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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度における世界経済は、年度後半に米国の雇用環境が回復の兆しを見せはじめ、緩やかな回復基調となりましたが、依然として解決の兆しが見えない欧州の政府債務問題の影響により新興国経済の減速が顕著となるなど、総じて停滞感の強い状況で推移しました。また日本経済は、東日本大震災からの復旧が進み、復興需要の本格化による景気の下支えが期待されましたが、円高や原油価格の高騰、雇用環境の悪化による景気の下振れリスクが懸念される状態が継続しております。

 当社の属する半導体業界では、引き続きスマートフォン関連分野は好調に推移しておりますが、年度後半に国内の半導体メーカーやコンシューマーエレクトロニクスメーカーを襲った事業環境激変を受け、厳しい受注環境が続いております。当社の事業領域であるグラフィックス関連の分野においては、各種デジタル機器へのグラフィックス機能の搭載が定着し、この傾向はさらに加速の度合いを強めております。

 このような環境下において当社は、主力であるIPコアライセンス事業における新規受注獲得や既存顧客への技術サポートを継続してまいりました。新規ライセンスの獲得は年度前半に米国大手半導体メーカーをはじめとする複数の顧客との間で締結することができました。さらに、当社のグラフィックスIPを搭載した富士通セミコンダクター株式会社のSoC(System on Chip)評価キットの出荷が開始され、今後の当社IPコアの新規顧客獲得の拡大につながるものと期待されます。また、既存顧客からのランニングロイヤリティ収入も堅調に推移しました。

 当社のグローバルな事業展開への布石として、世界最大の半導体ファウンダリーである台湾のTSMC社や米国の大手FPGA(Field Programmable Gate Array)ベンダーであるXilinx社とのアライアンスに加え、米国シリコンバレーに設立した子会社「DMP USA」を通じた積極的な営業活動を展開して海外の案件を獲得する体制を構築いたしました。

 この結果、事業の売上高は1,044百万円(前年同期比3.0%増)となり、営業利益319百万円(前年同期比1.4%増)、経常利益302百万円(前年同期比3.7%減)、当期純利益は税制改正と翌期の受注見通しを踏まえた繰延税金資産の見直しを行い、法人税等調整額が増加したことなどから、188百万円(前年同期比61.7%減)となりました。

 当社は単一セグメントでありますが、事業の傾向を示すために事業別業績を記載します。

①IPコアライセンス事業

 IPコアライセンス事業は、新たに契約した初期ライセンス収入に加え、任天堂株式会社の携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」に搭載された「PICA200」のランニングロイヤリティ収入が堅調に推移したことおよびオリンパスイメージング株式会社のデジタルカメラ「PEN」シリーズに搭載された「PICA200Lite」のランニングロイヤリティ収入の計上により、IPコアライセンス事業の売上高は853百万円(前年同期比6.4%減)となりました。 

②LSI製品事業

 LSI製品事業は、アミューズメント向けLSI製品「NV7」関連の売上が業界に広く浸透した「リユース」(部品の再利用)の影響を強く受けたことにより期初に計画した数値に達せず、売上高は8百万円(前年同期比87.9%減)となりました。

③その他の事業

 その他の事業は、受託開発案件が順調に推移し売上を計上したことにより、売上高は183百万円(前年同期比444.3%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ139百万円増加し466百万円となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは481百万円の収入(前年同期は151百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益302百万円の計上と売上債権の減少額185百万円によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは1,276百万円の支出(前年同期は89百万円の収入)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入1,900百万円と定期預金の預入による支出3,150百万円によるものであります。

 財務活動によるキャッシュ・フローは935百万円の収入(前年同期は財務活動によるキャッシュ・フローはありません。)となりました。これは主に、株式の発行による収入901百万円、新株予約権の行使による株式の発行による収入33百万円によるものであります

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)仕入実績

 当事業年度の仕入実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。

事業部門の名称

 

当事業年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日)

仕入実績(千円)

前年同期比(%)

LSI製品事業

5,980

11.5

合計

5,980

11.5

(注)1.金額は仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当事業年度の受注状況を事業部門別に示すと次のとおりであります。

 

事業部門の名称

当事業年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日) 

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

LSI製品事業

8,300

651.6

その他の事業

183,116

703.1

合計

191,416

700.7

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.IPコアライセンス事業では、受注という概念が馴染まないため記載しておりません。 

4.その他の事業の受注高の増加は、ライセンス供与に伴う受託開発によるものであります。

(3)販売実績

 当事業年度の販売実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。

事業部門の名称

 

当事業年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日)

販売実績(千円)

前年同期比(%)

IPコアライセンス事業

853,195

93.6

LSI製品事業

8,300

12.1

その他の事業

183,116

544.3

合計

1,044,611

103.0

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成22年4月1日

至 平成23年3月31日)

当事業年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

シャープ株式会社

596,890

58.9

804,370

77.0

任天堂株式会社

250,000

24.7

80,000

7.7

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当事業年度の任天堂株式会社の販売実績の減少は、ライセンス収入の減少によるものであります。

 

3【対処すべき課題】

当社は、引き続き高い成長性が見込まれる組み込み市場へ注力し、当社グラフィックスIP製品の技術優位性の確保と市場シェア拡大を通じた成長を持続させるため、下記の事項を対処すべき課題と認識し、取り組んでまいります。

(1)市場分野の拡大

これまで中心だったアミューズメント、ゲーム、モバイル、自動車等の市場に加え、今後はタブレット、スマートフォン、スマートテレビ、カメラ、プリンターといった広い分野でグラフィックスへのニーズが高まっています。当社はグラフィックスIP製品に幅広い拡張性を持たせることで、これらの各分野で異なる性能や機能の要求を満たすと同時に、アンドロイドといった広く普及するOS(オペレーティング・システム)への対応を強化する事で、さらなる市場分野の拡大を図ってまいります。

(2)事業領域の拡大

当社は、創業以来グラフィックス分野に特化した事業を展開してまいりました。今後は、グラフィックス周辺技術の自社開発によるIP製品ポートフォリオの拡充と、グラフィックス以外のIPコアを有する企業とのアライアンスを進め、より付加価値の高いソリューションの提供を可能とする事で、自社グラフィックス技術の差別化を軸としながら事業領域の拡大を図ってまいります。

(3)海外市場への進出

当社は、今後の海外市場への進出を最重要の経営課題の一つと捉えております。前期に設立した米国子会社を通じて米国主要顧客への拡販、技術サポートの提供、およびグローバル市場に向けたマーケティング活動を行ってまいります。またアジア地域におけるパートナー企業との提携による拡販や現地サポート体制確立を積極的に推進してまいります。また国内外の主要半導体メーカーの連携を強め、これらの企業のグローバルなASICやFPGAビジネスを通じた当社IP製品拡販を進めてまいります。

(4)差別化技術によるIPの優位性確保

当社がビジネスの主軸とする3Dグラフィックス市場においては、後発メーカーである当社が先行する他社との競争に打ち勝つためには、製品の差別化が重要であると考えております。

競合他社が製品化している標準規格ベースのIPコアに比べ、当社IPコアはこれらの標準規格を実装した上で、さらに独自拡張技術である「MAESTRO」などの研究開発の成果に基づく差別化技術を実装しております。今後も競合他社との差別化技術の開発を継続し、消費電力、性能面での優位性を確保、強化してまいります。

(5)人材の確保と育成

当社は、高い専門性とプロジェクトを統括する能力を持つ少数精鋭の従業員で事業を運営しております。今後の事業展開に備えるため優秀な人材の確保を継続するとともに、育成の観点からも施策を講じてまいります。

4【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると思われる事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)IPコアライセンス事業における特定の他社製品への依存について

 当社は、任天堂株式会社(以下、任天堂という)が販売する新携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」向けに半導体を供給する半導体メーカーから出荷数量に応じてグラフィックスIPコア「PICA200」のランニングロイヤリティを受領しております。なお、平成24年3月期においては、ランニングロイヤリティ収入が総売上高の過半を占めております。

 また、グラフィックスIPコア「PICA200」の携帯ゲーム機向けライセンス供与は、現状では任天堂製品向けに限る方針であります。

 そのため任天堂の販売戦略に変更が生じた場合等、何らかの理由により、当社の想定よりも出荷時期が遅れ、または出荷台数が減少した場合には、業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

(2)研究開発プロジェクトの収益性

当社は、画像処理やグラフィックス処理技術に基づき、今後のニーズの変化に対応できる新技術と新製品の開発を行っております。このための各研究開発プロジェクトは、成長する市場が必要とする機能を想定しながら実施しておりますが、投下した研究開発費の全てを回収できるとは限らず、この場合、当社の収益性に影響を及ぼす可能性があります。 

(3)製造を委託していることについて

当社は、製造設備を持たない会社として研究開発業務に特化した事業活動を行っておりますので、当社LSI製品事業の製品の製造に関しては大手国内半導体メーカーに委託しております。

このような状況の下、当社では、製造委託先と良好な関係を構築し、維持していくことが重要と考えております。

しかしながら、製造委託先において十分な生産枠が確保できない場合や通常想定することができない事象により製造委託先の設備に問題等が発生するなど、何らかの理由により委託先における製造に支障が生じた場合、または、委託先との製造委託契約が終了し、適切な代替委託先が確保できない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)販売先の市場動向による経営成績への影響について

当社製品は、モバイル・コンシュマー機器、アミューズメント機器、自動車、家電製品等の市場向けであり、これら顧客の機器製品にソフトウエアおよびハードウエアとして組み込まれて使用されております。

これら市場の製品はいずれもライフサイクルが短く、技術革新のスピードも早いため、当社の売上・利益を維持し、増大させるためには、市場の動向を見極めた上で新市場の開拓を積極的に行う必要があります。

当社としては、日頃から顧客や外部機関等からの情報を分析することにより、市場動向の変化に応じて、新規製品の開発、新市場の開拓に取り組んでおりますが、これら市場の動向に当社の予想以上の変化があり、当社の新規製品の開発または新市場の開拓が遅れた場合には、当社の売上高および利益ともに影響を受ける可能性があります。 

(5)代表者への依存について 

 当社の代表取締役社長兼CEOである山本達夫は、過去にエンジニアとして従事していた経験もあり、技術的にも非常に当社の製品に精通しております。また、これまでに培った広い人脈を活かして、自ら国内外への営業活動も行っており、当社の技術面・営業面での同氏への依存度は非常に高くなっております。 

 今後は、組織のさらなる体系化および人材育成強化等の策を講じ、同氏への依存度を低下させるべく体制の構築に努めていく所存ではありますが、当面は同氏への依存度は高いままであることが見込まれます。

 このような状況下において、退任等何らかの要因により、同氏の当社における業務執行が困難となった場合、当社の業績および事業展開に影響を及ぼす可能性があります。                   

(6)第三者の知的財産権を侵害する可能性について

当社は当事業年度末現在において、提供するIPコア・LSI製品の技術および制作する表現物等に関して、第三者より知的財産権を侵害する旨のクレーム、侵害訴訟等を提起する等の通知は受けておりません。

当社は、当社のIPコア技術が第三者の特許権を侵害する可能性につき調査を行っておりますが、当社が提供するIPコア・LSI製品の技術および表現物等が、特許権その他第三者の知的財産権を侵害する可能性を完全に排除することは困難であり、今後このような第三者の知的財産権を侵害する旨のクレームを受け、または侵害訴訟を提起され、当社の事業が差し止められ、または損害賠償等の金銭的な負担を強いられる等の結果となった場合、当社の業績および社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

(7)技術の進展等について

当社の事業は、画像処理やグラフィックス処理技術に密接に関連しておりますが、これらの技術の進展は著しく、短期間で新機種が発売され、高機能化も進んでおります。

当社としては、技術開発に注力し、技術の進展に対応していく方針であります。しかしながら、当社が予想しない新技術の開発・普及により事業環境が急変し、当社が迅速または適切に対応できない場合、または、競合他社が当社を上回る技術を開発し、当社技術が陳腐化した場合には、当社の売上高または利益が減少し、当社の業績に影響を与える可能性があります。

また、これらの状況に迅速に対応するため、研究開発費等の費用が多額に発生した場合には、当社の経営成績および今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 

(8)自然災害及び事故等について

 当社及び当社取引先の事業拠点が、地震及び台風等の自然災害、事故、火災、テロ等の被害を受けた場合、当社の事業活動に支障を生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(9)ベンチャーキャピタルによる株式所有について

当事業年度末現在の当社の発行済株式総数2,410,100株のうち、ベンチャーキャピタルおよびベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合が所有している株式数は656,600株で、その所有割合は27.2%であります。

一般的に、ベンチャーキャピタルおよび投資事業組合による株式の所有目的は、株式上場後に株式を売却してキャピタルゲインを得ることにあるため、当社株主であるこれらのベンチャーキャピタルおよび投資事業組合についても、所有する株式の全部または一部を売却する可能性があり、かかる場合には当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。

(10)新株予約権について

当社では、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員および従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、役員および従業員に対して新株予約権を付与しております。当事業年度末現在、新株予約権による潜在株式総数は408,000株であり、発行済株式総数2,410,100株の16.9%にあたります。発行された新株予約権の行使により発行された新株は、将来的に当社株式価値の希薄化や株式売買の需給への影響をもたらし、当社株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

(11)小規模組織であることについて

当社は、平成14年7月に株式会社として設立されましたが、社歴が浅く、また、当事業年度末現在、取締役5名、監査役3名、従業員27名と事業規模が小規模であることから、人員体制の未整備、少人数の役職員への依存等、小規模組織特有の課題があると認識しております。

今後は、事業の拡大に伴い業務遂行体制の充実に努めてまいりますが、人的資源に限りがあるため、役職員の業務遂行上支障が生じた場合、あるいは役職員が社外流出した場合には、当社の業務に支障をきたし、業績に影響を与える可能性があります。

(12)人材の確保・育成について

当社は、今後の事業拡大に向けて、優秀な人材の確保・育成が不可欠であると認識しております。そのため、人材に報いるための年俸制度、ストックオプション制度等も導入しておりますが、いずれも継続的な人材の確保を保証するものではなく、適格な人材を十分確保できなかった場合には、当社の事業拡大が制約を受ける可能性があり、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(13)情報管理体制について

当社は研究開発をはじめとする当社の事業活動に際して情報管理が重要であると認識しており、このため、コンピューター・ウィルスの検知、ファイアウォールの構築等の外部からの侵入に対する予防策および情報へのアクセス可能な管理者の制限、当社と役職員および顧客等との間における機密保持契約の締結、入退出管理等の情報流出対策を講じるとともに、ハード面での障害時により業務への支障が生じないようデータ管理の多重化を行うなど、情報管理に関するシステムと社内体制の構築を行っております。

しかしながら、これらのシステム・体制によっても情報漏洩の可能性を完全に排除することは困難であり、今後何らかの理由により当社の技術情報等重要な情報が社外に流出した場合、当社の業績および事業運営に影響する可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

相手方の名称

契約の内容

契約期間

富士通エレクトロニクス株式会社

当社LSI製品の製造委託

平成19年8月21日より1年間(注1)

期間満了の3ヶ月前までにいずれからも申し出のない限り1年間延長、以降も同様

シャープ株式会社

特定製品向けの当社グラフィックスIPコアの使用許諾(注2)

平成19年7月25日より10年間

期間満了の1年前までにいずれからも申し出のない限り1年間延長、以降も同様

任天堂株式会社

当社ソフトウエアIPの使用許諾(注3)

平成20年8月1日より同技術を採用した任天堂製品の販売・頒布の終了または任天堂製品向けのソフトウェアの販売・頒布の終了のうち、いずれか遅い方まで有効

任天堂株式会社

任天堂製品用開発環境の改良およびサポートに係る業務受託

受託期間は平成23年8月1日より平成24年7月31日まで

NECエレクトロニクス株式会社(現ルネサス モバイル株式会社)

モバイル・コンシューマー製品用SoC向けの当社IPコアの使用許諾(注2)

平成22年3月23日より3年間

期間満了の3ヶ月前までにいずれからも申し出のない限り1年間延長、以降も同様

富士通セミコンダクター株式会社

SoC向けの当社IPコアの使用許諾(注4)

平成22年7月13日より3年間

期間満了の1年前までにいずれからも申し出のない限り1年間延長、以降も同様

(注)1.当初の契約期間が満了していますが、自動延長規定の適用により現在も契約の効力は存続しております。

2.当社はライセンス収入およびランニングロイヤリティ収入を収受することとなっております。

3.当社はライセンス収入を収受しております。 

4.当社は今後富士通セミコンダクター株式会社の顧客からライセンス収入およびランニングロイヤリティ収入を収受する予定です。

 

6【研究開発活動】

1.研究開発体制

 当社は、グラフィックスIPコア、LSI開発に対して研究開発活動を行っています。

 なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。 

2.グラフィックスIPコアの開発状況と開発成果

 組み込み機器向けの3Dグラフィックス(OpenGL ES)および2Dグラフィックス(OpenVG)に準拠したグラフィックスIPコアの開発を進めています。

 また、標準規格のグラフィックスIPコア開発に加え、当社独自の技術を実装することで、競合他社との差別化を図るための技術の開発を推進しています。

(1)開発状況

①「MAESTRO」の開発

 一般的にソフトウエアで処理される3Dグラフィックスの陰影付け処理などを、ハードウエアに実装することで、より写実的な3Dグラフィックス描画を低消費電力、高品質、かつ高速に実現することができる「MAESTRO」を開発しました。この技術をもとにさらなるアルゴリズム(注)開発、ハードウエア・ソフトウエアの開発を進めています。

②IPコアを最適に動作させるための技術開発

 グラフィックスシステムを構築する際、各種システムの特性に対して最適な組み込み・統合を行うことで、低消費電力でありながら大画面に対する表示対応や、パソコンで使用されるような高度なグラフィックス機能を有する描画システムを構築することが可能となります。当社ではこの最適な組み込み・統合を容易にするために、IPコアに係わる周辺ハードウエアおよび、周辺ソフトウエアの研究開発を進めています。本技術とIPコアを併せて顧客に提供することで、最大限に最適化できるソリューションを提供することが可能となります。 

(2)開発成果

当社グラフィックスコアを用いたFPGA及びESLプラットフォームの開発

 次世代3D/2Dグラフィックスシステムの設計を加速するために、パートナーと設計プラットフォーム開発を行いました。

①ザイリンクス株式会社と、ザイリンクスのVirtex®-6ファミリFPGAを搭載した3D/2Dグラフィックス システム開発に最適なFPGA開発評価ボードと3D/2DグラフィックスIPを統合した「PICA®200 for FPGA Virtex-6 Evaluation Kit」および「SMAPH®-F for FPGA Virtex-6 Evaluation Kit」を開発しました。

②富士通セミコンダクター株式会社と当社グラフィックスIPコアを組み込んだESL(Electronic System Level:システム・レベル)検証プラットフォームの開発を行い、当該プラットフォームにてシステム検証環境を実現しました。

(注)「アルゴリズム」とは、問題を解くための効率的手順を定式化した形で表現したものを意味します。 

 

3.研究開発費

当事業年度における研究開発費総額は229百万円となっております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されております。当社はこの財務諸表の作成にあたって、たな卸資産の評価、減価償却資産の耐用年数の設定、繰延税金資産の計上、偶発債務の認識等の重要な会計方針に関する見積もりおよび判断を行っております。当社経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積もりおよび判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。また、実際の結果は、見積もりによる不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。

 

(2)経営成績の分析

当社は、IPコアライセンス事業において引き続き最新標準規格および当社独自技術の二軸をベースとした最適なグラフィックスIPソリューションの開発と、持続的な成長基盤を固めるためにライセンス新規受注獲得や既存顧客への技術サポートを継続してまいりました。また、半導体メーカーの製品に搭載された「PICA200」が順調にランニングロイヤリティ収入を計上しましたが、年度後半に国内の半導体メーカーやコンシューマーエレクトロニクスメーカーを襲った事業環境激変を受け、厳しい受注環境が続いたことによりIPコアライセンス事業の売上高は853百万円(前年同期比6.4%減)となりました。また、LSI製品事業はアミューズメント業界に広く浸透した「リユース」(部品の再利用)の影響を強く受けたことにより、売上高は8百万円(同87.9%減)、その他の事業は受託開発案件が順調に推移し売上を計上したことにより、183百万円(同444.3%増)となりました。

売上原価はLSI製品の売上減少に伴い商品及び製品仕入高が減少しましたが、受託開発を受注したことにより111百万円(同3.9%増)となりました。

販売費及び一般管理費は、前事業年度並みの、614百万円(同3.7%増)となりました。

以上の結果、売上高1,044百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益319百万円(同1.4%増)、経常利益302百万円(同3.7%減)、当期純利益は税制改正と翌期の受注見通しを踏まえた繰延税金資産の見直しを行い、法人税等調整額が増加したことなどから、188百万円(前年同期比61.7%減)となりました。

 

3)経営成績に重要な影響を及ぼす要因について

当社が当面の間に見込んでいるランニングロイヤリティ収入は任天堂が販売する新携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」の製造台数に大きく依存しております。その結果、当該製品の販売戦略に変更が生じた場合等には、当社の業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)経営戦略の現状と見通し

今後の世界経済は、欧州の政府債務問題の解決が見通せず、米国経済や新興国経済の先行きについても楽観できないものと見込まれます。国内においても電力需要や円高、資源高等により、依然として不透明感の強い状況が続くものと予想されます。

当社が属する半導体業界については、国内市場の成長鈍化による収益低下懸念が強まっているものの、海外、特に新興国市場の成長が期待され、収益機会を的確に捉えることが成長への条件となります。

このような環境の下、新規ライセンスの獲得については、グラフィックスIP製品のポートフォリオ充実による最適なソリューションの提供を図り、北米およびアジア地域における顧客開拓に一層注力するとともに、国内半導体メーカーやコンシューマー機器メーカーに対するアプローチを継続してまいります。また、ランニングロイヤリティを受領する既存顧客のサポートも引き続き充実させてまいります。

さらに、次世代LSIの開発に着手することにより、将来の収益基盤の複層化に資する施策も実行してまいります。

 

(5)財政状態に関する分析 

当事業年度末における資産合計額は、2,769百万円となり、前事業年度末に比べ1,109百万円増加いたしました。これは主に東京証券取引所マザーズ市場上場に伴う有償一般募集および有償第三者割当増資等による現金及び預金の増加1,389百万円、売掛金の減少185百万円、繰延税金資産の減少113百万円によるものであります。

 負債合計額は、102百万円となり、前事業年度末に比べ23百万円減少いたしました。これは未払金の減少30百万円などによるものであります。

 純資産合計額は、2,666百万円となり前事業年度末に比べ1,133百万円増加いたしました。これは東京証券取引所マザーズ市場上場に伴う有償一般募集および有償第三者割当等により資本金、資本準備金が合計945百万円増加したこと、さらに当期純利益188百万円を計上したことによるものであります。

 これらの結果、自己資本比率は96.3%となりました。

 

(6)キャッシュ・フローの状況に関する分析 

当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ139百万円増加し466百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは481百万円の収入(前年同期は151百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益302百万円の計上と売上債権の減少額185百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは1,276百万円の支出(前年同期は89百万円の収入)となりました。これは主には、定期預金の払戻による収入1,900百万円と定期預金の預入による支出3,150百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは935百万円の収入(前年同期は財務活動によるキャッシュ・フローはありません。)となりました。これは主に、株式の発行による収入901百万円、新株予約権の行使による株式の発行による収入33百万円によるものであります。

 なお、当社のキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。

 

平成22年3月期

平成23年3月期

平成24年3月期

自己資本比率(%)

91.2

92.4

96.3

時価ベースの自己資本比率(%) 

101.8

自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

(注)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。 

 

(7)経営者の問題意識と今後の方針

当社が属する半導体業界については、国内市場の成長鈍化による収益低下懸念が強まっているものの、海外、特に新興国市場の成長が期待され、収益機会を的確に捉えることが成長への条件となります。

IPコアライセンス事業においてはデジタル家電をはじめとする組み込み機器におけるグラフィックスへの需要が続くと予想され、当社の活躍の場が拡大すると考えられます。このような成長分野に向けて最新業界標準技術への対応と独自差別化技術の開発に積極的に取り組み、グラフィックスIP製品のポートフォリオおよび各IP製品の競争力を強化してまいります。IPコアライセンスの販売面ではパートナー企業との連携等を通じソリューション提供力を強化すると同時に米国シリコンバレーに設立した子会社「DMP USA」や平成24年6月に提携をした「Institute for Information Industry」を通じた積極的な海外への営業活動を展開してまいります。またLSI製品事業においては、より顧客に密着して、市場ニーズに対応したLSIの開発に努めてまいります。

 





出典: 株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル、2012-03-31 期 有価証券報告書