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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

 当連結会計年度におけるわが国経済は、東日本大震災の影響、欧州の金融危機や急激な円高の長期化、タイで発生した大洪水などにより、年度半ばまで国内景気は低調に推移しました。その後、一部個人消費の持ち直し、円高の修正などにより明るい兆しは見られたものの、原油価格の高騰等もあり、依然として先行き不透明な状況が続きました。

 このような状況の中、当社グループが営む電子機器用部品事業の主たるマーケットであるAV家電市場は、デフレの進行による最終製品価格の下落と安価なデジタル電子部品を製造するアジア企業の台頭により、厳しい競争に晒されております。

当社グループは、収益構造の改善を目的として、採算性を最優先としての取引の取捨選択、生産地の最適化及び固定費の削減並びに変動費化などを進めてまいりましたが、上記を要因として売上高が減少したことに加えて、急激な円高の進行や原材料価格の高騰の影響を吸収することができなかったことなどにより、当連結会計年度の業績は、売上高18億90百万円、営業損失5億34百万円、経常損失5億71百万円となりました。

また、経常損益の低迷に加えて、福島工場の設備売却により固定資産売却益9百万円を特別利益として計上したのに対して、マレーシア子会社(JALCO ELECTRONICS MALAYSIA SDN. BHD.)清算結了に伴う為替換算調整勘定取り崩しによる関係会社清算損98百万円(注)、平成24年4月末に本社移転を行ったことに伴う固定資産除却損、移転費用等13百万円などにより特別損失1億22百万円を計上したことで、当期純損失は6億86百万円となりました。

(注)当該為替換算調整勘定は、マイナス98百万円で計上されており、純資産の金額を減少させていましたが、清算結了に伴いそのマイナス分が除外され、純資産の金額が98百万円増加させることとなりました。一方、上記のとおり、為替換算調整勘定の取り崩しは会計上特別損失として計上され、当期純損失として利益剰余金を減少させ、純資産の金額を98百万円減少させましたので、「純資産の部」の中で、両者は相殺されました。従いまして、当該関係会社清算損は、会計上の特別損失であり、純資産の増減への影響はありません。

 

 セグメント別の状況は、以下のとおりであります。

 ・日本

  日本におきましては、電子部品業界全体の業績低迷の影響を受けて受注・販売が激減したことに加え、急激な円高進行や原材料価格高騰等で業績は低迷しました。

  この結果、売上高11億88百万円、営業損失5億34百万円となりました。

  なお、平成24年1月に新たな事業として開始したパチンコ・パチスロ機器のレンタル及び割賦販売事業(以下、「遊技機レンタル・割賦販売事業」といいます。)の業績は当該セグメントに含めて計上しております。遊技機レンタル・割賦販売事業の業績は、事業開始から順調に推移し、取扱高1億13百万円、売上高6百万円、営業利益1百万円となりました。

 ・東南アジア

  東南アジアにおきましても、業界全体の業績低迷による影響から、当社グループ全体の売上及び受注が減少したことなどにより低調に推移し、売上高51百万円、営業損失53百万円となりました。

 ・東アジア

  東アジアにおきましても、業界全体の業績低迷による影響から受注及び販売が落ち込みましたがコスト削減が効果を発揮し、売上高6億50百万円、営業利益21百万円となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループの生産・販売品目は多種多様であり、同種の製品であっても、その構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、「1.業績等の概要」欄に含めて生産、受注及び販売の状況についての記載をしております。

 

3【対処すべき課題】

当社グループが早期に業績を回復し、収益力を高め、経営体質の強化を図っていくために対処すべき課題は以下のとおりであります。

 

①資金調達力の強化

 当社グループが営む遊技機レンタル・割賦販売事業を、短期間で収益の柱として成長させるためには、取扱高、取扱残高の積み増しが必要であり、そのためには事業資金の調達が必須となります。そこで、当社は、金融機関、投資家からの借入、あるいはエクイティ・ファイナンスなどにより、安定的な資金調達のために調達手段の多様化を図ってまいります。

 

②低コスト体制の徹底

 企業間競争が進む中で、低コスト体制の徹底は極めて重要な課題と認識しております。当社グループでは引き続きコスト管理に注力を続け、低コスト体制の強化に取り組んでまいります。

 

③収益源の多様化

 持株会社制の下で、新規事業の立ち上げや事業再編を含むビジネスドメインの取捨選択を、機動的に判断することができる経営体制のメリットを最大限に活用し、スピード感をもって、効率的に収益機会の拡大を図りながら、グループ全体の企業価値を高めてまいります。

 

④人材の確保・育成

 業績の回復、業容の拡大及び経営体質の強化を図っていく上で、優秀な人材の確保・育成は極めて重要なものと認識しております。そこで、当社グループは、社員のスキル育成のための効果的な仕組みを構築するとともに、将来コアとなる優秀な人材については積極的に確保を図ってまいります。

 

⑤経営管理の均質化とコーポレート・ガバナンスの充実

 当社は、持株会社として、本体から分かれた事業会社と既存の子会社等に対する経営管理を均質化するとともに、グループ各社のコーポレート・ガバナンスを徹底することで、連結経営の基盤強化、企業体質の健全性を高めてまいります。

4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、事業運営及び財務状態その他に関する事項のうち、投資家の投資判断に影響を及ぼすと考えられる主な事項として、以下のようなリスクがあげられます。これらのリスクは複合、連鎖して発生し、様々なリスクを増大させる可能性があります。

 当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努めてまいります。

 なお、本項目に記載の事項は必ずしもすべてのリスクを網羅したものではなく、また、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

   ①外部環境によるリスク

  a.競争激化に伴うリスク

   ジャルコ製品の主力を占めるAV家電市場は、デフレの進行による最終製品価格の下落と安価なデジタル電子部品を製造するアジア企業の台頭により、以前にも増して厳しい競争に晒されております。電子部品製造業においては、明確な「差別化」と「高付加価値化」により他社との差別化を図ることが必要となりますが、今後も当社グループが競合する市場において優位性を得られない場合、当社グループの事業、財務状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

  b.経済動向の変化によるリスク

   当社グループは、グローバルに事業を行っている企業を主たる販売先としているため、日本経済あるいは世界の経済環境の悪化などの影響を受けた場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

  c.アジア諸国のカントリーリスク

   当社グループは、東南アジア及び東アジアに生産拠点及び販売拠点を有しており、これらの地域に関係する様々なリスクに晒されております。特に、東南アジア及び東アジアにおける反日活動や政情不安等のリスクが顕在化した場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

  d.災害の発生によるリスク

   当社グループは、製造ラインの中断による生産能力の低下を抑止するため、定期的な災害防止検査と設備点検を行うなど万全を期しておりますが、平成23年3月11日に発生した東日本大震災のような大規模災害が発生の場合は、操業の低下や停止、原材料等の供給不足、製品の出荷制限などの事態に陥り、当社グループの事業、財務状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 ②当社グループの事業戦略、事業活動に関するリスク

  a.新規事業に伴うリスク

   当社グループは、業績の早期回復と収益力の大幅な向上を実現することを目的として、平成24年1月に遊技機レンタル・割賦販売事業を開始いたしました。当該事業で取り扱う中古遊技機のリードタイム(仕入から納品までの期間)は平均40日弱となっており、投下資金の回転率が高いことから、収益性も高く、当社グループの収益の柱として持続的かつ安定的な成長を期待しております。

   このように、当社は、収益基盤の多様化を目的として、グループ企業価値の向上に資する新規事業、あるいはM&Aも視野に入れた投資事業についても積極的に取り組み、当社グループ全体の収益モデルの多様化を図ってまいりますが、新規事業を計画どおり展開できない場合や競合の状況によっては、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

  

  b.資金調達に伴うリスク

   当社グループが営む遊技機レンタル・割賦販売事業を、短期間で収益の柱として成長させるためには、取扱高、取扱残高の積み増しが必要であり、そのためには事業資金の調達が必須となります。そこで、当社は、金融機関、投資家からの借入、あるいはエクイティ・ファイナンスなどにより、安定的な資金調達のために調達手段の多様化を図っております。しかしながら、グループ全体の業績回復の遅れ、経済情勢の変動などの要因により、資金調達が困難となった場合、または通常よりも著しく不利な条件での資金調達等を余儀なくされた場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

  c.債権が貸倒れとなるリスク

   当社グループが営む遊技機レンタル・割賦販売事業における商品供給先は、全国のパチンコホールとなります。当該事業の運営主体である株式会社ジャルコアミューズメントサービス(以下「JAS」といいます。)は、取引対象先ホールの格付調査などを行い回収リスクの極小化を図っておりますが、何らかの事由によりパチンコホールからの回収が不能あるいは早期回収が困難となった場合は、当社グループの事業、財務状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

  d.株式会社ジャルコにおける損失が継続するリスク

   当社グループは、ジャルコが営む電子機器用部品事業について、既存のAV家電市場において収益の拡大を実現させるのは困難と判断し、採算性を最優先として取引先の取捨選択を徹底的に進め、売上が減少する場合でも、拠点間取引の縮小、全ての拠点における製造経費、販売管理費の圧縮などを実現することで損失の極小化を図っております。しかしながら、これらの施策が奏効せず多額の損失計上が継続された場合は、当社グループの事業、財務状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 ③その他のリスク

  a.役職員の不正によるリスク

   当社グループは、役職員に対するコンプライアンス・マインドの徹底、内部管理体制の整備等を通じ、役職員による不正の探知又は事前防止に努めておりますが、これらによっても防げない不正、予測し得ない不正等によって当社グループに著しい損害が生じた場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

  b.外部業者への業務委託に伴うリスク

   当社グループが営む電子部品製造業においては、製造業務及び倉庫管理業務の一部を外部業者へ業務委託しております。このため、何らかの理由で、当社グループの事業上重要な業務委託先との取引関係が変化した場合は、当社グループの業務に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④継続企業の前提に関する重要事象等 

   当社グループは、平成23年10月3日にジャルコの株式移転により持株会社として当社を設立いたしましたが、当連結会計年度におきましても営業損失、経常損失及び当期純損失の発生が継続している状態にあるため、継続企業の前提にかかる重要な疑義が存在しております。

      

5【経営上の重要な契約等】

 当社及び当社連結子会社の株式会社ジャルコは、平成24年6月26日開催の取締役会において、電子機器用部品事業の一部、及び株式会社ジャルコの子会社(当社の孫会社)である杭州佳路克電子有限公司並びにJALCO ELECTRONICS HONGKONG LIMITEDの株式会社ジャルコ保有出資持分の全てを譲渡することに関する基本合意書を、東北タツミ株式会社との間で締結することを決議いたしました。

 なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発
事象)」及び「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(2)その他 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要
な後発事象)」をご参照下さい。  

  

 

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、品質はもとより、スピードとタイミングを重視し、市場ニーズに即応すると共に、環境にも配慮した「ものづくり」に取り組み、社会に貢献できる企業を目指すことを念頭に、開発技術部において推進されております。

当連結会計年度におきましては、アナログ機器からデジタル機器へ普及が拡大し、デジタル機器も小型薄型化、ネットワーク接続、高速伝送化の時代となってまいりました。

当連結グループでもこうした環境を背景に、AV市場をはじめ情報通信市場、車載製品市場に使用する接続製品において、高速伝送対応製品、及び小型薄型化製品等の開発を促進しております。

開発技術部では、業務内容に応じて柔軟にチームを組んで機電一体での開発を進めるとともに、今後も顧客ニーズに即応できる商品開発を行ってまいります。

研究開発スタッフは、当連結グループ中3名であり、これは総従業員数の約1%に当たっております。

当連結会計年度における当連結グループが支出した研究開発費は、29百万円であります。 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度における流動資産残高は8億51百万円となり、前連結会計年度と比較して4億45百万円の減少となりました。これは主に売上が減少したために売掛金が減少したことと棚卸資産が減少したことによります。

(固定資産)

 当連結会計年度における固定資産残高は4億57百万円となり、前連結会計年度と比較して1億42百万円の減少となりました。これは主に福島工場における製造業務を他社に業務委託するに当たって、機械等の設備を売却したため有形固定資産が減少したことによります。

(流動負債)

 当連結会計年度における流動負債残高は7億8百万円となり、前連結会計年度と比較して43百万円の減少となりました。これは主に売上げの減少に伴い、仕入れの調整を行ったことにより買掛金が減少したことによります。

(固定負債)

 当連結会計年度における固定負債残高は2億94百万円となり、前連結会計年度と比較して1億45百万円の減少となりました。これは主に長期借入金の返済と大幅な人員削減を実施したことにより、退職金の支払いに伴う退職給付引当金を取り崩したことによります。

(純資産)

 当連結会計年度における純資産残高は3億4百万円となり、前連結会計年度と比較して3億99百万円の減少となりました。これは主に当期純損失を計上したことによります。

(キャッシュ・フローの分析)

 「第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フロー」の項目をご参照下さい。

(2)経営成績の分析

 当連結会計年度におけるわが国経済は、東日本大震災の影響、欧州の金融危機や急激な円高の長期化、タイで発生した大洪水などにより、年度半ばまで国内景気は低調に推移しました。その後、一部個人消費の持ち直し、円高の修正などにより明るい兆しは見られたものの、原油価格の高騰等もあり、依然として先行き不透明な状況が続きました。

 このような状況の中、当社グループが営む電子機器用部品事業の主たるマーケットであるAV家電市場は、デフレの進行による最終製品価格の下落と安価なデジタル電子部品を製造するアジア企業の台頭により、厳しい競争に晒されております。

 当社グループは、収益構造の改善を目的として、採算性を最優先としての取引の取捨選択、生産地の最適化及び固定費の削減並びに変動費化などを進めてまいりましたが、上記を要因として売上高が減少したことに加えて、急激な円高の進行や原材料価格の高騰の影響を吸収することができなかったことなどにより、当連結会計年度の業績は、売上高18億90百万円、営業損失5億34百万円、経常損失5億71百万円となりました。

 また、経常損益の低迷に加えて、福島工場の設備売却により固定資産売却益9百万円を特別利益として計上したのに対して、マレーシア子会社(JALCO ELECTRONICS MALAYSIA SDN. BHD.)清算結了に伴う為替換算調整勘定取り崩しによる関係会社清算損98百万円、平成24年4月末に本社移転を行ったことに伴う固定資産除却損、移転費用等13百万円などにより特別損失1億22百万円を計上したことで、当期純損失は6億86百万円となりました。

 

 当社グループは、平成23年10月3日に株式会社ジャルコから単独株式移転の方法により持株会社としてJALCOホールディングス株式会社を設立いたしました。前連結会計年度に引き続き、当連結会計年度におきましても、営業損失、経常損失及び当期純損失の発生が継続している状態にあるため、継続企業の前提にかかる重要な疑義が存在しております。

 当社グループは、当該状況を解消すべく、業績の早期回復と収益力の大幅な向上を実現するために、平成24年1月に開始した遊技機レンタル・割賦販売事業をグループの中核事業に据えて、当該事業の取扱高、取扱残高の積み増しを図るべく、事業資金の調達を図ってまいります。

 当該事業の運営主体である株式会社ジャルコアミューズメントサービスは、取引対象先である遊技場の格付調査や中古遊技機器の真正価値を随時・正確に把握することが可能であり、日々変化している遊技場の状況及び中古遊技機器の真正価値を把握することを強みとしております。

 遊技機レンタル・割賦販売事業で取り扱う中古遊技機器のリードタイム(仕入から納品までの期間)は、平均40日弱となっており、投下資金の回転率が高い状況にあります。そのため、収益性も高く、当社グループの収益の柱として持続的かつ安定的な成長を促進するために、事業規模の拡大について重点的に取り組んでまいります。

 また、株式会社ジャルコが営む製造業の主たるマーケットであるAV家電市場は、デフレの進行による最終製品価格の下落と安価なデジタル電子部品を製造するアジア企業の台頭により、厳しい競争に晒されており、株式会社ジャルコが当該市場において収益の拡大を実現させるのは困難な状況にあります。従いまして、株式会社ジャルコでは、採算性を最優先とし、売上の減少を伴いながらも取引先の取捨選択を徹底的に進め、拠点間取引の縮小、全ての拠点における製造経費、販売管理費の圧縮などを実現することで損失の極小化を図ってまいります。

 一方で、上記施策の遂行及び資金繰りの安定のために、平成23年12月22日付で第三者割当による新株式及び新株予約権の発行決議を行い、平成24年2月10日に2億17百万円を調達いたしました。今後におきましても、金融機関、投資家からの借入、あるいはエクイティ・ファイナンスなどにより、安定的な資金調達を行うべく、調達手段の多様化を図ってまいります。

 しかしながら、今後の消費や経済動向に左右される要因が大きいこと、資金については不確定であることから現時点では継続企業の前提に関する不確実性が認められます。

 なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成されており、このような重要な疑義の影響を連結財務諸表には反映しておりません。 

  





出典: JALCOホールディングス株式会社、2012-03-31 期 有価証券報告書