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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、デフレ脱却と経済再生実現に向けた政府の各種政策の効果もあり、緩やかな景気回復基調で推移いたしました。

 当社グループが関係する医療及び高齢者福祉分野におきましては、急速な高齢化に対応するため、サービス付き高齢者向け住宅をはじめとする高齢者施設が増加する一方、将来に向けて効率的な医療体制を実現するため、急性期病床の絞り込みなど医療施設の病床再編の方向性が示されました。

 このような状況のもと、当社グループでは中核事業である医療及び高齢者施設向け製品の販売事業において、更新需要掘り起こしの活動を推進し、国内における「事業領域の拡大」に向けて注力してまいりました。

 「海外事業の強化」におきましては、グループ連携の強化と世界最適地生産体制を目指し、中南米諸国向け販売会社「パラマウントベッド メキシコ」を、さらに医療ベッド関連備品等の製造会社「パラマウントベッド ベトナム」をそれぞれ設立いたしました。「パラマウントベッド メキシコ」は平成26年1月に営業を開始し、「パラマウントベッド ベトナム」は同年6月の始業に向け準備を進めてまいりました。

 国内におきましては、パラマウントケアサービス株式会社の展開する福祉用具レンタル卸事業の拡大を目的として事業所を4ヵ所新設いたしました。これにより、直営拠点は全国で54ヵ所となりました。

 製品開発におきましては、ベッド背上げ時の身体のずれ・圧迫感を軽減するマットレス「ストレッチシリーズ」を平成25年7月に、重ねて収納できる点滴用スタンド「IVスタンド」を平成26年2月に、それぞれ開発・発売いたしました。また、平成26年1月には在宅介護用ベッドの主力製品となる「楽匠Zシリーズ」を発売いたしました。ベッド全体を傾かせる新機構を採用するなど、利用者の自立、介護者の負担軽減、福祉用具貸与事業者の業務効率化に資するさまざまな機能を搭載し、販売面につきましては好調なスタートとなっております。

 業績につきましては、グループの主体となるパラマウントベッド株式会社が、新製品効果のあった在宅介護向けをはじめ、医療・高齢者施設向けについても売上が増加したことに加え、その他の国内、海外の連結子会社が概ね堅調に推移したことから、連結で増収増益となりました。

 次に当連結会計年度における主要な品目別売上高は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

品目

当連結会計年度

前年度増減 (%)

ベッド

34,808

7.6

マットレス

5,021

8.8

病室用家具

4,464

0.2

医療用器具備品

3,607

3.6

その他

14,134

8.2

レンタル

10,758

23.0

合計

72,794

9.1

 

 以上の結果、当連結会計年度は、売上高727億94百万円(前連結会計年度比9.1%増)、営業利益115億41百万円(同2.7%増)、経常利益123億57百万円(同3.1%増)、当期純利益73億84百万円(同4.1%増)となりました。

 また、当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、213億13百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、増加した資金は63億73百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益127億72百万円、減価償却費47億32百万円、仕入債務の増加額19億52百万円等の増加と、売上債権の増加額29億53百万円、法人税等の支払額75億69百万円、リース債務の支払額15億42百万円等の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、減少した資金は70億55百万円となりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の取得額120億40百万円、定期預金の預入による支出額30億19百万円、有形固定資産の取得額17億32百万円等による減少と、有価証券及び投資有価証券の売却額109億57百万円等の増加によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、増加した資金は88億9百万円となりました。これは主に、当第2四半期連結会計期間に発行した新株予約権付社債の払込額100億50百万円等の増加と、配当金の支払額15億32百万円等の減少によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 販売の状況については「1.業績等の概要」に記載しております。

(1)生産実績

(単位:百万円)

 

品目

当連結会計年度

前年度増減(%)

ベッド

37,826

8.6

マットレス

5,347

12.1

病室用家具

4,018

△17.3

医療用器具備品

3,200

10.0

その他

4,157

159.8

合計

54,550

11.4

 (注)1.金額は販売価格によって表示しております。

    2.当社グループはベッド関連事業の単一セグメントであるため、品目別の生産実績を記載しております。

 

(2)商品仕入実績

(単位:百万円)

 

品目

当連結会計年度

前年度増減(%)

病室用家具他

9,228

13.0

合計

9,228

13.0

 

(3)受注状況

 見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。

 

3【対処すべき課題】

 次期の国内経済は、当面、消費増税の駆け込み需要の反動により弱さが残るものの、緩やかに回復していくことが期待されております。一方、海外景気の下振れが、わが国の景気を下押しするリスクとなっており、先行きにつきましては、不透明な状況が継続すると考えられております。

 医療及び高齢者福祉分野におきましては、平成26年度の診療報酬の改定率が全体で0.1%のプラス改定となりました。これには消費増税引き当て分が含まれますので差し引くと全体でマイナス1.26%、医師の技術料に相当する本体部分では差し引きプラス0.1%となっております。

 このような事業環境のもとで、当社といたしましては、グループの連携を強化し、レンタル卸やメンテナンスなど関連ビジネスの拡大を図るとともに、海外展開におきましては、現地化を推進してまいります。生産面におきましては、世界最適地生産体制をさらに強化するため、ベトナムの新規生産拠点で操業を開始し、病棟内の備品等を生産してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上、リスクと考えられる主な事項を記載いたしました。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生を未然に防止し、かつ万が一発生した場合においても適切に対処する所存であります。

 なお、以下の記載内容は、当連結会計年度末現在において判断したものであるとともに、当社株式への投資判断に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、この点をご留意ください。

 

(1)事業環境における制度変更等のリスクについて

当社グループの製品のほとんどは、公的規制のもとで提供されているものであります。すなわち主力製品である医療・介護用ベッド(以下「ベッド」といいます。)は、医療保険制度等に基づき運営されている医療施設及び高齢者施設並びに介護保険制度における要介護の方がいらっしゃるご家庭で使用に供されるものであります。ベッドは、これらの公的制度のもとで公定料金(診療報酬・介護報酬)が設定されている製品ではありませんが、医療保険制度又は介護保険制度等に係る制度変更や定期的な公定料金の改定の影響により、最終顧客である医療施設等の設備投資が減少することも考えられるため、当社グループの事業、業績及び財政状態は、このような制度変更等により悪影響を受ける可能性があります。

(2)海外市場での事業拡大に伴うリスクについて

当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略のひとつと位置付けております。しかしながら、海外市場においては、国内市場では通常想定されないリスク、たとえば輸出・輸入規制の変更、技術・製造インフラの未整備や人材の確保の難しさ等に関わるリスクも発生する可能性があると考えております。もしこうしたリスクが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(3)特定の資材等の調達に伴うリスクについて

当社グループの資材等の調達については、特殊な資材等があるため、少数特定の仕入先からしか入手できないものや、仕入先や供給品の切替えや代替が困難なものがあります。当社グループは、そのような事態に陥らないよう努めておりますが、もし不可欠な資材に供給の遅延・中断があり当該資材の供給不足が生じ、タイムリーに調達できなくなった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。

(4)製品や部品(製品等)の欠陥によるリスクについて

当社グループの製品は、品質システムに関する国際規格や各種の自社基準に基づき製造されており、当社グループは製品の品質管理には万全の体制を敷いておりますが、もし予測し得ない製品等の欠陥が生じ、それが大規模な無償交換(リコール)につながる場合には、多大な費用負担が生じ当社グループの社会的な信用も低下することが予想され、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。

(5)自然災害等によるリスクについて

地震等の自然災害または大規模火災等により、当社グループや調達先の生産拠点に重大な損害が発生し、操業中
止、生産や出荷の遅延や減少等が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性
があります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループの「先進の技術と優しさで、快適なヘルスケア環境を創造します。」という企業理念に基づき、研究開発活動を行っております。当社グループの研究開発活動は、中核子会社であるパラマウントベッド株式会社技術開発本部の研究開発、要素技術、開発、およびデザインの4部門が担当しており、役割分担の概要は以下のとおりです。

研究開発部門の主な役割は、①睡眠に関する研究、および要素技術の開発、②睡眠に関する情報の収集・発信、③看護業務に対して機器導入による効果エビデンスの取得であります。要素技術部門の主な開発項目は、①ユーザー本人や介護・看護の負担軽減のためのベッド、および周辺機器のメカトロニクス技術の開発、②ユーザーの利用状況や状態を的確に把握するためのセンシング技術、およびそれを伝える情報ネットワーク技術の開発、③褥瘡予防や快適な睡眠を提供するためのマットレスの研究・開発など、製品を開発するために必要な要素技術の構築であります。開発部門は、これらの研究・開発成果を基に、医療看護現場や介護現場での問題解決やニーズにお答えするために、具現化・製品化を担っております。デザイン部門では、製品に対してユニバーサルデザインの考え方を取り入れ、できるだけ多くの方に分かりやすく、安全で使い勝手の良いデザイン開発を行っております。

 

当連結会計年度の研究開発費は12億56百万円であり、主な成果は以下のとおりであります。

 

研究活動といたしましては、「睡眠と高齢者介護の研究」、「非装着型睡眠計の改良」、「医療介護療養環境の安全・安心向上」、「治療・介護療養の負担軽減」、「マットレスの性能向上」等をテーマに実施いたしました。特に、平成25年6月の日本睡眠学会第38回定期学術集会において、「非装着型センサによる呼吸数計測の精度検証」、「非装着型アクチグラフによるアトピー性皮膚炎患者の掻破行動計測」、「マットレスの寝心地の違いが入院患者の睡眠に及ぼす影響」、「低摩擦シートの使用が入院患者の睡眠に及ぼす影響」の4件の発表を行いました。臨床神経生理学41巻6号に「ベッドの背を上げて眠ることによる睡眠への影響」、医療機器学83巻4号に「医療介護現場における非装着型睡眠計の活用」と題する論文を掲載いたしました。また、見守りや睡眠研究などで利用されている非装着型の睡眠計「眠りスキャン」(平成21年発売)が国土交通省の過労運転防止のための先進的な取り組みに対する支援事業における補助対象機器に選定されたことを受け、自動車運送事業者に「眠りスキャン」を効果的に運用していただくための取り組みを開始いたしました。職業ドライバーの睡眠を改善し、事故削減と健康維持に資することを目指して活動しております。

パラマウントベッド株式会社の新製品といたしましては、下記製品を発売いたしました。

医療・介護の分野では、当社のフラッグシップモデルである「KA-8950 ICUベッド」を、より安全に早期離床を促せるようチェアポジション時の床高を下げるマイナーチェンジを行いました。また、伸びて身体のずれを軽減する新機構を採用した「ストレッチシリーズ」をウレタンマットレスの主力製品とするべく開発し、IVスタンドはお客様からの声に応えるべく、支柱の高さを片手で調整できる「KC-508A」、および保管時のスペースを小さくするためにスタッキング機能を有した「KC-509」に改良し、ベッド周辺製品の強化を行いました。

在宅分野では、在宅向け電動介護用ベッドの主力製品である「楽匠Sシリーズ」を「楽匠Zシリーズ」にフルモデルチェンジいたしました。「楽匠Zシリーズ」には、ズレ・圧迫を軽減し、ベッド上での座位姿勢をより自然で快適にする新機能「ラクリアモーション」などを搭載しました。また、ベッドからの立ち上がりや伝え歩きを補助する「アクセスポート」、停電・災害時でもベッドを動作可能とする手動発電機「スマートハンドル」なども同時に発売を開始しております。

海外市場向けでは、PT.パラマウントベッド インドネシアの生産工場で製造販売する東南アジア・中近東・中南米向けの病院用ハイエンドベッドである「QUALITAS γ」シリーズに体重測定用のデジタルスケールを搭載したモデルと救命救急室での搬送・初期治療に向けた「ERストレッチャー」を開発し、平成26年1月のアラブヘルスケアに出展しました。「ERストレッチャー」は同年3月より販売を開始し、「QUALITAS γ」シリーズのデジタルスケール搭載モデルは量産に向けての最終段階に取り組んでおります。また、パラマウントベッド ベトナムの新工場で生産する製品の開発を継続して実施しております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2) 財政状態の分析

①資産

  流動資産は、前連結会計年度末に比べて157億30百万円増加し、684億69百万円となりました。これは主に、売上の増加に伴い現金及び預金、受取手形及び売掛金が増加したことによるものです。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べて26億70百万円増加し、538億32百万円となりました。これは主に、子会社のパラマウントケアサービス株式会社の主要な事業である福祉用具レンタル卸の規模拡大により賃貸資産が増加したこと及び投資有価証券の購入によるものです。

 この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて184億0百万円増加し、1,223億2百万円となりました。

 

 ②負債

流動負債は、前連結会計年度末に比べ16億26百万円増加し208億38百万円となりました。これは主に、買掛金の増加によるものです。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ108億28百万円増加し、188億92百万円となりました。これは主に、当第2四半期連結会計期間に新株予約権付社債を新たに発行したことによるものです。

この結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて124億55百万円増加し、397億31百万円となりました。

 

③純資産

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて59億45百万円増加し、825億71百万円となりました。これは主に、当期純利益73億84百万円の計上による増加と、配当金の支払いに伴う利益剰余金の減少によるものです。この結果、総資産に占める自己資本比率は67.5%となりました。

 

(3) 経営成績の分析

①売上高及び売上総利益

売上高は、前連結会計年度に比べて9.1%増加し、727億94百万円となりました。これは主に、国内の施設向け事業における製品販売及びメンテナンスサービスと在宅向け事業における製品販売及び福祉用具レンタル卸がそれぞれ堅調に推移したこと、そして海外事業において、販売拠点のあるアジア地域を中心に売上を伸ばしたことによるものです。

売上総利益は、前連結会計年度に比べて6.8%増加の329億8百万円となりました。これは主に、売上増及び増産による生産効率の向上によるものです。しかし、売上原価も前連結会計年度に比べて11.1%増加し、398億85百万円となりました。この結果、売上総利益率は、前連結会計年度に比べ1.0ポイント減の45.2%になりました。

 

②営業利益及び経常利益

営業利益は、前連結会計年度に比べて2.7%増加し、115億41百万円となりました。しかし、販売費及び一般管理費も前連結会計年度に比べて9.2%増加し、213億67百万円となりました。この結果、売上高営業利益率は、前連結会計年度に比べ0.9ポイント減の15.9%となりました。

経常利益は、前連結会計年度に比べて3.1%増加し、123億57百万円となりました。しかし、営業外費用も前連結会計年度に比べて142.7%増加し、4億93百万円となりました。この結果、売上高経常利益率は、前連結会計年度に比べて1.0ポイント減の17.0%となりました。

 

③当期純利益

当期純利益は、前連結会計年度に比べ4.1%増加し、73億84百万円となりました。

この結果、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の231.54円から241.01円となりました。自己資本当期純利益率は、9.3%となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 





出典: パラマウントベッドホールディングス株式会社、2014-03-31 期 有価証券報告書