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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の当社グループを取り巻く市場環境は、一部に企業収益の改善の兆しが見られ広告宣伝費が回復基調にあるものの、受注単価は下落傾向にあり、継続的なレギュラー広告宣伝活動よりもスポットでの集中的な広告施策が選択されるトレンドにありました。また、平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、回復の兆しを見せていた国内景気に不安が増すとともに広告市場の景気動向は不透明な状況のまま推移しております。 
 こうした環境の下、クライアントニーズに対応すべく、費用対効果の高いワンストップソリューションの提供やPRコンサルティング領域のサービスの提供に注力しました。また、受託型ビジネスだけに留まらず、震災後すぐに海外でのチャリティーマッチ「TAKE ACTION」を企画・実施、またbillsお台場店舗をオープンする等、震災後の市場・消費を活性化すべく、PRノウハウを活かした自社創造型領域での活動にも注力してまいりました。また、平成23年1月に持分取得を行ったWIST INTERNATIONAL LIMITEDでは、新規玩具メーカーのOEMを受託するなど業績は順調に推移し、連結経営成績への着実な貢献が始まりました。 
 その結果、当連結会計年度の業績は、売上高7,744百万円(前年同期比28.4%増)、営業利益181百万円(前年同期は210百万円の営業損失)、経常利益204百万円(前年同期は191百万円の経常損失)、当期純利益は69百万円(前年同期は418百万円の当期純損失)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

 

コミュニケーション事業

PR、SP、イベント制作、ネットプロモーションの統合提案を実施し、また、震災後にスポット契約案件の延期・中止が発生した一方、震災後の広報対応等コンサルティング領域におけるニーズの増加に応える形でPRコンサルティング領域のサービス提供を実施しました。その結果、当連結会計年度の売上高は1,688百万円(前年同期比3.8%増)となりました。

 

スポーツ事業

当社契約アスリートの肖像権契約が順調に推移したことに加え、中田英寿が続けてきた日本の旅を多角的にコンテンツ展開する番組(日本テレビ系列「Revalue NIPPON Project 中田英寿 日本をつなぐ」)の制作及び番組放映枠の販売を実施いたしました。その結果、当連結会計年度の売上高は、981百万円(前年同期比27.8%減)となりました。

 

開発事業

当社所属スペシャリスト早野実希子のオリジナルプロダクト「SIGNATURE CANDLES」の企画販売、世界初のティアラデザイナー紙谷太朗によるウエディング向けティアラ「TARO KAMITANI」のレンタルビジネス展開等の企画開発を行い、当連結会計年度の売上高は204百万円(前年同期比13.3%増)となりました。

 

SP・MD事業

広告代理店経由の飲料キャンペーン等の受注が順調に推移しました。またWIST INTERNATIONAL LIMITED及びWIST PLASTIC TOYS CO,LTDのグループ化により、大手玩具メーカーからのOEM受託などが増加いたしました。その結果、当連結会計年度の売上高は4,087百万円(前年同期比67.8%増)となりました。

 

⑤bills事業

 当社所属スペシャリスト、ビル・グレンジャー(Bill Granger)による七里ヶ浜、横浜赤レンガ倉庫、お台場(平成23年7月16日開店)でのレストラン「bills」の運営を行っており、継続的に店舗PR、ブランディングを推進しております。震災発生後においてはすぐに客足が回復し、当初計画以上の売上で推移しております。その結果、当連結会計年度の売上高は728百万円(前年同期比83.2%増)となりました。

 

⑥その他の事業

 主に当社社屋1階の直営レストラン「SUNNY TABLE」の運営等を行い、当連結会計年度の売上高は53百万円(前年同期比78.0%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、1,035百万円(前連結会計年度末比783百万円増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により得られた資金は1,004百万円(前連結会計年度は524百万円の支出)となりました。主な要因としましては、売上債権の減少額418百万円及び仕入債務の増加額72百万円、たな卸資産の増加額65百万円、SP事業での前渡金の減少額148百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、投資活動により支出した資金は19百万円(前連結会計年度より182百万円の支出減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出11百万円、billsお台場店出店における敷金及び保証金の差入による支出10百万円が主な要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、財務活動により支出した資金は196百万円(前連結会計年度は468百万円の増加)となりました。これは、短期借入金の純減額473百万円、長期借入れによる収入354百万円、長期借入金の返済による支出98百万円、自己株式の処分による収入31百万円によるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当社グループの主たる業務は、PR及びSP活動の支援やマネジメント業務等の役務を提供する業務であるため、生産に該当する事項はありません。

(2) 受注状況

当社グループの主たる業務は、PR及びSP活動の支援やマネジメント業務等の役務を提供する業務であり、受注販売を行っておりませんので、該当する事項はありません。

(3) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成22年7月1日

至 平成23年6月30日)

前年同期比(%)

コミュニケーション事業(千円)

1,688,279

103.8

スポーツ事業(千円)

981,496

72.2

開発事業(千円)

204,301

113.3

SP・MD事業(千円)

4,087,916

167.8

bills事業(千円)

728,986

183.2

その他(千円)

53,721

178.0

合計(千円)

7,744,702

128.4

 (注)1.セグメント間の取引は、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成21年7月1日

至 平成22年6月30日)

当連結会計年度

(自 平成22年7月1日

至 平成23年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社電通テック

400,677

6.6

1,321,905

17.1

3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 当社グループでは継続的な収益力の強化を図るために前期から戦略的な経営指針のもと、コミュニケーション事業においては、PRを軸とするコミュニケーションサービスのさらなる強化を図るために、部門間連携及びグループ会社間連携による、トータルコミュニケーションサービスの提案に注力してきました。またスポーツビジネスにおいては、これまで収益の中心であった肖像権ビジネスを展開するアスリートマネジメント業務だけでなく、新たな収益モデルを構築すべくスポーツプロモーション領域やスポーツマーケティング領域にも注力してまいりました。
 平成24年6月期はこの流れをさらに強化。既存の受託型コミュニケーション事業領域においては、これまでPR本部に内在していたメディアとのネットワーク機能を全社ソリューション化、さらには、個人や組織といった社内リソースの強化だけでなく、戦略的な業務提携によって社外リソースを柔軟に活用するなど、顧客にとっての真の課題解決に向けた付加価値の高いサービス提供を目指しています。そして、さらなる成長を目指すべく既存の受託型ビジネスの強化に留まらず、これまで培ったPRを軸とするコミュニケーションのノウハウを活用した創造型ビジネス(新規事業開発)にも積極的に取り組んでまいります。このように受託型のコミュニケーションサービス提供と、そのノウハウを強みとする創造型の新規事業開発を展開する当社グループを「創造型PR商社」と位置づけます。このような企業体を目指す上で配慮するべき課題は以下のとおりです。

 

①柔軟なトータルコミュニケーションサービス提供の強化
 現在、顧客から求められているコミュニケーションサービスは、タイムリー且つ費用対効果の高い施策です。このような環境下において当社としては、グループ内にPR・プロモーション・インタラクティブ・SPといったソリューションを保有するがゆえにワンストップで実現できる、スピーディー且つ統合的なコミュニケーションサービスを提供してまいります。さらには効果的な業務提携を図りながら、コミュニケーション領域の「進化・深化」を図ってまいります。このような顧客へ提供するコミュニケーションサービスの強化が、今後積極的に取り組む新規事業開発での優位性を培うことに繋がると考えております。 

 

②アスリートマネジメントビジネスからスポーツプロモーションビジネスへの発展
 従来のマネジメント業務においては、中田英寿や上田桃子等の世界に通用するトップアスリートと契約し、サポート業務を行うと同時にPRのノウハウを活かしたブランディングを行ってアスリートの価値を高めた結果として、企業・団体との広告契約やメディア出演等を果たし、そこで獲得する報酬のマージンを事業の収益の柱としていました。しかしながら、スポーツ分野におけるマネジメント事業の収益性は、アスリートの成績や競技の人気度といった不確定要素に大きく左右される傾向にあります。したがって今後は、スポーツビジネスの安定的且つさらなる成長を目指すために、総合的なスポーツプロモーション領域に注力し、スポーツに関わる様々なビジネス・シーズを開発、実現させていく必要があります。さらに、当社所属外のアスリートをも対象にした企画開発業務にも注力していく予定です。

 

③グループ間連携の強化
 当社グループでは、平成18年7月1日に株式会社ワイズインテグレーションを株式交換により完全子会社化し、SP・MD事業を開始。平成20年11月には株式会社トランジットジェネラルオフィスと合弁会社「株式会社フライパン」(51%出資、当社子会社)を設立しレストラン「bills」を展開。さらに平成23年1月には香港法人WIST INTERNATIONAL LIMITEDを買収してSP・MD事業における企画製作力の強化を行いました。このように、シナジーを生み出すポテンシャルのあるグループを戦略的に構築していく中で、PRを中心とするコミュニケーションノウハウを重要な経営資源としてグループ間連携をさらに深めることで、世の中にブレークスルーをもたらす新たな価値を提供できると考えております。

 

④人材の確保・育成
 当社グループ各事業における他社との優位性は、当社の理念である「たのしいさわぎをおこしたい」をベースとした企画力と実行力を兼ね備えた優秀な人材によるところが大きいと考えます。既存のコミュニケーション事業においては、人材不足の理由から受注を断念する案件もあり、安定した収益確保のためには優秀な人材の確保・育成が極めて重要であると考えています。さらには今後「創造型PR商社」として新規事業開発に注力する中では事業開発力が必須となります。そのため、当社不変の理念をベースにしながら「創造型PR商社」機能をドライブさせるために、採用・教育・評価といった一連の人事プロセスをグループの方向性と合致させ、またそれを支える最適な組織を柔軟に形成するなど、戦略的な人事業務及び組織構築を行っていきたいと考えております。
 

4【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

 当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを網羅するものではありませんのでご留意下さい。なお、当該記載事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 
(1) 経済状況・市場環境について

  一般的に企業が支出するマーケティング、コミュニケーションサービスに関する費用は、景気動向によって増減する傾向にあります。このため、当社のコミュニケーション事業における企業からの受注件数や受注金額は、景気動向によって影響を受ける可能性があります。また、スポーツ事業においても、契約アスリート等の肖像権を使用したコマーシャル出演契約等の契約件数及び契約金額が影響を受ける可能性があります。
 当社では、特にコミュニケーション事業においては、受注先クライアントの数と業種をさらに拡大し、景気動向による影響を分散化すると同時にレギュラー契約(長期契約)の受注割合を増加させることで、安定した売上の確保を目指しております。また、クライアントの事業環境に直接的に影響を受ける従来の受託型ビジネスではなく、自ら仕掛ける創造型ビジネス領域から得られる収益の全社比率を向上させていくことで、景気動向による影響を最小限に止める方針でありますが、かかる方針にもかかわらず、景気動向によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 主要アスリート等について

 当社グループは、契約アスリート等のセカンドキャリアを視野に入れたブランディングとメディア露出戦略を実践していくことで、契約アスリート等との長期的な契約関係の維持を図っておりますが、マネジメント契約はその期間が定められており、毎回更新できる保証はありません。

 また、当社グループでは、引退したアスリートに対しても、引退後における収入の確保のための企画・提案を行う等の長期的視野に立ったマネジメントを提供しておりますが、予期せぬ怪我・不祥事等による突然の引退・活動休止等が発生する可能性や、当社グループがマネジメント戦略上、当該人物のメディアへの出演や活動を抑制する可能性があります。さらに不祥事を起こした場合等においては、取引先との間で既に締結した広告出演契約を解除され、受領済みの契約金の一部又は全部を返金しなければならなくなる可能性があります。

 

(3) メディアとの関係について

 当社グループは、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等のメディア各社に対し、長期的に有用な情報を提供し続けてきた実績により、メディア各社との良好な関係を築いております。また、当社グループでは、社員への教育の徹底により、クライアントから提供される情報の信頼性を判断する体制の強化に努め、メディア各社との信頼関係の維持・確立に努めております。

 しかしながら、当社グループが誤った情報を提供するなどにより、メディア各社からの信頼を失った場合、PR事業においてメディアの取材を受けられずに、効果的なPR活動が行えなくなるなどにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 業界特有の取引慣行について

 コミュニケーション事業では、情報統制の必要性から一業種一社制(一業種につき一社のみをクライアントとする制度)が望まれる傾向にあり、新規クライアントの獲得が、同業種クライアントとの契約により制限される場合があります。当社グループでは、コミュニケーション事業部門にクライアント別の複数の部を設置し、情報管理の徹底を図ることで、同業種における複数のクライアント獲得を目指しておりますが、国内国外のクライアントを問わず一業種一社制が浸透した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、当社グループが展開する各事業において、取引の機動性と柔軟性を重視する業界特有の取引慣行により、正式な契約書、発注書が発行されない場合も多く、役務提供過程において企画内容、実施時期、報酬額及びその支払時期等が変更される場合もあります。当社グループでは、契約書、発注書等が発行されない場合でも、取引先との間で受注確認票等の文書を取り交わすこととしており、取引の明確化を図っております。しかしながら、取引条件について取引先との認識の相違や係争が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 人材の確保について

 当社グループの事業を遂行するにあたって、各事業の相乗効果を最大限に発揮しながらクライアント等の要請であるメディア露出やブランディング等の企画を行い、かつ各クライアント・各メディアとの良好なコミュニケーションを図ることができる優秀な人材の確保は、当社の競争力を維持していく上で必要不可欠なものであります。当社グループでは、平成19年4月新卒採用から全社的な定期的新卒採用を開始し、中途採用の募集も適宜実施しております。また、既存社員においては、他部署やグループ企業間の異動・出向も含め、活発な人的交流とコミュニケーション力強化の教育・研修等を導入することにより、人材育成にも力を入れております。さらに、今後は新規事業開発に注力していくことから、既存社員の育成に加えて、事業開発ノウハウのある人材確保にも注力してまいります。しかしながら、業容拡大に合わせ、当社グループが求める能力を有する十分な人材確保ができなかった場合や、人材の流出が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 知的財産権等について

 当社グループは、各事業の推進に当たって、各種知的財産権等の権利物を扱う場合があります。当社グループでは、こうした権利物を扱う場合には、権利関係の事前調査や顧問弁護士への相談を徹底し、第三者の知的財産権等の各種権利の侵害がないように努めておりますが、かかる措置にもかかわらず、第三者の権利を侵害してしまった場合、損害賠償金や訴訟費用の支出を余儀なくされる可能性があり、当社グループの業績及び社会的信用に影響を与える可能性があります。

 

(7) 情報管理について

 当社グループは、業務の性質上、クライアントの企業情報やマーケティングに関する機密情報、また、イベントや消費者キャンペーン等において個人情報等を入手する場合があります。当社では、平成20年3月にISO27001情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得し各種情報の管理体制を構築し、社員教育等により従業員のモラル向上を図るなど、情報の取扱いには細心の注意を払っておりますが、かかる措置にもかかわらず、これらの情報の漏洩や不正使用があった場合、損害賠償金や訴訟費用の支出を余儀なくされる可能性があり、当社グループの業績に影響及び社会的信用に影響を与える可能性があります。

 

(8) SP事業におけるリスクについて

 当社グループは、完全子会社である株式会社ワイズインテグレーション及びその完全子会社である有限会社ワイズ・エムディ、WIST INTERNATIONAL LIMITEDにおいてSP事業を行っており、リスク要因等については以下のようなものがあります。

 

①海外への事業展開について

 SP事業において、海外での事業展開を行っておりますが、今後当該国地域における法律等の改正や紛争、災害等の不測の事態が発生した場合、また、当該国特有の商慣習への対応が困難となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

②生産国の経済情勢や為替相場変動、輸出入関税等について

 SP事業において、プレミアムグッズ(販促用景品等)の制作を中華人民共和国等の海外工場へ外注しております。また、これら輸入取引は原則として米ドル建て決済で行っております。急激な為替相場の変動や生産国の政治情勢及び経済情勢、輸出入関税等に著しい変化が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③不良品の発生及び製造物責任について

 SP事業において、制作するプレミアムグッズの外注先選定については、外注先の過去の取引実績や品質管理体制を確認した上で取引を開始していることに加え、生産過程においても、当社グループ従業員が現地工場にて検品を行うなど、不良品の発生防止のための措置を講じております。しかしながら、万一、不良品が発生し、それらを取引先に納品した場合、当該取引先からの値引きや返品・交換等の負担が発生し、当社グループの取引先に対する信用の失墜にもつながった場合、また、制作物の欠陥が原因となり事故が発生した場合には損害賠償により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 新規事業開発について

 当社グループの今後の事業展開としまして、事業規模の拡大と高収益化を目指して、既存の受託型事業に留まらず新規事業開発に積極的に取り組んでいく方針でありますが、とりわけ新規事業の立ちあげについては、既存の受託型事業よりもリスクが高いことを認識しております。入念な市場分析や事業計画構築にも関わらず、予測とは異なる状況が発生し、計画どおりに進まない場合は、投資資金を回収できず当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(10) 企業活動におけるレピュテ—ション・リスクについて

 当社グループといたしましては、広範な分野を収益機会として捉え、積極的な事業展開を行う方針でありますが、とりわけ社会貢献活動に係る支援業務につきましては、PR活動等のあり方の重要性を強く認識しております。また、各事業の企画・立案にあたりましては、当社へのレピュテーション・リスク等を詳細に分析・評価することが不可欠であると考えております。しかしながら、このような適切なリスク管理体制の構築ができなかった場合には、企業に求められる説明責任を十分に果たせないことになり、当社業績に影響を与える可能性があります。

 

(11) ストック・オプションによる株式の希薄化

 本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は78,800株であり、発行済株式総数847,600株の9.3%に相当します。今後も役員及び従業員等のモチベーション向上や優秀な人材確保を目的として、ストック・オプションによる新株予約権を発行することを予定しております。将来、これら新株予約権の行使が行われた場合、1株当たりの株式価値が希薄化することになります。

 

(12)bills事業について

 bills事業においてレストランを展開する当社グループにとって、最大のリスク要因は食中毒の発生と認識しており、対策を講じております。しかしながら万が一、不可抗力的な食中毒が発生した場合、社会的信用を失うことによる売上高の減少、損害賠償による損失の発生、一定期間の営業停止や営業許可の取り消しなどにより、当社グループの経営成績および財政状態に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 


 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当連結会計年度末時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要がありますが、結果としてこのような見積りと実績が異なる場合があります。当社グループが採用しております会計方針のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

    当連結会計年度の業績は、売上高7,744,702千円(前期比28.4%増)、営業利益181,055千円(前期は210,050千円の営業損失)、経常利益204,074千円(前期は191,586千円の経常損失)、当期純利益は69,084千円(前期は418,239千円の当期純損失)となりました。 

  ①売上高

コミュニケーション事業においては、PR、SP、イベント制作、ネットプロモーションの統合提案を実施し、また、震災後にスポット契約案件の延期・中止が発生した一方、震災後の広報対応等コンサルティング領域におけるニーズの増加に応える形でPRコンサルティング領域のサービス提供を実施しました。その結果、当連結会計年度の売上高は1,688,279千円(前期比3.8%増)となりました。

スポーツ事業においては、当社契約アスリートの肖像権契約が順調に推移したことに加え、中田英寿が続けてきた日本の旅を多角的にコンテンツ展開する番組(日本テレビ系列「Revalue NIPPON Project 中田英寿 日本をつなぐ」)の制作及び番組放映枠の販売を実施いたしました。その結果、当連結会計年度の売上高は、981,496千円(前期比27.8%減)となりました。

開発事業においては、当社所属スペシャリスト早野実希子のオリジナルプロダクト「SIGNATURE CANDLES」の企画販売、世界初のティアラデザイナー紙谷太朗によるウエディング向けティアラ「TARO KAMITANI」のレンタルビジネス展開等の企画開発を行い、当連結会計年度の売上高は204,301千円(前期比13.3%増)となりました。 

SP・MD事業においては、広告代理店経由の飲料キャンペーン等の受注が順調に推移しました。またWIST INTERNATIONAL LIMITED及びWIST PLASTIC TOYS CO,LTDのグループ化により、大手玩具メーカーからのOEM受託などが増加いたしました。その結果、当連結会計年度の売上高は4,087,916千円(前期比67.8%増)となりました。

bills事業においては、当社所属スペシャリスト、ビル・グレンジャー(Bill Granger)による七里ヶ浜、横浜赤レンガ倉庫、お台場(平成23年7月16日開店)でのレストラン「bills」の運営を行っており、継続的に店舗PR、ブランディングを推進しております。震災発生後においてはすぐに客足が回復し、当初計画以上の売上で推移しております。その結果、当連結会計年度の売上高は728,986千円(前期比83.2%増)となりました。

 その他の事業においては、主に当社社屋1階の直営レストラン「SUNNY TABLE」の運営等を行い、当連結会計年度の売上高は53,721千円(前期比78.0%増)となりました。

 

  ②売上原価

 売上原価に関しましては、抜本的な全社構造改革の実行による労務費・間接経費の圧縮、地代家賃の減少がありましたが、売上高増加に伴い、売上原価は6,453,161千円(前期比29.5%増)となりました。なお、売上原価には、Egg Store商品の仕入高が含まれております。

 

  ③販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費に関しましては、上記売上原価と同様、抜本的な全社構造改革の実行による労務費・間接経費の圧縮、地代家賃の減少が影響し、販売費及び一般管理費は1,110,486千円(前期比11.8%減)となりました。

 

  ④営業外収益・営業外費用

 営業外収益・営業外費用に関しましては、受取家賃45,231千円、生命保険解約返戻金8,252千円及び負ののれん償却額6,937千円等により、営業外収益は66,054千円(前期比48.4%増)となりました。

また、支払利息14,350千円、賃貸物件に伴う賃貸費用12,574千円及び売上債権のファクタリング契約に係る売上債権売却損10,609千円等により、営業外費用は43,035千円(前期比65.2%増)となりました。

 

  ⑤特別利益・特別損失

 特別利益・特別損失に関しましては、貸倒引当金の戻り入れによる特別利益8,057千円となり、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額として1,456千円、賃貸借契約解約損として27,917千円、減損損失として35,218千円により、特別損失は64,919千円(前期は231,355千円)となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 一般的に企業が支出するマーケティング、コミュニケーションサービスに関する費用は、景気動向によって増減する傾向にあります。このため、当社のコミュニケーション事業における企業からの受注件数や受注金額は、景気動向によって影響を受ける可能性があります。また、スポーツ事業においても、契約アスリート等の肖像権を使用したコマーシャル出演契約等の契約件数及び契約金額が影響を受ける可能性があります。
 当社では、特にコミュニケーション事業においては、受注先クライアントの数と業種をさらに拡大し、景気動向による影響を分散化すると同時にレギュラー契約(長期契約)の受注割合を増加させることで、安定した売上の確保を目指しております。また、クライアントの事業環境に直接的に影響を受ける従来の受託型ビジネスではなく、自ら仕掛ける創造型ビジネス領域から得られる収益の全社比率を向上させていくことで、景気動向による影響を最小限に止める方針でありますが、かかる方針にもかかわらず、景気動向によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 スポーツ事業においては、当社グループは契約アスリート等のセカンドキャリアを視野に入れたブランディングとメディア露出戦略を実践していくことで、契約アスリート等との長期的な契約関係の維持を図っておりますが、マネジメント契約はその期間が定められており、毎回更新できる保証はありません。
 また、当社グループでは、引退したアスリートに対しても、引退後における収入の確保のための企画・提案を行う等の長期的視野に立ったマネジメントを提供しておりますが、予期せぬ怪我・不祥事等による突然の引退・活動休止等が発生する可能性や、当社グループがマネジメント戦略上、当該人物のメディアへの出演や活動を抑制する可能性があります。さらに不祥事を起こした場合等においては、取引先との間で既に締結した広告出演契約を解除され、受領済みの契約金の一部又は全部を返金しなければならなくなる可能性があります。

  

(4) 経営戦略の現状と見通し

  わが国を取り巻く経済環境は依然厳しい状況にあり、広告・マーケティング市場においては、企業の広告宣伝活動が旧来型のマス広告主体の手法から、より費用対効果の期待できるPR、店頭販促、インタラクティブといった手法へとトレンドの変革を迎えています。この環境下における既存事業の方向性としまして、当社の根幹事業であるPRを中心としたコミュニケーションサービスにおいては、このような外部環境の変化を好機と捉え、当連結会計年度より取り組んでいる統合型提案力の強化、顧客とのパートナーシップ強化による売上拡大を引き続き目指しております。また、参入から15年の実績を積んでまいりましたアスリートマネジメント事業におきましては、これまでの経験とネットワークを最大限に生かし、肖像権を中心としたマネジメントビジネスに留まらず、スポーツに関わる様々なビジネス・シーズを開発、実現させていくためにスポーツプロモーションという位置づけで事業領域を拡大してまいります。

   一方、国内市場全般の成長鈍化に伴う国内広告市場の成熟をふまえ、主にコミュニケーション事業またスポーツ事業における肖像ビジネス等といった顧客から依頼を受けてサービスを提供する従来の業務(受託型ビジネス)に留まらず、現在のbills事業を好例に、これまで培ってきた情報ネットワークや“たのしいさわぎ”をおこす既存事業の強みを活かした新規事業開発(創造型ビジネス)を積極的に推進することでのグループの更なる成長を計画しております。
 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

  当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、得られた資金は1,004,402千円(前連結会計年度は524,761千円の支出)となりました。主な要因としましては、売上債権の減少額418,621千円及び仕入債務の増加額72,911千円、たな卸資産の増加額65,354千円、SP事業での前渡金の減少額148,105千円によるものであります。

   投資活動によるキャッシュ・フローでは、支出した資金は19,584千円(前連結会計年度より182,439千円の支出減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出11,059千円、billsお台場店出店における敷金及び保証金の差入による支出10,190千円が主な要因であります。

   財務活動によるキャッシュ・フローでは、支出した資金は196,865千円(前連結会計年度は468,444千円の増加)となりました。これは、短期借入金の純減額473,505千円、長期借入れによる収入354,000千円、長期借入金の返済による支出98,771千円、自己株式の処分による収入31,361千円によるものであります。
 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

  当社グループでは継続的な収益力の強化を図るために前期から戦略的な経営指針のもと、コミュニケーション事業においては、PRを軸とするコミュニケーションサービスのさらなる強化を図るために、部門間連携及びグループ会社間連携による、トータルコミュニケーションサービスの提案に注力してきました。またスポーツビジネスにおいては、これまで収益の中心であった肖像権ビジネスを展開するアスリートマネジメント業務だけでなく、新たな収益モデルを構築すべくスポーツプロモーション領域やスポーツマーケティング領域にも注力してまいりました。
 今後もこの流れをさらに強化すべく、既存の受託型コミュニケーション事業領域においては、これまでPR本部に内在していたメディアとのネットワーク機能を全社ソリューション化、さらには、個人や組織といった社内リソースの強化だけでなく、戦略的な業務提携によって社外リソースを柔軟に活用するなど、顧客にとっての真の課題解決に向けた付加価値の高いサービス提供を目指しています。そして、さらなる成長を目指すべく既存の受託型ビジネスの強化に留まらず、これまで培ったPRを軸とするコミュニケーションのノウハウを活用した創造型ビジネス(新規事業開発)にも積極的に取り組んでまいります。このように受託型のコミュニケーションサービス提供と、そのノウハウを強みとする創造型の新規事業開発を展開する当社グループを「創造型PR商社」と位置づけ、邁進いたします。 





出典: 株式会社サニーサイドアップ、2011-06-30 期 有価証券報告書