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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、国内民間需要の自律的な回復力は弱いものの、政府による政策的な各種対策の効果や海外経済の改善により、持ち直しつつあります。新興国向け輸出や生産の増加により回復の兆しが製造業、非製造業へ拡大し、設備投資が下げ止まりの方向にありますが、厳しい雇用・所得環境などを背景に個人消費の持ち直しが鈍く、全体としての回復のペースは緩やかなものに止まっております。
 このような環境の中、情報サービス業界におきましては、業界全体の売上高は減少傾向にあり、特に受注ソフトウェアが金融業向けを中心に減少したほか、システム等管理運営受託も依然として大幅な減少となりました。また、情報化への投資に関してはより厳しい品質の要求とコスト削減の要請が強まるとともに、業界内での競争激化の傾向は継続しております。
 証券業界におきましては、証券決済制度改革の集大成というべき株券電子化が施行され、証券決済における事務がアナログからデジタルへと変革し、証券会社・金融機関の事務フロー等が大きく変化いたしました。
 このような状況のもと、当社グループは統合の成果として、平成21年4月より子会社㈱JBISによる証券業向けサービスの一元的受託体制へ移行し、新世代証券総合システムSIGMA21-χ(呼称はシグマエックス)の提供を順次開始いたしました。また、平成22年1月4日からの東京証券取引所における次世代システム「arrowhead」(アローヘッド)の本番稼動に伴う移行作業等を支障なく完了することができました。
 株券電子化後の環境変化に対応するため、子会社である日本証券代行㈱の金融商品取引業務と非金融商品取引業務を分離し、日本証券代行㈱は金融商品取引業務に純化させ、日本証券代行㈱の子会社であった日本証券共同事務センター㈱を当社子会社とするとともに㈱JBISビジネスサービスに社名変更し、証券分野から他の事業分野にも拡大活用するという、グループ全体のビジネスサービス機能の拡充へ向けた再編を行いました。これにより、当社グループは再編後のフォーメーションとして日本電子計算㈱、日本証券代行㈱、㈱JBISに㈱JBISビジネスサービスを加えた4社体制となりました。また環境変化に対応したコスト構造の変革、損益分岐点の引下げによる収益性の向上を図るべく、一部子会社での要員削減等固定費の大幅引下げを実施いたしました。さらに、グループ内の選択と集中(事業統合)として、ファシリティの統合の推進及び移転による本社機能の統合を進め、支店・営業所のオフィスの統廃合と人的資源の相互利用と再配置によりグループ全体としての効率化に取り組みました。
 以上の結果、当連結会計年度の売上高は40,532百万円(前年同期比16.1%減)となり、利益面では徹底したコストの削減にもかかわらず、営業損失1,127百万円(前年同期は営業利益1,197百万円)、経常利益196百万円(前年同期比94.3%減)、当期純損失1,988百万円(前年同期は当期純損失1,809百万円)となりました。
また、事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。

①情報サービス事業

a.情報サービス

情報サービス事業は、各分野での新規顧客の獲得や既存顧客からの深耕に注力いたしましたが、主要顧客である証券業界の厳しい経営状況の継続等による需要低迷の影響を受け、情報サービス事業の売上高は18,265百万円(前年同期比11.5%減)となりました。

b.ソフトウェア開発

金融分野での大型案件受注によるソフトウェアプロダクト販売、公共分野での新システムWizLIFEへの切り替え等の営業展開を行いましたが、景気の低迷に伴うIT投資の抑制等による減少を補うまでにはいたらず、ソフトウェア開発事業の売上高は15,426百万円(前年同期比7.9%減)となりました。

c.システム販売

 システム販売事業は、付加価値のある案件の選別受注により売上高は2,234百万円(前年同期比1.4%増)となりました。 

②証券事務管理・代行事業

a.証券事務管理

 証券事務管理事業は、株券電子化後を見据えた金融機関等の担保管理や口座管理機関業務の受託とBPOサービスの拡大に努めてまいりましたが、証券市況の低迷や株券電子化実施による株券等現物に係る事務や周辺業務の事務取扱量の大幅な減少から、証券事務管理事業の売上高は2,863百万円(前年同期比54.8%減)となりました。

b.証券代行

 証券代行事業は、高性能証券代行システム「NEO-CAROL」の提供に加え、長年の経験、ノウハウに裏付けられた実務精通型サービスの提供、法務・実務コンサルティング、株主総会支援サービス、株式公開支援サービス、IRコンサルティング等を含めた総合的なサービスの提供、さらに買収防衛策対応等の顧客ニーズにマッチしたサービスの拡充と品質向上を進めてまいりましたが、株券電子化実施に伴う特別口座管理に伴う手数料の増加はあったものの、現物周辺の事務取扱量の減少から(前期は株券電子化直前における株式会社証券保管振替機構への有価証券預託の増加という特需)、証券代行事業の売上高は1,741百万円(前年同期比26.5%減)となりました。

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,383百万円減少し、当連結会計年度末には4,845百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は408百万円(前年同期は2,004百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失1,357百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は1,870百万円(前年同期比199.5%増)となりました。これは主にソフトウェアの取得1,364百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は2,104百万円(前年同期比20.4%減)となりました。これは主に長期借入金の返済1,411百万円によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

前連結会計年度及び当連結会計年度の情報サービス事業の区分別生産実績、商品仕入実績、受注状況及び販売実績は次のとおりです。

 なお、証券事務管理・代行事業については記載を省略しております。

(1)生産実績

事業の種類別セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成20年4月1日

  至 平成21年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成21年4月1日

  至 平成22年3月31日)

情報サービス事業

 

 

情報サービス(百万円)

19,084

16,632

ソフトウェア開発(百万円)

11,816

10,745

合計(百万円)

30,900

27,377

(注)金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

(2)商品仕入実績

事業の種類別セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成20年4月1日

  至 平成21年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成21年4月1日

  至 平成22年3月31日)

情報サービス事業

 

 

情報サービス(百万円)

771

643

ソフトウェア開発(百万円)

2,361

2,324

システム販売(百万円)

1,084

1,086

合計(百万円)

4,217

4,055

 

 

(3)受注状況

事業の種類別セグメントの名称

前連結会計年度
受注高

(百万円)

当連結会計年度
受注高

(百万円)

前連結会計年度
受注残高

(百万円)

当連結会計年度
受注残高

(百万円)

情報サービス事業

 

 

 

 

情報サービス

24,346

13,334

15,719

10,788

ソフトウェア開発

15,973

13,500

8,811

6,885

システム販売

2,073

2,153

447

365

合計

42,392

28,988

24,978

18,039

(注)金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

(4)販売実績

事業の種類別セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成20年4月1日

 至 平成21年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成21年4月1日

 至 平成22年3月31日)

情報サービス事業

 

 

情報サービス(百万円)

20,640

18,265

ソフトウェア開発(百万円)

16,742

15,426

システム販売(百万円)

2,204

2,234

合計(百万円)

39,587

35,927

(注)金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 当社グループは、グループ各社の顧客基盤を活かし、お客様の経営革新をサポートするビジネスイノベーションサービス(BIS)の提供、新技術の積極的導入等による拡販に努めるとともに継続的な品質向上、コスト構造の変革、圧縮等の経営努力にも引き続き尽力し、利益の黒字化の実現に全力をあげて取り組みます。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。

 当該リスクは、当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在いたします。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営環境について

① 当社グループでは、設立時からの戦略である証券総合システムの統合と株券電子化対応の実現を完了し、子会社各社が保有するファシリティの統合・共同化、顧客基盤の深耕と拡大に努め、着実に成果を上げてまいりました。しかしながら企業の情報化投資は、依然として本格的な回復までには至らず、新規・既存顧客へのより丁寧なフォロー等による一段の拡販努力を続けるほか、新技術の取り込みとその提供に注力いたしますが、主要顧客の経営状況やシステム戦略の見直しがあった場合には、顧客の獲得が想定どおりに進まないなど、当社グループの業績、経営計画に影響を及ぼす可能性があります。

② 情報サービス業界においては、事業者間の価格競争の激化や顧客のコスト削減意識により商品・サービス価格は低下傾向にあります。このような環境のもと、当社グループはコンサルティングからシステム開発・運用・派生事務まで、顧客ニーズにマッチした高付加価値のサービスの拡充、品質向上及び生産性向上に努めてまいりますが、予想を超える主要な顧客のシステム投資の先送りと低価格競争が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) プロジェクト管理について

    ソフトウェア開発事業では、顧客ニーズの高度化、開発環境の複雑化などに伴う開発の難易度が増しており、当社グループではプロジェクト管理を強化するとともにプロジェクト計画のリスク評価等により開発リスクの回避を図っておりますが、特定の個別案件において開発プロセスに大きな問題が発生した場合には、費用の増大や開発時期の延長により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) システムリスクについて

  当社グループは、アウトソーシングなどの情報サービスやソフトウェア開発・ソフトプロダクトの提供において、定期的な保守・点検、生産性向上のための開発支援ツールや設備導入など安全対策を行っておりますが、地震、水害、落雷などの自然災害や火災、システム障害、ハードウェア・回線障害、ウイルス汚染、ハッカー攻撃などが原因でサービスが提供できなくなる可能性があります。その影響でお客様の事業が停止や中断した場合には、損害賠償請求を受ける場合があるほか、社会的信用にも影響を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 法令・規則等の改定・制定について

  当社グループが行う事業に適用される法令等は、社会情勢の変化等に応じて今後も適宜、改正ないし解釈の変更等が行われる可能性があります。また、新たな法令等が制定される可能性があります。このような法令、規制等の改定・制定により、当社グループが行っている業務に対し、新たな規制が導入された場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 個人情報の取扱いについて

  当社グループは、個人情報を適切に保護することを企業の重要な社会的使命と認識し、情報主体の権利の保護、個人情報に関する法規制等の遵守に努めておりますが、万が一、セキュリティ対策の不備、不正・犯罪、災害や障害などによる原因で、顧客の個人情報の流出があった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) ソフトウェア投資について

  当社グループは、自社で運用する情報サービス事業用のソフトウェア投資を行っております。当該投資にあたっては、将来の収支、市場環境及び競合商品などを充分に調査・検討しておりますが、市場環境変化による需要低迷や競争激化による価格下落などが発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 投資有価証券について

  当社グループは、投資有価証券を保有しておりますが、相場変動や投資先の業績悪化・倒産などの事象が発生した場合には、会計上減損処理等を行う場合があることから、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、先進的なIT(情報技術)を用いて優れたサービスを提供するため、短期的及び中長期的視野にたって、下記のとおり研究開発活動を行っており、当連結会計年度における研究開発費は97百万円となっております。

(1) 新しいサービスを創造するための調査研究

  現在提供しているパッケージベースをクラウド・コンピューティングに展開するため、サービス・ベースのコンピューティング機能を開発・提供するための仮想化や自動化といった技術の調査研究を行い、パッケージの移行と導入プロジェクトに展開しております。

(2) ソフトウェア開発生産性及び品質向上のための調査研究

  高度化する顧客要望に適切かつ迅速に対応するため、ソフトウェア開発の上流工程を支援するツール、プログラムの自動生成を柱とする様々なソフトウェア開発ツール、ソフトウェアのテスト工程を支援するツールの調査研究を行い、これらツール群の導入とプロジェクトへの適用を推進しており、事例報告を行い社内に展開しております。

  さらにプロジェクト管理を支援するサーバを導入し、すべてのプロジェクトの成果物・懸案・障害管理を一括して管理することにより、精度の高いプロジェクト管理のための管理データの収集と分析を行っております。

(3) 情報サービス事業拡大のための調査研究

  情報サービス事業拡大の中核として、クラウドサービスのインフラ共通基盤の調査・研究と、弊社の既存サービスから、クラウドサービスとして魅力あるサービスコンテンツを決定し、お客様のニーズに応じたサービスモデルの策定をしております。

(4) 情報セキュリティ管理技術の調査研究

  セキュリティ製品の導入評価研究を継続的に行っております。具体的施策としては、情報漏洩の対策としてUSB等のデバイス制御の導入を実施いたしました。更に、電子メールの情報漏洩対策として、監査機能、暗号化機能等の評価・検討をしております。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)連結貸借対照表及び連結損益計算書の分析

① 総資産

 当連結会計年度末における総資産残高は、37,795百万円と前年同期と比べ6,514百万円減少となりました。

 主な要因は、現金及び預金残高の前年同期比4,383百万円(当連結会計年度末残高4,794百万円)の減少及び仕掛品残高の前年同期比630百万円(当連結会計年度末残高760百万円)の減少であります。

② 負債

 当連結会計年度末における負債残高は、19,080百万円と前年同期と比べ4,674百万円減少となりました。

 主な要因は、長期借入金の前年同期比1,361百万円(当連結会計年度末残高2,290百万円)の減少であります。

③ 売上総利益

 当連結会計年度における売上総利益は、6,944百万円と前年同期と比べ6,684百万円(前年同期比49.0%)減少となりました。

 主な要因として、世界的な不況によるIT投資の抑制による売上の大幅な減少、株券電子化にともなう業務量の減少等を補うために内製化と積極的なオフショアの導入を行い製造原価の低減に努めましたが、補いきれず減少いたしました。

④ 営業損失

 当連結会計年度における営業損失は、1,127百万円と前年同期と比べ2,324百万円(前年同期は営業利益1,197百万円)減少となりました。

 主な要因は、徹底したコスト削減により販売費及び一般管理費は8,071百万円(前年同期比35.1%減)となりましたが、売上総利益の減少を補えませんでした。

⑤ 当期純損失

 当連結会計年度においては特別利益として事業譲渡益28百万円などを計上し、また特別損失として本社移転費用588百万円、減損損失422百万円などを計上いたしました。

 その結果、最終損益は1,988百万円の当期純損失(前年同期は当期純損失1,809百万円)となりました。 

 

(2)連結キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの指標は次のとおりであります。

 

当連結会計年度

備考

時価ベースの自己資本比率(%)

27.3

株式時価総額(期末株価×期末発行済株式総数(自己株式控除後))/総資産

債務償還年数(年)

有利子負債(注)1/営業活動によるキャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い(注)2

(注)1.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債の期首残高及び期末残高の平均残高を対象としております。

2.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

3.当連結会計年度の債務償還年数及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 





出典: 株式会社JBISホールディングス、2010-03-31 期 有価証券報告書