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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成25年3月1日から平成26年2月28日まで)における我が国経済は、政府による景気対策や日本銀行による金融緩和の効果などから、企業業績や個人消費が回復基調となり、景気は緩やかに回復しつつあります。

アパレル業界においては、ラグジュアリーブランドなど一部の高額商品については好調に推移したものの、消費者の節約志向や台風、大雪などによる天候不順の影響もあり、回復の動きは緩やかなものに留まりました。

このような経営環境のもと当社グループは、平成24年4月に策定した中期経営計画を平成25年4月に更新し、不採算ブランド及び店舗の閉鎖による収益向上を図ると同時に売上拡大に向けた新ブランドの開発と新規出店を積極的に進めました。

その結果、売上高は1,819億72百万円(前期比1.9%減)となりました。

損益面では、不採算ブランド、店舗の撤退に伴う売上高の減少により売上総利益率の改善、経費の削減が図れたものの、営業損失は11億28百万円(前期は12億77百万円の損失)となりました。経常利益は営業外収支の改善により14億30百万円(前期比44.6%増)となりました。

また、投資有価証券売却益を含む84億38百万円の特別利益を計上する一方、固定資産除却損を含む48億19百万円の特別損失を計上したことなどにより、当社グループの当期純利益は11億11百万円(前期は17億79百万円の損失)と大幅に改善しました。

セグメント別の売上の概況は次のとおりです。

 

(東京スタイルグループ)

㈱東京スタイル(現 ㈱東京スタイル資産管理)は、前年度より実施しているコスト構造改革の一層の推進を図り、不採算ブランドの廃止、低収益売場の閉鎖を実施する一方で、新たなブランド開発と販路開拓に積極的に取り組み、ショッピングセンター向け戦略ブランドとして30代、40代の女性を対象にした「アリスミュー」並びに
Web事業拡大戦略の一環として開発した「ウィ,アヤノ リュバン」の販売を開始しました。
 また「ナノ・ユニバース」や「ステューシー」「アプワイザー・リッシェ」など個性豊かなブランドを有するグループ各社は、新業態分野への進出や新規商業施設への積極的な出店を推進し、引き続き好調を維持しています。 

これらの取り組みにより、東京スタイルグループの売上高は830億2百万円(前期比0.5%増)となりました。

 

(サンエー・インターナショナルグループ)

企画力及び営業力の強化並びに経営のスピードアップを目的として、㈱サンエー・インターナショナル(現 ㈱サンエー・インターナショナル資産管理)において事業組織全体を統括する事業統括セクションを設置する一方、「フリーズマート」を㈱FREE'S INTERNATIONALへ移管することにより事業の集約及び強化を図りました。また、新たに“Happy Sunny Life”をコンセプトに、ハイセンスで上質なカリフォルニア ボーホースタイルを提案するライフスタイルセレクトショップ「プラネットブルーワールド」を日本で初めて出店したほか、「パーリーゲイツ」の新業態として「パーリーゲイツ ザ グリーン ゴルフストア」をスタートしました。
 一方で下期からは、コスト構造改革の総仕上げとして、低収益店舗及びブランドの撤退を推し進め、収益性の改善に努めました。

これらの取り組みにより、サンエー・インターナショナルグループの売上高は987億56百万円(前期比4.0%減)となりました。

 

(その他)

持株会社である当社及び当社グループの生産、物流機能を担う㈱TSI・プロダクション・ネットワーク及び同社子会社である㈱TSIソーイングの事業により、売上高は67億69百万円(前期比3.7%増)となりました。 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額を65億25百万円計上、投資活動への調整項目である投資有価証券売却益を58億0百万円、固定資産売却益を12億57百万円計上したものの、税金等調整前当期純利益を50億50百万円計上、非資金費用である減価償却費を48億79百万円計上、のれん償却額を14億67百万円計上、減損損失を13億25百万円計上、法人税等の還付額を11億97百万円計上したこと等により、4億62百万円の収入(前年同期比11.0%減)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産(店舗内装資産等)の取得が38億0百万円、無形固定資産の取得が9億98百万円、投資有価証券の取得が61億69百万円、子会社株式の取得が7億55百万円、投資不動産の取得が13億93百万円、定期預金の純増が12億11百万円生じたものの、投資有価証券の売却が210億17百万円、有形固定資産の売却が20億6百万円生じたこと等により、90億51百万円の収入(前年同期比54.3%減)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が29億円生じたものの、長期借入金の返済が35億66百万円、自己株式の取得が58億18百万円、配当金の支払が20億26百万円生じたこと等により、92億47百万円の支出(前年同期は108億82百万円の支出)となりました。

この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より8億19百万円増加して380億87百万円となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

東京スタイルグループ

16,564

119.3

サンエー・インターナショナルグループ

34,319

101.6

その他

358

合計

51,243

107.5

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

2 金額は、製造原価によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

東京スタイルグループ

31,016

82.8

サンエー・インターナショナルグループ

12,129

85.5

その他

132

合計

43,278

83.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

2 金額は、仕入価格によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注実績

当社グループは、受注生産を行っておりません。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

東京スタイルグループ

82,890

100.4

サンエー・インターナショナルグループ

98,705

96.0

その他

376

合計

181,972

98.1

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

今後の見通しにつきましては、引き続き穏やかな景気回復が見込まれる一方で、アメリカの金融緩和縮小や新興国経済の減速懸念、更には消費増税の影響などから、先行きに不透明感の残る状況が続いています。
 このような経営環境を踏まえ、平成26年4月に更新した新たな中期経営計画の下、グループ全体のノウハウ、スキル、リソースを最大限に活用したグループ経営力の強化と、ブランド、事業、ビジネスモデルの最適融合による新しいポートフォリオの構築を目指します。このグループ経営方針のもと、以下の主要施策を通じて業績の改善に全力で取り組んでまいります。

 

① 収益力拡大

従来のアパレルの枠にとらわれず、衣食住全体を包含する新しいライフスタイルやカルチャーを発信すべくM&Aや異業種とのコラボレーションなど様々な手法により積極的な新規事業を開発するとともに、独自のビジネスモデルの確立を目指してまいります。また、アパレルの店舗開発で培ったノウハウを活かした商業施設プロデュース等にも取り組んでまいります。
 既存事業についてもショッピングセンター等の成長チャネルについては新規ブランドの積極的な投入を図るとともに、本年3月に実施したグループ再編によりグループ内各事業を競い合わせ、有望な成長事業には親会社である当社の主導で戦略的投資を推進することによりその成長を促します。
 海外においては、東京スタイルグループとサンエー・インターナショナルグループの両グループの現地法人を統合したTSI Asia Limitedと中国市場で成長を継続している北京子苞米時装有限公司を軸として、店舗の大型化やモール等の新販路開拓にも積極的に取り組み、アジアの多くの国で市場の開拓を進めます。
 イーコマースについても本年3月に設立した㈱TSI ECストラテジーが中心となり、現在整備中の当社新基幹システムと連携した事業基盤の整備を進めるとともに、イーコマースや店舗など様々な顧客接点を連動させるオムニチャネル化を推進いたします。

② グループ経営力強化

本年3月に実施したグループ再編を踏まえ、グループ内の各事業会社の業績を最大化すべくガバナンス体制の整備を進めマネジメント機能の向上を図るとともに、グループ共通のインフラを整備するなど、サポート機能の拡充を行ってまいります。

また、国内生産体制の再整備と物流拠点の見直しを進めるとともに、海外においては近年急速に人件費が高騰しつつある中国の華中、華南地域から中国東北部やベトナム、インドネシア等の東南アジアへ生産を分散させ、また、中小ロットの生産に適した生産拠点の開発にも努めてまいります。

③ コスト構造改革

少数精鋭による効率化された本部を目指し、管理コストの最小化を図るだけではなく、優良事業については各事業会社経営の自主性を尊重することによってその成長を促してまいります。また、他方では赤字事業のモニタリングを強化することにより、不振事業の再建または撤退の見極めを迅速果断に行ってまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりです。

なお、記載内容のうち将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日(平成26年5月29日)現在において当社グループが判断したものです。

(1) ファッション・アパレル商品の特性について

当社グループの主力商品であるファッション・アパレル商品は、その性格上、流行に左右されやすい傾向があります。消費者ニーズに柔軟に対応すべくマーケット情報の収集に努め、商品企画力の向上・差別化に努めていますが、急激な流行の変化によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 経済状況や気象状況について

ファッション・アパレル商品の売れ行きは、景気の変動、特に個人可処分所得の変動等による個人の購買意欲の低下等に左右される傾向があり、経済状況の変化によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、長梅雨、冷夏、暖冬、台風等の予測不能な気象状況の変化は、売上の低迷や在庫の処分等を通じて、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 品質管理について

当社グループは、『商品本位主義』を経営の基本方針に据え、商品の品質管理には万全の体制を敷いていますが、予測しえない品質上のトラブルや製造物責任に起因する事故が生じた場合は、企業イメージが損なわれ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 出店政策について

当社グループでは、出店候補地周辺の商圏環境や立地条件、店舗損益予測等の分析を行いながら店舗の出店を進めていますが、計画通りに出店が行えなかった場合や、ブランド閉鎖、不採算店舗整理等により多数の退店が発生する場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 知的財産権の使用について

当社グループは、現在海外提携先と契約し、提携先所有の知的財産権を使用した商品を販売しています。これら海外提携先とは現時点では概ね友好な取引関係を維持していますが、今後、事由の如何にかかわらず契約の終了、解除または条件変更された場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、新たに企画開発する商品について、万一第三者から損害賠償および使用差し止め請求等が為され金銭の支払いが発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 個人情報管理について

当社グループは、店頭販売、WEB販売等での顧客管理上、多くの個人情報を保有しており、その管理には万全を期していますが、今後、万一お客様の情報が外部に漏洩する事態となった場合には、信用の低下等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) クレジットリスクについて

保有債券の発行体、あるいはお取引先の財務破綻に起因するデフォルトリスクについては、その回避・軽減のため管理体制を強化していますが、今後、万一そのリスクが現実化した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) その他

以上のほか、公的規制適用、自然災害、各種事故、訴訟等、様々なリスク要因が考えられます。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の分析

売上高についての当連結会計年度の概要は「第2 事業の概況 1 業績等の概況 (1)業績」をご参照ください。

(営業損失)

営業損失は、11億28百万円となりました。これは、主として新規出店及びコスト構造改革に伴う投資を先行させたことによるものです。

(経常利益)

経常利益は、14億30百万円となりました。これは、主として営業外収益の改善によるものです。

(当期純利益)

当期純利益は11億11百万円となりました。これは、主として投資有価証券売却益として62億29百万円を特別利益に計上したことによるものです。

(2)財政状態の分析

総資産は、現金及び預金の増加(前期末比11億5百万円増)、繰延税金資産の増加(前期末比8億62百万円増)、投資不動産の増加(前期末比36億81百万円増)、長期預金の増加等による投資その他の資産「その他」の増加(前期末比10億12百万円増)等があったものの、受取手形及び売掛金の減少(前期末比8億3百万円減)、土地の減少(前期末比30億65百万円減)、商標権の減少(前期末比10億87百万円減)、のれんの減少(前期末比9億76百万円減)、投資有価証券の減少(前期末比65億84百万円減)等により、54億12百万円の減少となりました。

負債は、繰延税金負債の増加(前期末比12億80百万円増)等があったものの、未払法人税等の減少(前期末比12億50百万円減)、未払消費税等の減少等による流動負債「その他」の減少(前期末比11億74百万円減)、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の減少(前期末比6億66百万円減)等により、18億74百万円の減少となりました。

純資産は、その他有価証券評価差額金の増加(前期末比26億28百万円増)等があったものの、利益剰余金の減少(前期末比9億15百万円減)、純資産の控除項目である自己株式の増加(前期末比57億81百万円増)等により、35億38百万円の減少となりました。

以上の結果、1株当たり純資産は、自己株式の取得等を含めて43.62円の増加となりました。

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

(4)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは平成24年度を起点とする「中期経営改革」を策定し、外部環境、グループ内部環境の変化等を踏まえ戦略の優先順位、個別戦略について、年度毎に追加・修正を行なってまいりました。

当連結会計年度までは、当社の下に㈱東京スタイルと㈱サンエー・インターナショナルが子会社として存在し、更にその下に多くの子会社が紐づいている3層構造でしたが、平成26年度中にほぼ全ての子会社を当社の直接子会社とする2層化体制へグループ再編を実施します。その新たな組織体制の下、以下の3つの戦略テーマに注力してまいります。

①収益力拡大

当社グループの各社が独自性と自立性を持ってビジネスに取り組むことで既存事業の進化を図るとともに、当社が保有する豊富な手元資金を機動的に活用し、新規事業、業態開発を行います。

②グループ経営力強化

シェアード機能、事業インフラ機能を拡充しグループ会社への業務フォローを強化することでシナジーの創出を図ります。

③コスト構造改革

責任と権限を明確にした2層化体制の下、グループ各社のコスト・業績を適時適切にモニタリングし、必要があれば管理監督を行ない収益改善を目指します。

(5)目標とする経営指標

当社グループは、本業における収益性を示す売上高営業利益率を特に重視しております。 

 





出典: 株式会社TSIホールディングス、2014-02-28 期 有価証券報告書