有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当事業年度における世界経済は、米国、欧州において緩やかな景気回復局面で推移しましたが、新興国では年度後半から景気の減速が鮮明となり、米国の金融政策の転換の影響を受けた通貨安や需要不足による資源価格の急激な下落等の影響と相俟って、景気の先行きに不透明感の強い状況が続きました。一方、日本経済は、政府・日銀の金融緩和政策が継続し、年度当初は、円安基調や資源安を背景とした企業収益や雇用環境の改善が見られました。しかしながら、年度後半からの新興国経済の減速による輸出の減速や設備投資の鈍化、金融市場の変調を受けた円安基調に変化が現れると、企業収益の先行きに減速感が強まり、個人消費が弱含みとなるなど、景気に変調の兆しが見受けられるようになりました。

当社の属する半導体業界では、平成27年の世界半導体市場が前年比0.9%増と見込まれており、車載機器、産業機器向け半導体の好調が継続しておりますが、近年市場を牽引しておりましたスマートフォン向け半導体の減速が鮮明となり、市場全体の伸びが鈍化する傾向にあります。一方、日本国内においては、前年度に引き続き車載用途の強い需要に支えられ2.9%の成長が見込まれておりますが、円安局面から一転して円高の影響を受け、ドルベースの成長は△10.3%が見込まれ、輸出採算の悪化が顕在化する厳しい環境のまま推移しました。

当社の事業領域であるビジュアル・コンピューティング関連分野においては、画像処理や画像認識技術の車載機器用途への採用拡大が続き、産業機器、民生機器分野においてもGPUへの高い関心が継続した状況にあります。また、大量のデータを複数のプロセッサを用いて同時に処理するGPUの並列処理に着目したディープラーニング(深層学習)やAI(人工知能)分野への応用が期待されております。

このような環境下において、当社は中期経営計画の2年度目にあたり、収益基盤再構築へ向けた施策の展開に注力してまいりました。当事業年度においては、IPコアライセンス事業において医療機器向けの新規ライセンスおよび既存顧客の次世代製品向けライセンスを獲得しましたが、前事業年度より持ち越しとなっておりました新規ライセンス案件につきましては、ライセンス先候補である海外半導体ベンダーのM&Aにより計画が見直しとなり失注いたしました。また、ランニングロイヤリティにつきましては、既存顧客の新製品が市場へ出荷されたことにより、新たに複数の顧客よりランニングロイヤリティ収入を計上することができましたが、顧客製品市場の軟化が継続しており、全体として期初計画より若干弱含みで推移しました。SoC/モジュールビジネスにおいて、第3四半期に開発が完了し量産を開始したアミューズメント機器向け高性能グラフィックス半導体「ⅤF2」を第4四半期に出荷し、売上に計上することができました。また、プロフェッショナルサービス分野においては、複数の画像認識分野の新規案件を獲得するとともに、受注活動を継続しておりました画像処理半導体の設計受託案件を成約することができました。

業務資本提携先である株式会社UKCホールディングスとの取り組みにつきましては、SoC/モジュールビジネス分野において顧客へのアプローチを共同で推進しております。

研究開発分野では、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受け、当社がこれまでに蓄積したGPU技術を基礎として、産業用ロボットや自動走行車への適用が期待されるディープラーニング処理を低消費電力で高速化する「次世代画像処理、画像認識向けプラットフォーム」の研究開発を推進し、当事業年度末において当初の目的であるNEDOへの研究成果の報告を完了しております。次期以降も本研究開発を進め、社会的な課題である「低炭素社会の実現」を図るとともに、当社の中長期的な事業展開の中で有力な収益基盤となるよう育成してまいります。

 

この結果、当事業年度の売上高は、新規ライセンス、既存顧客からライセンス収入およびランニングロイヤリティ収入に加え、画像処理半導体の設計受託売上の計上とアミューズメント機器向け高性能グラフィックス半導体「VF2」の出荷開始による売上を計上したことにより、733百万円(前年同期比58.1%増)となりました。利益面では、LSI開発に伴う研究開発費の発生が影響し、営業損失は176百万円(前年同期営業損失462百万円)となりました。なお、当社が保有する外貨建資産が第4四半期における為替相場の急激な変動による円高の影響により、営業外費用に為替差損15百万円を計上したため、経常損失は193百万円(前年同期経常損失265百万円)となりました。

また、第2四半期においてカナダ・コグニビュー社の株式を売却したこと等による特別利益129百万円を計上したことにより、損失額が減少し、当期純損失は、64百万円(前年同期当期純損失311百万円)となりました。

 

当社は、単一セグメントでありますが、事業の傾向を示すため、事業別の業績を以下に示します。

 

事業別売上高

①IPコアライセンス事業

IPコアライセンス事業では、新規ライセンスおよび既存顧客のライセンス収入を計上するとともに、既存のランニングロイヤリティ収入に加え、顧客製品の市場投入により新たなランニングロイヤリティ収入を計上したことにより、売上高は254百万円となりました。

 

②LSI事業

LSI事業では、高性能グラフィックス半導体「VF2」を量産・出荷し、売上を計上したことにより、売上高は350百万円となりました。

 

③その他の事業

その他の事業では、画像処理半導体の設計受託およびプロフェッショナルサービスの売上高を計上したことにより、129百万円となりました

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ433百万円減少し697百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、265百万円の支出(前年同期は161百万円の支出)となりました。主な要因は、売上債権の増加額355百万円、投資有価証券売却益128百万円による減少要因と、仕入債務の増加額177百万円、減価償却費64百万円などによる増加要因によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、184百万円の支出(前年同期は264百万円の収入)となりました。主な要因は、定期預金の純増額による支出322百万円、無形固定資産の取得による支出199百万円による減少要因と、有価証券の償還による収入294百万円などによる増加要因によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、23百万円の収入(前年同期は328百万円の収入)となりました。主な要因は、新株予約権の行使による株式の発行による収入19百万円などによる増加要因であります。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)仕入実績

 当事業年度の仕入実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。

事業部門の名称

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

仕入実績(千円)

前年同期比(%)

IPコアライセンス事業

LSI事業

181,756

その他の事業

合計

181,756

4,821.2

(注)1.金額は仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当事業年度の受注状況を事業部門別に示すと次のとおりであります。

事業部門の名称

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

IPコアライセンス事業

32,110

1,505.4

4,850

LSI事業

350,500

その他の事業

129,013

323.6

合計

511,623

1,218.2

4,850

161.7

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.IPコアライセンス事業には、ライセンス供与に伴うカスタマイズ収入を記載しております。なお、ライセンス収入、ランニングロイヤリティ収入および技術サポートは、受注という概念が馴染まないため記載しておりません。

 

(3)販売実績

 当事業年度の販売実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。

事業部門の名称

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

販売実績(千円)

前年同期比(%)

IPコアライセンス事業

254,354

59.5

LSI事業

350,500

その他の事業

129,013

350.0

合計

733,867

158.1

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ピーピーエル

350,000

47.7

シャープ株式会社

208,898

45.0

104,438

14.2

株式会社バンダイナムコエンターテインメント

100,000

13.6

ソニー株式会社

100,408

21.6

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当事業年度のソニー株式会社については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

3【対処すべき課題】

当社の属する半導体市場は、従来のモバイル機器、パソコン、TVに加え、IoT(注)の到来によりインターネットに接続できるデバイスはコンシューマー機器、産業機器、社会インフラ等に拡がるものと予想され、日本企業が強い分野へと拡大することが見込まれます。インターネットに繋がるデバイスの数が加速度的に増加するものと予想され、半導体メーカーは今後もフル生産の状態が続くものと考えられます。

このような市場環境認識の下、当社は引き続き高い成長性が見込まれるビジュアル・コンピューティング関連分野へ注力し、成長を持続させるため、下記の事項を対処すべき課題と認識し、取り組んでまいります。

 

①IPライセンスビジネス

当社のGPU技術とライセンスビジネス実績を基に、自動車、医療、産業機器などの成長分野で新規ビジネス、サービスを創出する。

・画像認識技術にフォーカスした施策の展開

・IPポートフォリオの拡充によるシナジー効果発揮、提案力の強化

 

②SoC/モジュールビジネス

サービスを含めたソリューション提供による提案力と収益力の向上を図る。

・当社の強みを生かし過去に実績のある「勝てる分野」でビジネスを立ち上げる。

・SoC/モジュールビジネスの基盤確立

 

③プロフェッショナルサービスビジネス

高い技術力の提供により、新たな分野を顧客とともに構築するための要とする。

・GPU/ビジョン技術(自社/他社)をベースとした高付加価値サービスの構築

・パートナーシップによる案件発掘:ソリューションの提供

 

(注)IoT(Internet of Things)とは、パソコン、スマートフォン・タブレット、ゲーム機等の情報通信機器にとどまらず、社会で利用される様々なモノに通信機能を持たせ、インターネットに接続したり、相互に通信することにより、自動認識、自動制御、遠隔計測などが行われることをいいます。

 

 

4【事業等のリスク】

当社の経営成績、財政状態および株価等に影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

①IPコアライセンス事業における特定の他社製品への依存について

当社は、任天堂株式会社(以下、任天堂という)が販売する新携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」向けに半導体を供給する半導体メーカーから出荷数量に応じてグラフィックスIPコア「PICA200」のランニングロイヤリティを受領しております。

また、グラフィックスIPコア「PICA200」の携帯ゲーム機向けライセンス供与は、現状では任天堂製品向けに限る方針であります。

そのため任天堂の販売戦略に変更が生じた場合等、何らかの理由により、出荷台数が減少した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

②製品の収益性

当社は、画像処理やグラフィックス処理技術に基づき、今後のニーズの変化に対応できる新技術と新製品の開発を行っております。このための各研究開発プロジェクトは、成長する市場が必要とする機能を想定しながら実施しておりますが、投下した研究開発費の全てを回収できるとは限らず、この場合、当社の収益性に影響を及ぼす可能性があります。

また、LSIの立ち上がりが今後の収益計画において極めて重要であると認識しておりますが、何らかの事情で当社または生産委託先の開発が大幅に遅れたり、開発自体が頓挫する事態に至った場合、当社の収益性に影響を及ぼす可能性があります。

③LSI製品の販売体制について

当社は、LSI製品の販売は商社を介した代理店販売を基本としております。販売代理店とは良好な関係を構築しておりますが、今後販売代理店との関係に問題が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

④LSI製品の製造委託について

当社は、製造設備を持たない会社として研究開発業務に特化した事業活動を行っておりますので、LSI事業の製品製造に関しては半導体メーカーに委託しております。しかしながら、製造委託先において十分な生産枠が確保できない場合や通常想定することができない事象により製造委託先の設備に問題等が発生するなど、何らかの理由により委託先における製造に支障が生じた場合、または、委託先との製造委託契約が終了し、適切な代替委託先が確保できない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤販売先の市場動向による経営成績への影響について

当社製品は、モバイル・コンシュマー機器、アミューズメント機器、自動車、家電製品等の市場向けであり、これら顧客の機器製品にソフトウエアおよびハードウエアとして組み込まれて使用されております。

これら市場の製品はいずれもライフサイクルが短く、技術革新のスピードも早いため、当社の売上・利益を維持し、増大させるためには、市場の動向を見極めた上で新市場の開拓を積極的に行う必要があります。

当社としては、日頃から顧客や外部機関等からの情報を分析することにより、市場動向の変化に応じて、新規製品の開発、新市場の開拓に取り組んでおりますが、これら市場の動向に当社の予想以上の変化があり、当社の新規製品の開発または新市場の開拓が遅れた場合には、当社の売上高および利益ともに影響を受ける可能性があります。

⑥代表者への依存について

当社の代表取締役社長兼CEOである山本達夫は、過去にエンジニアとして従事していた経験もあり、技術的にも当社の製品に精通しております。また、これまでに培った広い人脈を活かして、自ら国内外への営業活動も行っており、当社の技術面・営業面での同氏への依存度は非常に高くなっております。

今後は、組織のさらなる体系化および人材育成強化等の策を講じ、同氏への依存度を低下させるべく体制の構築に努めていく所存ではありますが、当面は同氏への依存度は高いままであることが見込まれます。

このような状況下において、退任等何らかの要因により、同氏の当社における業務執行が困難となった場合、当社の業績および事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦第三者の知的財産権を侵害する可能性について

当社は当事業年度末現在において、提供するIPコア・LSI製品の技術および制作する表現物等に関して、第三者より知的財産権を侵害する旨のクレーム、侵害訴訟等を提起する等の通知は受けておりません。

当社は、当社のIPコア技術が第三者の特許権を侵害する可能性につき調査を行っておりますが、当社が提供するIPコア・LSI製品の技術および表現物等が、特許権その他第三者の知的財産権を侵害する可能性を完全に排除することは困難であり、今後このような第三者の知的財産権を侵害する旨のクレームを受け、または侵害訴訟を提起され、当社の事業が差し止められ、または損害賠償等の金銭的な負担を強いられる等の結果となった場合、当社の業績および社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

⑧技術の進展等について

当社の事業は、画像処理やグラフィックス処理技術に密接に関連しておりますが、これらの技術の進展は著しく、短期間で新機種が発売され、高機能化も進んでおります。

当社としては、技術開発に注力し、技術の進展に対応していく方針であります。しかしながら、当社が予想しない新技術の開発・普及により事業環境が急変し、当社が迅速または適切に対応できない場合、または、競合他社が当社を上回る技術を開発し、当社技術が陳腐化した場合には、当社の売上高または利益が減少し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、これらの状況に迅速に対応するため、研究開発費等の費用が多額に発生した場合には、当社の経営成績および今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

⑨自然災害及び事故等について

当社及び当社取引先の事業拠点が、地震及び台風等の自然災害、事故、火災、テロ等の被害を受けた場合、当社の事業活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑩新株予約権について

当社では、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員および従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、役員および従業員に対して新株予約権を付与しております。当事業年度末現在、新株予約権による潜在株式総数は105,100株であり、発行済株式総数2,711,800株の3.9%にあたります。発行された新株予約権の行使により新株が発行された場合には、当社株式価値の希薄化や株式売買の需給への影響をもたらし、当社株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

⑪小規模組織であることについて

当社は社歴が浅く、また、事業規模が小規模であることから、人員体制の未整備、少人数の役職員への依存等、小規模組織特有の課題があると認識しております。

今後は、事業の拡大に伴い業務遂行体制の充実に努めてまいりますが、人的資源に限りがあるため、役職員の業務遂行上支障が生じた場合、あるいは役職員が社外流出した場合には、当社の業務に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑫人材の確保・育成について

当社は、今後の事業拡大に向けて、優秀な人材の確保・育成が不可欠であると認識しております。そのため、人材に報いるための報酬体系、ストック・オプション制度等も導入しておりますが、いずれも継続的な人材の確保を保証するものではなく、適格な人材を十分確保できなかった場合には、当社の事業拡大が制約を受ける可能性があり、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑬情報管理体制について

当社は研究開発をはじめとする当社の事業活動に際して情報管理が重要であると認識しており、このため、コンピューター・ウィルスの検知、ファイアウォールの構築等の外部からの侵入に対する予防策および情報へのアクセス可能な管理者の制限、当社と役職員および顧客等との間における機密保持契約の締結、入退出管理等の情報流出対策を講じるとともに、ハード面での障害時により業務への支障が生じないようデータ管理の多重化を行うなど、情報管理に関するシステムと社内体制の構築を行っております。

しかしながら、これらのシステム・体制によっても情報漏洩の可能性を完全に排除することは困難であり、今後何らかの理由により当社の技術情報等重要な情報が社外に流出した場合、当社の業績および事業運営に影響する可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 販売契約等

相手方の名称

契約の内容

契約期間

シャープ株式会社

特定製品向けの当社グラフィックスIPコアの使用許諾(注1)

平成19年7月25日より13年間

期間満了の1年前までにいずれからも申し出のない限り1年間延長、以降も同様

任天堂株式会社

当社ソフトウエアIPの使用許諾(注2)

平成20年8月1日より同技術を採用した任天堂製品の販売・頒布の終了または任天堂製品向けのソフトウエアの販売・頒布の終了のうち、いずれか遅い方まで有効

任天堂株式会社

任天堂製品用開発環境の改良およびサポートに係る業務受託

受託期間は平成27年8月1日より平成28年7月31日まで

(注)1.当社はライセンス収入およびランニングロイヤリティ収入を収受しております。

2.当社はライセンス収入を収受しております。

 

 業務資本提携契約

相手方の名称

契約締結日

契約内容

株式会社UKCホールディングス

平成26年5月9日

業務提携

①マシンビジョン・ソリューション共同開発

②IP販売

③事業展開に資する経営資源の相互活用

④その他提携事項

資本提携

当社株式の保有

 

6【研究開発活動】

1.研究開発体制

当社は、グラフィックスIPコア、LSI開発に対して研究開発活動を行っています。

なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。

2.グラフィックスIPコアの開発状況

組み込み機器向けの3Dグラフィックス(OpenGL ES)および2Dグラフィックス(OpenVG)に準拠したグラフィックスIPコアおよび、低消費電力グラフィックスLSIの開発を進めています。

また、標準規格のグラフィックスIPコア開発に加え当社独自の技術を実装することで、競合他社との差別化を図るための技術の開発を推進しています。

(1)開発状況

①次世代画像認識・画像処理技術プラットフォームの研究開発

昨今、GPU技術は、ディスプレイへの描画用途だけでなく、高い演算性能が要求される画像処理分野へも応用されております。NEDOによる「平成27年度クリーンデバイス社会実装推進事業」において、これまで蓄積してきたGPU技術をベースに、産業用ロボットや自動走行車への適用が期待されているディープラーニング(注1)処理を低消費電力で高速化する次世代画像処理、画像認識向けプラットフォームの研究開発を進めています。

②「MAESTRO」の開発

一般的にソフトウエアで処理される3Dグラフィックスの陰影付け処理などをハードウエアに実装することで、より写実的な3Dグラフィックス描画を低消費電力、高品質、かつ高速に実現することができる「MAESTRO」の改善として、さらなるアルゴリズム(注2)開発、ハードウエア・ソフトウエアの開発を進めています。

③低消費電力グラフィックスLSIに関わる技術開発

NEDOによる「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」助成金を用い、携帯機器に採用が拡がる高品位なユーザーインターフェイスの実現で使用されるグラフィックプロセッサにおいて課題となっている消費電力増大の問題を解決するため、上記①②の技術を適用したグラフィックスプロセッサ開発を進めました。

(2)開発成果

低消費電力グラフィックスLSIの立ち上げ・評価を完了し、「VF2」として製品化を行いました。また、NEDOによる「平成27年度クリーンデバイス社会実装推進事業」において、人工知能(ディープラーニング処理を用いた次世代画像処理)プラットフォームの先導的研究開発を実施しました。

①昨年度NEDOによる「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」助成金を用い開発を行った、省電力グラフィックスLSIの評価、量産立ち上げを行い、「VF2」の製品化及び量産を開始しました。

②NEDOによる「平成27年度クリーンデバイス社会実装推進事業」において、人工知能(ディープラーニング処理を用いた次世代画像処理)プラットフォームの先導的研究開発を実施し、次世代演算コアやディープラーニングの処理を効率化する専用コアの開発を行いました。

(注1)「ディープラーニング」とは機械学習の一種で、ニューラルネットワークを何層も重ねたものを用いてクラス分類や回帰を行うための手法。画像認識や音声認識といった様々なデータとパターンの認識に応用されている。

(注2)「アルゴリズム」とは、問題を解くための効率的手順を定式化した形で表現したものを意味します。

 

3.研究開発費

当事業年度における研究開発費総額は271百万円となっております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されております。当社はこの財務諸表の作成にあたって、たな卸資産の評価、減価償却資産の耐用年数の設定、繰延税金資産の計上、偶発債務の認識等の重要な会計方針に関する見積りおよび判断を行っております。当社経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。また、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2)経営成績の分析

当社は、当事業年度より開始した事業計画において「ビジュアル・コンピューティング分野のワンストップ・ソリューションプロバイダーになる」を掲げ、IPコアライセンス、SoC/モジュール、プロフェッショナルサービスの「3つの柱」において、成長へ向けた基盤を構築するための施策を展開してまいりました。IPコアライセンス分野については、医療機器向けの新規ライセンスおよび既存顧客の次世代製品向けライセンスを獲得しましたが、前事業年度より持ち越しとなっておりました新規ライセンス案件につきましては、ライセンス先候補である海外半導体ベンダーのM&Aにより計画が見直しとなり失注いたしました。また、SoC/モジュール分野では、第3四半期に開発が完了し量産を開始したアミューズメント機器向け高性能グラフィックス半導体「ⅤF2」を第4四半期に出荷し、売上に計上することができました。さらに、プロフェッショナルサービス分野では、複数の画像認識分野の新規案件を獲得するとともに、受注活動を継続しておりました画像処理半導体の設計受託案件を成約することができました。しかしながら、LSI開発に伴う研究開発費の発生が影響し、利益を確保するに至りませんでした。

この結果、当事業年度の売上高は、新規ライセンス、既存顧客からライセンス収入およびランニングロイヤリティ収入に加え、画像処理半導体の設計受託売上の計上とアミューズメント機器向け高性能グラフィックス半導体「VF2」の出荷開始による売上を計上したことにより、733百万円(前年同期比58.1%増)となりました。利益面では、LSI開発に伴う研究開発費の発生が影響し、営業損失は176百万円(前年同期営業損失462百万円)となりました。なお、当社が保有する外貨建資産が第4四半期における為替相場の急激な変動による円高の影響により、営業外費用に為替差損15百万円を計上したため、経常損失は193百万円(前年同期経常損失265百万円)となりました。

また、第2四半期においてカナダ・コグニビュー社の株式を売却したこと等による特別利益129百万円を計上したことにより、損失額が減少し、当期純損失は、64百万円(前年同期当期純損失311百万円)となりました。

 

3)経営成績に重要な影響を及ぼす要因について

当社が当面の間に見込んでいるランニングロイヤリティ収入は任天堂が販売する新携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」の製造台数に大きく依存しております。その結果、当該製品の販売戦略に変更が生じた場合等には、当社の業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)経営戦略の現状と見通し

今後の世界経済は、新興国経済の減速が鮮明化するとともに、原油価格の下落による資源国経済の低迷が先進国へと波及するものと見込まれ、景気は全体として減速感の強い展開となるものと思われます。

当社の属する半導体業界では、これまで市場を牽引したスマートフォン向け半導体需要の減速が強まり、一部車載向けなどに引き続き強い需要はあるものの、市場全体では方向感の見えにくい状況が続くものと見込まれます。

このような環境下において当社は、中期事業計画に掲げた「ビジュアル・コンピューティング分野のワンストップ・ソリューション・プロバイダー」となるべく「3つの柱」の一層の強化、育成を図ります。具体的には、前期に引き続き画像処理・画像認識プロセッサIPの販売拡大、前期より販売を開始した高性能グラフィックス半導体「VF2」の販路および顧客開拓による収益増大、画像処理半導体の設計受託や自動車関連・セキュリティ・医療分野のサービスビジネスに注力してまいります。

 

(5)財政状態に関する分析

当事業年度末における資産合計額は2,244百万円となり、前事業年度末に比べ118百万円増加いたしました。主な変動要因は、売掛金が357百万円、販売目的のソフトウエアを無形固定資産に計上したことに伴い無形固定資産が151百万円増加する一方、現金及び預金が170百万円、有価証券が182百万円減少したことなどによるものであります。

負債合計額は245百万円となり、前事業年度末に比べ173百万円増加いたしました。これは、グラフィックス半導体「VF2」の仕入計上に伴い買掛金が177百万円増加したことなどによるものであります。

純資産合計額は1,999百万円となり、前事業年度末に比べ54百万円減少いたしました。これは、当事業年度においてストック・オプションが17,900株行使されたことにより、資本金、資本準備金がそれぞれ9百万円増加し、当期純損失の計上等により利益剰余金が64百万円減少したことによるものであります。

これらの結果、自己資本比率は88.9%となりました。

 

(6)キャッシュ・フローの状況に関する分析

当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ433百万円減少し697百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、265百万円の支出(前年同期は161百万円の支出)となりました。主な要因は、売上債権の増加額355百万円、投資有価証券売却益128百万円による減少要因と、仕入債務の増加額177百万円、減価償却費64百万円などによる増加要因によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、184百万円の支出(前年同期は264百万円の収入)となりました。主な要因は、定期預金の純増額による支出322百万円、無形固定資産の取得による支出199百万円による減少要因と、有価証券の償還による収入294百万円などによる増加要因によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、23百万円の収入(前年同期は328百万円の収入)となりました。主な要因は、新株予約権の行使による株式の発行による収入19百万円などによる増加要因であります。

なお、当社のキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。

 

平成25年3月期

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

自己資本比率(%)

96.7

96.4

96.6

88.9

時価ベースの自己資本比率(%)

60.7

54.5

276.1

238.0

自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

(注)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

 

(7)経営者の問題意識と今後の方針

 当社が今後持続的な成長を遂げるには、新たな成長分野への取組みとLSI製品の開発が急務であると認識しております。

 新たな成長分野への取組みとしましては、半導体分野における高い知見と世界有数の技術を持つ当社の強みをフル活用できる「3つの柱」で、成長への基盤を構築してまいります。1つ目の柱は、IPライセンスビジネスで、当社のGPU技術とライセンスビジネス実績を基に、自動車、医療、産業機器などの成長分野で新規ビジネスとサービスを創出するものであります。2つ目の柱は、SoC/モジュールビジネスで、サービスを含めたソリューション提供による提案力と収益力の向上を図るものであります。そして、3つ目の柱は、プロフェッショナルサービスビジネスで、高い技術力の提供により、新たな分野を顧客とともに構築するための要とするものであります。

 これらの3つの柱を展開し、IPライセンスビジネス・SoC/モジュールビジネス・プロフェッショナルサービスビジネスをワンストップで実現できる「ビジュアル・コンピューティング分野のワンストップ・ソリューション・プロバイダー」となるため、これら成長戦略の着実な実行を対処すべき課題と認識し、全社を挙げて取り組んでまいります。

 

 





出典: 株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル、2016-03-31 期 有価証券報告書