有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

当社は、当事業年度より医療システム以外の分野での取り組みを開始しておりますが、医療システム事業の単一セグメントとして、セグメント別の記載は省略しております。

 

(1)業績

当事業年度における我が国経済は、企業収益が明確な改善を続ける中で設備投資は増加基調となり、雇用・所得環境は着実に改善するとともに景気は緩やかな回復基調が続きました。

当社が主な市場とする医療業界におきましては、政府が推進する地域包括ケアシステムの実現に向けて、在宅医療を実施する医療機関や訪問看護ステーション等の連携強化を図るICT化が着実に進展しました。今後も、療養者の状態をタイムリーに共有し、医療・看護業務を効率化する情報連携システムは、さらに急速に普及していくものと考えられます。

また、大規模医療機関でのシステム導入は一巡しており、今後はリプレース需要を中心にこれまで以上に幅広い診療科でのシステム利用・連携が進み導入規模が拡大していくとともに、中小規模医療機関のシステム需要も一層増加していくことが予見されます。

このような環境の中、当社では、大学病院をはじめとする大規模病院や地域中核病院等への医療用データマネジメントシステムClaio(クライオ)や院内ドキュメント作成/データ管理システムDocuMaker(ドキュメーカー)を中心とした院内データ総合管理ソリューション群の販売・導入に注力するとともに、ハイレベルな製品力が高い市場評価を得ている眼科カルテソリューションの代理販売等も順調に推移し、累計期間で病院案件98件及び診療所案件94件の新規・追加導入を行いました。

平成27年7月1日付け効力発生の事業譲受により製品幅を拡大し人的資本を拡充したことで一時的な費用増とはなりましたが、当社は一層導入力を強化し第4四半期会計期間には今後の加速度的な成長も見据えたシナジー効果の高い開発・導入体制を構築できました。

この結果、当事業年度における当社の売上高は、2,951,922千円(前年同期比3.1%増)となりました。また、各利益においては、事業譲受に伴う人件費や地代家賃及びのれん償却の増加等により、営業利益は670,293千円(同32.5%減)、経常利益は671,237千円(同33.4%減)、当期純利益は441,399千円(同29.9%減)となりました。

 

当事業年度における売上の構成は下表のとおりであります。

当社はシステムメーカーとして、ソフトウエアの開発及び販売に主眼をおいております。したがって、ハードウエアの取扱いはソフトウエアの販売に付随して行われるものであり、ハードウエアのみの販売は原則として行っておりません。なお、サポート等の販売額は、電子カルテREMORAのライセンス料を含んでおります。

販売・サービス種類別

販売額(千円)

構成比(%)

前年同期比(%)

ソフトウエア

(うち代理店販売額)

2,102,626

(512,982)

71.2

94.6

ハードウエア

(うち代理店販売額)

193,262

(13,839)

6.5

99.0

サポート等

656,033

22.3

147.2

合計

2,951,922

100.0

103.1

 

(2)キャッシュ・フロー

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、843,880千円(前事業年度末比39.5%減)となり、前事業年度末に比べて551,028千円減少しました。各キャッシュ・フローの状況と増減要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、前事業年度に比べ1,154,766千円減少し、126,962千円となりました。これは主として、税引前当期純利益が669,232千円、売上債権の増加による減少330,584千円、法人税等の支払403,142千円及び無形固定資産(市場販売目的のソフトウエア)の償却費253,597千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前事業年度に比べ357,387千円減少し、52,462千円となりました。これは主として、無形固定資産(主に市場販売目的のソフトウエア)の取得による支出242,835千円、定期預金の預入による支出148,500千円及び定期預金の払戻による収入297,000千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前事業年度に比べ495,683千円増加し、625,527千円となりました。これは主として、事業譲受に伴う借入金の返済による支出345,452千円及び株式給付信託による自己株式の取得による支出149,811千円によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

当社は、当事業年度より医療システム以外の分野での取り組みを開始しておりますが、医療システム事業の単一セグメントとしてセグメント別の記載は省略しております。

 

(1)生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当事業年度の生産実績は、次のとおりであります。

事業部門

生産高(千円)

前年同期比(%)

医療システム事業

985,680

131.9

(注)1.金額は当期総製造費用によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注状況

当事業年度の受注状況は、次のとおりであります。

事業部門

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

医療システム事業

2,674,665

119.5

644,734

180.1

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

当事業年度の販売実績を販売・サービス種類別に示すと、次のとおりであります。

販売・サービス種類別

販売高(千円)

前年同期比(%)

ソフトウエア

2,102,626

94.6

ハードウエア

193,262

99.0

サポート等

656,033

147.2

合計

2,951,922

103.1

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成26年1月1日

至 平成26年12月31日)

当事業年度

(自 平成27年1月1日

至 平成27年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本電気株式会社

460,635

16.1

415,439

14.1

株式会社富士通アドバンスト

エンジニアリング

348,708

12.2

134,768

4.6

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

(1)人材の確保について

① 製品力強化のための人材確保

当社は、業界内での当社の競争力の源泉は製品力であり、その製品力は、医療全般に関する深い知識と現場のニーズを把握する情報収集力、そしてこれらを早期に製品化していく高い開発力にあると認識しております。

現段階において、開発部門のスタッフが不足している状況ではありませんが、ユーザがより安心して使用できるより使いやすい製品を、そしてユーザの潜在的なニーズや問題点に逸早く対応する製品を開発していくために、新卒・中途採用を問わず、高いスキルと使命感を持った優秀な人材の確保に引き続き努めてまいります。

 

② 営業力強化のための人材確保

当社は、当社の経営理念を共有できる販売パートナーを多く確保し、彼らに高品質の製品を提供していくことで、全国各地のユーザに当社製品を提供していきたいと考えております。

優秀な販売パートナーを獲得していくためには、医療に関する深い知識とITに関する高いスキルを持ち合わせた人材が必要不可欠であるとの認識に立ち、今後の最重要課題の一つとして取り組んでまいります。

 

(2)隣接領域への進出

① 診断支援システムの開発

これまで医療用ソフトウエアは、医療機器として常にハードウエアとの一体化が必要でしたが、薬事法の改正によりソフトウエアが単体で医療機器と認められました。これにより、多様な臨床アプリケーションの創出が期待されるとともに、より踏み込んだ領域で診断支援を行うソフトウエアの研究開発も期待される一方で、これまで以上に医療情報システムが、その真価を問われることとなると予想されます。これはまさに、当社が長年に渡り蓄積し、向上させてきた開発技術やノウハウ、知識を基に開発してきた製品を、より厳しい審査を通してこれまで以上に安全で安心かつ最先端の製品とする好機であると認識しております。これを受けて、当社は“診断支援システム”のさらなる研究開発に鋭意取り組み、製品幅を拡大するとともに、新しいかたちで医療へ貢献してまいります。

 

② 病院経営効率化ソリューションの提供

当社製品はこれまで、診療効率を向上させることによりその結果として経営効率の向上をもたらせる製品群が主力でありましたが、今後は「経営」そのものにもダイレクトに働きかける製品を提供することで、医療の「現場」と「経営」を密に連携させて大きな相乗効果を得られるよう、新たな製品の開発に取り組んでまいります。

 

4【事業等のリスク】

 以下においては、当社の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

 なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本書提出日(平成28年3月30日)現在において当社が判断したものであり、現時点で想定できないリスクが発生する可能性もあります。

 当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避に努める方針であります。

 

(1)情報セキュリティに関する事件・事故について

当社は、業務上多数の製品開発情報を取扱っております。情報セキュリティ管理に関しましては、重要性及びリスクを十分に認識し、物理的セキュリティの充実に加え、情報セキュリティ管理規程を整備するとともに、従業員に向けた教育の実施、またこれらの運営、維持推進を、組織的かつ継続的に行っております。また、これらの情報管理体制をより強化するため、平成24年8月には大規模病院向け医療情報システムメンテナンス業務について情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証取得をいたしました。

しかしながら、不測の事態により情報セキュリティ事故等が発生した場合、当社の信用が失墜し、企業イメージの低下を招き、またはISMS認証取消の可能性があるとともに、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)個人情報に関する事件・事故について

当社は、医療機関へのレセプトソフトの導入サービスを行う際に、当該医療機関の保管する個人情報を一時的に預かることがあります。当社は個人情報の取扱いに関する重要性及びリスクを十分に認識し、個人情報を適切に管理するため、個人情報保護規程を整備しております。さらに、当社のホームページにて個人情報保護方針を公開し、これら規程及び方針に準拠した行動指針やガイドラインを制定するとともに、教育、研修を通じて個人情報管理を徹底いたしております。なお、当社は平成20年1月にプライバシーマークの認証を受けております。

しかしながら、情報管理の過程等において、不測の事態により個人情報の漏洩等が発生した場合、当社への多額の損害賠償請求やプライバシーマークの認証取消処分又は罰金等が課せられる可能性があるとともに、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)訴訟等の発生について

現在係争中の案件はありません。ただし、以下に記載するイ・ロ等、何らかの理由により訴訟等が発生し、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

① 当社の製品において、当社の過失によって生じた不具合等により、ユーザに損害が発生した場合、金銭的賠償や信頼喪失により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 当社では、医療機関に製品の導入を行う際、データ移行作業の為に患者の個人情報を含む医療機関情報を預かることがあります。万が一、内部情報管理体制の瑕疵等によって外部に情報が流出した場合、金銭的賠償や社会的信用の失墜により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)検収時期について

当社の導入先顧客である医療機関では、システムの稼働開始日を1月1日に設定するケースが多く、したがって検収時期が12月に集中する傾向にあります。また、導入先顧客の人的整備を含む受入れ体制等の状況により、検収時期が流動し、予定していた売上高が翌期以降に計上されることにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、平成26年度及び平成27年度の月次売上高は、次のとおりであります。

平成26年度(自 平成26年1月1日 至 平成26年12月31日)

 

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

年合計

売上高

(千円)

156,008

96,149

646,406

127,180

239,870

143,212

168,568

111,958

416,189

185,458

217,897

355,016

2,863,916

構成比

(%)

5.4

3.4

22.6

4.4

8.4

5.0

5.9

3.9

14.5

6.5

7.6

12.4

100.0

 

平成27年度(自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日)

 

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

年合計

売上高

(千円)

130,798

129,716

284,904

127,886

198,571

260,395

158,247

136,659

270,633

161,707

308,294

784,106

2,951,922

構成比

(%)

4.4

4.4

9.7

4.3

6.7

8.8

5.4

4.6

9.2

5.5

10.4

26.6

100.0

 

 

(5)政府の情報技術戦略について

当社の売上高は、製品構成及び戦略上、大規模病院に対する販売額の占める割合が大きくなる傾向にあります。

大規模病院には国公立施設も多く、IT投資に係る予算が現行どおり組まれている状況が続く場合や、今後現状を上回る場合には、医療IT市場への新規参入により競合企業が増加する可能性があります。競合による製品価格の引下げや案件単位の当社製品の導入規模の縮小は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

一方で、政府の情報技術戦略の変更や、予算の減少等により、医療機関のシステム投資が縮小した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)製品・サービス等の陳腐化について

当社は、開発部門において、既存製品の改良と新製品等の研究開発に取り組んでおりますが、万一、当社が想定していない新技術及び新サービスが普及等した場合には、当社の提供するソフトウエア、サービス等が陳腐化し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社製品の競合先との競争激化による製品価格の引下げは、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)特定役員への依存及び人材の確保、育成について

① 特定役員への依存について

当社代表取締役社長 相原輝夫は、当社経営の最高責任者であり、営業活動、開発活動に深く関与をしておりますが、現在、業務分掌や職務権限の委譲を進めることで同氏への依存度が低下しつつあります。しかしながら、今後何らかの理由で同氏が当社での業務を継続することが困難になったとき、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

② 人材の確保、育成について

当社は、主に医療機関向けシステムの研究開発・販売を行っており、業務遂行に医療及び医療システムに対する高度の知識と医療機関のニーズや問題点を的確に把握し、それらに対する解決策を提案できる能力が要求されます。今後継続的な採用活動と教育育成プログラムによりスタッフの拡充に努めますが、計画的な採用、育成ができなかった場合、事業拡大及び将来性に影響を与える可能性があります。

 

(8)販売パートナーとの関係について

当社は、研究開発型企業として製品を供給していく所存ですが、販売面に関しては、今後販売パートナーを拡充していく方針であります。当社は、販売パートナーとの間で良好な関係を維持しておりますが、今後、販売パートナーの経営戦略の変更や他社製品の取扱いへの変更、その他何らかの理由で良好な関係が維持されず、代理店契約等が解除された場合には、当社営業拠点から離れた地域のユーザへのサポート等に係る金銭的又は時間的な負担が発生する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)特許権等の知的財産権について

当社は、独自に開発したロジックや製品などについて、国内外において特許権等の知的財産権を取得することにより、その保護に努めています。しかし、第三者から異議申立てを受け、無効にされ、又は回避される可能性があり、これらの特許権等により競争上の優位性が保証されるものではありません。

当社は、現時点において、当社の特許に対する無効申立てや、当社の事業活動に影響を与えるような特許権、商標権、著作権等その他の知的財産権が他社により取得されているという事実は確認しておりません。しかしながら、ソフトウエアに関する技術革新の顕著な進展により、当社のソフトウエアが第三者の知的財産権に不時に抵触する場合や、当社が認識していない特許権が成立している場合、当該第三者が知的財産権の侵害を主張し、損害賠償及び使用差止め等の訴えを提起される可能性並びに当該訴訟に対する金銭的な負担を余儀なくされる可能性があり、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(10)ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について

当社は、役職員等の会社業績に対する意欲や士気を高めることを目的として、ストック・オプション制度を導入しております。具体的には平成21年7月の取締役会の決議で発行しております。これらのストック・オプションが行使された場合、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

当社は、平成27年5月7日付で株式会社トライフォーと事業譲渡契約を締結し、平成27年7月1日付で株式会社トライフォーの全事業を譲り受けました。詳細は、「第5 経理の状況 財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

当社は、当事業年度より医療システム以外の分野での取り組みを開始しておりますが、医療システム事業の単一セグメントとして、セグメント別の記載は省略しております。

 

(1)研究開発活動に関する基本方針

 当社は、医療システム及び医療ネットワークシステムに特化した研究開発型企業としての企業価値を高めるとともに、医療現場のニーズに迅速かつ的確に対応した、より利便性の高い製品をユーザに提供することによって、新たな市場を創出し、医療のIT化促進に資するため、研究開発活動に注力しております。

 当社は、ソフトウエアビジネスにおきましては、その業界において常に顧客主体の最先端のサービスを提供していくことが重要であるとの認識から、医療機関における様々な細分化されたニーズをいち早くキャッチし、新製品の研究開発に尽力するとともに、既存製品に対しても新しいニーズを組込んだ製品へと改善・改良を行っております。

 また、新製品につきましては、医師の高齢化やITリテラシーの問題等にも対応するべく、シームレスなIT環境の実現に向け、既存製品と連携した様々なシステムの研究開発を行っております。

 

(2)研究開発体制及び管理体制

 当社では、当事業年度末現在において、担当取締役以下66名(従業員比率33.8%)が研究開発に従事しております。特にIT技術が先進的に研究されている大学病院を中心に、医療システムにおける課題・ニーズを営業部門よりいち早く入手し、研究開発テーマを検討しております。

 

(3)当事業年度における研究開発活動

研究開発に関するテーマの選定、プロジェクト編成、予算等は取締役会において討議・決定され、その後の研究開発における進捗状況は案件ごとに取締役会に報告されるとともに、研究開発活動の継続・中止が検討・決定されます。

当事業年度におきましては、株式会社トライフォーからの事業譲受により獲得した放射線情報システムを、従来システムのノウハウと組み合わせたより強力な製品に昇華させ、来期以降の売上に大きく寄与し得る新しいソリューションとするべく、引き続き開発に取り組みました。

また、当社は平成27年12月より施行された労働安全衛生法に基づくストレスチェックの義務化に対応し、ストレスチェックシステムを開発いたしました。企業向けストレスチェックシステムは、安全なネットワークの構築により受検者情報の登録から受検、医師による結果参照・評価までを効率的に行えるだけでなく、機能拡張により日々の汎用的な文書作成とデータ管理システムとしても利用可能であります。医療機関向け同システムは、質問内容をユーザが簡単にカスタマイズし結果を詳細に分析することや受検結果・評価内容を引用した効率的な書類記載も可能であり、企業向けと同様に日々の汎用文書作成・データ管理にも利用できます。

加えて、新たに2種類の医療用カメラアプリを開発し、運用に応じて院内の撮影データを効率的かつ簡単に管理することができるデジカメソリューションの提供を開始いたしました。画像ファイリングを得意とする当社の独自の観点から高い利便性を追求した画期的なソリューションであり、学会等で大きな反響と評価を受け、既に多くの引き合いを受けております。

さらに、既に大学病院や地域医療連携での利用実績も有している産科システムのノウハウを活かし、新たな製品として周産期システムMapleNote(メープルノート)の開発に取り組みました。同製品は、妊婦健診から分娩、産褥期に至るまでの母子の診療記録を一元管理することができ、周産期システムとして必要な機能を十分に備えつつ、医療機関ごとの運用に合わせて画面構成や書類テンプレートを簡単かつ柔軟に変更できる利便性を実現しております。医師不足や分娩を取り扱う医療機関の減少に伴い、診療の効率化が求められる周産期医療において、産科医の負担を軽減するだけでなく、助産師や小児科医などの周産期医療を支える様々なスタッフとの情報共有も可能とする製品であります。今後は、販売展開と合わせてユーザビリティの向上を目指してさらなる改良に鋭意努めてまいります。

上記の研究開発活動の結果、当事業年度は、研究開発費2,972千円を計上しております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日(平成28年3月30日)現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。

 

(2)財政状態の分析

(資産の状況)

当事業年度末における資産の残高は、2,800,126千円となり、前事業年度末より32,606千円減少しました。

① 流動資産

流動資産は、売上増加による売掛金の増加396,713千円に対し、主に株式給付信託による自己株式の取得及び事業譲受に伴う借入金の返済による現金及び預金の減少699,528千円を主たる要因とし、当事業年度末残高2,095,281千円(前事業年度末比277,730千円減)となりました。

② 固定資産

固定資産は、主にのれんの増加による無形固定資産の増加247,029千円を主たる要因とし、当事業年度末残高704,844千円(前事業年度末比245,124千円増)となりました。

 

(負債の状況)

当事業年度末における負債の残高は、296,011千円となり、前事業年度末より193,241千円減少しました。

① 流動負債

流動負債は、未払法人税等の減少199,147千円、未払消費税等の減少59,735千円を主たる要因とし、当事業年度末残高253,560千円(前事業年度末比219,786千円減)となりました。

② 固定負債

固定負債は、長期前受金の増加3,702千円及び株式給付引当金の増加20,000千円を主たる要因とし、当事業年度末残高42,451千円(前事業年度末比26,545千円増)となりました。

 

(純資産の状況)

当事業年度末における純資産の残高は、2,504,114千円となり、前事業年度末より160,634千円増加しました。これは主に利益剰余金の増加311,393千円に対し、株式給付信託による自己株式の取得による減少149,811千円によるものであります。

 

(3)経営成績の分析

(売上高)

当事業年度の売上高は、前事業年度に比べて88,005千円増加し、2,951,922千円(前年同期比3.1%増)となりました。ソフトウエアは前年に引き続き堅調に推移し、サポート等は事業譲受によるメンテナンス料の増加もあり今後のストック収益の基盤を拡大いたしました。

 

(売上総利益)

 当事業年度の売上総利益は、事業譲受に伴う人件費や外注加工費、一時的な支払手数料の増加により前事業年度に比べ138,584千円減少し、1,641,956千円(前年同期比7.8%減)となりました。また、売上総利益率は、前事業年度に比べ6.5%減少し55.6%となりました。

 

(営業利益)

 当事業年度の営業利益は、事業譲受に伴う人件費や地代家賃、のれん償却費の増加により前事業年度に比べ322,461千円減少し、670,293千円(前年同期比32.5%減)となりました。また、販売費及び一般管理費の対売上比は、前事業年度に比べ5.4%増加し、32.9%となりました。

 

(経常利益)

 当事業年度の経常利益は、前事業年度に比べ337,381千円減少し、671,237千円(前年同期比33.4%減)となりました。

 

(当期純利益)

 当事業年度の当期純利益は、前事業年度に比べ188,672千円減少し、441,399千円(前年同期比29.9%減)となりました。

(4)キャッシュ・フローの状況

 「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

(5)経営者の問題意識と今後の方針について

当社は、経営理念である「価値ある技術創造で社会を豊かにする」を実現し、株主・販売先・仕入先・金融機関・従業員などの全てのステークホルダーの期待と信頼に応えるべく、経営資源の的確な配置と効率的な投入による企業価値の最大化に注力してまいります。

当社が主な市場とする医療業界におきましては、政府の諸施策等により、医療及び医療連携に資するICT化に向けた投資意欲が一層高まりを見せ、市場はさらなる拡大を続けると予見されます。当社は、従前にも増して人員の拡充を図るとともに、人材と製品とを同時に獲得し得るM&Aを視野に入れた人材施策にも取り組み、社内管理体制の強化と企業力の向上に努めてまいります。

開発・営業活動にあっては、今後ますます市場の拡大が予測される診断支援システムや病院経営効率化ソリューション等現在の主力製品群の隣接領域や、医療以外の分野への製品提供にも積極的に取り組んでまいります。

 

<医療分野>

当社の主力製品であるClaio及びDocuMakerは、院内の診療科を跨いで様々な医療機器・システムと繋がることで患者情報を一元管理し、診療の効率化と質の向上を実現する病院向けソリューションの中核となる製品であり、医療情報システム市場において、当社製品ラインナップは、先端にしてスタンダードとなりつつあります。既に医療機関のシステム化は必然となっており、今後は放射線部門システムも含めたこれまで以上の規模で、当社製品の受注・導入が進むと確信しております。

大中規模病院に対する導入は、これまでの成長率と同程度に堅調に伸び続けるものと考えております。加えて、小規模病院・診療所に対しても当社にしかないオンリーワンの革新的な技術をもって創出した新市場の本格的な掘り起こしに取り組んでまいります。

さらに、当社は地域包括ケアについても取り組みを続けており、既に提供を開始している訪問看護記録システムや連携掲示板システムに加えて、新たなシステムの開発にも着手しております。今後さらなる需要の拡大が予見される在宅医療の分野においては、看護計画の立案から診療の記録、関係者間での情報共有をスムーズに行なうための仕組みは必要不可欠であり、ICT化が急速に高まっている分野でもあります。当社は、これまでの実績やノウハウに基づいた、ユーザに高度なシステムの知識を求めることなく簡単かつ安全に利用できるシステムを提供可能であり、包括ケアの分野でも当社ならではの優位性を活かした革新的なソリューションを提供していく所存です。

 

<医療以外の分野>

当社が開発したデータ取得ツール群は、これまで様々な場面で必要とされていたにもかかわらず実現困難であったデータの取得と連携利用を、専門的な知識を必要とせず“安価で自由に”行うことを可能とした製品であります。当該製品群の技術は、人的工数やシステム導入コストを大幅に削減するものであります。この技術は、多くのシステムメーカーの事業をこれまで以上に有利に展開する鍵となり、参入の難しかった新たな顧客群の獲得に乗出す切り札ともなり得ることから、一例では官公庁等のシステムリプレイス市場なども視野に入れたあらゆる分野に向けて、積極的な販売展開に取り組んでまいります。

また、医療の分野で高い利便性が認められたDocuMakerは幅広い業種で利用可能であることから、他分野での販売に向けて新たにDocuMaker Officeとして製品化しました。DocuMaker Officeは、文書記載・管理だけでなく、複数の書類に入力したデータを集計したり、解析・検索したりするなど二次利用も可能なデータ入力ツールであります。同製品は、既に多くの引き合いを受けております。

人材施策においても、今後の事業拡大に備えた人的資本と研究開発技術の獲得のための投資として、M&Aも視野に入れ鋭意取り組んでまいります。

 





出典: 株式会社ファインデックス、2015-12-31 期 有価証券報告書