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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や個人消費の改善が一部には見られたものの、深刻な雇用情勢やデフレの影響等を背景に、依然、先行き不透明な状況で推移致しました。
 このような環境にあって、当連結会計年度におきましては、世界規模で発生、拡大した新型インフルエンザの影響から国内の衛生対策意識が従来以上に高まったことを背景に、当社衛生管理製品「クレベリン」シリーズに対する需要も拡大し、感染管理事業の売上高が著しく伸長致しました。また、国内止瀉薬市場の縮小影響や海外市場における円高影響等があったものの、主力製品「正露丸」・「セイロガン糖衣A」を中心とする医薬品事業につきましては、引続き国内を中心に市場でのシェア確保に努めました。この結果、当連結会計年度の売上高は、対前連結会計年度比2,722百万円増(44.7%増)となる8,816百万円となりました。
 利益面につきましても、売上高が急伸した一方、効果的な費用コントロールにより販売費及び一般管理費は、売上高の伸びに伴うことなく対前連結会計年度比7.1%の増加に留まったことから、営業利益は大幅に増加致しました。この結果、当連結会計年度の営業利益は対前連結会計年度比1,594百万円増(178.3%増)となる2,489百万円、経常利益は対前連結会計年度比1,688百万円増(200.0%増)となる2,531百万円となりました。また、前連結会計年度は投資有価証券評価損等の計上により特別損益が悪化致しましたが、当連結会計年度はその様な著しい損失の発生もなく、当期純利益は対前連結会計年度比1,174百万円増(249.4%増)となる1,645百万円となりました。


 事業の種類別セグメントの業績につきましては以下の通りであります。

 

<医薬品事業>
 国内におきましては、期の前半における新たなTVコマーシャル等の広告効果や販売店側の店頭施策(製品の特別陳列等)効果等から、特に「セイロガン糖衣A」の販売が堅調に推移し、止瀉薬市場の縮小影響はあったものの、市場でのシェア確保により、売上高全体は前連結会計年度を上回りました。一方、海外におきましては、円高影響に加え、中国での販売ライセンス更新に際しての一時的な出荷停止影響もあり、前連結会計年度に比較し減収となりました。これらにより、当連結会計年度の医薬品事業は、売上高が対前連結会計年度比35百万円減(0.7%減)となる4,851百万円となりましたが、コスト効率の改善にも注力した結果、営業利益は対前連結会計年度比272百万円増(13.5%増)となる2,292百万円となりました。

 

<感染管理事業>
 新型インフルエンザの発生に伴い、当社衛生管理製品「クレベリン」シリーズに対する受注も一般用製品を中心に期初より急伸し、販売チャネルの拡大等もあって、特に昨年の夏頃から秋頃にかけて売上高が拡大致しました。この結果、当連結会計年度の感染管理事業は、売上高が対前連結会計年度比2,763百万円増(236.7%増)となる3,931百万円、営業利益が対前連結会計年度比1,351百万円増(304.4%増)となる1,795百万円となりました。ただし、急速に進んだ衛生対策が昨年の12月頃までにはほぼ一巡したことや新型インフルエンザが想定より早く収束に向かったこと等から、本年1月頃より当社製品に対する受注も急速に縮小し、また、季節的に販売店側が店頭陳列商品を見直す時期でもあることから、2月以降は返品が急増致しました。 このため、当第4四半期連結会計期間(平成22年1月1日から平成22年3月31日まで)におきましては、返品額が2億円を超え、出荷額を上回ったことから、同期間の売上高はマイナスの162百万円となりました。

<その他事業>
 その他事業につきましては、引続き、主に木酢液を配合した入浴液や園芸用木酢液等の製造販売を行いましたが、売上高は対前連結会計年度比5百万円減(14.3%減)となる33百万円、営業利益は対前連結会計年度比1百万円減(23.9%減)となる4百万円となりました。


 事業の所在地別セグメントの業績は以下の通りであります。

<日本>
 日本国内での医薬品事業につきましては、止瀉薬市場の縮小影響はあったものの、市場でのシェア確保により、売上高全体は前連結会計年度を上回りました。一方、感染管理事業につきましては、新型インフルエンザ発生の影響から、当社衛生管理製品「クレベリン」シリーズに対する需要が拡大し、国内における感染管理事業の売上高が著しく伸長致しました。これらにより、外部顧客に対する売上高は対前連結会計年度比2,871百万円増(56.5%増)となる7,957百万円、営業利益は対前連結会計年度比1,462百万円増(62.0%増)となる3,823百万円となりました。

<中国・香港>
 中国・香港地区での医薬品事業が、円高影響に加え、中国での販売ライセンス更新に際しての一時的な出荷停止影響もあり、前連結会計年度に比較し減収となったことから、外部顧客に対する売上高は対前連結会計年度比131百万円減(15.5%減)となる715百万円となりました。一方、上海拠点での衛生管理製品に係る資材生産量の増加により、感染管理事業の収益が拡大したことから、営業利益は対前連結会計年度比106百万円増(126.5%増)となる190百万円となりました。

 なお、中国での販売ライセンス更新手続きにつきましては、当連結会計年度末に完了しており、本格的な販売を本年6月より再開しております。
 

<台湾>
 主に円高影響により、台湾地区での外部顧客に対する売上高は対前連結会計年度比18百万円減(11.2%減)となる143百万円となり、営業利益は対前連結会計年度比6百万円減(39.6%減)の9百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、たな卸資産の増加や法人税等の支払い、有形固定資産の取得による支出等による減少があったものの、税金等調整前当期純利益が2,589百万円と大幅に増加したこと等により、前連結会計年度末より1,759百万円増加(前連結会計年度は508百万円の増加)し、当連結会計年度末残高は5,055百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果獲得した資金は1,896百万円(対前年同期比66.6%増)となりました。税金等調整前当期純利益2,589百万円に加え、減価償却費212百万円等による非資金費用の計上の一方、感染管理事業に係るたな卸資産の増加668百万円等の運転資本増加や、法人税等の支払額331百万円等の計上によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果使用した資金は110百万円(
対前年同期比80.3%減)となりました。投資有価証券の売却による収入193百万円があったものの、主に、生産設備の取得や社内システム強化等に係る固定資産の取得により、支出が収入を上回りました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果使用した資金は33百万円(
対前年同期比156.8%増)となりました。主に、配当金の支払によるものであります。 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次の通りであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成21年4月1日

至 平成22年3月31日)

前年同期比

(%)

医薬品事業

(千円)

4,470,273

85.0

感染管理事業

(千円)

5,817,759

394.3

その他事業

(千円)

37,769

91.2

合計

(千円)

10,325,801

152.4

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次の通りであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成21年4月1日

至 平成22年3月31日)

前年同期比

(%)

医薬品事業

(千円)

52,212

171.9

感染管理事業

(千円)

367,514

その他事業

(千円)

合計

(千円)

419,727

1,382.0

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)受注状況

 当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次の通りであります。

事業の種類別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成21年4月1日

至 平成22年3月31日)

前年同期比

(%)

医薬品事業

(千円)

4,851,854

99.3

感染管理事業

(千円)

3,931,302

336.7

その他事業

(千円)

33,276

85.7

合計

(千円)

8,816,433

144.7

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成20年4月1日

至 平成21年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成21年4月1日

至 平成22年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

丹平中田㈱

2,077,009

34.1

2,927,380

33.2

㈱Paltac

911,943

15.0

1,364,970

15.5

㈱大木

719,326

11.8

1,311,316

14.9

一徳貿易有限公司

800,246

13.1

713,386 

8.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

(1)当社グループの現状の認識について

 当社グループは、「自立」、「共生」、「創造」を基本理念とし、世界のお客様に健康という大きな幸せを提供することを使命に掲げ、国内止瀉薬市場において高いシェアを持つメーカーとして歩んでまいりました。また、近年においては、人類の脅威となる感染症に対して優れた効果と安全性を有する製品を市場に提供していくために、二酸化塩素ガス特許技術を応用した製品の企画・開発・販売を進め、新たな市場の創造に努めてまいりました。
 一方で、当社グループを取り巻く環境につきましては、国内止瀉薬市場が縮小傾向にあることに加え、多数のメーカーが競合する厳しい競争環境のもとで国内人口の減少による市場規模の縮小等の脅威にさらされております。このような環境下において、当社グループは上記使命を果たし更なる成長を図るべく、以下の事項を経営課題として認識しております。

 

(2)当面の対処すべき課題の内容

① 収益力の更なる強化
 現在、減少傾向にある「正露丸」の国内売上高については、国内止瀉薬市場における更なるシェア向上を目指し、国内ブランディングの見直しと低シェアエリアへの営業強化を図るとともに、「セイロガン糖衣A」の販売強化及び新製品の開発に取り組んでまいります。
 一方で、「正露丸」等の国内販売に依存する体質からの脱却を図るため、アジア諸国におけるシェア拡大に向けて、販売代理店戦略の見直し検討、適正販売価格の検討と価格改定、既存製品の海外市場における新規投入等に積極的に取り組んでまいります。
 また、継続的成長のため、事業ポートフォリオのバランス化は重要な課題であり、その解決策として第二の柱に位置付けております感染管理事業の安定的かつ持続的な成長の実現に向けた取り組みに注力してまいります。
 具体的には、既存製品である「クレベリン」の普及に注力しつつ、特許低濃度二酸化塩素ガス発生装置「リスパス」の販売強化、新製品(応用製品)の企画・開発・販売、海外向け販売チャネルの確立及び衛生管理製品の医薬品認可取得を行うことにより事業の成長を目指してまいります。
 さらには、物流システムや生産ラインの見直しによるオペレーションの効率化、原価管理の強化、マーケティングプランの見直し等により、コスト効率の向上に取り組んでまいります。 

② 研究開発力の強化
 競争が激化する環境下、「正露丸」及び「セイロガン糖衣A」の販売維持・向上のためにも、「正露丸」や「セイロガン糖衣A」及びその主成分である日局木クレオソートの効用に関する継続的研究開発が重要と考えております。また、感染管理事業における、二酸化塩素の効用に関する研究結果をもとに当該事業の安定的成長の実現に向け、研究開発分野に優先順位を付けながら、更なる強化に取り組んでまいります。 

③ 成長を支える内部管理体制の強化
 洗練された意思決定メカニズムの確立、明確な経営指標に基づく連結経営管理システムの構築、新規事業拡大に相応しい人事制度の整備、リスクマネジメント、知的財産管理、ガバナンス及びコンプライアンスの強化、子会社に対するコントロール等、より一層の内部管理体制の強化に努めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

 本書に記載した当社グループの経営成績及び財政状態に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)特定製品への依存及び生産拠点の集中について

 当社グループにおける安定的な収益基盤である医薬品事業の売上高は、その大半が「正露丸」及び「セイロガン糖衣A」によって構成されております。当該製品の製造につきましては、長年培ってきたノウハウをもとに、万全の品質管理・品質保証体制をもって臨んでおりますが、万一品質等に問題が発生した場合には、販売中止・回収を余儀なくされることも考えられます。また、当該製品はすべて当社吹田工場の一拠点のみにて製造しておりますため、本工場の所在する地域において地震等の災害が発生した場合には、これらの製品の供給が困難となることも考えられます。その他、予期せぬ製品への風評被害、競争環境の激変、原材料の調達に支障を来すような場合にも、当該製品の営業成績に止まらず、当社グループ全体の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)特定取引先への依存について

 当社グループの売上高のうち、国内においては丹平中田㈱、㈱Paltac、㈱大木、海外では香港の一徳貿易有限公司の上位4社への売上高が、当連結会計年度において全体の約72%と大きな割合を占めております。このため、これら取引先の経営施策や取引方針、若しくは各社の財務状態の悪化により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)海外事業展開に伴うリスク

 当社グループは、中国本土・香港・台湾を中心とする海外市場においても「正露丸」、「セイロガン糖衣A」等の販売に積極的に取り組んでおります。その結果、海外市場における売上高は、当連結会計年度において約10%を占めております。当該国における政治、経済、法律、文化、ビジネス慣習、競合企業の存在、為替、その他様々なカントリーリスク等によって、予想し得ない事象が発生した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、衛生管理製品の一部製造を行っている大幸環保科技(上海)有限公司において生産や輸送に問題等が生じた場合には、国内における生産体制も構築しているものの、当該製品の製造に与える影響が大きいことから、十分に需要に対応できるだけの生産が困難となることが予想され、その結果、当社グループの経営成績及び事業戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)類似品の存在について

 当社グループが製造・販売しております「正露丸」及び「セイロガン糖衣A」は、他社においても同一または類似した名称で製造・販売が行われております。このため、当社グループが製造・販売しております製品と類似した商品が市場には多数存在しており、特に類似したパッケージの場合には、消費者が当社グループの製品と誤認して購入する可能性が否定できません。また、感染管理事業における主要製品である「クレベリン」においても、他社から類似品の製造・販売が行われております。この場合においても、消費者が当社グループの製品と誤認して購入する可能性が否定できません。
 さらには、これらの類似品において品質問題等が発生した場合には、当社グループの製品のイメージダウン及び予期せぬ風評被害が発生する可能性も否定できず、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)急激な需要の変化等に関するリスク

 感染管理事業においては、衛生管理製品を市場に提供していくために、二酸化塩素ガス特許技術を応用した製品等の企画・開発・販売を進めております。近年の感染症(新型インフルエンザ、ノロウイルス、SARS等)に対する予防意識の高まりを背景に、一般消費者をはじめ、公共機関やホテル、外食産業、ビルメンテナンス事業者、医療・介護施設、ペット関連事業者等の幅広い顧客をターゲットに事業を推進しております。これらの事業展開により、当該事業は感染対策を中心とした市場環境に影響を受け、感染症の流行及び予防意識の動向等によっては製品の需要に急激な変化が生じる可能性があります。
 また、このような特性を有した当社製品は、需要の急激な変化に加えて、季節的な要因から販売店側における商品の店頭陳列構成に見直しが行われる影響等を受けることにより、一時的に返品が急増し、その際には返品額が出荷額を上回り売上高がマイナスとなる可能性や、将来の返品に伴う損失に備えて計上する返品調整引当金が大幅に増加する可能性があります。その結果、営業成績に予測し難い急激な変動が生じ、当社グループ全体の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)原材料価格及び調達に関するリスク

 当社グループは、原材料等について急激に価格が高騰した場合、あるいは一部の原材料等について供給が滞り、代替の調達先が確保できない場合には、製品の利益率の悪化や機会損失の発生により、当社グループ全体の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)製造物責任に関するリスク

 当社グループの製品については、関係法令を遵守し万全の体制で生産しておりますが、予期せぬ事情により、品質に関する重大な問題が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)競合に関するリスク

 「正露丸」、「セイロガン糖衣A」を中心とする当社グループの製品の知名度は高く、その結果、安定的な収益の獲得が出来ておりますが、今後他社による新たな製品開発及び競合品の価格引き下げ等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、衛生管理製品においても、他社の優れた製品の出現や競合品の価格引き下げ等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)知的財産権に関するリスク

 当社グループの感染管理事業における製品は、関連特許により、国内を中心に一定の範囲・期間保護されております。当社グループでは特許権を含む知的財産権を管理し、第三者からの侵害にも常に注意を払っておりますが、当社グループの保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、期待される収益が失われる可能性があります。また、当社グループの自社製品が第三者の知的財産権を侵害した場合には、その第三者から損害賠償を請求される可能性があります。また、当社の特許は、一定の範囲に限定されたものであるために、その範囲外より他社から優れた製品が出現した場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)法的規制等に関するリスク

 当社グループの属する医薬品事業は、「薬事法」等関連法規の厳格な規制を受けており、各事業活動の遂行に際して以下の通り許認可等を受けております。これらの許認可等を受けるための諸条件及び関係法令の遵守に努めており、現時点におきましては当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかし、法令違反等によりその許認可等が取り消された場合には、当社グループの運営に支障をきたし、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(許認可等の状況)

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

医薬品製造業(包装・表示・保管)許可

兵庫県

兵庫県知事許可

(許可番号

28AZ200015)

平成27年3月31日

(5年ごとの更新)

薬事法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、または役員等の欠格条項違反に該当した場合は許可の取消(薬事法第75条第1項)

医薬品販売業(卸売一般販売業)許可

大阪府

大阪府知事許可

(許可番号

B09608)

平成23年12月31日

(6年ごとの更新)

同上

第二種医薬品製造販売業許可

大阪府

大阪府知事許可

(許可番号

27A2X00059)

平成23年12月31日

(5年ごとの更新)

同上

医薬品製造業許可

大阪府

大阪府知事許可

(許可番号

27AZ000163)

平成23年12月31日

(5年ごとの更新)

同上

進口薬品注冊証

(Imported Drug

License) 

中国国家食品薬品監督管理局 

中国国家食品薬品

監督管理局許可

(許可番号

Z20100002,Z20100003

,Z20100004)

平成27年2月21日

(5年ごとの更新)

薬事法その他薬事に関する法令に違反した場合は許可の取消

薬品/製品注冊証明書

(Certificate of

Drug/Product

Registration)

香港衛生署薬剤業及毒薬管理局

香港衛生署薬剤業及毒薬管理局許可

(許可番号

HK-13218)

平成27年5月25日

(5年ごとの更新)

同上

 なお、感染管理事業の製品は現在薬事法の規制の対象には含まれておりませんが、法令の改正や解釈の変更が生じた場合、また今後の製品の開発、販売の方向性によっては規制を受ける可能性も否定できません。その動向によっては当社グループの事業戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループは「自立」、「共生」、「創造」の基本理念を実践し、世界のお客様に健康という大きな幸せを提供することを使命と考えております。
 消化器管関連医薬品のスペシャリティ・ファーマとして、下痢のメカニズムの解明や、100有余年にわたり利用されてきた「正露丸」の主成分である日局木クレオソートについて、薬理薬効の研究を続けてまいりました。日局木クレオソートの有効性や安全性等の研究成果については、国内外の専門誌を中心に成果の発表を行っております。さらに新規効能に対する臨床研究を各大学と提携し進めました。また、新たに二酸化塩素の基礎応用研究として、物理化学的研究、微生物に対する作用メカニズムの研究、各種ウイルス、細菌、真菌、害虫、アレルギー物質等に対する有効性の研究(二酸化塩素関連製品を用いた研究を含む)、各種応用研究、使用調査研究、安全性の研究を各研究機関と連携をとりながら進めております。
 一方、製品開発研究は、感染管理事業における特許低濃度二酸化塩素ガス発生装置の開発を中心に行っており、二酸化塩素ガスの濃度分布等の空調学的な研究を大学と連携し、進めております。
 これらの結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は336百万円となりました。

 

(1)医薬品事業

 当事業では、生活者が健康で快適な生活を送るために必要とされる製品を提供すべく、医療用医薬品(注1)、一般用医薬品(注2)を開発テーマとして、次の研究開発活動を中心に行っております。

① 正露丸の薬効拡大に向けた臨床研究

② 改良型「セイロガン糖衣A」の開発(一般用医薬品)

③ 正露丸配合成分の分析研究

 なお、当該事業における当連結会計年度の研究開発費の総額は106百万円となりました。

(2)感染管理事業

 特許濃度長期保持型二酸化塩素ガス溶存液は、皮膚粘膜洗浄液として、中国では認可された衛生製品として製造販売しておりますが、日本国内では皮膚粘膜感染症治療剤として、人体用及び動物用を視野に入れた研究開発活動を推進しております。特許低濃度二酸化塩素ガス発生装置である「リスパス」に関しては、二酸化塩素ガス濃度センサーの研究開発やコストダウンに向けて改良を行い、空調機器として発展させております。
 その他、現在着手している研究開発活動は以下の通りであります。

① 置き型の二酸化塩素ガス発生ゲル剤の液剤と粉剤をプラスティック容器に内包したスティックタイプの製品の開発を進めております。

② 二酸化塩素の各用途にあわせた細菌、ウイルス及び真菌の有効性研究を基にした衛生管理製品並びに、臭気物質除去に対する有効性研究を基にした消臭製品の開発を進めております。

 なお、当該事業における当連結会計年度の研究開発費の総額は219百万円となりました。

 

(3)その他事業

 当事業に関しては、木酢を使用した種子消毒製品の開発に取り組んでおります。農薬申請に向けた現場試験も実施しております。

 なお、当該事業における当連結会計年度の研究開発費の総額は9百万円となりました。

 (注) 用語の説明

1.医療用医薬品

 医師若しくは歯科医師によって使用され、または処方箋によって使用されることを目的とされる医薬品

2.一般用医薬品

医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされる医薬品

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

(2)財政状態の分析

<資産、負債及び純資産の状況>

 当連結会計年度末における資産合計は13,929百万円(前連結会計年度末比2,469百万円増)となりました。また、負債合計は3,315百万円(前連結会計年度末比839百万円増)、純資産合計は10,613百万円(前連結会計年度末比1,629百万円増)となりました。前連結会計年度末からの主な変動要因は、収益拡大に伴う現預金の増加の一方、感染管理事業に係るたな卸資産の増加等による流動資産2,588百万円の増加や、未払法人税等の増加等による流動負債751百万円の増加及び利益剰余金1,623百万円の増加等であります。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末から2.2ポイント低下し、76.2%となっております。

 

(3)経営成績の分析

 当連結会計年度の業績につきましては、売上高8,816百万円(対前連結会計年度比44.7%増)、営業利益2,489百万円(対前連結会計年度比178.3%増)、経常利益2,531百万円(対前連結会計年度比200.0%増)、当期純利益1,645百万円(対前連結会計年度比249.4%増)となりました。
 医薬品事業におきましては、国内向けは、新たなTVコマーシャル等の広告効果や販売店側の店頭施策(製品の特別陳列等)効果等から、特に「セイロガン糖衣A」の販売が堅調に推移し、止瀉薬市場の縮小影響はあったものの、市場でのシェア確保により、売上高全体は前連結会計年度を上回りました。一方、海外向けは、円高影響に加え、中国での販売ライセンス更新に際しての一時的な出荷停止影響もあり、前連結会計年度に比較し減収となりました。これらにより、当連結会計年度の医薬品事業は、売上高が対前連結会計年度比35百万円減(0.7%減)となる4,851百万円となりましたが、コスト効率の改善にも注力した結果、営業利益は対前連結会計年度比272百万円増(13.5%増)となる2,292百万円となりました。
 感染管理事業につきましては、新型インフルエンザの発生に伴い、当社衛生管理製品「クレベリン」シリーズに対する受注も一般用製品を中心に急伸し、販売チャネルの拡大等もあって、特に昨年の夏頃から秋頃にかけて、売上高が拡大致しました。この結果、当連結会計年度の感染管理事業は、売上高が対前連結会計年度比2,763百万円増(236.7%増)となる3,931百万円、営業利益が対前連結会計年度比1,351百万円増(304.4%増)となる1,795百万円となりました。ただし、急速に進んだ衛生対策が昨年の12月頃までにはほぼ一巡したことや新型インフルエンザが想定より早く収束に向かったこと等から、本年1月頃より当社製品に対する受注も急速に縮小し、また、季節的に販売店側が店頭陳列商品を見直す時期でもあることから、2月以降は返品が急増致しました。

 その他事業につきましては、引続き、主に木酢液を配合した入浴液や園芸用木酢液等の製造販売を行いましたが、売上高は対前連結会計年度比5百万円減(14.3%減)となる33百万円、営業利益は対前連結会計年度比1百万円減(23.9%減)となる4百万円となりました。

  

(4)今後の経営戦略

① 医薬品事業

 主力製品である「正露丸」を中心に、消化器官に対する有効な医薬品を提供する「消化器官作動薬のオンリーワン企業」としての地位の確立に努めます。地道な研究活動に基づき、100有余年にわたって利用されてきた「正露丸」における新たな薬効の科学的証明に努め、その効用を世界に広めてまいります。これらにより、国内シェアの向上とアジア諸国を中心としたグローバル展開による売上高の成長を目指し、また、利用シーンに応じた新たな製品開発にも努めてまいります。  

 

② 感染管理事業

 長年にわたり医薬品事業で築いた販売チャネルの有効利用や新たなチャネルの開拓を進め、「クレベリン」ブランドの認知度向上を図りつつ、売上高の安定的な成長を目指します。また、様々な研究機関との二酸化塩素の共同研究をはじめ、当社グループの特許技術である濃度長期保持型二酸化塩素ガス溶存液や低濃度二酸化塩素ガス関連製品の新規効用を含めた新製品開発プロジェクトも進めてまいります。一方、医薬品事業同様、国内のみならずアジア諸国をはじめとしたグローバル展開にも努めてまいります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度の資金の状況につきましては、期首より1,759百万円増加し、5,055百万円の期末残高となりました。資金増加の主な要因と致しましては、投資活動によるキャッシュ・フローにおいて110百万円の資金を使用し、財務活動によるキャッシュ・フローにおいて33百万円の資金を使用したものの、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて1,896百万円の資金を得たためであります。
 投資活動により使用した110百万円につきましては、投資有価証券の売却による収入193百万円、定期預金の預入による支出116百万円、生産設備に係る有形固定資産の取得による支出225百万円が主な内訳となっております。
 財務活動により使用した33百万円につきましては、主に配当金の支払によるものであります。
 一方、営業活動により獲得した1,896百万円につきましては、たな卸資産の増加に伴う支出が668百万円発生したものの、税金等調整前当期純利益において2,589百万円の計上があったことが主な要因となっております。
 なお、当社グループは一部のリース取引を除いては、当連結会計年度において新たな財務活動による資金の調達等は行っておりません。当連結会計年度末時点における長短借入金や社債等の残高はございません。

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループは、医薬品事業と感染管理事業という2つの基幹事業を推進するに当たり、取り巻く環境や市場の変化の予測とそれへの対応の適切性が、事業の成果ひいては当社グループの業績を左右するものと考えております。

 医薬品事業につきましては、「正露丸」販売における既存のステータスに安住することなく、製品とその優れた効能の世界への伝播を加速してまいります。また、自らが育ててきた最先端の学術実績を梃子に、新たなニーズへの対応を進めてまいります。即ち、過敏性腸症候群の医薬品開発を視野に薬効・剤形の多様化を進めるとともに、市場開発のグローバル展開、特に中国市場の深耕に努めてまいります。100年以上の歴史を持つ「正露丸」を、20世紀から21世紀に引継ぎ、改良し、発展させ、世界に伝え、広げることが会社と社会の双方の利益に繋がると考えております。そのためには、工場施設の改修・効率化、グローバル展開に伴う生産・営業拠点の整備、薬効・剤形の追加や品質改良等に向けての先行投資が必要と考えております。

 また、感染管理事業につきましては、感染管理という新たなコンセプトの市場であり、これは内外を問わず、消費需要から国家需要に至る、社会と生活のあらゆる階層と局面において発生する市場であり、大きな広がりの可能性を持った事業と言えます。一方では、新型インフルエンザへの対応等、緊急性と公共性を求められる分野をターゲットとするものでもあります。当社グループにとりましても、社会性の高い分野での営利事業の展開であり、加えて、市場自体の創造あるいは既存市場に対する代替需要の喚起といったチャレンジに富む事業であります。同時に、医薬や医療におけるライセンス申請のための研究開発あるいは周辺技術・ノウハウの展開に関わる負荷も少なくないものと考えております。そのためには、研究開発設備や陣容の拡充、量産体制の整備、工場施設・機材の備え付け、品質管理やメンテナンス機能のレベルアップ等の人的・物的基盤強化が必要と考えております。

 以上のように、製品と業容の高度化と拡大を図り、社会に対するコミットメントの姿勢を明らかにした事業展開を行うことにより、21世紀における当社グループの飛躍を目指してまいります。





出典: 大幸薬品株式会社、2010-03-31 期 有価証券報告書