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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、東日本大震災等による落ち込みから、緩やかな持ち直しの傾向で推移する中、電力供給の制約や原子力災害の影響、雇用環境の冷え込みなどにより、先行き不透明な状況が続きました。

 当社グループに関係する医療及び高齢者福祉分野におきましては、平成24年度からの診療報酬及び介護報酬の改定率が決定しました。

 当社におきましては、平成23年10月1日付で当社を株式交換完全親会社、パラマウントベッド株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換を行い、持株会社体制に移行するとともに、パラマウントベッド株式会社が保有するパラテクノ株式会社、パラマウントケアサービス株式会社(旧社名 サンネットワーク株式会社)の株式全てを現物配当により取得いたしました。また、同日付で東京証券取引所市場第一部に上場いたしました。

 このような事業環境の中で、当社グループでは新製品の開発・販売や流通及びメンテナンスサービスビジネスの拡大などに努めた結果、医療・高齢者施設向け分野におきましては、制度等の後押しもあり、高齢者施設を中心に新規開設が増加したことなどから、販売、メンテナンスサービスともに大きく売上を伸ばしました。

 在宅介護分野におきましては、レンタル卸業を中心に堅調に推移いたしました。

 海外展開におきましては、インドネシア、中国の自国向け販売が好調に推移し、それぞれ増収増益となりました。

 次に当連結会計年度における主要な品目別売上高は、以下のとおりであります。

 

(単位:百万円) 

品目別

当連結会計年度

ベッド

16,755

マットレス

2,555

病室用家具

2,083

医療用器具備品

1,639

その他

5,714

レンタル

3,638

合計

32,387

  

 以上の結果、当連結会計年度は、売上高323億87百万円、営業利益52億9百万円、経常利益52億円、当期純利益30億33百万円となりました。

 なお、当連結会計年度は連結財務諸表の作成初年度であるため、前連結会計年度との比較は行っておりません。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、152億57百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、減少した資金は12億54百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益54億27百万円、減価償却費20億94百万円、仕入債務の増加額10億82百万円等の増加と、売上債権の増加額69億92百万円、法人税等の支払額17億96百万円、リース債務の支払額6億8百万円等の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、増加した資金は174億30百万円となりました。これは主に、10月の株式交換により連結対象となった各子会社の資金が増加したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、減少した資金は14億26百万円となりました。これは主に、配当金の支払いと短期借入金の返済によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 販売の状況については「1.業績等の概要」に記載しております。

(1)生産実績

 

(単位:百万円) 

品目別

当連結会計年度

前年度増減(%)

ベッド

16,870

マットレス

2,505

病室用家具

2,251

医療用器具備品

1,050

その他

782

合計

23,460

 (注)1.金額は販売価格によって表示しております。

    2.当社グループはベッド関連事業の単一セグメントであるため、品目別の生産実績を記載しております。

       3.当社は、平成24年3月期第3四半期より連結財務諸表を作成しているため、前年度増減については記載し

      ておりません。

(2)商品仕入実績

 

(単位:百万円) 

品目別

当連結会計年度

前年度増減(%)

病室用家具他

3,345

合計

3,345

  (注) 当社は、平成24年3月期第3四半期より連結財務諸表を作成しているため、前年度増減については記載し

      ておりません。 

 

(3)受注状況

 見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。

 

3【対処すべき課題】

 次期の国内経済は、持ち直しの動きが見られるものの欧州政府債務危機や原油高などによる海外景気の下振れ等によって、わが国の景気が下押しされるリスクが存在し、先行きにつきましても不透明な状況が続くと予想されます。

 医療・介護業界におきましては、平成24年度からの診療報酬及び介護報酬の改定率が決定し、診療報酬につきましてはわずかに増額となりました。一方、介護報酬につきましては、1.2%のプラス改定となったものの、処遇改善交付金を本体部分に組み込んだ結果、実質的にはマイナスとなっております。

 このような状況の中、当社といたしましては、グループの連携を強化し、レンタル卸やメンテナンスサービスなど、関連ビジネスの拡大を推進してまいります。また、海外展開におきましては、現地化を図るとともに、自然災害等による操業停止リスクを回避するために、国内外の各生産工場を連携し、世界最適生産体制をさらに強化してまいります。

  

4【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上、リスクと考えられる主な事項を記載いたしました。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生を未然に防止し、かつ万が一発生した場合においても適切に対処する所存であります。

 なお、以下の記載内容は、当連結会計年度末現在において判断したものであるとともに、当社株式への投資判断に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、この点をご留意ください。 

  

(1)事業環境における制度変更等のリスクについて

当社グループの製品のほとんどは、公的規制のもとで提供されているものであります。すなわち主力製品である医療・介護用ベッド(以下「ベッド」といいます。)は、医療保険制度等に基づき運営されている医療施設及び高齢者施設並びに介護保険制度における要介護の方がいらっしゃるご家庭で使用に供されるものであります。ベッドは、これらの公的制度のもとで公定料金(診療報酬・介護報酬)が設定されている製品ではありませんが、医療保険制度又は介護保険制度等に係る制度変更や定期的な公定料金の改定の影響により、最終顧客である医療施設等の設備投資が減少することも考えられるため、当社グループの事業、業績及び財政状態は、このような制度変更等により悪影響を受ける可能性があります。

(2)海外市場での事業拡大に伴うリスクについて

当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略のひとつと位置付けております。しかしながら、海外市場においては、国内市場では通常想定されないリスク、たとえば輸出・輸入規制の変更、技術・製造インフラの未整備や人材の確保の難しさ等に関わるリスクも発生する可能性があると考えております。もしこうしたリスクが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(3)特定の資材等の調達に伴うリスクについて

当社グループの資材等の調達については、特殊な資材等があるため、少数特定の仕入先からしか入手できないものや、仕入先や供給品の切替えや代替が困難なものがあります。当社グループは、そのような事態に陥らないよう努めておりますが、もし不可欠な資材に供給の遅延・中断があり当該資材の供給不足が生じ、当該資材をタイムリーに調達できなくなった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。

(4)製品や部品(製品等)の欠陥によるリスクについて

当社グループの製品は、品質システムに関する国際規格や各種の自社基準に基づき製造されており、当社グループは製品の品質管理には万全の体制を敷いておりますが、もし予測し得ない製品等の欠陥が生じ、それが大規模な無償交換(リコール)につながる場合には、多大な費用負担が生じ当社グループの社会的な信用も低下することが予想され、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。

(5)自然災害等によるリスクについて

地震等の自然災害または大規模火災等により、当社グループや調達先の生産拠点に重大な損害が発生し、操業中
止、生産や出荷の遅延や減少等が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性
があります。 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、「先進の技術と優しさで、快適なヘルスケア環境を創造します。」という企業理念に基づき、研究開発活動を行っております。当社グループの研究開発活動は、中核子会社であるパラマウントベッド株式会社技術本部の開発、設計とデザインの3部門と睡眠研究所が担当しており、役割分担の概要は以下のとおりです。

 開発部門の主な開発項目は、①ユーザー本人や介護・看護者の負担軽減のためのベッド及び周辺機器のメカトロニクス技術の開発、②ユーザーの利用状況を的確に把握するためのセンシング技術及び情報ネットワーク技術の開発、③褥瘡予防や「快適な眠り」の提供のためのマットレスの研究・開発であります。デザイン部門はユニバーサルデザインの考え方に基づき、出来るだけ多くの人に分かりやすく安全で使い勝手のよいデザイン開発を行い、設計部門はこれらの研究・開発成果を基に、医療看護現場や介護現場での問題解決やニーズにお応えするための具現化・製品化を担っております。

 睡眠研究所の主な役割分担は、①睡眠に関する研究、及び要素技術の開発 ②睡眠に関する製品の評価 ③睡眠に関する情報の収集・発信であります。

 

 当連結会計年度の研究開発費は6億2百万円であり、主な成果は次のとおりであります。

 

 研究活動といたしましては、「睡眠と高齢者介護の研究」、「非接触睡眠判定システム改良」、「医療介護療養環境の安全・安心向上」、「治療・介護療養の負担軽減」、「マットレスの性能向上」等をテーマに実施いたしました。

 特にパラマウントベッド睡眠研究所では、9月の第12回日本認知症ケア学会大会シンポジウム「夜間頻尿等排泄障害と対応」において、「夜間頻尿と睡眠」タイトルで講演を行い、また同学会大会において「認知症高齢者の夜間の睡眠状況と離床パターン」の発表を行いました。10月には、日本睡眠学会第36回定期学術集会で、「介護老人保健施設利用者の睡眠状況」を発表、京都で開催された睡眠の国際学会WorldSleep2011では、眠りSCANに関するテーマを含め2件の発表を行いました。11月には、日本生理人類学会誌に「マットレスの寝返りしやすさと寝心地が睡眠に及ぼす影響」と題する論文を掲載いたしました。専門家への学術的有効性の認知活動を進める一方で、一般消費者にも、より認知して頂くために、市民講座「快眠コンソーシアム:快眠を得るためのベッドの選び方」を10月に開催いたしました。このような研究活動を通して「当社製品による良質な睡眠」の有効性・認知度を上げ、一般消費者はもちろんのこと、医療介護現場で当社製品の活用を促進することにより、良質な睡眠を得られ健康的に生活できることを目指して活動を継続しております。

 新製品といたしましては、下記製品を発売いたしました。

 パラマウントベッド株式会社におきましては、まず、医療・高齢者施設分野向けに、床走行式介護リフト「KQ-781」を3月に発売いたしました。より操作性を改善し低床のベッドにも対応しております。

 また、主に在宅介護分野向けに、緊急災害による長時間の停電対応として、電動ベッドを動作させるための手動ハンドル「スマートハンドル」を12月に発売いたしました。3月には、介護保険の見直しにより本年4月以降の特殊尿器の貸与化に合わせて、自動採尿器「スカットクリーン」をレンタル対応仕様に改良いたしました。

 コンシューマー分野では、一般高級ベッドシリーズの「INTIME7000シリーズの」改良モデル、快適な寝心地を追求したマットレス「スタイルポート」の改良モデル、さらに、スマートスリープブランドの新たなラインナップとしてアクアセル(水袋)を組み込んだマットレス「スマートスリープアクアシリーズ」をそれぞれ10月に発売いたしました。

 海外市場向けといたしましては、主にアジア・中東圏向けの電動コントロールベッドの2機種「クオリタスα」「クオリタスβ」をそれぞれ10月、12月にPT.パラマウントベッドインドネシアより製造発売いたしました。1月には、EU圏内での販売に必須であるCEマーク取得対応の海外向け新生児ベッドを発売いたしました。

 パラマウントケアサービス株式会社におきましては、レンタル対応に特化させた、より寝心地の良いマットレス「パラフィット」の取り扱いを3月に開始いたしました。

 また、パラマウントベッド株式会社が技術支援を行い、パラテクノ株式会社より「シャワーベッド」を自社ブランド名で発売いたしました。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2) 財政状態の分析

①資産

  流動資産は、481億80百万円となりました。これは主に、現金及び預金、受取手形及び売掛金によるものです。

 固定資産は、452億86百万円となりました。これは主に、建物及び土地、子会社のパラマウントケアサービス株式会社の主要な事業である福祉用具レンタル卸業による賃貸資産、投資有価証券によるものです。

 この結果、当連結会計年度末の総資産は、934億67百万円となりました。

②負債

流動負債は、164億68百万円となりました。これは主に、買掛金によるものです。

固定負債は、68億53百万円となりました。これは主に、長期リース債務によるものです。

この結果、当連結会計年度末の負債合計は、233億22百万円となりました。

③純資産

当連結会計年度末の純資産合計は、701億45百万円となりました。この結果、総資産に占める自己資本比率は74.8%となりました。

なお、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度末との増減の状況等は記載しておりません。

 

(3) 経営成績の分析

①売上高及び売上総利益

売上高は、323億87百万円となりました。これは主に、高齢者施設を中心に新規開設が増加したことなどから、販売、メンテナンスともに大きく売上を伸ばしたことによるものです。売上総利益は、148億63百万円となりました。これは主に、上記の施設向け販売が好調だったことによる売上増及び増産による生産効率の向上によるものです。この結果、売上総利益率は、45.9%になりました。

 

②営業利益及び経常利益

営業利益は、52億9百万円となりました。この結果、売上高営業利益率は、16.1%となりました。

経常利益は、為替差損が1億45百万円あったものの52億円となりました。この結果、売上高経常利益率は、16.1%となりました。

 

③当期純利益

当期純利益は、30億33百万円となりました。

この結果、1株当たり当期純利益は160.19円となりました。

なお、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較は記載しておりません。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 





出典: パラマウントベッドホールディングス株式会社、2012-03-31 期 有価証券報告書