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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度における当社グループを取り巻く外部環境は、期初こそは、銅価格の下落トレンドを引きずる動きとなったものの、平成28年11月、トランプ氏の経済政策への期待感からロンドン金属取引所銅先物3カ月物(以下、LME銅3カ月物)価格が、平成27年6月以来の6,000ドル台まで急騰し、また、ドル・円の為替レートも平成28年2月以来の118円台を付けるなど相場環境が大きく好転いたしました。加えて、期末にかけて、中国の環境規制強化の動きや余剰生産能力の廃棄の影響から中国商品市場の急騰につれ、LME銅3カ月物価格もつれ高となり平成26年10月以来の6,800ドル台を達成することとなり、良好な相場環境で推移いたしました。

また、世界経済も米国経済はトランプ大統領の保護主義的な動きはあったものの引き続き順調に推移、欧州も英国の欧州連合(EU)離脱問題や移民問題等の政治リスクによる懸念材料があったものの底堅く推移いたしました。加えて、不透明感の強かった中国を始めとした新興国や資源国において落ち着いた動きとなったことで、予想以上に良好な経済環境となったことも当社の事業環境を下支えいたしました。

当社グループの主力取扱商品である銅の価格は、期を通して上昇基調となったことに加えて、為替レートも上下に振れたものの趨勢的にはドル高傾向で推移したことも好材料となりました。引き続き国内原材料の発生減の動きの中で、相場が上昇基調を維持したことから流通量増加の動きとなり需給バランスも改善したことで、相場上昇による在庫評価益の増加や利鞘の拡大となり、収益面でも非常に好調な結果となりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は528億68百万円(前連結会計年度比23.1%増)、営業利益は20億99百万円(前連結会計年度は営業損失5億92百万円)、経常利益は16億78百万円(前連結会計年度は経常損失4億58百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億37百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失3億89百万円)となりました。セグメントの業績は次のとおりであります。

①非鉄金属事業

非鉄金属事業の主力取扱品である銅インゴット、スクラップが銅価格の急騰や需要環境の改善により販売量、利鞘とも好調に推移したため、当連結会計年度の売上高は523億93百万円(前年同期比23.6%増)となりました。品目別では、インゴット売上高は149億8百万円(前年同期比5.5%減)、スクラップ売上高は373億63百万円(同41.0%増)、その他売上高は1億22百万円(同17.2%減)となりました。

②美術工芸事業

金製品(仏像、仏具)、キャラクター製品の需要が底堅く推移したものの、前連結会計年度では高額品の販売があったため、当連結会計年度の売上高は4億75百万円(前年同期比13.5%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億62百万円増加し、当連結会計年度末には14億91百万円となりました。

主な要因といたしましては、税金等調整前当期純利益が16億78百万円(前年同期は税金等調整前当期純損失4億58百万円)、減価償却費1億49百万円、仕入債務の増加4億47百万円、長期借入金の借入17億円、短期借入金の純増額3億円などによる収入に対し、たな卸資産の増加19億68百万円、売上債権の増加9億17百万円及び長期借入金の返済10億73百万円などの支出によるものです。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は5億3百万円(前年同期比61.5%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益16億78百万円(前年同期は税金等調整前当期純損失4億58百万円)、仕入債務の増加4億47百万円、減価償却費1億49百万円などの収入に対し、たな卸資産の増加19億68百万円及び売上債権の増加9億17百万円などの支出が発生したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は52百万円(前年同期比358.6%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得23百万円、関係会社への貸付け16百万円及び投資有価証券の取得7百万円などの支出が発生したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は8億54百万円(前年同期は2億12百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の借入17億円及び短期借入金の純増額3億円による収入に対し、長期借入金の返済10億73百万円及び配当金の支払71百万円などの支出が発生したことによるものです。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

品目別

当連結会計年度

(自 平成28年9月1日

  至 平成29年8月31日)

前年同期比(%)

非鉄金属事業(千円)

インゴット

15,516,844

99.2

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.スクラップについては、選別、プレスといった加工作業を主としており、生産実績がないため記載を省略しております。

4.美術工芸事業については、記載を省略しております。

 

(2)受注状況

非鉄金属事業は受注生産と見込生産を併用しており、両者を明確に区別することが困難であること、また、非鉄金属相場等の市況は日々変動し期末日時点における受注高及び受注残高を合理的に算定することが困難であることから、記載を省略しております。

また、美術工芸事業については、受注生産と見込生産の明確な区分が困難であることから、記載を省略しております。

 

(3)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年9月1日

  至 平成29年8月31日)

前年同期比(%)

非鉄金属事業(千円)

52,393,716

123.6

美術工芸事業(千円)

475,051

86.5

合計

52,868,768

123.1

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年9月1日

  至 平成28年8月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年9月1日

  至 平成29年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

住友金属鉱山株式会社

10,176,228

23.7

12,090,887

22.9

JX金属株式会社

5,294,020

10.0

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

3.前連結会計年度における総販売実績に占めるJX金属株式会社の割合が10%未満であるため、記載を省略しております。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは、「皆様のお役に立つ企業」「存在感のある企業」として「挑戦」「創造」「貢献」を経営方針としております。当社グループは、金属資源のリサイクルを通じて低炭素化社会・循環型社会の実現に向け、社会的、環境的、倫理的付加価値の創造を行うことによって、社会的責任を果たせる企業グループを目指します。

 

(2) 経営戦略等

当社グループは、非鉄金属事業につきましては、非鉄金属のリサイクルをコアビジネスとして競争力の強化を図るべく業務体制の変革を行ってまいります。世界的な資源需要の増大、価格の上昇等による資源に対する意識の高まり、また、自然環境の破壊や汚染等による環境への意識の高まりから循環型社会や低炭素化社会の実現が志向されている今日、当社グループの事業環境は中長期的に見て良好であることが予想されます。しかしながら、短期的には、世界経済の変動や非鉄金属の需給関係により、当社グループの事業環境は大きく影響を受けることから、当社グループとしては、弾力的な政策運営を行うとともに、常に、将来を見据えた最適事業ポートフォリオの確立を目指した施策を実行してまいります。

美術工芸事業に関しましては、長期的に安定的利益を確保できるように、企画提案力、製造技術力のより一層の強化を図ってまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、企業価値の向上及び財務体質の強化を図るため自己資本比率、自己資本利益率、在庫回転率を目標とする経営指標としております。

 

(4) 経営環境

当社グループの業績は、米国、欧州、我が国などの先進国や中国をはじめとした新興国の経済動向に左右されます。また、世界的な銅の需給動向、銅相場や為替相場の影響も大きく受けます。

今年度の各国の経済動向は、米国の保護主義、欧州の政治リスク、中国の不動産バブル、各地での地政学的リスク等不安定要素はあるものの、順調な米国経済、底堅い欧州及び日本経済と先進国は緩やかな拡大傾向を示しており、また中国経済も落ち着いた動きとなっていることから、世界経済全体では緩やかな景気拡大で推移しております。

このような経済環境を背景に、長年の銅価格下落による、鉱山の閉山や減産、新規開発の中止等の影響もあり、銅の需給が逼迫し銅価格も反転の動きとなっていることや国内のスクラップに関しても、中国の環境規制強化やバーゼル法の適用強化などにより全体的には逼迫感は継続されております。また、国内資源の保護と国内静脈産業の育成による関連法強化の動きのなかで、当社業界内においても変化の兆しが出てきていることから、以下の課題を克服することによって当社グループの変化への迅速な適応を図ることで企業としての価値を高めて行きたいと考えております。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

①優秀な人材の確保

当社グループは、非鉄金属スクラップを世界及び日本全国から集荷し、それを材料に各種インゴットを製造し販売している事業と、集荷したスクラップを選別・加工し販売する事業を主に行っており、あらゆる産業分野の基幹素材としての幅広いニーズに応えております。近年の多種多様な合金開発、市況の変化や営業戦略の多様化など当社グループを取り巻く環境の変化に迅速に対応していくためには、海外営業や商品市場取引等に精通した人材確保が必要であります。

そのために、採用制度の多様化を図り、中途採用と新卒採用の併用を行いながら、入社後の研修制度の整備をはじめとして、人材育成制度の強化を行います。また、公平な人事制度の確立を目指すとともに、魅力ある職場作りの一環として福利厚生制度の充実も図っていきます。

②海外市場への進出

我が国においては、長期間にわたった円高や電力問題等から工場の海外移転が進み、加えて、少子高齢化の進行で、銅スクラップ市場の今後の大きな拡大が見込めない環境となっております。

一方、新興国をはじめとした海外では、今後の成長が期待できる市場が数多くあり、当社グループの成長には、海外戦略が重要であると考えております。

以上のことから、当社グループでは、まず平成24年7月に世界最大の市場である米国に当社初の海外拠点を設立し、平成26年8月には東南アジアの拠点としてタイで現地企業との合弁会社を設立いたしました。今後は、米国現地法人及びタイ合弁会社の業務拡大を図るとともに、海外での営業基盤を構築し業容拡大を目指してまいります。

③リスク管理体制の強化

当社グループの取り扱っている製・商品は、非鉄金属相場や為替相場等市場の変動に大きく影響を受けます。特に、近年の新興国等のインフラ整備拡大の影響による非鉄金属需要の増大に加え、主要国金融政策の変化に伴う投機資金の流出入もあって、非鉄金属価格や為替相場の変動率は高まっております。また海外需要の高まりや、国内でのスクラップの発生量及び流通量が減少傾向にあることで輸出入取引も増加傾向が見込まれます。

このように、当社を取り巻く状況は大きく変化してきており、特に市場リスクの管理が重要になっております。

このため、ロンドン金属取引所(LME)や為替取引等、ヘッジ手段の多様化、情報収集能力の強化を図り、また市場関連知識を持った人材の採用や育成を行うことによって、市場リスクの管理能力を高めていきます。

また、海外子会社及び海外関連会社を設立したことから、海外拠点の管理体制の整備、強化も行っております。

④事業分野の拡大

当社グループは、銅系商品を中心とした製品を中心に事業展開を行っておりますが、更なる業容拡大のためには、銅系以外の分野の強化が必要であります。

そのために、銅系以外の分野に強い人材の育成や当該分野に強い業者との関係強化が必要です。

現状、必要知識の修得や銅系以外の集荷を重点項目として営業活動を行っており、今後も銅系以外の分野の取扱量の拡大を目指します。

また、美術工芸事業では、販路拡大のためキャラクター商品を用いた金製品の開発をはじめとした企画型営業に取り組み、企画から製造引き渡しまでの一貫体制をとっております。精密鋳造技術による原型に忠実な再現力と金工技術による最終仕上げの完成度の高さにより、ビジネスチャンスの拡大に努めております。当社グループ全体における美術工芸事業のシェアは非常に小さいものではありますが、今後も、市場・顧客に対し存在感のある製品を提供し、更なる事業拡大に努めていく予定です。

 

4【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 原材料の調達について

当社グループは、原材料を国内外の複数の調達先を確保することで安定的な調達を行うよう努めています。しかしながら、市況環境の大幅な変化による発生量や流通量の減少から市場の需給環境が引き締まった結果、適正価格での調達難、調達不足からの大幅な仕入価格の上昇、生産活動への支障が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(2) 顧客が属する業界の需要動向について

当社グループの製品の主要な顧客は、造船業界、住宅販売、設備関連産業に属しています。したがって、当社グループの製品は、上記業界の非鉄金属に対する需要動向に大きく影響される可能性があります。今後何らかの要因で非鉄金属に対する需要が落ち込んだ場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 特定の販売先への集中

平成29年8月期において、当社グループの売上高に占める住友金属鉱山株式会社の売上高比率は22.9%であります。

当該会社とは長期的な取引関係を継続しておりますが、何らかの理由により、取引関係の解消又は契約内容の大幅な変更等があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 非鉄金属相場、為替相場の変動等

当社グループの取扱い品目の価格は、毎日の非鉄金属相場や為替相場の影響を強く受けます。そのため価格変動リスク及び為替変動リスクのマネジメントは当社グループにとって非常に重要であります。

平成24年9月から平成29年8月までのロンドン金属取引所銅相場(LME銅キャッシュ月中平均)及び為替相場

(TTM月中平均)は下記の通りであります。

H24.9〜H25.8

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

LME銅キャッシュ

単位:ドル/MT

8,068

8,070

7,694

7,963

8,049

8,070

7,663

7,203

7,229

7,004

6,893

7,182

為替相場(ドル・円)

単位:円

78.17

78.98

80.89

83.64

89.24

93.23

94.80

97.73

101.10

97.44

99.77

97.85

 

H25.9〜H26.8

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

LME銅キャッシュ

単位:ドル/MT

7,161

7,189

7,066

7,203

7,295

7,152

6,668

6,671

6,884

6,806

7,105

7,001

為替相場(ドル・円)

単位:円

99.23

97.87

100.02

103.48

103.92

102.14

102.27

102.58

101.83

102.08

101.73

102.97

 

H26.9〜H27.8

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

LME銅キャッシュ

単位:ドル/MT

6,872

6,739

6,701

6,423

5,816

5,702

5,926

6,028

6,301

5,834

5,457

5,089

為替相場(ドル・円)

単位:円

107.07

107.99

116.21

119.41

118.33

118.59

120.36

119.58

120.75

123.75

123.25

123.21

 

H27.9〜H28.8

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

LME銅キャッシュ

単位:ドル/MT

5,208

5,223

4,808

4,629

4,463

4,595

4,948

4,851

4,708

4,631

4,856

4,758

為替相場(ドル・円)

単位:円

120.23

120.07

122.58

121.85

118.34

115.08

113.03

109.83

109.12

105.48

103.98

101.34

 

 

 

H28.9〜H29.8

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

LME銅キャッシュ

単位:ドル/MT

4,707

4,732

5,443

5,666

5,737

5,942

5,822

5,698

5,592

5,699

5,979

6,478

為替相場(ドル・円)

単位:円

101.98

103.81

108.12

115.98

114.77

113.11

113.04

110.11

112.25

110.92

112.43

109.93

(データ出典 LME銅:ロンドン金属取引所  為替相場:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

①非鉄金属相場の影響

海外取引(仕入及び販売)は、ロンドン金属取引所(LME)の価格を基準として刻々と変化します。

国内取引(仕入及び販売)は、国内建値(ロンドン金属取引所(LME)×TTS+諸費用)を基準として日々変化します。取引先との価格の決定方法としては、当月平均、前月平均、固定価格等、様々な決め方はありますが、LME価格は、それら全ての基準となっております。従って、原材料の在庫評価額の変動リスクに加えて、非鉄金属相場の変動による利鞘の変動リスクが存在し、業績に影響を与える可能性があります。特に最近は、商品市場への投機資金の流入により価格の変動率は大幅に高まっており、リスク量は増大しております。

このためロンドン金属取引所(LME)先物等によるリスクヘッジを行っていますが、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はなく、当社グループの業績が大きな影響を受ける可能性があります。

②為替相場の影響

当社グループでは、主にドル建てによる国際間取引の割合が高いため、為替変動の影響を受けます。このため為替予約等によるリスクヘッジを行っていますが、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はなく、当社グループの業績が大きな影響を受ける可能性があります。

(注)TTM:電信中値相場

TTS:対顧客電信売相場

 

(5) 有利子負債

平成29年8月期末において、当社グループの有利子負債は69億2百万円、総資産に対する割合は39.9%となっております。当社グループは、財務体質の改善に努力いたしておりますが、今後の金利動向が当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 法的規制について

当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下「廃棄物処理法」という。)に基づいて、産業廃棄物保管基準に則った保管を行い、産業廃棄物処理業者に収集運搬及び処理を委託しています。廃棄物処理法における(不適切な産業廃棄物の保管、委託処理に係る契約書の未作成、マニフェスト虚偽記載等)一定の要件に抵触した場合、行政処分等がなされる可能性があり、当社グループの風評、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

また、国内事業所において、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律などの環境関連法令に基づき、大気、排水、土壌等の汚染防止に努めておりますが、関連諸法令の改正・強化によって、当社グループにおいて新たな管理費用・処理費用負担が求められる可能性があります。

さらに、当社グループが製造、販売する一部の製品には、製造過程で毒物及び劇物取締法の対象となる薬品が使用されております。その管理については、法令を遵守するとともに当社グループの環境マネジメントマニュアルに従い、廃液流出や盗難、労災事故等への対応を行っておりますが、万が一、使用、保管上の不測の事態の発生や天災、火災等の事故があった場合、環境汚染を招く可能性があり、当社グループの風評、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) カントリーリスク

当社グループは、多国間取引の割合が高いことから、取引先各国の経済情勢に加え、貿易・通商規制、税制、予期しない法律又は規制の変更並びにそれらの解釈の相違等により、当社グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

(8) 設備事故等

当社グループは、多くの生産設備等を有しており、運転・保守管理と設備安全化の両面から労働災害及び生産設備等の事故防止の徹底を図っておりますが、万が一、重大な労働災害や設備事故等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(9) テロ、戦争、事故、地震など自然災害について

当社グループは、北陸地区における大規模な自然災害や、当社グループの製造施設における事故等が発生した場合、製造設備等への損害、生産活動の停止、取引先や製造施設近隣住民への補償等により、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。また、当社グループの主要取引先の地域での地震等の大規模な自然災害で、主要取引先の生産活動が停止した場合や広いエリアでの災害のため、経済全体が大きく減速した場合にも営業活動(仕入及び販売)が困難になることで当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

非鉄金属の鉱山が多い地域での地震、テロ、戦争などが起こった場合も、非鉄金属の供給及び価格に大きく影響を及ぼすことから、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは循環型社会に対応していくため、既存事業の領域拡大を目指した活動を今後も事業の中心としていくべく研究開発を進めております。具体的にはインゴットでは、銅を主体とした銅合金の開発、スクラップではレアメタルリサイクル技術の開発であります。

 現状は、取引先の新商品開発のための鋳造試験や成分分析などによる協力が中心であり、自社グループにおいては一部実験等を行ってはいるものの、主として関連情報の収集・調査が主体であるため、研究開発費は発生しておりません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に従って作成されております。当社グループは、連結財務諸表の作成に際し、連結決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示並びに連結会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積りを、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて見積りと判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社グループは、特に以下の重要な会計方針に関して、使用される当社グループの重要な判断、見積りが当社グループの連結財務諸表の作成において大きな影響を及ぼすと考えております。

 

たな卸資産の評価減

当社グループは、たな卸資産の市場需要に基づく将来の消費見込み又は販売見込み並びに市場状況に基づく時価の見積額を測定し、たな卸資産が将来に獲得可能なキャッシュ・フローを見積り、必要な評価減を計上しております。実際の市場における将来需要又は時価が当社グループの見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。

 

有形固定資産及び無形固定資産の減損

当社グループは、減損会計を適用しておりますが、減損損失を認識する有形固定資産及び無形固定資産は存在しておりません。しかしながら、減損損失の判定を行う事業単位において、損益状況の悪化や事業内容の変化によって減損等の処理が必要となる状況が生じた場合には、償却、減損損失もしくは除却損等の追加が必要となる可能性があります。

 

投資有価証券の減損

当社グループは、取引金融機関や販売先あるいは仕入先など取引会社の株式を保有しております。これらの株式のうち、上場株式では株式市場の価格変動リスクを負っているため、連結決算期末日の時価が取得価額から50%以上下落した場合には減損を認識いたします。また、連結決算期末日の時価が取得価額から30%以上50%未満下落した場合には、回復可能性の判定を合理的な基準に基づき行い、回復する見込みがあると判断したものを除き、減損を認識いたします。非上場株式では投資先の純資産額における当社持分額が取得価額の総額より50%以上下落した場合に、減損を認識いたします。保有株式の時価評価額の下落により、投資有価証券評価損を計上する可能性があります。

 

繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は528億68百万円(前年同期比23.1%増)、売上総利益33億19百万円(同555.5%増)となり売上総利益利率は6.3%(同5.1ポイント上昇)と非鉄金属相場の回復により好調に推移いたしました。その結果、経常利益16億78百万円(前年同期は経常損失4億58百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億37百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失3億89百万円)となりました。

 

売上高

当連結会計年度の売上高は、インゴット売上高で149億8百万円(前年同期比5.5%減)、スクラップ売上高で373億63百万円(同41.0%増)、美術工芸品売上高は4億75百万円(同13.5%減)、その他売上高は1億22百万円(同17.2%減)となり売上高合計で528億68百万円(同23.1%増)となりました。

主な変動要因は、次のとおりであります。非鉄金属事業では、インゴット売上高につきましては、海外向販売が造船業界の不振もあり、販売数量を大きく減少させましたが、銅相場の高騰により前年同期比5.5%の減少に踏みとどまりました。また、スクラップ売上高につきましては、銅価格の急騰や需要環境の改善により販売数量を大きく伸ばし、売上金額も前年同期比41.0%の大幅増収となりました。一方、美術工芸事業では、金製品(仏像、仏具)、キャラクター製品の需要が底堅く推移したものの、前連結会計年度では高額品の販売があったため、売上高は前年同期比13.5%の減少となりました。

 

売上総利益

売上総利益は、銅相場の急激な回復により非鉄金属事業は前期までの不振から脱却し、美術工芸事業も依然として底堅い需要に支えられたことから、33億19百万円(前年同期比555.5%増)の大幅増額となり、売上総利益利率は6.3%(同5.1ポイント上昇)と大幅に改善いたしました。

 

営業利益

販売費及び一般管理費は、節約に努めたものの、業績回復による事業税付加価値割などの増加や賞与支給額の増加などにより12億19百万円(前年同期比11.0%増)と増加したものの、売上総利益の大幅増加により営業利益20億99百万円(前年同期は営業損失5億92百万円)となりました。

 

営業外収益及び費用

銅相場や為替相場の変動リスクのヘッジに取り組んだ結果、デリバティブ運用損2億71百万円(前年同期はデリバティブ運用益77百万円)、為替差損87百万円(前年同期は為替差益1億22百万円)が発生したことにより、営業外収支は△4億21百万円(前年同期は1億33百万円)と悪化しました。デリバティブ運用益や為替差益が計上されなかったことから、営業外収益は16百万円(前年同期比93.2%減)となりました。一方、営業外費用は、前述のデリバティブ運用損や為替差損の発生に加え、支払利息70百万円、持分法による投資損失1百万円などにより4億37百万円(同324.8%増)となりました。

 

経常利益

経常利益は16億78百万円(前年同期は経常損失4億58百万円)となりました。

 

法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額

課税所得の増加により、法人税、住民税及び事業税は5億46百万円、法人税等調整額は95百万円となり、税金費用は6億41百万円となりました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益が10億37百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失3億89百万円)となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因といたしましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク(4) 非鉄金属相場、為替相場の変動等」に記載のとおり、当社グループの取扱い品目が、日々の非鉄金属相場や為替相場の影響を強く受けるため、これら二つの市場の相場変動により大きな影響を受ける可能性があります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金調達としては、運転資金に関しては、手許資金(利益等の内部留保金)及び長期借入金による調達を基本とし、不足が生じる場合には調達コストも考慮し、短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手許流動性資金を勘案の上、不足が生じる場合には、長期借入金による調達で賄っております。ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。

長期資金の調達に際しては、金利動向を注視し、株式の発行に関しては、資本政策に基づき、株式価値の希薄化や配当金の負担等を考慮して実施しております。

資金の流動性については、利益の確保に加え、棚卸資産管理及び売掛債権の管理を行うことにより、営業活動によるキャッシュ・フローの安定的確保に努めております。

 

(5) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は143億30百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億1百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、たな卸資産が19億68百万円、売上債権が9億48百万円増加したことによるもであります。固定資産は29億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ34百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、投資有価証券が2億円増加し、繰延税金資産が1億24百万円、有形固定資産が39百万円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は173億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億35百万円増加いたしました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は75億円となり、前連結会計年度末に比べ13億88百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、仕入債務が4億57百万円、未払法人税等が5億74百万円及び1年内返済予定の長期借入金が2億15百万円増加したことによるものであります。固定負債は20億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億15百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、長期借入金が4億11百万円増加したことによるものであります。

この結果、負債合計は95億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億3百万円増加いたしました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は77億39百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億32百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、親会社株主に帰属する当期純利益10億37百万円、剰余金の配当71百万円及びその他有価証券評価差額金1億43百万円によるものであります。

この結果、自己資本比率は44.7%(前連結会計年度末は46.0%)となりました。

 

(6) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億62百万円増加し、当連結会計年度末には14億91百万円となりました。

主な要因といたしましては、税金等調整前当期純利益が16億78百万円(前年同期は税金等調整前当期純損失4億58百万円)、減価償却費1億49百万円、仕入債務の増加4億47百万円、長期借入金の借入17億円、短期借入金の純増額3億円などによる収入に対し、たな卸資産の増加19億68百万円、売上債権の増加9億17百万円及び長期借入金の返済10億73百万円などの支出によるものです。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は5億3百万円(前年同期比61.5%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益16億78百万円(前年同期は税金等調整前当期純損失4億58百万円)、仕入債務の増加4億47百万円、減価償却費1億49百万円などの収入に対し、たな卸資産の増加19億68百万円及び売上債権の増加9億17百万円などの支出が発生したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は52百万円(前年同期比358.6%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得23百万円、関係会社への貸付け16百万円及び投資有価証券の取得7百万円などの支出が発生したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は8億54百万円(前年同期は2億12百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の借入17億円及び短期借入金の純増額3億円による収入に対し、長期借入金の返済10億73百万円及び配当金の支払71百万円などの支出が発生したことによるものです。

 





出典: 黒谷株式会社、2017-08-31 期 有価証券報告書