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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成27年3月1日から平成28年2月29日まで)における我が国経済は、緩やかな回復傾向が続いたものの、中国などのアジア新興国の成長鈍化により生産・輸出において減少傾向が見られました。円安基調や日銀等による金融緩和などから企業業績の向上、労働需給の改善や雇用者所得の増加はあったものの、消費者マインドの本格的な回復には至らず、個人消費には依然として停滞感が見られました。

アパレル業界では、インバウンド需要等により一部の高額商品で売上の増加が見られたものの、消費者の節約志向が依然として根強く、また、11月に気温の高い日が続き冬物衣料の販売が出遅れるなどの天候不順の影響もあり、引き続き厳しい状況が続きました。

このような経営環境のもと当社グループは、平成27年4月に更新した中期経営計画に基づき、既存事業の収益化及びコスト削減体制の構築を進める一方で、引き続き資本効率の改善や新規事業の積極的な開発に取り組んでまいりました。

具体的には、不採算のブランド・店舗の見直しや閉鎖を引き続き実施するとともに、ROAや営業利益率等を事業子会社の重要な経営指標とすることで、グループ経営力の一層の強化と収益力の拡大に取り組みました。

その結果、売上高は1,672億11百万円(前期比7.5%減)となりました。

また、不採算のブランド撤退及び店舗閉鎖等により売上総利益率が向上するとともに、販管費削減を進めたため、営業利益は新基幹システム稼働や子会社の出資比率増加に伴うのれん償却負担増もあったものの10億61百万円(前期比14.8%増)となり、経常利益は25億92百万円(前期比1.3%減)となりました。

また、事業撤退等に伴う減損損失を19億59百万円計上したことなどにより、当社グループの当期純利益は13億91百万円(前期比39.4%減)となりました。

セグメント別の売上の概況は次のとおりです。

 

(アパレル関連事業)

事業子会社は経営指標に新たなガイドラインを設定し、既存事業の収益化を最優先課題として利益率の向上に積極的に取り組むとともに、各々の事業領域に応じて様々な事業戦略を推し進めました。

マーケット環境がますます厳しくなる中、オリジナリティー豊かな商品開発と特色ある店舗運営、さらには独自の販売戦略により、ゴルフウェアの「パ−リーゲイツ」「キャロウェイアパレル」、ストリートカジュアルの「ステューシー」、ロンドンのコレクションブランドの「マーガレット・ハウエル」などの個性溢れるブランドを有する一部の事業が、引き続き順調に推移しました。また、一部事業において新たな顧客ロイヤリティ指標を導入するなど既存事業のてこ入れを積極的に図りました。

新規事業・業態開発への取組みとしては、幅広い顧客層の様々なニーズに応えるブランドポートフォリオ経営の推進として、㈱アングローバルにおける英国の老舗衣料メーカーSunspel Menswear Ltd.との日本国内における独占的な製造販売契約を締結するとともに、㈱アルページュにおいては大人のカジュアル市場に向けた「マイストラーダ」、㈱ナノ・ユニバースではイタリアン・カジュアルをコンセプトに上質なイタリア製にこだわったオリジナル商品を主軸に展開するセレクトショップ「ナノ・ユニバースフラメントクオレ」、㈱TSIグルーヴアンドスポーツにおいてはイタリアフィレンツェの老舗セレクトショップ「ベルナルド」をイメージし、クラシコイタリアの世界観を表現したアイテムを展開する大人のセレクトショップ「ジオベルナルド」をそれぞれオープンしました。

さらに、イーコマース事業の強化として、グループ各社におけるO2Oサイトの立ち上げや有力サードパーティへの出店を加速したほか、当社グループのイーコマースサイトであるMIX.Tokyoの機能充実を図るなど、オムニチャネル化の推進により集客力の一層の拡大と売上高に占めるイーコマース化率のさらなる向上を目指しました。

また、イーコマースを通じた海外事業の拡大として、ASEAN最大のファッション専門イーコマースサイト「ザローラ」に日本のアパレルとして初めて「フリーズマート」を出店しました。

これらの取り組みにより、アパレル関連事業の売上高は、1,641億31百万円(前期比7.7%減)となりました。

 

(その他の事業)

持株会社である当社、合成樹脂製品の製造販売を行なう㈱トスカバノック、運送業を営む㈱スタイル運輸などの事業の他、新規事業である飲食事業として㈱プラックスによる「ナチュラルクリームキッチン」や㈱D.A.B.PASTRYによる「ドミニクアンセルベーカリー」を開設したことなどにより、売上高は104億5百万円(前期比29.3%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務が24億10百万円減少し、法人税等の支払額を32億65百万円計上、投資活動への調整項目である投資有価証券売却益を57億53百万円計上したものの、税金等調整前当期純利益を34億91百万円計上、非資金費用である減価償却費を53億88百万円計上、売上債権が30億52百万円減少、たな卸資産が26億12百万円減少したこと等により、31億35百万円の収入(前年同期比26.0%減)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産(店舗内装資産等)の取得が58億57百万円、無形固定資産の取得が12億39百万円、有価証券の取得が44億36百万円、投資有価証券の取得が42億33百万円、敷金及び保証金の差入が21億46百万円、投資不動産の取得が31億51百万円生じたものの、有価証券の売却が54億17百万円、投資有価証券の売却が158億22百万円、敷金及び保証金の回収が31億57百万円生じたこと等により、22億68百万円の収入(前年同期は92億42百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の売却が65億62百万円生じたものの、短期借入金の純減が7億46百万円、長期借入金の返済が28億78百万円、自己株式の取得が33億98百万円、配当金の支払が18億86百万円生じたこと等により、29億72百万円の支出(前年同期は30億29百万円の支出)となりました。

この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より23億79百万円増加して327億86百万円となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

アパレル関連事業

39,233

81.4

その他事業

1,075

合計

40,309

83.6

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

2 金額は、製造原価によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

アパレル関連事業

32,102

88.3

その他事業

421

114.9

合計

32,532

88.5

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

2 金額は、仕入価格によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注実績

当社グループは、受注生産を行っておりません。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

アパレル関連事業

163,989

92.3

その他事業

3,222

105.1

合計

167,211

92.5

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、平成28年度から平成30年度までの3年間を対象とする中期経営計画を策定し、平成28年4月に公表しました。当該中期経営計画に基づき、当社グループは、引き続き収益基盤の強化に取り組む一方で、中期的には成長戦略も加速し、まずは平成31年2月期に営業利益率5%の達成を目指します。その上でROEを重要な経営指標として掲げ、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。

この基本方針のもと、以下の4つの主要施策を通じて業績の向上にグループ全体で取り組んでまいります。

 

① 既存事業の基盤強化

調達の最適化と経費削減に継続して取り組みグループ全体における販管費率を改善する一方で、顧客満足度、従業員満足度についての定量化指標を導入し指標の継続的な改善を図ることで顧客に支持される店作りを進めてまいります。また、社会的なトレンドからファッションのトレンドを導き、これを具体的な商品として反映していく取り組みを強化することにより商品力の向上を図ります。

② 成長への戦略投資

成長性の高い事業領域へ進出するべく海外展開を加速するとともに、事業提携やM&A等によりファッションを切り口にした周辺事業への展開を強化してまいります。

海外展開については、従前より積極的に取り組んで来た中国に加え、中間層の増加による消費拡大が予想される東南アジアにおいても現地企業との協業等を図るとともに、自社ブランドのより広範な海外展開やグローバルブランドの買収などを目的としたクロスボーダーM&Aについても検討を進めます。

また、周辺事業への展開については、アパレル事業とシナジーを発揮しうる美容、ナチュラルコスメやスキンケアなどとの事業提携や買収に積極的に取り組みます。

③ 外部環境変化への対応力のある事業・ブランドポートフォリオの構築

少子高齢化、イーコマースの拡大等の外部環境の変化に耐えうる事業ポートフォリオを構築するため、既存の不採算事業については撤退を含む大胆な見直しを引き続き行なう一方で、自社事業のみでは埋められないポジションについては積極的な事業買収を行なうことでその充足を図ってまいります。

また、成長著しいイーコマースの分野においても、各ブランドのオムニチャネル化の推進に加え、海外のイーコマース事業者との連携や越境イーコマースを推進することで積極的な売上の拡大策を講じてまいります。

④ 事実と分析に基づく意思決定と合理的なオペレーション基盤の確立

価格戦略や市場分析、さらには物流や予実管理といった分野において、科学的分析をより精緻に行ないPDCAサイクルを強化するとともに、数値など事実に基づく意思決定をグループ内の文化としてその定着を図ってまいります。

BPR (Business Process Re-engineering) により業務プロセスを抜本的に見直し、企画・生産から店頭販売までの業務の精度をさらに向上させるとともに、昨年3月に本格稼働した当社新基幹システムをグループ全社へ展開することにより、グループ横断での情報インフラの共通化と業務の標準化を実現します。また、倉庫の集約や直接貿易の拡大などサプライチェーンの最適化にも取り組みます。

 

これらの主要施策とは別に、コーポレートガバナンス・コードや日本版スチュワードシップ・コードへの対応を充実させることなどで、コーポレートガバナンスの強化を積極的に図ってまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりです。

なお、記載内容のうち将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日(平成28年5月27日)現在において当社グループが判断したものです。

(1) ファッション・アパレル商品の特性について

当社グループの主力商品であるファッション・アパレル商品は、その性格上、流行に左右されやすい傾向があります。消費者ニーズに柔軟に対応すべくマーケット情報の収集に努め、商品企画力の向上・差別化に努めていますが、急激な流行の変化によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 経済状況や気象状況について

ファッション・アパレル商品の売れ行きは、景気の変動、特に個人可処分所得の変動等による個人の購買意欲の低下等に左右される傾向があり、経済状況の変化によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、長梅雨、冷夏、暖冬、台風等の予測不能な気象状況の変化は、売上の低迷や在庫の処分等を通じて、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 品質管理について

当社グループは、『商品本位主義』を経営の基本方針に据え、商品の品質管理には万全の体制を敷いていますが、予測しえない品質上のトラブルや製造物責任に起因する事故が生じた場合は、企業イメージが損なわれ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 出店政策について

当社グループでは、出店候補地周辺の商圏環境や立地条件、店舗損益予測等の分析を行いながら店舗の出店を進めていますが、計画通りに出店が行えなかった場合や、ブランド閉鎖、不採算店舗整理等により多数の退店が発生する場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 知的財産権の使用について

当社グループは、現在海外提携先と契約し、提携先所有の知的財産権を使用した商品を販売しています。これら海外提携先とは現時点では概ね友好な取引関係を維持していますが、今後、事由の如何にかかわらず契約の終了、解除または条件変更された場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、新たに企画開発する商品について、万一第三者から損害賠償および使用差し止め請求等が為され金銭の支払いが発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 個人情報管理について

当社グループは、店頭販売、WEB販売等での顧客管理上、多くの個人情報を保有しており、その管理には万全を期していますが、今後、万一お客様の情報が外部に漏洩する事態となった場合には、信用の低下等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) クレジットリスクについて

保有債券の発行体、あるいはお取引先の財務破綻に起因するデフォルトリスクについては、その回避・軽減のため管理体制を強化していますが、今後、万一そのリスクが現実化した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) その他

以上のほか、公的規制適用、自然災害、各種事故、訴訟等、様々なリスク要因が考えられます。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の分析

売上高についての当連結会計年度の概要は「第2 事業の概況 1 業績等の概況 (1)業績」をご参照ください。

(営業利益)

営業利益は、10億61百万円となりました。これは、主として不採算ブランドや店舗閉鎖に伴う売上総利益率の向上と経費の削減によるものです。

(経常利益)

経常利益は、25億92百万円となりました。これは、主として営業収益の改善によるものです。

(当期純利益)

当期純利益は13億91百万円となりました。これは、主として撤退ブランド等による減損損失を19億59百万円計上したこと等によるものです。

(2)財政状態の分析

総資産は、現金及び預金の増加(前期末比21億39百万円増)、投資不動産仮勘定の増加等による投資その他の資産「その他」の増加(前期末比34億80百万円増)等があったものの、受取手形及び売掛金の減少(前期末比28億37百万円減)、有価証券の減少(前期末比50億39百万円減)、たな卸資産の減少(前期末比31億4百万円減)、未収入金の減少等による流動資産「その他」の減少(前期末比13億1百万円減)、のれんの減少(前期末比14億76百万円減)、投資有価証券の減少(前期末比133億29百万円減)等により、214億38百万円の減少となりました。

負債は、支払手形及び買掛金の減少(前期末比23億92百万円減)、短期借入金の減少(前期末比7億48百万円減)、未払金の減少(前期末比18億12百万円減)、未払法人税等の減少(前期末比7億91百万円減)、未払消費税等の減少等による流動負債「その他」の減少(前期末比13億47百万円減)、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の減少(前期末比28億82百万円減)、繰延税金負債の減少(前期末比41億55百万円減)、長期未払金の減少等による固定負債「その他」の減少(前期末比12億90百万円減)等により、165億39百万円の減少となりました。

純資産は、当期純利益の計上及び欠損てん補の実施等による利益剰余金の増加(前期末比218億43百万円増)、純資産の控除項目である自己株式の減少(前期末比25億29百万円減)等があったものの、欠損てん補の実施等による資本剰余金の減少(前期末比210億93百万円減)、その他有価証券評価差額金の減少(前期末比73億94百万円減)等により、48億98百万円の減少となりました。

以上の結果、1株当たり純資産は、83.53円の減少となりました。

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

(4)中長期的な会社の経営戦略

「3 対処すべき課題」に記載した中期経営計画の達成並びにこれに向けた主要施策の実現が当社グループの中長期的な会社の経営戦略であります。

(5)目標とする経営指標

当社グループは、営業利益率及び株主資本に対する収益性を示すROEを特に重視しております。

 





出典: 株式会社TSIホールディングス、2016-02-29 期 有価証券報告書