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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度におけるわが国経済は、海外経済や政策に関する不確実性の高まりやアジア地域を巡る地政学的リスクの高まり等により、先行き不透明な状況にありますが、企業収益や雇用・所得環境の改善が続く中、各種の政策効果もあり、景気は穏やかな回復基調となりました。

当社を取り巻くBSデジタル放送業界は、デジタル放送受信機の普及に伴い、視聴可能世帯数の割合は全世帯の71.5%(「BS世帯普及率調査」㈱ビデオリサーチ調べ)で推移しており、またBSデジタル放送事業を含む衛星放送メディア分野の広告費は前年比で3.9%の伸長、中でもBS放送の広告費は、前年比で4.0%増と堅調に推移しております(「2016年日本の広告費」㈱電通調べ)。

このような状況下、当社は「質の高い情報を提供することで 人々に感動を与え 幸せな社会づくりに貢献します」を経営理念として、「豊かで癒される教養・娯楽番組と中立公正な報道・情報番組を発信し『価値ある時間』を約束します」との経営ビジョンに基づき、良質な番組制作に引き続き邁進いたしました。

平成28年10月には、良質な番組制作による視聴世帯数増加を目的として、別所哲也さんをメインキャスターに、今起きていることを分かりやすく「知りたい」に応える報道番組『報道ライブINsideOUT』をより視聴しやすい時間に移動し放送、プロレスの面白さや選手の情報を伝える『全日本プロレス イレブン』の放送を開始するとともに、昭和という激動の時代を駆け抜けたスター達を当時の貴重な映像とともにお届けする『あのスターにもう一度逢いたい』なども引き続き放送いたしました。また、スポーツコンテンツのより一層の強化を図るため、『平成28年度全日本学生柔道体重別選手権大会』、『BS11ソフトボール中継 日本女子ソフトボールリーグ』を放送いたしました。

平成29年4月の番組改編では、ゴールデンタイムの一新を図り、タレントの島崎和歌子さんを司会に、毎回豪華なゲスト歌手が視聴者のリクエストに応え、昭和の名曲を歌いあげる『あなたが出会った 昭和の名曲』、歌舞伎俳優の尾上松也さんが著名な学者や歴史に造詣が深い作家や俳優とともに、今に残る史料だけでは見えてこない歴史ミステリーに迫る『尾上松也の謎解き歴史ミステリー』、京都在住の俳優、本上まなみさんが奥深い魅力に満ちた京都の歴史・文化・風物詩を紹介する『京都浪漫〜美と伝統を訪ねる〜』をレギュラー番組として放送、同年7月にはタレントの森口博子さんを司会に、幅広い世代のゲストを迎え、珠玉のアニメソングをオリジナルアレンジでお届けする音楽番組『Anison Days』の放送を開始いたしました。

さらに「開局10周年特別番組」と銘打って、平成28年12月に単発番組として放送し、好評を博した『高橋英樹のクイズ!なるほど歴史館』、輝かしい昭和の時代を懐かしの映像とともに振り返る『あの時代にもう一度逢いたい』、日本アニメが誕生して今年で100年、その歴史を貴重な映像とともに振り返る『にっぽんアニメ 100年』、急激な高度経済成長を遂げた昭和の時代を、タレントのビートたけしさんと豪華タレントの方々が議論し、後世に残したい昭和のレガシーを認定し表彰する『たけしの北野レガシー』などを放送、特別番組にも積極的に取り組みました。

ローカル局とのコラボレーション施策の一環といたしまして、平成29年4月に『京都夜桜生中継2017〜世界遺産 花絵巻〜』、同年8月には『生中継!京都五山送り火2017』をKBS京都との共同製作でお送りいたしました。

また、アニメファンから根強い人気を誇る『ANIME+』において、実写映画化もされた人気小説を原作としたアニメ『サクラダリセット』、人情味あふれるストーリーと魅力的なキャラクターたちが登場する大人気の妖怪ストーリー『妖怪アパートの幽雅な日常』、思春期の少年少女が織りなすかけがえのない青春の日々を描いた『徒然チルドレン』を放送、製作委員会への出資も行いました。さらに人気の映画『バイオハザード』シリーズを一挙放送、話題の作品にこだわったアニメ、ドラマ、映画編成等が、売上増加に寄与いたしました。

費用面につきましては、引き続き番組関連費用等の効率的なコントロールに努めながら、番組宣伝のための施策として、全国紙・地方紙への広告出稿を戦略的に実施したほか、首都圏主要駅周辺への看板掲出など、様々な媒体を活用した広告宣伝施策を実施いたしました。

 以上の結果、当事業年度の売上高は 11,569,138千円(前年同期比 13.3%増加)となりました。営業利益は 2,227,811千円(前年同期比 5.6%増加)、経常利益は 2,231,997千円(前年同期比 4.4%増加)、当期純利益は 1,518,031千円(前年同期比 3.9%増加)となりました。 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ 1,137,777千円増加し、当事業年度末には 8,031,328千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、1,542,389千円(前年同期は 1,612,359千円の獲得)となりました。これは主に法人税等の支払額 823,860千円があったものの、税引前当期純利益 2,231,997千円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、91,964千円(前年同期は 566,385千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出 73,726千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、312,646千円(前年同期は 284,421千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額 302,524千円によるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績及び受注実績

当社の取引形態は、一般的な製造業等における「生産」活動は行っておらず、また、当社の事業において「受注」という概念は存在しないため、記載しておりません。

 

(2) 販売実績

当社は、BSデジタル放送事業の単一セグメントであり、当事業年度における販売実績を収入区分別に示すと、次のとおりであります。

 

収入区分別

当事業年度

(自 平成28年9月1日

  至 平成29年8月31日)

売上高(千円)

前年同期比(%)

タイム収入

8,541,550

114.1

スポット収入

2,755,358

108.9

その他収入

272,230

139.2

合計

11,569,138

113.3

 

(注)1. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

(自 平成27年9月1日

至 平成28年8月31日)

当事業年度

(自 平成28年9月1日

至 平成29年8月31日)

売上高(千円)

割合(%)

売上高(千円)

割合(%)

㈱電通

2,724,928

26.7

2,972,646

25.7

ジュピターショップチャンネル㈱

1,650,600

16.2

1,937,880

16.8

 

 2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社は、衛星基幹放送事業者として国民の共有財産である電波資源を使用する公共的使命を深く認識するとともに、コンプライアンス意識を高め、日々変化する社会ニーズに応じた中立公正な報道・情報番組と豊かで癒される教養・娯楽番組を提供することで、視聴者の皆様に「価値ある時間」を約束し、幸せな社会づくりに貢献することを目指した番組作りを心がけてまいります。

より良い番組作りと効果的な番組宣伝によりコンテンツを磨き、媒体価値を向上させることによって、厳しい事業環境の中でも持続的な成長を可能とする強固な経営基盤を作り、業績の拡大に努め、株主・投資家をはじめとするステークホルダーの皆様のご期待に応えてまいる所存であります。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、視聴者の皆様に喜んでいただける番組編成と自社制作番組をはじめとしたコンテンツの充実を図り、媒体価値を向上させることで、その成果である「売上高」の拡大を最重要課題と認識しております。

中期経営計画では、BSデジタル放送業界のトップ集団に入るべく、平成32年8月期において売上高150億円の達成を目標としております。

企業規模の拡大を図りつつ、経営効率を高めることにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社は、衛星基幹放送事業者として、BSデジタル放送事業の収益力の維持・拡大を礎としております。当該事業は、今後視聴可能世帯の増加が大いに期待されておりますが、当社においてはこれまでと同様、絶えずコスト削減意識を持ち、番組制作費の有効活用・経営資源の積極的な配分により、視聴者の皆様の幸せな社会づくりに貢献できるコンテンツを放送することが、結果として視聴世帯数の向上に寄与し、番組販売、通信販売、番組のビデオグラム化によるDVD、BD(ブルーレイディスク)の販売、イベントなどの事業の収益に資するものと考えております。今後も地上波放送とは志向の異なる魅力あるコンテンツを制作・獲得・放送し、新たな視聴者層、広告主獲得に努めることにより、収益力向上への寄与を目指してまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

 ① - 1 「4つの力」の強化

当社は、持続的成長に必要不可欠な「企画力」、「キャスティング力」、「マーケティング力」、「プロデュース力」の強化を基本戦略と位置付けております。

皆様のニーズを的確に捉えた企画立案、こだわりのキャスティングによる、価値のある映像作成、充実したデータベースの分析と活用による潜在的な需要喚起と、より効果的な戦略実行、皆様の役に立つ、質の高い情報・番組を提供・制作、これら4つの「力」を強化してまいります。

 ① - 2 「5本の矢」の強力な推進

 「4つの力」を具現化する重点施策を「5本の矢」と位置付け推進しております。
1.「自社制作番組の充実と拡大」・・・より良い番組への経営資源の集中
2.「情報番組の選択と拡大」・・・プレミアエイジへのホスピタリティ強化
3.「アニメ番組の強化」・・・得意分野の更なる強化
4.「ローカル局とのコラボ」・・・当社の強みを活かした差別化施策
5.「スポーツコンテンツの充実」・・・新たなニーズの発掘と「癒し」や「楽しみ」の提供
以上、「5本の矢」を強力に推進することにより、経営戦略及び中期経営計画の達成を目指してまいります。

 

 ② 収益基盤の多角化

当社の収益基盤は、一部の番組に、より比重が高いものとなっており、これらの収益番組をより盤石なものとする一方、新たな収益の柱となる強力なコンテンツの制作・獲得が喫緊の課題であると認識しております。

人気アニメーションへの製作出資等についても積極的に行ってまいる所存です。これら以外にも、優良な海外・国内ドラマなどのコンテンツ獲得又は当社が有する優良なコンテンツの海外への番組販売などに対し積極的に取り組むことにより、新たな収益源の獲得に努めてまいります。

 

4 【事業等のリスク】

事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経済・広告市場の動向による収入減

当社の売上高の大部分を占めるBSデジタル放送事業は、主に広告主への放送時間枠の販売による収入で構成されております。一般に、国内の総広告費と景気の変動には密接な関係があるため、経済が低迷した場合には、その結果として国内の総広告費が減少する可能性があります。BSデジタル放送事業(タイム収入、スポット収入)においても広告主企業の業績によって大きな影響を受けるため、国内外の経済環境の急変や生産活動の停滞等が発生した場合、広告市場も影響を受け、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。今後、景気動向に加え、広告主企業のマーケティング等の広告施策における構造的な変化が生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

(2) 放送業界及び競合メディア普及によるシェア低下

BSデジタル放送は、受信機器の普及台数が順調な伸びを示しており、広告媒体としての価値が向上しております。地上放送を主とする放送業界は、既存放送局による市場の寡占が著しく、その中にあって当社は、無料BSデジタル放送事業者としての強みを発揮しながら、視聴世帯数の向上並びにシェア拡大が喫緊の課題であると認識しております。しかしながら、目標とする視聴世帯数が獲得できず、無料BSデジタル放送業界内でのシェア拡大が図れなかった場合、当社の媒体価値が低下及び広告主による出稿減少が生じることとなり、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

また、国内における携帯電話、スマートフォン等のタブレット端末の普及、更にブロードバンド等を通じたデジタルメディアが一般家庭に広く普及したことにより、視聴者の視聴習慣が変化し、テレビ放送自体の視聴時間の減少や、視聴世帯数の低下傾向が続いた場合、業界内の競争激化及び構造変化が進み、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

(3) 放送業界における法的規制等の影響

当社のBSデジタル放送事業は、「放送法」及び「電波法」等の関係法令による規制を受けており、また一般社団法人日本民間放送連盟の定める放送基準に沿った放送を行っております。

「放送法」は、放送の健全な発展を図ることを目的とし、放送番組審議機関を設置すること等を定めており、当社は、同法に基づき委託放送事業者(衛星基幹放送事業者)の認定を平成17年12月に受けております。

「電波法」は、電波の公平且つ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的として、無線局の免許の取得・更新に関わる規則、免許の有効期間等を定めており、当社は、同法に基づき無線局免許を平成20年11月に取得しております。

一般社団法人日本民間放送連盟の定める放送基準は、放送事業者が、社会の一員として、放送番組が一定のレベルを確保するために考えておかなければならない当然のことを確認するための自主基準であります。

当社は、これらの法令等に現時点で抵触している事実はなく、将来に亘り法令等を遵守し、事業を行ってまいる所存でありますが、仮に放送法の規定により認定の取消等を受けた場合、電波法の規定により免許の取消等を受けた場合、又は一般社団法人日本民間放送連盟及び関係省庁等による新たな規制等が施行された場合、若しくは業界慣行等により当社の事業政策に影響が生じることとなった場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

(4) 外国人等が取得した株式の取り扱いについて

外国人等が直接保有する議決権の合計が、当社議決権の5分の1以上を占めることとなる場合は、放送法の規定により、BSデジタル放送事業者としての認定が取り消される場合があります。この場合、当社は放送法の規定に基づき当該外国人等が取得した当社株式について、株主名簿への記載を拒否することができるとされております。なお、外国人等の有する当社議決権の割合が、100分の15に達した場合は、放送法の規定に基づき、その割合を6ヶ月ごとに公告いたします。

 

(5) コンプライアンス違反

① 不祥事・放送事故等

当社の社員及び派遣・請負スタッフによる不祥事、放送事故、不適切な内容の放送、番組制作過程でのトラブルや事故など当社の責任の下に防止策を講ずべき分野は多岐に亘っております。当社では、リスク管理委員会が洗い出した様々なリスクについて回避・転嫁・軽減・許容のための検討を行い、日々対策を講じております。しかしながら、こうしたリスクが顕在化した場合には、当社の社会的信用が著しく失墜し、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

② 個人情報保護法

当社は、番組の出演者、番組プレゼントの応募等のサービスにおいて、個人情報を保有する個人情報取扱事業者に該当することから、当該個人情報の取扱いについては、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)を遵守するとともに引き続き十分な対策を講じてまいります。また、社会保障・税番号制度(マイナンバー)に関する特定個人情報についても、引き続き十分な対策を講じてまいります。しかしながら、これらの個人情報の漏洩や不正アクセス、不正利用などの事態が発生した場合は、当社の社会的信用が著しく失墜し、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

③ 下請法等

当社番組の制作会社への番組制作委託の発注にあたっては、独占禁止法及び下請代金支払遅延等防止法(下請法)の規制を受けており、下請事業者等との公正な取引が要請されております。当社では、下請法を遵守するとともに、コンプライアンス担当部署において定期的に役員及び社員に対する研修・教育を行っております。しかしながら、これらの法令に抵触する事態が発生した場合、当社の社会的信用が著しく失墜し、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

(6) 視聴世帯数低下による収入減

BSデジタル放送事業において、番組の視聴世帯数は視聴者の皆様からのご支持を測定するうえで、重要な指標となっており、また、放送時間枠等の販売価格を決定する重要な要素となっております。当社が放送する番組の視聴世帯数を向上させるためには、視聴者の皆様からのより高いご支持を得ることができる番組を放送する必要がありますが、放送する番組において、視聴者の皆様からのご支持が得られない場合には、視聴世帯数の低下を招き、広告収入の減少に直結することから、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

(7) 放送権料の高騰

当社で放送される番組のうち、配給会社や権利元から放送権を購入している海外ドラマ等の購入番組については、視聴者の皆様のご支持が確立し、視聴者層が拡大する反面、当該購入番組の放送権料は、上昇傾向にあります。

今後、遍く国内の視聴者の皆様に良質な番組を提供するBSデジタル放送事業者としての使命を全うすべく、より質の高い番組の購入を進めて参りますが、当該購入番組の放送権料が著しく高騰した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

(8) 収益の偏重による収入減

当社の収益は、ショッピング、ドラマ、アニメ、競馬の番組に、より比重が高いものとなっており、これらの収益番組をより盤石なものとする一方、新たな収益の柱となる強力なコンテンツの制作・獲得及び新規事業スキームの創造が喫緊の課題であると認識し、収益基盤の見直し、構造改革に取り組んでおります。今後、これら収益の柱となる番組が何らかの事由により終了した場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

 

(9) 大規模災害等による損害

当社の主要な収入である広告収入は、景気動向と密接に連動しており、大規模な災害が発生し、経済に重大な影響が生じる場合には、広告収入が直接影響を受けることとなります。また、放送事業者は放送法の規定により、災害が発生した場合又はそのおそれがある場合にその予防並びに被害軽減のための放送を義務付けられており、災害が発生した場合には、予定されていたCMや番組の放送を休止し、緊急に特別番組を編成する等の措置を講ずることとなります。このような事態に至った場合、当該放送休止に伴い、広告収入が減少するため、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

(10) 放送機材の障害

当社が番組を放送するために使用している放送用機材、放送設備及び放送衛星は、不具合等による障害が発生する可能性があります。当社は、バックアップ用放送設備等を保有しており、万が一の障害発生時には、代替システムの使用が可能であります。しかしながら、大規模災害等の発生により、代替システムも含め同時に障害が発生した場合は、番組の放送が不可能となり、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

(11) 当社保有コンテンツの違法コピー等

BSデジタル放送事業において放送される番組は、その特性から、番組をコピーしても画質が劣化しないことから、違法な複製利用が横行した場合、放送事業者や権利者に著しい不利益をもたらします。当社番組が違法な複製及びインターネット上の動画投稿サイト等へアップロードされた場合には、当該サイト運営会社等に対し都度措置を講じておりますが、このような違法行為が現状以上に横行した場合、視聴世帯数の低下を招き、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

(12) アニメーションへの出資について

当社は、BSデジタル放送事業以外の収益源を確保するため、積極的に国内アニメーション作品等への出資を行っております。これらの出資を行う場合には、効果や収支パターンの分析を慎重に行ったうえで投資判断を行っておりますが、これらの出資に対する収入は主にDVD、BD(ブルーレイディスク)の販売、作品放送権の販売が出資の成否を決める重要な要素となっており、当初計画した収益が得られない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

(13) 設備投資が収益に結びつかないリスク

当社は、放送技術の向上や番組等のコンテンツ制作力強化のための設備投資を計画的に進めており、今後も同様の方針に基づき、視聴者の皆様により良質な番組を提供できるよう経営基盤の構築に邁進してまいる所存であります。しかしながら、一般に放送事業は放送設備の更新を始めとして資金需要が旺盛であり、また、今後、放送様式の変更等が行われることに伴い、多額の設備投資を実施することが見込まれますが、当該設備投資が十分な利益の確保に繋がらない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

 

(14) 親会社が支配権を有することに伴うリスク

当社の親会社である㈱ビックカメラは、当事業年度末時点において、当社発行済普通株式の61.40%を所有しており、当社取締役及び監査役の選解任、合併その他の組織再編の承認、重要な事業の譲渡、当社定款の変更及び剰余金の配当等の当社の基本的事項についての決定権又は拒否権を引き続き有することとなります。当社の経営及びその他の事項に関して、他の株主の意向にかかわらず㈱ビックカメラが影響を与える可能性があります。なお、親会社に対する事前承認事項はなく、当社が独自に経営の意思決定を行っており、親会社との取引については、法定の会議体である取締役会においてチェックをする体制を採っております。

本書提出日現在、当社の取締役9名中1名は㈱ビックカメラの代表取締役副社長であります。また、当社は、㈱ビックカメラ及びその子会社との間で広告の出稿を中心とした様々な取引を行っており、かかる取引関係が終了又は変動した場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。なお、㈱ビックカメラを中心とする企業グループ内に当社と競合する会社はありません。

① ビックカメラグループとの取引関係について

当社は、ビックカメラグループに属する会社と取引を行っています。当事業年度における重要な取引は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 関連当事者情報」に記載しております。

② 当社役員の㈱ビックカメラの役員との兼任について

前述のとおり、当社の取締役9名のうち川村仁志が㈱ビックカメラの代表取締役副社長を兼任しております。これは、当社の経営体制強化を目的とするものであります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なることがあります。

当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。

 

(2) 財政状態の分析

当事業年度における総資産は、前事業年度末に比べ、1,275,152千円増加し、 17,255,631千円(前年同期比 8.0%増加)となりました。主な要因は、現金及び預金が 1,137,777千円、売掛金が 152,578千円増加したことによるものであります。

当事業年度における負債合計は、前事業年度末に比べ、59,810千円増加し、1,759,419千円(前年同期比 3.5%増加)となりました。主な要因は、未払法人税等が 60,834千円減少したものの、買掛金が 47,616千円、未払金が 65,468千円増加したことによるものであります。

当事業年度における純資産合計は、前事業年度末に比べ、1,215,341千円増加し、15,496,211千円(前年同期比  8.5%増加)となりました。主な要因は、利益剰余金が前事業年度の期末配当金 302,646千円により減少したものの、当期純利益の計上に伴い利益剰余金が増加したことによるものであります。 

 

(3) 経営成績の分析

当社の経営成績の概要につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」をご参照ください。損益計算書の主要項目ごとの前事業年度との主な増減要因等は、次のとおりであります。

① 売上高・売上総利益

当事業年度における売上高は、タイム収入及びスポット収入の増加により 11,569,138千円(前年同期比 13.3%増加)となりました。また、売上原価は、制作番組等の充実に努めた結果、5,327,572千円(前年同期比 15.1%増加)となり、売上総利益は 6,241,565千円(前年同期比 11.8%増加)となりました。

② 販売費及び一般管理費・営業利益・経常利益・税引前当期純利益

当事業年度における販売費及び一般管理費は、売上高増加に伴う代理店手数料の増加及び番組宣伝のための広告宣伝費の増加等に伴い 4,013,754千円(前年同期比 15.5%増加)となったものの、営業利益は 2,227,811千円(前年同期比 5.6%増加)となりました。

営業外収益は、前期計上した保険解約返戻金が当期発生しなかったことにより 5,098千円(前年同期比 83.1%減少)、営業外費用は、912千円(前年同期比 44.9%減少)となり、この結果、経常利益は 2,231,997千円(前年同期比 4.4%増加)、税引前当期純利益は 2,231,997千円(前年同期比 3.3%増加)となりました。

③ 法人税等・当期純利益

当事業年度における法人税等は 735,212千円、法人税等調整額 △21,245千円を計上した結果、当期純利益は 1,518,031千円(前年同期比 3.9%増加)となりました。

 

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

当社のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。

 

 

平成25年
8月期

平成26年
8月期

平成27年
8月期

平成28年
8月期

平成29年
8月期

自己資本比率

(%)

89.9

91.6

87.6

89.4

89.8

時価ベースの自己資本比率

(%)

124.8

113.4

108.2

126.0

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

(%)

5.5

3.0

1.6

0.6

0.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ

(倍)

373.0

220.7

974.9

1,970.9

1,984.0

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

 

(注)1.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式を除く)により算出しております。

   2.キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」を使用しております。

      3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

      4.利払いにつきましては、キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社は、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、市場環境の変化、業界特有の法的規制、コンプライアンスと内部管理体制、大規模災害、多額の設備投資等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当社は、魅力あるコンテンツの制作及び放送、社内管理体制の確立、内部統制の強化、セキュリティ対策等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応してまいる所存であります。

 

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、迅速かつ最善の経営戦略の立案及び施策の実施に努めております。

また、業界を取り巻く環境の変化、視聴者及び広告主のニーズの多様化等、外部環境が大きく変化する可能性もあることから、幅広い視点で俯瞰した経営戦略の重要性、必要性を認識しております。

そのような認識の下、当社は平成22年4月に社団法人日本民間放送連盟(現 一般社団法人日本民間放送連盟)に入会することで業界における信用力を高め、また平成23年10月から接触率調査(平成25年4月から機械式視聴世帯数調査に移行)に参加し、視聴世帯数を把握・向上させることで、放送時間枠の広告媒体としての価値を年々高めてきております。しかしながら、当社が今後も継続的に成長するためには、放送コンテンツの充実や効果的な広告宣伝の実施等によるクオリティ向上、視聴世帯数の向上、番組制作体制の充実及び収益基盤の多角化によって放送時間枠の付加価値をより高め、収益力を強化することが重要であると考えており、更なる業容の拡大を図ってまいる所存であります。

 





出典: 日本BS放送株式会社、2017-08-31 期 有価証券報告書