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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

当社は、医療システム以外の分野でも事業を行っておりますが、医療システム事業の単一セグメントとして、セグメント別の記載は省略しております。

 

(1)業績

当事業年度における我が国経済は、個人消費に持ち直しの動きが見られ、企業収益も改善が続くなど、引き続き景気は緩やかな回復基調となりました。

当社が主な市場とする医療業界におきましては、診療報酬改定への対応や医療費抑制に向けた取り組みが求められており、画像やデータ、文書の管理及び情報共有に資する高い利便性と安全性を有する医療情報システムの需要が従前にも増して高まっております。また、これまで様々なデータを統合管理することで医師の利便性向上や負担軽減に貢献するシステムが求められてきましたが、さらにその統合データを病院経営や国の医療施策へと生かしていくことが重要であるとの認識が一層拡大しております。

このような環境の中、当社では、大学病院をはじめとする大規模病院や地域中核病院等への医療用データマネジメントシステムClaio(クライオ)や院内ドキュメント作成/データ管理システムDocuMaker(ドキュメーカー)を中心とする院内データ総合管理ソリューション群とPACSでの放射線画像管理までを含めた放射線部門システムの販売・導入に注力するとともに、ハイレベルな製品力が高い市場評価を得ている眼科カルテソリューションの代理店による販売等にも鋭意取り組み、病院案件85件及び診療所案件114件の新規・追加導入を行いました。また、平成28年2月よりリリースした周産期システムMapleNote(メープルノート)は9件の導入があり、引き続き多くの引き合いを受けております。

この結果、当事業年度における当社の売上高は3,288,025千円(前年同期比11.4%増)となりました。また、営業利益は724,664千円(同8.1%増)、経常利益は724,821千円(同8.0%増)、当期純利益は499,915千円(同13.3%増)となりました。放射線部門システムも当社ソリューションの一つとして既に完成しており、同システムの売上高は392,168千円となりました。

 

当事業年度における売上の構成は下表のとおりであります。

当社はシステムメーカーとして、ソフトウエアの開発及び販売に主眼をおいております。したがって、ハードウエアの取扱いはソフトウエアの販売に付随して行われるものであり、ハードウエアのみの販売は原則として行っておりません。なお、サポート等の販売額は、電子カルテREMORAのライセンス料を含んでおります。

販売・サービス種類別

販売額(千円)

構成比(%)

前年同期比(%)

ソフトウエア

(うち代理店販売額)

2,251,795

(484,175)

68.5

107.1

ハードウエア

(うち代理店販売額)

190,846

(6,751)

5.8

98.7

サポート等

845,384

25.7

128.9

合計

3,288,025

100.0

111.4

 

医療分野においては、4月の診療報酬改定により、患者の紹介を行う際に検査結果、画像情報、画像診断の所見等のうち一定の基準を満たすものを、電子的方法により提供または送受される診療情報提供書(一般的に紹介状と呼ばれるもの)に添付した場合に、検査・画像情報提供加算が算定できるようになりました。

この改訂により、今後、診療情報提供書や処方せん等の電子化が進む中で、従来の電子カルテなどの診療情報を複数の医療機関で共有するかたちでの地域連携の方法に加えて、診療情報提供書のやりとりをベースとしたシンプルな地域連携も増えていくものと思われます。多くの医療機関では既に診療情報提供書の作成や添付画像など、当社の画像と文書の統合ソリューションを用いて管理が行われており、その中から必要な情報を集めてくる機能も紹介情報管理システムPDI+ MoveByで実現しております。それらのデータの安全なやり取りには電子署名・タイムスタンプといった技術が使われることになりますが、こうした技術もC-Scan、DocuMakerに実装しております。この実績とノウハウは上記診療報酬改定における必須の技術であり、当社の新たな製品として、コアコンピタンスの一つになると考えております。既にいくつかの地域中核病院と地域連携基盤構築の連携を協議しており、次事業年度以降の実現に向けて今後具体的な取り組みを行ってまいります。

医療以外の分野においては、専門知識を要することなくユーザー自身で簡単に書式を作成可能であり、書類を記載することで蓄積したデータを検索・集計・解析など二次利用することも可能なDocuMaker Officeの販売に取り組み、建設業及び不動産業の企業に導入を行いました。紙文書のスキャナによる電子化やWEBを活用したデータ入力・集計により運用負担が飛躍的に軽減できる当社のソリューションは高い評価を得ており、同様の課題を抱える他業種の企業からも多くの引き合いを受けております。

ストレスチェックシステムは、大手企業のチェックに利用されている他、平成27年12月の施行から初年度はシステム化を行っていなかった健診施設などからも、次事業年度の導入に向けて多くの引き合いを受けております。Data-Connectorも多くのサイトでデータ移行に利用されるなど、実現場での稼働に好評を頂いております。

(2)キャッシュ・フロー

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,281,600千円(前事業年度末比51.9%増)となり、前事業年度末に比べて437,719千円増加しました。各キャッシュ・フローの状況と増減要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、前事業年度に比べ1,010,271千円増加し、1,137,233千円となりました。これは主として、税引前当期純利益が724,821千円、無形固定資産(市場販売目的のソフトウエア)の償却費267,952千円、売上債権の減少による増加102,660千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前事業年度に比べ270,293千円増加し、322,756千円となりました。これは主として、無形固定資産(主に市場販売目的のソフトウエア)の取得による支出328,942千円、定期預金の預入による支出156,000千円に対し、定期預金の払戻による収入174,000千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前事業年度に比べ248,770千円減少し、376,757千円となりました。これは主として、自己株式の取得による支出188,376千円及び配当金の支払による支出190,246千円によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

当社は、医療システム以外の分野でも事業を行っておりますが、医療システム事業の単一セグメントとしてセグメント別の記載は省略しております。

 

(1)生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当事業年度の生産実績は、次のとおりであります。

事業部門

生産高(千円)

前年同期比(%)

医療システム事業

1,069,173

108.5

(注)1.金額は当期総製造費用によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注状況

当事業年度の受注状況は、次のとおりであります。

事業部門

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

医療システム事業

2,206,810

82.5

392,767

60.9

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

当事業年度の販売実績を販売・サービス種類別に示すと、次のとおりであります。

販売・サービス種類別

販売高(千円)

前年同期比(%)

ソフトウエア

2,251,795

107.1

ハードウエア

190,846

98.7

サポート等

845,384

128.9

合計

3,288,025

111.4

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成27年1月1日

至 平成27年12月31日)

当事業年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本電気株式会社

415,439

14.1

401,364

12.2

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

(1)人材の確保について

① 製品力強化のための人材確保

当社は、業界内での当社の競争力の源泉は製品力であり、その製品力は、医療全般に関する深い知識と現場のニーズを把握する情報収集力、そしてこれらを早期に製品化していく高い開発力にあると認識しております。

現段階において、開発部門のスタッフが不足している状況ではありませんが、ユーザがより安心して使用できるより使いやすい製品を、そしてユーザの潜在的なニーズや問題点に逸早く対応する製品を開発していくために、新卒・中途採用を問わず、高いスキルと使命感を持った優秀な人材の確保に引き続き努めてまいります。

 

② 営業力強化のための人材確保

当社は、当社の経営理念を共有できる販売パートナーを多く確保し、彼らに高品質の製品を提供していくことで、全国各地のユーザに当社製品を提供していきたいと考えております。

優秀な販売パートナーを獲得していくためには、医療に関する深い知識とITに関する高いスキルを持ち合わせた人材が必要不可欠であるとの認識に立ち、今後の最重要課題の一つとして取り組んでまいります。

 

(2)隣接領域への進出

① 診断支援システムの開発

これまで医療用ソフトウエアは、医療機器として常にハードウエアとの一体化が必要でしたが、薬事法の改正によりソフトウエアが単体で医療機器と認められました。これにより、多様な臨床アプリケーションの創出が期待されるとともに、より踏み込んだ領域で診断支援を行うソフトウエアの研究開発も期待される一方で、これまで以上に医療情報システムが、その真価を問われることとなると予想されます。これはまさに、当社が長年に渡り蓄積し、向上させてきた開発技術やノウハウ、知識を基に開発してきた製品を、より厳しい審査を通してこれまで以上に安全で安心かつ最先端の製品とする好機であると認識しております。これを受けて、当社は“診断支援システム”のさらなる研究開発に鋭意取り組み、製品幅を拡大するとともに、新しいかたちで医療へ貢献してまいります。

 

② 病院経営効率化ソリューションの提供

当社製品はこれまで、診療効率を向上させることによりその結果として経営効率の向上をもたらせる製品群が主力でありましたが、今後は「経営」そのものにもダイレクトに働きかける製品を提供することで、医療の「現場」と「経営」を密に連携させて大きな相乗効果を得られるよう、新たな製品の開発に取り組んでまいります。

 

4【事業等のリスク】

 以下においては、当社の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

 なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本書提出日(平成29年3月29日)現在において当社が判断したものであり、現時点で想定できないリスクが発生する可能性もあります。

 当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避に努める方針であります。

 

(1)情報セキュリティに関する事件・事故について

当社は、業務上多数の製品開発情報を取扱っております。情報セキュリティ管理に関しましては、重要性及びリスクを十分に認識し、物理的セキュリティの充実に加え、情報セキュリティ管理規程を整備するとともに、従業員に向けた教育の実施、またこれらの運営、維持推進を、組織的かつ継続的に行っております。また、これらの情報管理体制をより強化するため、平成24年8月には大規模病院向け医療情報システムメンテナンス業務について情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証取得をいたしました。

しかしながら、不測の事態により情報セキュリティ事故等が発生した場合、当社の信用が失墜し、企業イメージの低下を招き、またはISMS認証取消の可能性があるとともに、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)個人情報に関する事件・事故について

当社は、医療機関へのレセプトソフトの導入サービスを行う際に、当該医療機関の保管する個人情報を一時的に預かることがあります。当社は個人情報の取扱いに関する重要性及びリスクを十分に認識し、個人情報を適切に管理するため、個人情報保護規程を整備しております。さらに、当社のホームページにて個人情報保護方針を公開し、これら規程及び方針に準拠した行動指針やガイドラインを制定するとともに、教育、研修を通じて個人情報管理を徹底いたしております。なお、当社は平成20年1月にプライバシーマークの認証を受けております。

しかしながら、情報管理の過程等において、不測の事態により個人情報の漏洩等が発生した場合、当社への多額の損害賠償請求やプライバシーマークの認証取消処分又は罰金等が課せられる可能性があるとともに、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)訴訟等の発生について

現在係争中の案件はありません。ただし、以下に記載する①・②等、何らかの理由により訴訟等が発生し、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

① 当社の製品において、当社の過失によって生じた不具合等により、ユーザに損害が発生した場合、金銭的賠償や信頼喪失により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 当社では、医療機関に製品の導入を行う際、データ移行作業の為に患者の個人情報を含む医療機関情報を預かることがあります。万が一、内部情報管理体制の瑕疵等によって外部に情報が流出した場合、金銭的賠償や社会的信用の失墜により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)検収時期について

当社の導入先顧客である医療機関では、システムの稼働開始日を1月1日に設定するケースが多く、したがって検収時期が12月に集中する傾向にあります。また、導入先顧客の人的整備を含む受入れ体制等の状況により、検収時期が流動し、予定していた売上高が翌期以降に計上されることにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、平成27年度及び平成28年度の月次売上高は、次のとおりであります。

平成27年度(自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日)

 

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

年合計

売上高

(千円)

130,798

129,716

284,904

127,886

198,571

260,395

158,247

136,659

270,633

161,707

308,294

784,106

2,951,922

構成比

(%)

4.4

4.4

9.7

4.3

6.7

8.8

5.4

4.6

9.2

5.5

10.4

26.6

100.0

 

平成28年度(自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日)

 

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

年合計

売上高

(千円)

120,136

304,814

578,402

253,341

249,801

246,657

111,826

176,022

203,069

210,019

103,040

730,892

3,288,025

構成比

(%)

3.7

9.3

17.6

7.7

7.6

7.5

3.4

5.4

6.2

6.4

3.1

22.1

100.0

 

(5)政府の情報技術戦略について

当社の売上高は、製品構成及び戦略上、大規模病院に対する販売額の占める割合が大きくなる傾向にあります。

大規模病院には国公立施設も多く、IT投資に係る予算が現行どおり組まれている状況が続く場合や、今後現状を上回る場合には、医療IT市場への新規参入により競合企業が増加する可能性があります。競合による製品価格の引下げや案件単位の当社製品の導入規模の縮小は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

一方で、政府の情報技術戦略の変更や、予算の減少等により、医療機関のシステム投資が縮小した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)製品・サービス等の陳腐化について

当社は、開発部門において、既存製品の改良と新製品等の研究開発に取り組んでおりますが、万一、当社が想定していない新技術及び新サービスが普及等した場合には、当社の提供するソフトウエア、サービス等が陳腐化し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社製品の競合先との競争激化による製品価格の引下げは、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)特定役員への依存及び人材の確保、育成について

① 特定役員への依存について

当社代表取締役社長 相原輝夫は、当社経営の最高責任者であり、営業活動、開発活動に深く関与をしておりますが、現在、業務分掌や職務権限の委譲を進めることで同氏への依存度が低下しつつあります。しかしながら、今後何らかの理由で同氏が当社での業務を継続することが困難になったとき、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

② 人材の確保、育成について

当社は、主に医療機関向けシステムの研究開発・販売を行っており、業務遂行に医療及び医療システムに対する高度の知識と医療機関のニーズや問題点を的確に把握し、それらに対する解決策を提案できる能力が要求されます。今後継続的な採用活動と教育育成プログラムによりスタッフの拡充に努めますが、計画的な採用、育成ができなかった場合、事業拡大及び将来性に影響を与える可能性があります。

 

(8)販売パートナーとの関係について

当社は、研究開発型企業として製品を供給していく所存ですが、販売面に関しては、今後販売パートナーを拡充していく方針であります。当社は、販売パートナーとの間で良好な関係を維持しておりますが、今後、販売パートナーの経営戦略の変更や他社製品の取扱いへの変更、その他何らかの理由で良好な関係が維持されず、代理店契約等が解除された場合には、当社営業拠点から離れた地域のユーザへのサポート等に係る金銭的又は時間的な負担が発生する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)特許権等の知的財産権について

当社は、独自に開発したロジックや製品などについて、国内外において特許権等の知的財産権を取得することにより、その保護に努めています。しかし、第三者から異議申立てを受け、無効にされ、又は回避される可能性があり、これらの特許権等により競争上の優位性が保証されるものではありません。

当社は、現時点において、当社の特許に対する無効申立てや、当社の事業活動に影響を与えるような特許権、商標権、著作権等その他の知的財産権が他社により取得されているという事実は確認しておりません。しかしながら、ソフトウエアに関する技術革新の顕著な進展により、当社のソフトウエアが第三者の知的財産権に不時に抵触する場合や、当社が認識していない特許権が成立している場合、当該第三者が知的財産権の侵害を主張し、損害賠償及び使用差止め等の訴えを提起される可能性並びに当該訴訟に対する金銭的な負担を余儀なくされる可能性があり、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(10)ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について

当社は、役職員等の会社業績に対する意欲や士気を高めることを目的として、ストック・オプション制度を導入しております。具体的には平成21年7月の取締役会の決議で発行しております。これらのストック・オプションが行使された場合、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社は、医療システム以外の分野でも事業を行っておりますが、医療システム事業の単一セグメントとして、セグメント別の記載は省略しております。

 

(1)研究開発活動に関する基本方針

 当社は、医療システム及び医療ネットワークシステムに特化した研究開発型企業としての企業価値を高めるとともに、医療現場のニーズに迅速かつ的確に対応した、より利便性の高い製品をユーザに提供することによって、新たな市場を創出し、医療のIT化促進に資するため、研究開発活動に注力しております。

 当社は、ソフトウエアビジネスにおきましては、その業界において常に顧客主体の最先端のサービスを提供していくことが重要であるとの認識から、医療機関における様々な細分化されたニーズを逸早くキャッチし、新製品の研究開発に尽力するとともに、既存製品に対しても新しいニーズを組込んだ製品へと改善・改良を行っております。

 また、新製品につきましては、医師の高齢化やITリテラシーの問題等にも対応するべく、シームレスなIT環境の実現に向け、既存製品と連携した様々なシステムの研究開発を行っております。

 

(2)研究開発体制及び管理体制

 当社では、当事業年度末現在において、担当取締役以下72名(従業員比率34.3%)が研究開発に従事しております。特にIT技術が先進的に研究されている大学病院を中心に、医療システムにおける課題・ニーズを営業部門より逸早く入手し、研究開発テーマを検討しております。

 

(3)当事業年度における研究開発活動

研究開発に関するテーマの選定、プロジェクト編成、予算等は取締役会において討議・決定され、その後の研究開発における進捗状況は案件ごとに取締役会に報告されるとともに、研究開発活動の継続・中止が検討・決定されます。

当事業年度におきましては、当社ClaioとCRI・ミドルウェア社の高圧縮トランスコードシステムを連携させ、手術動画をはじめとする医療用動画を他の一般的製品の約1/2のハードディスク容量で高画質に録画管理する仕組みを実現いたしました。医療機関において、これまでハードディスク容量や初期・維持コストがネックとなり実現の難しかった長時間の手術動画や過去のデジタルビデオ等も全てClaio上で参照できるようになります。この連携については、医療分野において当社のみが独占的に実現できることから、これまで以上に高い競争力をもって製品提案が可能となります。同ソリューションは、次事業年度から提供を開始いたします。

さらに、当社は愛媛大学との「新規視覚特性計測法を用いた視野計測装置の研究開発」及び京都大学との「視機能評価プログラム医療機器開発研究」に着手いたしました。当研究においては、京都大学及び愛媛大学それぞれと共同研究を行い、両研究の成果により新しい検査手法を用いた「視線誘導型視野計測システム」の製品化を図ります。当システムは、従来の実体型の検査機器に比べて安価かつ容易に検査が行えることから、視野検査の敷居を下げ広く普及することで潜在患者の早期発見に繋がると考えています。医療領域で培ったノウハウをヘルスケア領域にも活かすことで、健診施設はもちろん、企業の社内健康管理や眼鏡販売店の付加サービスなど、新たなマーケットを獲得していきます。また、昨今個人の健康管理に対する意識は高まっており、スマートフォンやタブレット端末を利用した健康管理アプリは多く提供されていますが、当システムも手軽に利用できる視野検査アプリとして提供することで、定期的な視野計測で個人の健康管理を支援するだけでなく、アプリを通じて世界中から情報を集めビッグデータとして活用することで新たなビジネスを展開していくことも可能になります。

上記の研究開発活動の結果、当事業年度は、研究開発費6,037千円を計上しております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日(平成29年3月29日)現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。

 

(2)財政状態の分析

(資産の状況)

当事業年度末における資産の残高は、3,102,542千円となり、前事業年度末より302,415千円増加しました。

① 流動資産

流動資産は、売上増加による現金及び預金の増加419,719千円に対し、売掛金の減少106,428千円を主たる要因とし、当事業年度末残高2,397,407千円(前事業年度末比302,126千円増)となりました。

② 固定資産

固定資産は、ソフトウエアの増加60,047千円に対し、のれんの減少57,603千円による無形固定資産の増加2,444千円と、長期繰延税金資産の増加10,452千円に対し、投資有価証券の減少3,000千円、敷金の減少7,305千円及び差入保証金の減少1,912千円による投資その他の資産の減少1,559千円を主たる要因とし、当事業年度末残高705,134千円(前事業年度末比289千円増)となりました。

 

(負債の状況)

当事業年度末における負債の残高は、473,826千円となり、前事業年度末より177,815千円増加しました。

① 流動負債

流動負債は、未払法人税等の増加101,988千円、未払消費税等の増加54,677千円を主たる要因とし、当事業年度末残高403,416千円(前事業年度末比149,855千円増)となりました。

② 固定負債

固定負債は、長期前受金の増加5,355千円及び株式給付引当金の増加23,677千円を主たる要因とし、当事業年度末残高70,410千円(前事業年度末比27,959千円増)となりました。

 

(純資産の状況)

当事業年度末における純資産の残高は、2,628,715千円となり、前事業年度末より124,600千円増加しました。これは主に利益剰余金の増加309,263千円に対し、自己株式の取得による減少187,813千円によるものであります。

 

(3)経営成績の分析

(売上高)

当事業年度の売上高は、前事業年度に比べて336,103千円増加し、3,288,025千円(前年同期比11.4%増)となりました。ソフトウエアは前年に引き続き堅調に推移し149,169千円増加しました。サポート等は189,349千円増加し今後のストック収益の基盤を拡大いたしました。

当事業年度におきましても、代理店販売は着実に実績を伸ばし代理店数も引き続き増加いたしました。また、直販におきましても堅調に実績を拡大いたしました。

 

(売上総利益)

当事業年度の売上総利益は、売上の増加に伴い前事業年度に比べて311,585千円増加し、1,953,541千円(前年同期比19.0%増)となりました。また、売上総利益率は59.4%(前年同期比3.8ポイント増)となりました。

 

(営業利益)

当事業年度の営業利益は、のれん償却費及び人員の増加に伴う労務費が増加したものの、売上の増加に伴い前事業年度に比べて54,371千円増加し、724,664千円(前年同期比8.1%増)となりました。

 

(経常利益)

当事業年度の経常利益は、売上の増加に伴い前事業年度に比べて53,583千円増加し、724,821千円(前年同期比8.0%増)となりました。

 

(当期純利益)

当事業年度の当期純利益は、前事業年度に比べて58,516千円増加し、499,915千円(前年同期比13.3%増)となりました。

(4)キャッシュ・フローの状況

 「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

(5)経営者の問題意識と今後の方針について

当社は、経営理念である「価値ある技術創造で社会を豊かにする」を実現し、株主・販売先・仕入先・金融機関・従業員などの全てのステークホルダーの期待と信頼に応えるべく、経営資源の的確な配置と効率的な投入による企業価値の最大化に注力してまいります。

当社が主な市場とする医療業界におきましては、政府の諸施策等により、医療及び医療連携に資するICT化に向けた投資意欲が一層高まりを見せ、市場はさらなる拡大を続けると予見されます。当社は、従前にも増して人員の拡充を図るとともに、人材と製品とを同時に獲得し得るM&Aを視野に入れた人材施策にも取り組み、社内管理体制の強化と企業力の向上に努めてまいります。

開発・営業活動にあっては、今後ますます市場の拡大が予測される診断支援システムや病院経営効率化ソリューション等現在の主力製品群の隣接領域や、医療以外の分野への製品提供・データ活用にも積極的に取り組んでまいります。

 

<医療情報システム>

医療情報システム市場において当社製品ラインナップは、常に先端にしてスタンダードであります。特に当社の主力製品であるClaio及びDocuMakerは、院内の診療科を跨いで様々な医療機器・システムと繋がることで患者情報を一元管理し、診療の効率化と質の向上を実現する病院向けソリューションの中核となる製品であります。

大規模病院のシステム市場においては需要が一巡し、ハードウエアの耐用年数に合わせたリプレイス需要が中心となっております。当社製品の大規模病院ユーザーの多くが画像管理システムを導入しており、既にリプレイス導入に加えて文書システムや部門システムの追加導入が増加しております。今後も、新たな製品も含めた導入製品幅の拡大により、販売拡大に努めてまいります。

中小規模病院・診療所のシステム市場は今後もさらなる成長が続く見通しであります。当社は、システム選定時の鍵となる放射線部門製品も既にラインナップに加えており、大規模病院で高い評価を得ている画像・文書管理システムを中心とする当社にしかないオンリーワンのソリューションをもって、新規ユーザーのさらなる獲得に取り組んでまいります。

また、当社は事業のさらなる拡大と強化を目的とし、平成29年2月1日開催の取締役会において新たに連結子会社を設立することを決議いたしました。本子会社は、AI技術を活用した医療データ分析を得意としていることから、医療機関はこれまで当社ソリューションにより一元管理してきた診療情報を様々な用途へ活用していくことが可能になります。データの利活用も含めた幅広い提案が可能になることで当社製品の価値を更に高め、販売拡大へとつなげてまいります。なお、本連結子会社の設立についての詳細は、第5 経理の状況 財務諸表 注記事項(重要な後発事象)に記載しております。

 

<ヘルスケア領域、在宅医療・介護領域

当社はヘルスケア領域、在宅医療・介護領域でも取り組みを続けております。

ヘルスケア領域においては、京都大学及び愛媛大学との視野計測システムの開発に関する共同研究など、医療機関にある診療情報ではなく、個人の健康管理に関するデータを集め分析していく為のソリューションの研究開発にも注力していきます。

在宅医療・介護領域では、計画の立案から記録、関係者間での情報共有をスムーズに行なうための仕組みが必要不可欠であり、ICT化が進んでおります。当社は、その中心的存在である訪問看護をメインとしたシステムの開発に取り組んでおり、既に連携掲示板/訪問看護記録システムを提供しております。また、定期的なアセスメントや客観的な評価を根拠とする訪問看護計画の立案、評価により看護の質の向上を支援する在宅アセスメントシステムを開発いたしました。同システムは、これからの訪問看護に必要不可欠な考え方・手法としても普及を図ってまいります。

 

<オフィスシステム>

主力製品である文書管理システムDocuMaker Officeは、自治体・公共サービス向けパッケージの開発を既に終えており導入が進行中であります。今後さらに、人材派遣業など新たな業界に対しても引き続きアプローチを行ってまいります。

また、当社が開発したデータ取得ツール群は、これまで様々な場面で必要とされていたにもかかわらず実現困難であったデータの取得と連携利用からなる業務改善を、専門的な知識を必要とせず“安価で自由に”行うことを可能とした製品であります。当該製品群の技術は、人的工数やシステム導入コストを大幅に削減するものであります。この技術は、多くのシステムメーカーの事業をこれまで以上に有利に展開する鍵となり、参入の難しかった新たな顧客群の獲得に乗出す切り札ともなり得ることから、一例では官公庁等のシステムリプレイス市場なども視野に入れたあらゆる分野に向けて、積極的な販売展開に取り組んでおります。





出典: 株式会社ファインデックス、2016-12-31 期 有価証券報告書