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第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

当社は、医療システム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

(1)業績

当事業年度におけるわが国経済は、震災の復興需要や設備の修復により民間投資は緩やかに増加基調となり、個人消費や公共投資が下止まるなど持直しの動きも見られましたが、依然として雇用情勢は厳しく、過度な円高が進行するなど先行き不透明な状況が続きました。

当社が市場とする医療業界におきましては、「どこでもMY病院」構想及び「広域共同利用型の情報連携システム(日本版EHR)」の取組み、高齢者等に対する在宅医療等の推進、レセプト情報等の活用による医療の効率化など、政府の情報通信技術戦略に対する期待感が高まり、地域の各医療機関、個人と医療機関とを結ぶ情報通信技術と情報の利活用及び管理に資する医療情報システムの重要性が一層強く認識されました。

また、地域の医師不足の解消や、救急・周産期医療の充実は、わが国医療の喫緊の課題となっており、医療機関経営の効率化、医療現場での医療の質の向上に加え、EHRをはじめとする医療圏単位での機能強化を実現すべく、
医療機関のIT化の動きは経年的活発化の傾向を一層強めました。

このような環境の中、当社では大学病院をはじめとする大規模病院への、医療用データマネジメントシステムClaio、院内ドキュメント/データ管理システムDocuMaker、紙カルテ・文書アーカイブシステムC-Scan及びカルテ記事記載システムC-Noteの販売や、代理店による診療所への電子カルテREMORAの導入にも注力し、大学病院や国公立病院に対する大規模案件23件、クリニック案件83件の新規・追加導入を行うとともに、今後の市場拡大が見込まれる地域連携医療システムの分野においても、当社が独自に開発した患者情報地域連携基盤システム(クリティカ
ルパス・紹介状交換システム)の最新版を1地域に導入しました。

この結果、当事業年度における当社の売上高は、1,543,160千円(前年同期比34.8%増)となりました。また、営業利益は402,742千円(前年同期比19.7%増)、経常利益は395,061千円(前年同期比19.5%増)、当期純利益は221,961千円(前年同期比15.0%増)となりました。

 

当事業年度における売上の構成は下表のとおりであります。

当社はシステムメーカーとして、ソフトウエアの開発及び販売に主眼をおいております。したがって、ハードウエアの取扱いはソフトウエアの販売に付随して行われるものであり、ハードウエアのみの販売は原則として行っておりません。なお、メンテナンス等の販売額は、電子カルテREMORAのライセンス料を含んでおります。

販売・サービス種類別

販売額(千円)

構成比(%)

前年同期比(%)

ソフトウエア

(うち代理店販売額)

1,137,075

(247,871)

73.7

123.3

ハードウエア

(うち代理店販売額)

221,461

(12,813)

14.4

251.7

メンテナンス等

184,623

11.9

137.4

合計

1,543,160

100.0

134.8

 

当事業年度においては、新規・追加導入の案件数の増加及び新製品の開発等により、一案件当たりの導入規模が拡大したことで、大規模病院向けソリューションが堅調に推移し、ソフトウエアの販売額は1,137,075千円(前年同期比123.3%)となりました。また、直販での中小規模病院への導入も増加したため、ハードウエアの販売額も増加し221,461千円(前年同期比251.7%)となりました。メンテナンス等の販売額は、ユーザ数の増加に伴い184,623千円(前年同期比137.4%)となり、ストック型収益の基盤を着実に拡大いたしました。

この他、地域連携医療システムの分野においてさらなる製品強化を図るため、EHRソリューションの世界的なリーディング・プロバイダーであるOrion Health社(ニュージーランド オークランド)の日本法人Orion Health株式会社と、EHR事業に関する業務提携契約を締結しました。欧米各国でシステム導入の実績とノウハウを持つ同社のEHR製品の国内EHR市場への販売展開準備と、同社EAIソリューションと当社システム及び導入サービス等を融合した新たな製品・サービスを各医療圏へソリューション展開すべく、研究開発活動にも鋭意取組みました。

また、主力製品の機能拡張及びソリューション強化にも注力し、医療用データマネジメントシステムClaio Tablet(Android版)及び電子カルテREMORAの入院版を新たにリリースいたしました。

さらに、医療用データインポートシステムPowerPDI+の高機能版として新たにリリースした「MoveBy」が、CTやMRIのDICOMデータ検査結果を、CDやDVD等により他院から情報提供を受ける際のインポートシステムとして、既に医療現場から高い評価を得ていることから、今後は新たな主力製品として販売に注力してまいります。 

(2)キャッシュ・フロー

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、310,089千円(前事業年度末比170.9%増)となり、前事業年度末に比べて195,631千円増加しております。各キャッシュ・フローの状況と増減要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、前事業年度に比べ97,771千円減少し、171,846千円となりました。これは主として、税引前当期純利益が392,974千円、無形固定資産(市場販売目的のソフトウエア)の償却費116,326千円の計上に対し、売上債権の増加による減少238,463千円、法人税等の支払189,824千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、前事業年度に比べ73,420千円増加し、252,038千円となりました。これは主として、無形固定資産(主に市場販売目的のソフトウエア)の取得による支出178,099千円及び定期預金の預入による支出96,500千円に対し、定期預金の払戻による収入66,037千円によるものであります。

 特に無形固定資産の増加は、今後の事業拡大に備えて開発人員を増補し、新製品の開発及び既存製品の機能拡張・改良を行ったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は、275,822千円(前事業年度は90,808千円の使用)となりました。これは主として、株式の発行による収入348,964千円に対し、短期借入金の返済による支出50,000千円及び配当金の支払による支出16,920千円によるものであります。 

2【生産、受注及び販売の状況】

当社は、医療システム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

(1)生産実績

 当事業年度の生産実績は、次のとおりであります。

事業部門

生産高(千円)

前年同期比(%)

医療システム事業

511,416

147.5

(注)1.金額は当期総製造費用によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注実績

 当事業年度の受注状況は、次のとおりであります。

事業部門

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

医療システム事業

1,461,181

143.9

213,790

175.1

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

当事業年度の販売実績を販売・サービス種類別に示すと、次のとおりであります。

販売・サービス種類別

販売高(千円)

前年同期比(%)

ソフトウエア

1,137,075

123.3

ハードウエア

221,461

251.7

メンテナンス等

184,623

137.4

1,543,160

134.8

(注)1.当事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成22年1月1日

至 平成22年12月31日)

当事業年度

(自 平成23年1月1日

至 平成23年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本電子計算機株式会社

23,566

2.1

196,304

(注)2 

12.7

日本電気株式会社

224,173

19.6

139,537

9.0

2.主に、国立大学病院へのシステム新規導入に係るものであります。同社は、当社よりシステム一式を購入し、当該大学病院に対してリース取引を行っております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

(1)人材の確保について

① 製品力強化のための人材確保

当社は、業界内での当社の競争力の源泉は製品力であり、その製品力は、医療全般に関する深い知識と現場のニーズを把握する情報収集力と提案力、そしてこれらを早期に製品化していく高い開発力にあると認識しております。

現段階において、各部門のスタッフが不足している状況ではありませんが、ユーザがより安心して使用できるより使いやすい製品を、そしてユーザの潜在的なニーズや問題点にいち早く対応する製品を開発していくために、新卒・中途採用を問わず、高いスキルと使命感を持った優秀な人材の確保に努めてまいります。

② 営業力強化のための人材確保

当社は、当社の経営理念を共有できる販売パートナーを多く確保し、彼らに高品質の製品を提供していくことで、全国各地のユーザに当社製品を提供していきたいと考えております。

優秀な販売パートナーを獲得していくためには、医療に関する深い知識とITに関する高いスキルを持合わせた人材が必要不可欠であるとの認識に立ち、今後の最重要課題の一つとして取組んでまいります。

  

(2)地域連携医療へのソリューション展開

当社は既に、地域連携医療に資する製品を展開しております。今後はその取組みをさらに展開し、EHRと病院内のデータやアプリケーションを安全に連携させるための技術を備えた新システムをリリースし「やりたかった」を「出来る」に変える新しい地域連携の形を提案するべく製品開発に取組んでまいります。

また当社では、「地域医療再生計画」に即したICT(Information Communication Technology:情報通信技術)地域医療連携のさらなる拡大を踏まえ、今後積極的なソリューション展開を行うべく、スタッフの拡充及び代理店の開拓に取組むとともに、大規模クラウド型地域連携医療に資するシステムのさらなる研究開発にも注力してまいります。

 

(3)PHR関連製品の開発

 当社では、患者個人がインターネット上で自身のPHRを管理し、各医療機関に散在する治療の経緯や投薬の状況などの医療情報を、今後の治療や健康維持に利用する時代が到来すると考えております。当社は現在、医療機関による情報の管理ツールとして当社製品及びサービスを提供しておりますが、今後、当社の得意とする病院・診療所ソリューションを融合させることにより、健康情報管理を含めた病院・診療所と診療情報連携の取れる新しい形のクラウド型医療健康ソリューションの研究開発にも鋭意取組んでまいります。

 

4【事業等のリスク】

 以下においては、当社の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

 なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本書提出日(平成24年3月30日)現在において当社が判断したものであり、現時点で想定できないリスクが発生する可能性もあります。

 当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避に努める方針であります。

 

(1)情報セキュリティに関する事件・事故について

 当社は、業務上多数の製品開発情報を取扱っております。情報セキュリティ管理に関しましては、重要性及びリスクを十分に認識し、物理的セキュリティの充実に加え、情報セキュリティ管理規程を整備するとともに、従業員に向けた教育の実施、またこれらの運営、維持推進を、組織的かつ継続的に行っております。しかしながら、不測の事態により情報セキュリティ事故等が発生した場合、当社の信用が失墜し、企業イメージの低下を招くなどして、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)個人情報に関する事件・事故について

 当社は、医療機関へのレセプトソフトの導入サービスを行う際に、当該医療機関の保管する個人情報を一時的に預かることがあります。当社は個人情報の取扱いに関する重要性及びリスクを十分に認識し、個人情報を適切に管理するため、個人情報保護規程を整備しております。さらに、当社のホームページにて個人情報保護方針を公開し、これら規程及び方針に準拠した行動指針やガイドラインを制定するとともに、教育、研修を通じて個人情報管理を徹底いたしております。なお、当社は平成20年1月にプライバシーマークの認証を受けております。

 しかしながら、情報管理の過程等において、不測の事態により個人情報の漏洩等が発生した場合、当社への多額の損害賠償請求やプライバシーマークの認証取消処分又は罰金等が課せられる可能性があるとともに、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)訴訟等の発生について

 現在係争中の案件はありません。ただし、以下に記載するイ・ロ等、何らかの理由により訴訟等が発生し、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

イ 当社の製品において、当社の過失によって生じた不具合等により、ユーザに損害が発生した場合、金銭的賠償や信頼喪失により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

ロ 当社では、医療機関に製品の導入を行う際、データ移行作業の為に患者の個人情報を含む医療機関情報を預かることがあります。万が一、内部情報管理体制の瑕疵等によって外部に情報が流出した場合、金銭的賠償や社会的信用の失墜により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)検収時期について

 当社の導入先顧客である医療機関では、システムの稼働開始日を1月1日に設定するケースが多く、したがって検収時期が12月に集中する傾向にあります。また、導入先顧客の人的整備を含む受入れ体制等の状況により、検収時期が流動し、予定していた売上高が翌期以降に計上されることにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、前事業年度及び当事業年度における月次売上高は、次のとおりであります。

前事業年度(自 平成22年1月1日 至 平成22年12月31日) 

 

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

年間合計

売上高

(千円) 

21,596

43,299

223,631

72,010

54,982

40,139

103,533

57,903

94,918

25,914

105,284

301,557

1,144,771

構成比

(%)

1.9

3.8

19.5

6.3

4.8

3.5

9.0

5.1

8.3

2.3

9.2

26.3

100.0

 

当事業年度(自 平成23年1月1日 至 平成23年12月31日)  

 

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

年間合計

売上高

(千円) 

27,152

36,283

280,707

110,985

39,577

54,855

24,354

67,506

234,545

77,604

55,892

533,697

1,543,160

構成比

(%)

1.7

2.4

18.2

7.2

2.6

3.6

1.5

4.4

15.2

5.0

3.6

34.6

100.0

  (5)政府の情報技術戦略について

当社の売上高は、製品構成及び戦略上、大規模病院に対する販売額の占める割合が大きくなる傾向にあります。

大規模病院には国公立施設も多く、IT投資に係る予算が現行どおり組まれている状況が続く場合や、今後現状を上回る場合には、医療IT市場への新規参入により競合企業が増加する可能性があります。競合による製品価格の引下げや案件単位の当社製品の導入規模の縮小は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

一方で、政府の情報技術戦略の変更や、予算の減少等により、医療機関のシステム投資が縮小した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)診療報酬の改定について

 当社の製品・サービスは医療業界向けであります。診療報酬改定の内容が医療機関の経営を圧迫する場合、医療機関の投資意欲が萎縮する可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

   

(7)製品・サービス等の陳腐化について

 当社は、開発部門において、既存製品の改良と新製品等の研究開発に取組んでおりますが、万が一、当社が想定していない新技術及び新サービスが普及等した場合には、当社の提供するソフトウエア、サービス等が陳腐化し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社製品の競合先との競争激化による製品価格の引下げは、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)特定役員への依存及び人材の確保、育成について

イ 特定役員への依存について

当社代表取締役社長 相原輝夫は、当社経営の最高責任者であり、営業活動、開発活動に多大の関与をしております。現在、業務分掌や職務権限の委譲を進めることで同氏への依存度が低下しつつありますが、今後何らかの理由で同氏が当社での業務を継続することが困難になったとき、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

ロ 人材の確保、育成について

当社は、医療機関向けのシステム開発企業として、医療及び医療システムに対する高度の知識と、医療機関のニーズや問題点を的確に把握し、それらに対する解決策を提案できる能力が業務遂行に要求されます。今後継続的な採用活動と教育育成プログラムによりスタッフの拡充に努めますが、計画的な採用、育成ができなかった場合、事業拡大及び将来性に影響を与える可能性があります。

 

(9)販売パートナーとの関係について

 当社は、研究開発型企業として製品を供給していく所存ですが、販売面に関しては、今後販売パートナーを拡充していく方針であります。当社は、販売パートナーとの間で良好な関係を維持しておりますが、今後、販売パートナーの経営戦略の変更や他社製品の取扱いへの変更、その他何らかの理由で良好な関係が維持されず、代理店契約等が解除された場合には、当社営業拠点から離れた地域のユーザへのサポート等に係る金銭的又は時間的な負担が発生する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)特許権等の知的財産権について

当社は、独自に開発したロジックや製品などについて、国内外において特許権等の知的財産権を取得することにより、その保護に努めています。しかし、第三者から異議申立てを受け、無効にされ、又は回避される可能性があり、これらの特許権等により競争上の優位性が保証されるものではありません。

 当社は、現時点において、当社の特許に対する無効申立てや、当社の事業活動に影響を与えるような特許権、商標権、著作権等その他の知的財産権が他社により取得されているという事実は確認しておりません。しかしながら、ソフトウエアに関する技術革新の顕著な進展により、当社のソフトウエアが第三者の知的財産権に不時に抵触する場合や、当社が認識していない特許権が成立している場合、当該第三者が知的財産権の侵害を主張し、損害賠償及び使用差止め等の訴えを提起される可能性並びに当該訴訟に対する金銭的な負担を余儀なくされる可能性があり、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(11)ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について

 当社は、役職員等の会社業績に対する意欲や士気を高めることを目的として、ストック・オプション制度を導入しております。具体的には平成21年7月の取締役会の決議で発行しております。これらのストック・オプションが行使された場合、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

当事業年度において新たに締結した経営上の重要な契約は次のとおりであります。

 

当社は、平成23年6月17日開催の取締役会において、Orion Health株式会社との間で、EHR(電子健康記録)事業に関する業務提携契約を締結することを決定し、同日付で締結しております。

 

当社とOrion Health株式会社の業務提携に関する契約

契約書名

業務提携に関する契約

契約締結日

平成23年6月17日

主な契約内容

Orion Health株式会社から当社に対し、ソフトウエア又はサービス若しくはその双方を供給する。

 

6【研究開発活動】

当社は、医療システム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

(1)研究開発活動に関する基本方針

 当社は、医療システム及び医療ネットワークシステムに特化した研究開発型企業としての企業価値を高めるとともに、医療現場のニーズに迅速かつ的確に対応した、より利便性の高い製品をユーザに提供することによって、新たな市場を創出し、医療のIT化促進に資するため、研究開発活動に注力しております。

 当社は、ソフトウエアビジネスにおきましては、その業界において常に顧客主体の最先端のサービスを提供していくことが重要であるとの認識から、医療機関における様々な細分化されたニーズをいち早くキャッチし、新製品の研究開発に尽力するとともに、既存製品に対しても新しいニーズを組込んだ製品へと改善・改良を行っております。

 また、新製品につきましては、医師の高齢化やITリテラシーの問題等にも対応するべく、継ぎ目のないIT環境の実現に向け、既存製品と連携した様々なシステムの研究開発を行っております。

なお、当社は、医療システム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。

 

(2)研究開発体制及び管理体制

 当社では、当事業年度末現在において、担当取締役以下47名(従業員比率49.5%)が研究開発に従事しております。特にIT技術が先進的に研究されている大学病院を中心に、医療システムにおける課題・ニーズを営業部門よりいち早く入手し、研究開発テーマを検討しております。

 

(3)当事業年度における研究開発活動

 研究開発に関するテーマの選定、プロジェクト編成、予算等は取締役会において討議・決定され、その後の研究開発における進捗状況は案件ごとに取締役会に報告されるとともに、研究開発活動の継続・中止が検討・決定されます。

当事業年度におきましては、地域連携医療システムの分野においてさらなる製品強化を図り、新たな製品・サービスを各医療圏へソリューション展開すべく、研究開発活動に鋭意取組みました。

また、当社主力製品であるClaioは、電子カルテと連携してデータを管理・運用するサブシステムとしての性質上、電子カルテやレセコンの海外展開と異なり、その国の医療制度に対応するためのシステムの本質的な改良が不要であることや、国内の多くの医療機関で利用されている海外メーカーの医療機器・機械との連携を既に確立していること、Claioシリーズ及びDocuMakerの持つEHRへの診療データ連携性能などから、海外展開に向けた潜在力を十分に有しており、現地の医療機関やSIerによる評価の実施も終えております。

上記の研究開発活動の結果、当事業年度は、研究開発費13,258千円を計上しております。

  

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日(平成24年3月30日)現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。

 

(2)財政状態の分析

(資産の状況)

 当事業年度末における資産の残高は、1,355,647千円となり、前事業年度末より576,194千円増加しました。

① 流動資産

 流動資産は、売上増加による現金及び預金の増加226,093千円と売掛金の増加238,768千円を主たる要因とし、当事業年度末残高1,045,771千円(前事業年度末比478,579千円増)となりました。

② 固定資産

 固定資産は、無形固定資産(主に市場販売目的のソフトウエア)の増加61,204千円、投資有価証券の増加11,400千円及び敷金の増加12,449千円を主たる要因とし、当事業年度末残高309,876千円(前事業年度末比97,614千円増)となりました。

 開発人員の増加に伴い無形固定資産(市場販売目的のソフトウエア)が増加した一方で、利益剰余金の増加に伴い株主資本が増加したことで、固定比率は32.5%となり、前事業年度末に比べて20.7%良化しました。

 

(負債の状況)

 当事業年度末における負債の残高は、402,934千円となり、前事業年度末より21,981千円増加しました。

① 流動負債

 流動負債は、1年内償還予定の社債の増加100,000千円及び未払金の増加30,020千円を主たる要因とし、当事業年度末残高386,187千円(前事業年度末比123,683千円増)となりました。

② 固定負債

 固定負債は、社債の減少100,000千円を主たる要因とし、当事業年度末残高16,746千円(前事業年度末比101,701千円減)となりました。

 

(純資産の状況)

 当事業年度末における純資産の残高は、952,713千円となり、前事業年度末より554,212千円増加しました。これは主に、株式上場等に伴う増資による資本金の増加174,482千円、資本準備金の増加174,482千円及び利益剰余金の増加205,041千円に伴う株主資本の増加554,005千円によるものです。株主資本の増加により、自己資本比率は70.3%となり、前事業年度に比べて19.2%良化しました。 

(3)経営成績の分析

(売上高)

当事業年度の売上高は、過去最高となった前事業年度末に比べて398,388千円増加し、1,543,160千円(前年同期比34.8%増)となりました。

売上増加の主な理由は、大学病院をはじめとする官公立病院への大規模導入の案件数が増加したことと、当社主力製品であるデータマネジメントシステムClaioを中心としたシステム連携ソリューションの1案件当たりの規模が拡大したことによるものです。また、診療所に対する代理店による電子カルテREMORAの導入にも積極的に取組んだ結果、REMORAのユーザ数増加によりライセンスの売上が堅調に伸び、メンテナンス等の売上高が増加し、ストック型収益の基盤も拡大いたしました。

 

(売上総利益)

 当事業年度の売上総利益は、売上の増加に伴い前事業年度に比べ139,447千円増加し、842,007千円(前年同期比19.8%増)となりました。また、売上総利益率は、前事業年度に比べ6.8%減少の54.6%となりました。 

 

(営業利益)

 当事業年度の営業利益は、売上の増加に伴い前事業年度に比べ66,404千円増加し、402,742千円(前年同期比19.7%増)となりました。また、販売費及び一般管理費の対売上比は、前事業年度に比べ3.5%減少し、28.5%となりました。

 

(経常利益)

 当事業年度の経常利益は、売上の増加に伴い前事業年度に比べ64,429千円増加し、395,061千円(前年同期比19.5%増)となりました。

 

(当期純利益)

 当事業年度の当期純利益は、前事業年度に比べ28,873千円増加し、221,961千円(前年同期比15.0%増)となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの状況

 「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

(5)経営者の問題意識と今後の方針について

 当社が市場とする医療業界におきましては、大規模病院を筆頭に今後も積極的なシステム化が予見され、堅調な成長が見込めるものと認識しておりますが、同時に他社との競争が激化することも予想されます。当社は、従前にも増して、人員の拡充を図るとともに教育・社内啓蒙活動を充実させることにより、社内管理体制の強化と企業力の向上に努めてまいります。

 また、当社の主力製品であるClaioは、当社の各製品との連携はもとより、多くの診療科を跨ぎ様々な医療機器・システムを連携させ、一元管理することで診療の効率化と質の向上を実現する、大規模病院向けソリューションの中核となる製品でありますが、これまで中小規模病院に対しては、「施設規模に対する製品価格の問題」により積極的な営業展開が難しい製品でありました。次事業年度におきましては、「製品価格の問題」を解決すべく中小規模病院への導入にも対応するバージョンをリリースし、顧客層の拡大を図ってまいります。

さらに、今後、多くの医療機関で主流となってくるであろうシンクライアント型電子カルテや、Web型地域連携システム(EHR)において、各々のセキュリティーポリシーの下では実現が難しい「Webアプリケーション側からのローカルPCのデータコントロール、Webアプリケーションとローカルシステムとの連携」という問題を解決する新しいソリューションをもって新たな価値と市場を創出します。

当社は、経営理念である「医療を通じた社会貢献」を実現し、株主・販売先・仕入先・金融機関・従業員などの全てのステークホルダーの期待と信頼に応えるべく、経営資源の的確な配置と効率的な投入による企業価値の最大化に注力してまいります。 





出典: 株式会社ファインデックス、2011-12-31 期 有価証券報告書