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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 

①当連結会計年度の経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、米国や欧州等の海外情勢の影響により先行きの不透明感が高まったものの、国内においては企業収益や雇用環境の改善を背景に景気は回復基調で推移しました。
 こうした環境の中、当社グループは派遣法や労働契約法などをふまえて、顧客ごとの成長戦略に適した人材ポートフォリオの形成を実現する人事、組織、雇用に関するソリューションサービスに注力し、企業の健康経営、女性活躍や働き方改革の推進、さらには雇用創造の一環として地方創生にも積極的に取り組みました。
 その結果、エキスパートサービス(人材派遣)、BPO事業であるインソーシング(委託・請負)とアウトソーシングをはじめ、ほとんどのセグメントで増収となり、売上高は280,395百万円(前連結会計年度比6.3%増)となりました。

 当期は年金資産の運用利回り低下とマイナス金利政策に伴う割引率見直しにより退職給付費用が大幅に増加したこともあり、販管費が増加したものの、営業利益は4,488百万円(前連結会計年度比16.3%増)、経常利益も4,319百万円(前連結会計年度比12.0%増)と増益となりました。

 一方で、第3四半期に一部固定資産の減損損失を計上したことに加えて、アウトソーシング事業の伸長により非支配株主に帰属する当期純利益が増加したことから、親会社株主に帰属する当期純損失129百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益243百万円)となりました。

 

■連結業績

 

平成28年5月期

平成29年5月期

増減率

 売上高

263,728

百万円

280,395

百万円

6.3

 営業利益

3,860

百万円

4,488

百万円

16.3

 経常利益

3,855

百万円

4,319

百万円

12.0

 親会社株主に帰属
する当期純損益

243

百万円

△129

百万円

 

 

 

②事業別の状況(セグメント間取引消去前)

 

HRソリューション

エキスパートサービス(人材派遣)、インソーシング(委託・請負)

売上高 232,285百万円 営業利益 2,297百万円

 

〔エキスパートサービス〕 売上高 142,662百万円

 人手不足感が継続する中、働き方改革の施策の一つとして人材派遣の活用が広がったこともあり、サービス業やメーカーをはじめ幅広い業界で受注が増加しました。エネルギー業界でも自由化に伴うマーケティングが活発化したことから、平成28年4月に株式会社パソナが子会社化した大阪ガスエクセレントエージェンシー株式会社(現・株式会社パソナ)も業績拡大に寄与しました。新規登録者も前期を上回って推移し、稼働者の増加に貢献しました。加えてキャリアコンサルティングや研修の充実度も増していることから、職種別では経理、外国語、貿易などの専門事務や営業職が伸長しました。
 これらの結果、売上高は
142,662百万円(前連結会計年度比7.6%増)と増収となりました。

 

 

〔インソーシング〕 売上高 77,100百万円

 企業においては、派遣法・労働契約法の改正や働き方改革を契機に人材ポートフォリオの見直しや業務の効率化が急速に進んでおり、当社グループでは株式会社パソナを中心に顧客ごとに人材派遣、BPO等を柔軟に組み合わせたソリューションの提供を徹底して強化、顧客開拓に注力しました。またビーウィズ株式会社では、エネルギー自由化に伴うコンタクトセンター需要の高まりに対応して拠点を新設するなど、体制の強化も進めています。 
  パブリック分野では、行政サービスの民間委託が広がる中、当社グループが他社に先駆けて実績を積み上げた領域でさらに横展開が進み、行政事務代行が引き続き拡大しました。
 これらの結果、売上高は
77,100百万円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。前期にビーウィズ株式会社が決算期変更に伴い14ヶ月分の業績を計上したこともあって伸び率は抑制されましたが、グループの柱となる事業にまで成長しました。

 

〔HRコンサルティング、教育・研修、その他〕 売上高 6,133百万円

 観光・宿泊施設、公共交通機関、地方自治体など様々な領域にインバウンド対応ニーズが広がり、日本全体でサービスレベルの向上を図ろうとする機運が高まる中、キャプラン株式会社では日本式の接客・接遇、語学、異文化理解などの研修が伸長しました。また、働き方改革を推進する企業向けのマネジメント研修や、女性管理職のリーダーシップ研修なども増加しました。その他の事業も売上に貢献した結果、セグメントの売上高は6,133百万円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。

 

〔グローバルソーシング(海外人材サービス)〕 売上高 6,388百万円

 海外においては、日系企業が進出フェーズから深耕拡大のフェーズに移行していることに伴い、現地中心のマネジメントへのシフトが増加したことから、現地人材の採用ニーズが高まりました。
 当社グループは既存拠点の体制固めと営業強化に注力しましたが、平成27年10月に子会社化したインドネシアのPT. Dutagriya Sarana(デュータグリヤ サラナ)のクライアント増加が人材派遣の伸長に寄与したほか、平成28年9月に営業を開始したCaplan Thailand(キャプラン タイ)で販売員や秘書を対象とした日本式おもてなしや接客マナーの研修が増加するなど、新しい拠点も顧客開拓とサービスメニューの拡張に寄与しました。
 全体では為替のマイナス影響があったものの、売上高は
6,388百万円(前連結会計年度比3.4%増)となりました。

 

 以上の事業から構成されるセグメントの売上高は、主力のエキスパートサービス、インソーシングが好調に推移したことにより232,285百万円前連結会計年度比6.4%増)となりました。利益面では、退職給付費用が前期より大幅に増加して利益の押し下げ要因となったものの、増収影響に加えてバックオフィスコスト削減等に取り組んだ成果も出てきており、営業利益は2,297百万円(前連結会計年度比17.3%増)と大幅な増益となりました。

 

キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)  売上高 15,008百万円 営業利益 1,992百万円

 人材紹介では求人数、求職者数共に過去最高となったことや当社グループのノウハウを活かした女性やシニアの成約数も増加し、全体的に高水準で推移しました。第1四半期に基幹システム入れ替えに伴う一時的な業務効率低下があったものの、第2四半期以降は計画を上回って推移しました。
 一方、再就職支援では景気回復と人手不足感から企業の雇用調整が減少し、市場が大幅に縮小する厳しい事業環境が続きました。当社グループは受注率を高めて、再就職決定の早期化や適正なコスト管理に努めましたが、収益改善には至らず、セグメントの売上高は
15,008百万円(前連結会計年度比7.7%減)、営業利益は1,992百万円(前連結会計年度比31.4%減)と減収減益となりました。

 

 

アウトソーシング  売上高 29,893百万円 営業利益 5,782百万円

 当社子会社で福利厚生アウトソーシングサービスを手がける株式会社ベネフィット・ワンでは、福利厚生サービスを中心にサービスインフラを有効に活用しながら法人および個人向けに事業を展開すると共に、国内で培った事業モデルの海外展開も推進しています。
 主力の福利厚生事業においては提案営業を積極的に行い、中堅・中小企業の開拓にも注力した結果、導入企業数が順調に拡大しました。報奨金等をポイント化して管理・運営する「インセンティブ事業」も堅調に推移したほか、疾病予防のための健康支援を行う「ヘルスケア事業」も取引条件の見直しや業務標準化等により収益が大幅に改善しました。
 これらの結果、売上高は29,893百万円前連結会計年度比14.0%増)、営業利益は5,782百万円(前連結会計年度比35.2%増)と大幅な増収増益となりました。

 

ライフソリューション、パブリックソリューション  売上高 6,327百万円 営業損失 213百万円

 ライフソリューションでは、株式会社パソナフォスターにおいて認可保育所、企業内保育施設や放課後児童クラブの受託運営が増加しました。株式会社パソナライフケアでは従業員の福利厚生として「仕事と介護の両立支援サービス」を活用する法人顧客が増加し、ケアスタッフの派遣も大幅に増加したほか、家事代行サービスでマンション管理会社やカード会員向けなど様々な販路を開拓した結果、増収増益となりました。
 地方創生事業を中心とするパブリックソリューションでは、西日本最大級の道の駅を運営する株式会社丹後王国が、第3四半期に一部固定資産の利用状況を踏まえて減損損失を計上したものの、集客の促進に加えて、自家製品の外販や農産物卸売事業など地域商社としての新たな展開を推進した結果、売上規模の拡大と共に、足元では収益も改善傾向となりました。
 そのような結果、当セグメントの売上高は
6,327百万円(前連結会計年度比12.6%増)となり、営業損失は213百万円と前連結会計年度(営業損失477百万円)から半減しました。

 

消去又は全社  売上高 △3,119百万円 営業利益 △5,370百万円

 グループ間取引消去と持株会社である株式会社パソナグループの販管費等が含まれています。
 当期は退職給付費用やグループ本部移転に伴う費用および新規事業育成に関わるコストが増加しました。

 

 

■セグメント別業績

 

売上高

平成28年5月期

平成29年5月期

増減率

HRソリューション

260,726

百万円

277,187

百万円

6.3

 

エキスパートサービス(人材派遣)
インソーシング(委託・請負)他

218,231

百万円

232,285

百万円

6.4

 

 

エキスパートサービス(人材派遣)

132,588

百万円

142,662

百万円

7.6

 

 

インソーシング(委託・請負)

73,417

百万円

77,100

百万円

5.0

 

 

HRコンサルティング、教育・研修、その他

6,044

百万円

6,133

百万円

1.5

 

 

グローバルソーシング(海外人材サービス)

6,180

百万円

6,388

百万円

3.4

 

キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)

16,265

百万円

15,008

百万円

△7.7

 

アウトソーシング

26,229

百万円

29,893

百万円

14.0

ライフソリューション、パブリックソリューション

5,618

百万円

6,327

百万円

12.6

消去又は全社

△2,617

百万円

△3,119

百万円

 

合計

263,728

百万円

280,395

百万円

6.3

 

 

営業損益

平成28年5月期

平成29年5月期

増減率

HRソリューション

9,140

百万円

10,072

百万円

10.2

 

エキスパートサービス(人材派遣)

インソーシング(委託・請負)他

1,959

百万円

2,297

百万円

17.3

 

 

 

エキスパートサービス(人材派遣)

1,959

百万円

2,297

百万円

17.3

 

 

インソーシング(委託・請負)

 

 

HRコンサルティング、教育・研修、その他

 

 

グローバルソーシング(海外人材サービス)

 

キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)

2,904

百万円

1,992

百万円

△31.4

 

アウトソーシング

4,276

百万円

5,782

百万円

35.2

ライフソリューション、パブリックソリューション

△477

百万円

△213

百万円

 

消去又は全社

△4,802

百万円

△5,370

百万円

 

合計

3,860

百万円

4,488

百万円

16.3

 

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末に比して4,620百万円増加し、21,062百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、6,464百万円前連結会計年度482百万円の増加)となりました。

 資金増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益4,090百万円(同3,861百万円)、減価償却費3,327百万円(同3,293百万円)、のれん償却額984百万円(同1,000百万円)、営業債務の増加1,615百万円(同42百万円)等によるものであります。
 資金減少の主な内訳は、売上債権の増加2,187百万円(同1,971百万円)、法人税等の支払額2,744百万円(同2,417百万円)等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、3,713百万円前連結会計年度2,176百万円の減少)となりました。

 資金減少の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出1,292百万円(同1,165百万円)、無形固定資産の取得による支出1,385百万円(同1,367百万円)、投資有価証券の取得による支出448百万円(同615百万円)等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は、1,890百万円(前連結会計年度2,024百万円の減少)となりました。

 資金増加の主な内訳は、長期借入れによる収入8,500百万円(同6,500百万円)等によるものであります。
  資金減少の主な内訳は、長期借入金の返済による支出4,956百万円(前連結会計年度4,437百万円)、配当金の支払1,116百万円(同971百万円)等によるものであります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

項目

平成25年

5月期

平成26年

5月期

平成27年

5月期

平成28年

5月期

平成29年

5月期

自己資本比率

29.3%

 27.9%

24.1%

22.2%

20.1%

時価ベースの自己資本比率

31.5%

 24.1%

35.0%

32.2%

35.8%

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

1.9年

 8.8年

1.6年

32.3年

2.9年

インタレスト・カバレッジ・レシオ

31.6

9.8

49.5

3.0

43.0

 

(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産

    時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

    キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

    インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

  2 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

  3 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

  4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

5 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

6 平成28年5月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率は、平成27年5月期と比較して大きく変動しております。これは営業キャッシュ・フロー項目の未払消費税等の増減額が減少したことが主な要因となっております。平成27年5月期末日において消費税率上昇により未払消費税残高が大きく増加しておりましたが、平成28年5月期においてこれを納付したことにより、営業キャッシュ・フローは大きく減少しております。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、福利厚生アウトソーシングなどの人材関連事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。

 

(2) 受注実績

生産実績と同様の理由により、記載しておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。

セグメントの名称

平成29年5月期

売上高(百万円)

構成比(%)

前期比(%)

HRソリューション

275,019

98.1

106.2

 

エキスパートサービス(人材派遣)、
インソーシング(委託・請負)他 

230,873

82.3

106.4

 

 

エキスパートサービス(人材派遣)

142,196

50.7

107.5

 

インソーシング(委託・請負)

76,579

27.3

104.8

 

HRコンサルティング、教育・研修、その他

5,834

2.1

103.2

 

グローバルソーシング(海外人材サービス)

6,263

2.2

102.6

 

キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)

14,961

5.3

92.2

 

アウトソーシング

29,184

10.4

113.5

ライフソリューション、パブリックソリューション

5,376

1.9

113.7

合計

280,395

100.0

106.3

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

上記に記載した当連結会計年度における売上高を地域別に示すと、次のとおりとなります。

区分

平成29年5月期

売上高(百万円)

構成比(%)

前期比(%)

北海道・東北

8,017

2.9

103.0

関東(東京以外)

24,506

8.7

104.3

東京

137,544

49.1

105.5

東海・北信越

20,023

7.1

104.4

関西

58,344

20.8

111.2

中国・四国・九州

25,379

9.1

105.1

海外

6,580

2.3

105.0

合計

280,395

100.0

106.3

 

 

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 (1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「社会の問題点を解決する」という不変の企業理念のもと、“年齢や性別に関わらず、誰もが自由に好きな仕事を選択することができ、それぞれのライフスタイルに合わせた働き方のできる社会”の実現を目指し事業活動を展開しております。
 現在私たちを取り巻く環境は変化し、保育園の待機児童や少子化問題、シングルマザーや働き盛りの介護離職問題、さらに高齢化と人口減少が進む地方の問題など働く人々に関わる問題は山積しています。これらの課題を解決するためには今までの「企業依存社会」から一人ひとりが自分のライフスタイルに合わせて働くことの出来る「個人自立社会」へと転換しなければなりません。今までの企業側からみた働き方ではなく、働く一人ひとりが主役の働き方の概念が必要で、それを我々は「Independent Work System」と位置づけます。これまで私たちは社会経済や環境の変化を迅速に捉え、常に新しい働き方や概念を創り出してきました。そして今後も「Smart Life Initiative」を掲げ、誰もが夢と誇りをもって活躍できる、真の豊かな社会の実現に向けて果敢に挑戦してまいります。 

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは人に関わるあらゆるインフラサービスを掲げ、ソーシャル・ワーク・ライフ・バランスを提言する企業としてそのフィールドは多岐に亘っております。多様化する社会ニーズに対応し、グループ連携とシナジー創出によって、企業価値を高めてまいります。また、持続的な売上成長を目指すと共に収益基盤の強化を図るべく、営業利益率も意識した経営を行ってまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループでは社会経済、働く環境の変化を的確に捉え、時代に合ったソリューションを提供しております。
そして、「Smart Life Initiative」の下、雇用創造はもとより、地方創生、教育、ヘルスケア、グローバルなどの成長分野に注力し、より多くの方々に就労機会を提供すると共に、新たなサービスを構築してまいります。
 また、これらの経営戦略を実現すべく人材教育にも力を注ぎ、組織、人事コンサルティングのプロフェッショナルスキルを持つ「HRコンサルタント」や国家資格を有する「キャリアカウンセラー」などの育成にも注力しております。加えて今後のグローバル展開を見据えて、社内のグローバル人材の育成と強化に努め、「ソーシャルソリューションカンパニー」として更なる信頼と企業価値の向上に努めてまいります。 

 

(4)会社の対処すべき課題

 国内では人材需給の逼迫が継続し、働く人々に関わる法律や制度などの変化に伴い当社グループの果たす役割はますます大きくなっています。そのような中で、環境に合わせた多様なソリューションを提供すると共に、働く人たちに寄り添い、一人ひとりが自分の人生設計に合わせた働き方が出来る社会の実現を目指し、引き続き事業展開を行ってまいります。このような方針のもと、以下を次期の重点戦略として掲げます。

 

①環境変化への対応力強化

 派遣法・労働契約法や「働き方改革」など法律、制度面の変化に伴って、寄せられるニーズは高度化・多様化しています。当社グループではRPO(採用アウトソーシング)、ベンダーマネジメント、BPO等、最適なソリューションを事業環境に即して開発、提案しています。次期は業務のロボット化やAI化を進め、更なる効率化とその支援を行う人材育成に取り組みます。また人材不足が続く中、派遣スタッフとのリレーションを引き続き強化し、キャリアアップ支援、サポートインフラの充実、スタッフ満足度の向上を図っていきます。

 

②コストシナジーの追求と収益性の向上

 グループ各社における業務プロセスを標準化し、ITシステム基盤の共通化を推進していきます。また、グループ各社が新拠点に結集したことにより、更なるオペレーションコストの削減や家賃の低減により収益性の向上を図っていきます。

 

 

③社会的価値の創造

 解決するべき社会的課題が増加・多様化している中で、当社グループは持続的成長を見据え、社会に必要とされる企業であるために果たしうる役割は大きく、また私たちの事業が社会変革の契機となることを期待し事業活動を行っております。次期は待機児童や介護離職の問題解決に加えて、外国人による家事代行事業など新たな社会インフラを構築し、女性の活躍支援を強化していきます。また、シェアリングエコノミー推進による地方創生への取り組みや、地域活性化を目的に日本の文化であるマンガ、アニメなどのコンテンツ産業を組み合わせた新規事業の展開などにも注力してまいります。

 

④個人自立社会実現への挑戦

 個人自立社会の到来を見据え、働く一人ひとりの夢や意思を尊重していくために、次期はグループ各社が結集したグループ本部「JOB HUB SQUARE」を情報発信の場としてその実現を加速してまいります。組織に縛られない自由な働き方や夢の実現を支援するインキュベーションの仕組み、リカレント教育(生涯教育)の推進など、個人が生き生きと働ける社会を目指して挑戦してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

 当社グループは経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定めております。また、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置し、危機管理マニュアルに基づいて日常の対策および緊急時に適切な対応を行う体制を整備しております。また、内部監査室による内部監査を通じて各部署の日常的なリスク管理状況を監視しております。

 なお将来に関する事項は、別段の記載のない限り当有価証券報告書提出日時点において判断したものであり、当社株式への投資に関連する全てのリスクを網羅するものではありません。

 

①個人情報および機密情報の管理について
 当社グループの各事業においては、派遣登録者、職業紹介希望者および再就職支援サービス利用者、さらにはアウトソーシング事業の会員企業の個人会員情報など、多数の個人情報を保有しております。当社グループでは個人情報保護方針を策定して個人情報の適正な取得・利用・提供等を行うと共に、個人情報についての開示・削除等の要求を受け付ける窓口を明確にしております。また、個人情報の漏洩や滅失を防止するために、技術面および組織面における必要かつ適切な安全管理措置を講じ、全役職員および全従業員に個人情報保護管理に関する教育を徹底しております。

 さらに当社グループおよび取引先に関する営業秘密・重要情報の漏洩を防止すべき情報管理体制・管理手法を定め、その周知と実施の徹底に努めております。
 当社グループの派遣スタッフおよび受託業務に従事するスタッフの秘密保持義務については、各就業規則、秘密情報保持規程において定めています。
 また、不正アクセス、標的型攻撃メールへの防御のための技術的対策、定期の社員訓練も実施しております。
 こうした当社グループの取組みにも拘わらず、各種規程類等の遵守違反、不測の事態等により個人情報および機密情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績および財務状況が影響を受ける可能性があります。

 

②派遣スタッフの確保について
 当社グループのエキスパートサービス(人材派遣)事業では、その事業の性質上、派遣スタッフの確保が非常に重要であり、当社グループは、派遣就業希望者をインターネット、新聞、雑誌等による広告や既登録者からの紹介などにより募集しております。また、当社グループでは、登録拠点の立地条件や店舗設備の充実、給与・福利厚生面での就労条件の充実、登録者一人ひとりのニーズに応じた就業機会を提供する担当者制の導入、教育・研修の拡充などにより、派遣スタッフの満足度を高めるよう努力し、派遣スタッフの安定確保に努めております。また、既に当社に登録しているものの現在は就業していない派遣スタッフとのコミュニケーションを強化し、既存登録者の囲い込みも進めております。しかしながら、このような施策によりましても、派遣需要に対して充分な派遣スタッフの確保を行えなかった場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

 

③派遣料金について

 当社グループのエキスパートサービス事業においては、派遣先企業に稼働時間単位または月単位で派遣料金を請求して売上を計上しており、売上原価として、業務内容や能力に応じて労働時間単位で派遣スタッフに支払う給与およびこれに伴う法定福利費、有給休暇取得費用、その他の費用を計上しております。当社グループは適正価格による取引、適正水準の給与支払いに努めており、派遣給与支払い水準の引上げや社会保険料負担増の際には請求料金についても値上げするべく派遣先企業との料金交渉に取り組んでおります。しかしながら、派遣給与と派遣料金の値上げまたは値下げが必ずしも同期しない可能性があることから、このような案件が急激に増加したり、同期しない期間が長期化した場合、エキスパートサービス事業の収益性が低下し、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

④インソーシング(委託・請負)事業について

 当社グループのインソーシング事業は、受託に際して、業務の範囲と内容、受注金額、受託期間、費用見積等を確認したうえで顧客との契約を締結しております。
 当社グループが業務履行、進捗管理および労務管理を行うため、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)室を設置して随時状況を確認し、適切な対応に努めております。こうした取組みにもかかわらず、インソーシング事業のため管理する顧客情報・個人情報の取扱い上の事故、パブリック事業にかかわる手続きの過誤、その他予期せぬ事態や想定を超えたコストが発生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

⑤再就職支援事業について

 当社グループの再就職支援事業では、会社都合による企業の退職者または退職予定者に対して、次の再就職先が決定するまでの間、全国の拠点で、職務経歴書作成、面接対策、求人情報の提供、メンタルケアなどの支援を行っております。利用者ごとに担当のコンサルタントを定め、カウンセリング、求人情報の収集・紹介に注力するとともに、再就職支援活動を詳細に把握しアドバイスをすることで早期再就職決定につなげております。サービスレベル向上による取引先からのリピートオーダーの獲得と、積極的な営業活動により新規受注の獲得に努めておりますが、取引先の雇用政策や経済環境の影響を受けやすく、各拠点における受注動向や受注料金水準、再就職決定状況により、収益性が変動する可能性があります。
 また、全国的な拠点ネットワークの維持は、求職活動の拠点となる施設を備えた店舗を設置し、コンサルタントを配置して、一定のサービスレベルを維持することを意味しますので、固定費負担も少なくありません。拠点やコンサルタントの配置について、経済環境の変化に応じた機動的な対応ができるとは限らず、拠点ネットワーク維持のための固定費が負担となる可能性があります。今後の経済環境により、再就職決定率が低下したり、再就職決定までの期間が長期化した場合、固定費負担が増加し、収益性が低下することにより、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

 ⑥福利厚生アウトソーシング事業について

 当社グループの福利厚生アウトソーシング事業は、主に企業や官公庁・自治体などが株式会社ベネフィット・ワンと契約することにより法人会員となり、法人会員の従業員が同社と契約関係にあるサービス提供企業の運営する宿泊施設やスポーツクラブ、各種学校等の福利厚生メニューを会員価格で利用できるサービスです。
 株式会社ベネフィット・ワンは法人会員から入会金および従業員数に応じた月会費を収受し、従業員が宿泊施設等を利用した際に、加入コースに応じた補助金を支給することがあります。会費収入と補助金支出の割合は一定範囲となるよう注意してバランスをとっておりますが、想定を超える利用がある場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
 また、同社は福利厚生事業で培ったサービスインフラを多重的に活用し、新規事業を創出しております。進捗状況を常に把握し、既存の営業網を活用しながら早期育成に取り組んでおりますが、こうした取り組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

⑦法的規制について

a. エキスパートサービス(人材派遣)事業

(イ)事業の許認可について

 当社グループのエキスパートサービス事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事由に該当したり、法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、または事業の停止を命じる旨を定めております。当社グループでは株式会社パソナグループの法務室、コンプライアンス室を中心に適正な派遣取引のためのガイドラインを作成し、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、万一当社グループ各社および役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取り消し、または、事業停止を命じられるようなことがあれば、労働者派遣事業を行えなくなることが考えられます。また、労働者派遣法および関係諸法令については、労働市場をとりまく状況の変化等に応じて今後も適宜改正が予想され、その変更内容によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(ロ)労働者派遣法の改正について

 平成27年9月30日付で労働者派遣法が改正され、派遣スタッフ個人単位の派遣期間制限(3年)と、派遣先の事業所単位の期間制限(3年、一定の場合に延長可)が設けられました。加えて、派遣スタッフに対するキャリアアップ措置や、派遣先従業員と派遣スタッフの均衡待遇に配慮すること、さらには派遣スタッフ個人単位の期間制限の上限に達した場合、派遣元事業主が雇用安定を図るための措置を講じることなどが義務付けられました。
 当社グループは従来から派遣スタッフの専門性強化に注力し、実務や資格取得に役立つ教育研修プログラムの開発・提供や、キャリア・コンサルティングの拡充を推進しておりますが、雇用安定措置等の今後の運用や、平成25年4月に本格施行された改正労働契約法など諸労働法令の改正および運用状況によっては、エキスパートサービス事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

b. 人材紹介事業

 当社グループが行う人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。平成11年12月には、職業安定法の改正を受けて、取扱職業の拡大、紹介手数料制限の緩和および新規学卒者の職業紹介が可能となっているほか、平成12年12月には人材派遣事業と人材紹介事業の兼業規制に関する緩和が行われており、いわゆる紹介予定派遣が可能となっております。
 人材紹介事業についても、一定の要件を満たさない場合には人材派遣事業と同様に許可の取消し、事業の停止といった措置が規定されていることから、同様のリスクが想定されます。

 

c. 再就職支援事業

 当社グループが行う再就職支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。収益構造やビジネスモデルは人材紹介事業とは異なりますが、求職者を求人企業に紹介するという点において前述の人材紹介事業と同様の規制、指導および監督を受けることから、同様のリスクが想定されます。

 

⑧社会保険料負担について

 当社グループでは、従業員に加えて現行の社会保険制度において社会保険加入対象となる派遣スタッフの完全加入を徹底しております。社会保険料の保険料率や被保険者の範囲等は適宜改定されていることから、社会保険制度の改正に伴って会社負担金額が大幅に上昇する場合、当社グループの財政および業績が影響を受ける可能性があります。
 厚生年金保険については、平成16年の年金制度改革により、標準報酬月額に対する会社負担分の料率は平成16年10月時点の6.967%から毎年0.177%ずつ引き上げられ、平成29年以降は9.15%で固定されることとなっております。また平成28年10月から、週20時間以上働く短時間労働者にも厚生年金保険および健康保険の適用が拡大されました。
 健康保険については、当社グループの従業員および派遣スタッフが属する人材派遣健康保険組合は高齢者加入率が低く、従来の老人保健拠出金は他の健康保険組合に比べ低い水準でした。しかし平成20年4月の医療制度改革において、老人保健拠出金に代わって新たに後期高齢者支援金および前期高齢者納付金の負担が課されたため、人材派遣健康保険組合における健康保険料の会社負担分の料率は30.5/1000(平成19年度)から38.0/1000(平成20年度)へと大幅に引き上げられました。以来、段階的に引き上げられており、平成29年度は48.0/1000になります。
 さらに介護保険料率も、平成24年度に8.5/1000(平成23年度)から10.35/1000へと大幅に引き上げられ、平成29年度は10.4/1000となりました。同健康保険組合の財政は大変厳しい状態にあり、今後さらに保険料率が上昇した場合、収益の圧迫要因となる可能性があります。
 雇用保険についても、平成22年4月1日付の制度改正により、雇用保険料率と会社負担分の料率がともに上昇したうえに、雇用保険の適用基準が緩和され、適用範囲が「6か月以上雇用見込み」(平成21年度)から「31日以上雇用見込み」の労働者に拡大しました。さらに平成29年1月以降は、65歳以上の労働者も雇用保険の適用対象となりました。平成29年度の一般の事業における会社負担分の料率は平成28年度の7/1000から6/1000に引き下げられましたが、今後、雇用保険制度の改正によって保険料率が上昇したり、加入対象者や被保険者数が大幅に増加した場合、収益の圧迫要因となる可能性があります。

 

⑨当社代表取締役南部靖之およびその近親者の出資する会社との関係について
 当社代表取締役南部靖之およびその近親者(同氏の二親等内の親族。以下同じ)、ならびに同氏およびその近親者が議決権の過半数を自己の計算において保有する会社等は、平成29年5月末現在、合わせて当社の議決権の51.27%を保有しておりますが、コーポレートガバナンス体制を十分に機能させることにより、適切な事業運営に努めております。

 

⑩事業投資について
a.子会社・関連会社への投資
 当社グループの関係会社のうち、上場子会社などは市場動向に株価が左右されることもあり、今後の動向によっては関係会社株式の評価替えなどにより、単体の業績や資産の額に影響を与える可能性があります。
 当社グループは今後も、取引先や就労者の多様なニーズに応じて事業投資を積極的に行っていく考えであります。新規の事業投資については、進捗状況を常に把握し、既存の事業インフラや営業網も活用しながら、早期育成に取り組んでおりますが、こうした取組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

b.企業買収について
 当社グループは、本業の強化補強を図る有効な手段として、積極的に人材関連の企業買収等に取り組んでいきたいと考えております。買収に当たっては、インハウス系(親会社のグループ、系列企業への人材派遣を主目的に設立された派遣会社)や専門特化した分野で強みを持つ派遣会社および周辺事業分野での有力企業を対象とすることで、当社グループの事業領域の補完、連結収益力の向上を図ってまいりたいと考えております。
 こうした企業買収に伴い、多額の資金調達およびのれんの償却等が発生する可能性があるほか、これらの買収が必ずしも当社グループの見込み通りに連結収益に貢献したり、シナジー効果を生むとは限らず、買収した企業の収益性が著しく低下した場合、のれんの減損が生じるなど当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

c. 地方創生事業に係る商業施設について
 当社グループの地方創生事業においては、地方の活性化と人材育成および雇用創造の拠点として複数の商業施設を運営しており、既存の人材サービスと異なる以下のような固有のリスクが想定されます。
・天候、災害等の影響により、利用者が減少したり、営業休止を余儀なくされる可能性があります。また、利用者の高い満足度を得られない場合、収益が計画を下回ったり、追加投資が必要になる可能性があります。
・施設におけるアトラクション等の安全管理や食事の提供や食品の販売において、品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、万一事故が発生した場合、当社グループの信頼性が低下したり、訴訟などが発生する可能性があります。 

 

⑪資金調達について
 当社グループは、グループCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)によるグループ各社間の資金の有効活用を図っているほか、金融機関との間にコミットメントラインを設定しております。また、資金需要に応じた個別借入れを行うことにより資金を確保していますが、今後の経営状況や金融市場の動向などにより、資金調達に影響が出た場合、当社グループの事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑫人材サービス市場について
 当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、アウトソーシング、福祉介護、家事代行など人材サービスの総合化を推進し、特定の領域に偏らない事業ポートフォリオの構築を進め、また海外への展開を積極的に行っているほか、雇用のあり方に関する情報発信、啓蒙活動や各種提案に積極的に取り組んでおります。しかし、国内外の景気変動やビジネス環境の変化に伴う顧客の人材需要、採用動向、外部人材の活用や人材育成に関する戦略などの変化の影響を受け、市場環境や顧客需要が急激に変化した場合、収益に影響を受ける可能性があります。また各種関連法令において規制を受ける場合もあり、様々なサービスを拡充することでリスク分散は図ってまいりますが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬自然災害およびシステム障害等について
 当社グループは全国にグループ会社と営業拠点を有しており、地震や水害など大規模な自然災害が発生した場合に備えて、従業員および派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための対策を危機管理マニュアルに定めております。また、事業拠点や情報システムの機能分散など事業継続のための施策も講じております。しかしながら、想定を大きく上回る規模で自然災害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループは事業活動や情報管理にITシステムを多用しており、何らかの原因によって大規模なシステム障害が発生した場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社の完全子会社である株式会社パソナは、平成29年3月24日の取締役会において、日本電信電話株式会社グループの人材サービス会社であるNTTヒューマンソリューションズ株式会社及びテルウェル・ジョブサポート株式会社の株式を取得し子会社化すること、ならびに株式会社エヌ・ティ・ティ エムイーサービス、NTTソルコ&北海道テレマート株式会社、テルウェル西日本株式会社、ドコモ・データコム株式会社の人材派遣事業を譲り受けることを決議し、同日付で株式譲渡契約及び事業譲受契約を締結し、平成29年8月1日付で実施しました。
 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の(重要な後発事象)をご参照ください。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての会計基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
①売上高

 当連結会計年度はエキスパートサービス(人材派遣)、BPO事業であるインソーシング(委託・請負)とアウトソーシングをはじめ、ほとんどのセグメントで増収となり、売上高は前連結会計年度比16,667百万円増の280,395百万円となりました。

 

②営業利益及び経常利益

 売上総利益は、エキスパートサービス、アウトソーシング、インソーシングの増収などにより、前連結会計年度比3,808百万円増の56,617百万円となりました。

 販管費は、年金資産の運用利回り低下とマイナス金利政策に伴う割引率見直しにより退職給付費用が大幅に増加したこともあり、前連結会計年度比3,180百万円増の52,128百万円となりましたが、営業利益は前連結会計年度比628百万円増加の4,488百万円となり、経常利益も前連結会計年度比464百万円増加の4,319百万円と、共に増益となりました。

 

 

③親会社株主に帰属する当期純損益

税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比228百万円増加の4,090百万円となりました。法人税等が前連結会計年度比95百万円増加、非支配株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比506百万円増加した結果、親会社株主に帰属する当期純損失129百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益243百万円)となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

①流動性と資金の源泉

当社グループの所要資金は、大きく分けて店舗及びIT関連設備投資や、子会社・関連会社への投融資資金及び経常の運転資金となっております。これら所要資金のうち、店舗及びIT関連設備投資、出資・貸付等の投融資関連については、適宜、自己資金及びファイナンス・リース、銀行からの長期借入により調達しております。また、経常運転資金については、グループCMSによるグループ資金の有効活用で対応しております。

当連結会計年度の設備投資は総額4,227百万円であり、その主なものは、新規拠点の開設及び既存拠点の改修に伴う建物(建物附属設備を含む)及びリース資産として2,696百万円、基幹業務システム開発・改修に伴うソフトウエア1,531百万円であります。

現状、当社グループでは通常の店舗投資やIT投資等に必要な事業資金は充分に確保されていると認識しており、グループCMSによるグループ資金の有効活用に努め、更に金融機関との間にコミットメントラインを設定すること等により、急な資金需要や不測の事態にも備えております。今後につきましても、主たる事業であるエキスパートサービス、インソーシング事業の業績拡大期には先行的に運転資金が増大するビジネスであること、事業拡大に伴い店舗投資や情報化投資の増加が見込まれること、などを考慮して、充分な流動性を維持していく考えです。

 

②キャッシュ・フロー

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

③資産、負債及び純資産

 a.資産

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて9,228百万円増加10.8%増)し、94,584百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加4,978百万円、受取手形及び売掛金の増加2,214百万円、投資有価証券の増加676百万円等によるものであります。

 

 b.負債

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて7,900百万円増加13.5%増)し、66,522百万円となりました。これは主に、長期借入金の増加3,210百万円、未払金の増加1,697百万円、未払費用の増加1,130百万円等によるものであります。

 

 c.純資産

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,327百万円増加5.0%増)し、28,062百万円となりました。これは主に、非支配株主持分の増加1,229百万円、配当金の支払447百万円、退職給付に係る調整累計額の増加497百万円等によるものであります。

 

 





出典: 株式会社パソナグループ、2017-05-31 期 有価証券報告書