、個人情報を適切に保護することを企業の重要な社会的使命と認識し、情報主体の権利の保護、個人情報に関する法規制等の遵守に努めておりますが、万が一、セキュリティ対策の不備、不正、犯罪、災害や障害などによる原因で、顧客の個人情報の流失があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)ソフトウェア投資について

当社グループは、自社で運用する情報サービス事業用のソフトウェア投資を行っております。当該投資にあたっては、将来の収支、市場環境及び競合商品などを充分に調査・検討しておりますが、市場環境変化による需要低迷や競争激化による価格下落などが発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)投資有価証券について

当社グループは、投資有価証券を保有しておりますが、相場変動や投資先の業績悪化・倒産などの事象が発生した場合には、会計上減損処理等を行う場合があることから、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、先進的なIT(情報技術)をもちいて優れたサービスを提供するため、短期的及び中長期的視野にたって、下記のとおり研究開発活動を行っており、当連結会計年度における研究開発費は116百万円となっております。

(1)新しいサービスを創造するための調査研究

定量データによるプロセス改善を目的としてデータ収集を行いますが、作業を遂行するには「多くの手作業を要する」、「収集までに時間がかかる」、「評価項目が限定されている」などの問題があります。それを解決するために、ソフトウェア工学への実証的アプローチを目指す産学連携の「JISAソフトウェアエンジニアリング研究会」に参画し、実プロジェクトへの展開を行い、報告書を提出いたしました。引き続きワーキングに参加し、検証を継続しております。

(2)ソフトウェア開発生産性及び品質向上のための調査研究

高度化する顧客要望に適切かつ迅速に対応するため、ソフトウェア開発の上流工程を支援するツール、プログラムの自動生成を柱とする様々なソフトウェア開発ツール、ソフトウェアのテスト工程を支援するツールの調査研究を行い、これらツール群の導入とプロジェクトへの適用を推進しており、事例報告を行い社内に展開しております。

さらにプロジェクト管理を支援するサーバを導入し、すべてのプロジェクトの成果物・懸案・障害管理を一括して管理することにより、精度の高いプロジェクト管理のための管理データの収集と分析を行っております。

(3)情報サービス事業拡大のための調査研究

証券総合システムで提供するASPサービスに係る内部統制(IT全般統制)に関して、日本公認会計士協会の監査基準委員会報告書第18号「委託業務に係る統制リスクの評価」に基づき作成された報告書を受領し、お客様の作業負担を軽減すると同時に、社内の統制整備や監査対応の効率化を実現いたしました。

(4)情報セキュリティ管理技術の調査研究

セキュリティ製品の導入評価研究を継続的に行っております。具体的施策としては、情報漏洩の対策としてデータ消去ソフトの導入評価、USB等のデバイス制御の導入評価を実施いたしました。 

7【財政状態及び経営成績の分析】

 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)連結貸借対照表及び連結損益計算書の分析

① 総資産

 当連結会計年度末における総資産残高は、44,309百万円と前年同期と比べ9,211百万円減少となりました。

 主な要因は、現金及び預金残高の前年同期比2,462百万円(当連結会計年度末残高9,178百万円)の減少及びソフトウエア仮勘定残高の前年同期比2,115百万円(当連結会計年度末残高729百万円)の減少であります。

② 負債

 当連結会計年度末における負債残高は、23,755百万円と前年同期と比べ7,884百万円減少となりました。

 主な要因は、未払法人税等残高の前年同期比2,448百万円(当連結会計年度末残高274百万円)の減少及び長期借入金の前年同期比1,411百万円(当連結会計年度末残高3,651百万円)の減少であります。

③ 売上総利益

 当連結会計年度における売上総利益は、13,628百万円と前年同期と比べ308百万円(前年同期比2.3%)増加となりました。

 主な要因は、証券分野での株券電子化対応等が売上増加に貢献し、統合効果による原価の圧縮、また生産面での生産性の向上を目的としたツールや技法の採用により、原価低減の徹底など諸施策の実行であります。

④ 営業利益

 当連結会計年度における営業利益は、1,197百万円と前年同期と比べ1,335百万円(前年同期は営業損失137百万円)増加となりました。

 主な要因は、経費削減に務めた結果、販売費及び一般管理費が、12,431百万円と前年同期と比べ1,026百万円(前年同期比△7.6%)減少したことであります。

⑤ 当期純損失

 当連結会計年度は特別利益として負ののれん取崩益727百万円(前年同期比833百万円減)、固定資産売却益28百万円(前年同期比7,998百万円減)などを計上し、また特別損失として投資有価証券評価損3,951百万円(前年同期比268百万円減)などを計上いたしました。

 その結果、最終損益は1,809百万円の当期純損失(前年同期は当期純利益1,878百万円)となりました。 

 

(2)連結キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの指標は次のとおりであります。

 

当連結会計年度

備考

時価ベースの自己資本比率(%)

26.6

株式時価総額(期末株価×期末発行済株式総数(自己株式控除後))/総資産

債務償還年数(年)

3.1

有利子負債(注)1/営業活動によるキャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

18.3

営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い(注)2

(注)1.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債の期首残高及び期末残高の平均残高を対象としております。

2.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 





出典: 株式会社JBISホールディングス、2009-03-31 期 有価証券報告書